1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:04:58.46 ID:S/g6jdYV0
真「雪歩、お疲れ様」
雪歩「お疲れ様、真ちゃん」
真「にしても暑くなってきたよね。汗かいちゃいそうだよ」
雪歩「まだ5月なんだけどね、ちょっと暑いかな」
真「だよね! どっか涼しいとこないかな……」
雪歩「こういう時はアイス食べたいかも」
真「ちょうど目の前にサーティンワンがあるや。暇ならいかない?」
雪歩「うん。行こうか」
真「それじゃあ食べるぞー!」
雪歩「はしゃぎ過ぎだよ、真ちゃん」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:07:51.04 ID:S/g6jdYV0
真「31種類もあると目移りしちゃうなぁ」
雪歩「私は抹茶と……、大納言小豆で」
真「和風で雪歩らしいや。それじゃあボクはシンプルにバニラとチョコレートを。えっと、すみません。抹茶、大納言あずきと、バニラ、チョコで」
真「ヒンヤリして気持ち良い!」
雪歩「うん、美味しそうだね」
真「そうだ、折角だし写真を撮ってブログにでも貼ろうかな」
雪歩「え? でもそれ食べさしじゃない?」
真「あっ、やっぱり汚いかな?」
雪歩「気になるなら、私まだ口にしてないから、これ撮ったらいいよ」
真「じゃあそうしようかな」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:10:33.77 ID:S/g6jdYV0
真「撮るよー。雪歩、笑って笑って!」
雪歩「えっ、私も写るの? ちょっと恥ずかしいかな……」
真「そう? じゃあ僕も一緒に写るよ。すみません、少し写真を撮って欲しいんですけど……。え? あっ、そうです。菊池真ですけど……。サインですか? 良いですよ、何に書いたらいいかな?」
雪歩「私もですか? えっと、これでいいでしょうか?」
真「応援ありがとうございます! あっ、忘れてた。写真お願いしますね」
雪歩「少し溶けちゃったかな……」
真「ハイ、チーズ!!」
雪歩「え? きゃっ!」
真「もう、油断したら駄目だよ? でも可愛いからそのまま載せちゃおーっと」
雪歩「ま、真ちゃぁん……」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:13:28.99 ID:S/g6jdYV0
真「冗談だって。でも嬉しいなぁ。ボクたちまだそこまで有名じゃないのに、ファンの人がいてくれるなんて」
雪歩「応援してくれる人がいると嬉しいね。後は事務所にプロデューサーが入ればいいんだけどね、でも女の人が良いかな……」
真「ボクはどっちでも構わないかな。女の子らしい仕事が出来たら何でもいいや!」
雪歩「無理じゃないかな?」
真「即答!?」
雪歩「うん、真ちゃんの可愛い服は誰も望んでないと思うよ?」
真「結構傷つくな……」
雪歩「ふふっ、冗談だよ。でも似合わないのは本音かな」
真「結局きついこと言ってるよ!!」
真(ボクだって雪歩みたいにかわいい服を着てやるんだ!)
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:15:16.28 ID:S/g6jdYV0
雪歩「お疲れさま、真ちゃん」
真「お疲れ、雪歩」
雪歩「なんかジメジメして嫌だね」
真「6月だからね。そうそう、新しいプロデューサー結構格好いいよね!」
雪歩「私はやっぱり怖いかな……」
真「そう? 悪い人に見えないけどなぁ。眼鏡で草食系! って感じだし。雪歩に危害を加えるっていうなら、ボクが成敗しちゃうよ!」
雪歩「ぼ、暴力はダメだよ?」
真「正当防衛だよ、正当防衛! こうやってさ、蹴りいれたら大抵の男はぶっ倒れちゃうからさ!」
雪歩「だったらもしもの時は守ってくれる?」
真「もちろんだよ! 雪歩はかわいいから、変なのが来そうだし!」
雪歩「可愛い? そんなことないよ。春香ちゃん達の方が可愛いよ。私なんて……」
真「ボクがそう思うの! だからスコップをどこからともなく取り出さないで!! そ、そうだ! 何かアイス買わない? こういうじめったい日はアイスでも食べてシャキッとしよ!!」
雪歩「アイス? じゃあコンビニに入ろ?」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:17:36.27 ID:S/g6jdYV0
真「あっ、この漫画懐かしいなぁ。えーと、帯がついてて立ち読みできないや。いいや、ワンコインだし買っちゃえ!」
雪歩「うーん、どれにしようかな?」
真「ねえ、雪歩のお勧めってある?」
雪歩「真ちゃんの口に合うかわからないけど、MOWはどうかな? 私は好きかな?」
真「それボクも好きだな。じゃあミルクで!」
雪歩「私は抹茶味にしようっと。あっ、袋はいらないです」
真「エコだね」
雪歩「そんな大きくないからね。あっ、でも手で持ってたら溶けちゃうかも……」
真「じゃあさ、そこの公園で食べない? 溶ける前に食べちゃえばいいんだよ」
雪歩「うん、そうしようか」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:21:01.40 ID:S/g6jdYV0
真「そうだ、食べる前に撮っておこうっと」
雪歩「またブログ?」
真「うん。前のアイスの写真が評判よかったからね。折角だから撮っておこうかなって」
雪歩「じゃあ私のも並べてあげる!」
真「なんか遠まわしに宣伝してるみたいだけど、まあいいか。えいっ!」
雪歩「きゃっ! もう、真ちゃん!」
真「ごめんごめん! アイスだけってのも味気ないかなって思って」
雪歩「せめて撮るって言ってよ……」
真「それじゃあドッキリにならないじゃん」
雪歩「も、もう!」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:23:29.07 ID:S/g6jdYV0
真「このわざとらしいミルク味!」
雪歩「このお値段でこのコクはお得だよね」
真「牧場で買ったアイスを食べているみたいだね」
雪歩「牧場かぁ。昔行ったぐらいかな?」
真「仕事で行けるかもね」
雪歩「うん。宣材も撮り直したし、新しく仕事が入ればいいな」
真「そうだね。もうすぐ夏祭りとかもあるし、お祭りのお仕事とか来るんじゃないかな?」
雪歩「でもお祭りって男の人が多そうで怖いかな……」
真(雪歩とお祭りかぁ。浴衣姿すっごく似合うんだろうなぁ)
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:26:37.15 ID:S/g6jdYV0
真「お疲れ様、雪歩」
雪歩「お疲れ様、真ちゃん」
真「雪歩さ、すごく輝いてたよね」
雪歩「そ、そうかな……」
真「うん。だってさ、大勢の男の人と犬の前であれだけはっちゃけれたんだよ?」
雪歩「はっちゃけたって恥ずかしいかな?」
真「いいや、あれは振り切れたって顔してたよ。プロデューサーも犬が苦手なんでしょ? 女の子のために身を犠牲にする、いいなぁ。ボクも憧れちゃうな」
雪歩「真ちゃんも誰か助けたいの?」
真「違うよ! 僕だって守られたいって事!」
雪歩「ふふ、冗談だよ」
真「も、もう!」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:30:11.74 ID:S/g6jdYV0
雪歩「ねえ、まだ帰るまで時間あるし、何か食べる?」
真「そうだなぁ。あっ、カキ氷売ってる! えっとメロン味で!」
雪歩「抹茶ミルクをください」
真「キーンって来た!」
雪歩「真ちゃんがっつきすぎだよ?」
真「いやいや、これがカキ氷の醍醐味なんだって! 一気に食べてキーンとくる! 雪歩もやってみなよ!」
雪歩「私は遠慮しとこうかな?」
真「そう? 楽しいんだけどなぁ」
雪歩「それアイスクリーム症候群って言うんだって。テレビでやってたよ?」
真「なんか病気みたいな名前だね……」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:33:33.25 ID:S/g6jdYV0
P「おーい、そろそろ出るぞー」
真「あっ、はーい!」
雪歩「まだ食べ終わってません~!」
P「大丈夫か? 一気に食べたらキーンと来るぞ?」
雪歩「ごめんなさい……」
P「いや、怒ってないけどな。って無茶食いしたら」
雪歩「き、来ちゃいましたぁ」
真「大丈夫!? 雪歩」
P「まあ、もう少しゆっくりしてくか」
雪歩「頭が痛いですぅ」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:37:36.56 ID:S/g6jdYV0
真「えいっ」
雪歩「うぅ……、真ちゃん撮らないで……」
真「ゴメン、ついつい可愛くて撮っちゃった」
雪歩「も、もう……」
P「まぁ、程々にな……。本当に大丈夫か?」
雪歩「止めてください……、うぅ……」
真「もう一回! 菊地フラッシュ!!」
雪歩「ぷ、プロデューサーぁ」
P「後でその写真、俺にもくれないか?」
真「良いですよー」
雪歩「味方がいません!」
P「ははは、冗談だよ冗談」
真(小動物みたいで可愛いなぁ。撮っちゃえ!)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:41:15.99 ID:S/g6jdYV0
旅館にて
真「ふぅ、いい湯だったなぁ。あっ、プロデューサー! 何買ってるんですか?」
P「これか? ダブルソーダって言うんだが、真たちの歳じゃ知らないのかな?」
雪歩「アイスがが2つ付いてますね」
P「ダブルだしな。1つで2つというお得仕様さ。これで60円と言う脅威のお値段なんだ。何なら食うか? 2人で分ければちょうどいいぞ?」
真「良いんですか?」
P「ああ、100円もしないからな。にしても懐かしいなぁ」
雪歩「プロデューサーは食べてたんですか?」
P「ああ、子供のころ駄菓子屋によく寄ってたよ。今日みたいにどうしようもなく暑い日はさ、みんなでお金を持ち寄ってアイスを買うんだ。39円でも子供からしたらそれなりに大きいからな」
真「へ~、プロデューサーの子供のころの話って気になるな」
P「面白くもなんともないぞ? 普通の子供だったし。ほい、綺麗に割れよ? 昔はそれで大ゲンカすることだって有ったんだからさ」
真「アイスで?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:44:17.16 ID:S/g6jdYV0
P「アイスだからだよ。もし割るのに失敗して、こっちが多く取り過ぎたりしてみろ。1週間は絶交を食らうぞ」
真「大袈裟だなぁ」
P「そんなもんだよ。でさ、いつまでも意地張ってらんないから、いつの間にか二人とも折れて、また元に戻るんだ。そんなのの繰り返しだよ」
雪歩「仲が良いんですね」
P「そうかな。そいつらとは地元に戻れば今でも遊ぶな。思い出の駄菓子屋は最近潰れちゃったみたいで、ちょっと寂しいけどな」
雪歩「えいっ! 綺麗に割れましたぁ」
真「良いね! 折角だからプロデューサー、撮ってくださいよ!」
P「おう、任せとけ!」
P「んじゃ撮るぞ~。はい、」
ゆきまこ『チーズ!』
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:47:43.83 ID:S/g6jdYV0
P「なかなか良いのが撮れたんじゃないか? 二人の距離も近くて、見てくれる人も2人が仲が良いってことを分かってくれるよ」
真「そうですか? なんか照れますね……」
雪歩「えへへ」
真「そうだ、雪歩そこに立ってて。プロデューサー、カメラ返してください」
P「何をする気だ?」
真「良いから良いから。えいっ!」
P「のわっとと!」
雪歩「プロデューサー!」
P「急になんだ!?」
真「はい、チーズ!」
P「へ?」
雪歩「え?」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:51:32.04 ID:S/g6jdYV0
真「やりぃ! 撮っちゃった」
P「撮ったって、俺を?」
真「プロデューサーと雪歩ですよ。ほらっ、二人とも面白い顔してる! これもブログに載せちゃおっと!」
雪歩「え、えーと……」
P「真ー!!」
真「わっ! 結構マジで怒ってます!?」
P「俺が写っても仕方ないだろ! 下手すりゃ雪歩のファンに殺されるわ!」
真「そこまで迷惑なファンはいないと思いますよ?」
P「だからってなぁ」
雪歩「えーと、真ちゃん」
P「うんうん、雪歩も言ってやってくれ!」
雪歩「さっきのはちょっと嫌かな? 不意打ちじゃなくて、普通に写るから」
P「ほへ?」
真「え? 雪歩怖くないの?」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 14:56:04.81 ID:S/g6jdYV0
雪歩「怖くないって言ったら嘘になるけど……」
P「俺、怖いのかな……」
真「ドンマイです」
雪歩「で、でも……。プロデューサーはほかの人と少し違うし、いつまでも苦手なままじゃだめだと思うから……、えいっ」
P「わっ! って近すぎじゃないか!?」
雪歩「真ちゃん、これで撮って!」
真「これでって……、そんな今にも泣きだしそうな顔で腕組みしてる写真を撮るのも気が引けるよ」
雪歩「え、笑顔になるまでお願い!」
真「ええ!? 残り枚数少ないのに……。まぁいらない写真削除するなりすればいいか。それじゃ、撮りますよー」
真「1+1は?」
ゆきP『にー!』
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:00:24.01 ID:S/g6jdYV0
雪歩「ど、どうかな?」
真「目を瞑ってて分からないや」
雪歩「じゃあもう一回!」
P「ゆ、雪歩?別に無理しなくても……」
雪歩「私は大丈夫です!」
P「いや、そうかもしんないけど俺の方もイロイロと……」
雪歩「?」
P「い、いや! 何でもないぞ! 気にしないでくれ!」
真「プロデューサー! こっち向いてください!」
P「分かった分かった! げっ、アイス溶けてきたぞ……」
真「早くしましょう!」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:04:59.21 ID:S/g6jdYV0
真「あーあ、気づいたら溶けちゃってたね。うへぇ、ベタベタだ」
雪歩「写真撮影に夢中だったもんね」
P「まあ一つの教訓だな。アイスは溶けてしまう、その前に食べなきゃなんない。チャンスはいつまでも有るわけじゃないってことかな」
雪歩「ふかいですぅ」
P「深いのか不快なのかは分からないが、溶けちゃったんなら仕方ない。もう一本買ってやるか」
真「なんかすみません」
P「さっきも言ったけど、1つ賢くなったんだ。教科書代みたいに思えば安くないだろ?」
雪歩「そういうものでしょうか?」
P「運命は待ってくれない、ずっとあると思ってたものも、いつかは消えてしまうんだよ」
真「いつかは消えるか……」
真(もしかしたら、ボクと雪歩もいつかは別々になっちゃうのかな? この二つ一組のアイスクリームみたいに)
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:09:50.51 ID:S/g6jdYV0
真「おはようございまーす!」
小鳥「あら、真ちゃん。レッスン終わった?」
真「あっ、はい。雪歩いますか?」
小鳥「雪歩ちゃんは……、プロデューサーさんと営業に出てるわね」
真「そうですか……」
小鳥「雪歩ちゃんいなくて淋しい?」
真「少しだけ。売れてきてるってのは分かるんだけど、それでみんなと会えないってのは淋しいですね」
小鳥「真ちゃんと雪歩ちゃんはいつも一緒にいたものね。色々お世話になったわ」
真「お世話になった?」
小鳥「な、何でもないですよー!!」
真「変な小鳥さん。って小鳥さんが変なのは前からか」
小鳥「うっ、さらっと酷いこと言うわね……」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:15:59.80 ID:S/g6jdYV0
真(大きなライブを経て、ボク達を取り囲む環境は大きく変わってきた。あんなに真っ白だったホワイトボードも、黒で埋められている)
真(それは嬉しいことだけど、みんなと会う時間が減ったのはやっぱり淋しいかな。みんなどうしてるんだろ。全員集まるのって生っすかの時か定例ライブの時ぐらいだしな。)
携帯『まっこまっこりーん! まっこまっこりーん!』
真「はい、菊地真です!」
雪歩『あっ、真ちゃん? 私です、萩原雪歩です』
真「雪歩から電話って珍しいね。どうしたの?」
雪歩『う、うん……。真ちゃん、今日空いてるかな? あっ、無理ならいいの。忙しいと思うし』
真「大丈夫だよ」
雪歩「本当?」
真「うん、今日は久しぶりのオフだし」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:19:08.29 ID:S/g6jdYV0
雪歩「じゃ、じゃあ真ちゃん」
真「ん? 何?」
雪歩「少し相談したいことがあるの」
真「相談? ボクに?」
雪歩「うん、真ちゃんだけにしか出来ないの。……ダメかな?」
真「ダメなわけないじゃん! ボクと雪歩の中じゃん、何でも相談しなよ!」
雪歩「ありがとう。じゃあ喫茶店で」
真「了解!」
真「雪歩と出かけるのって久しぶりだな。カメラ持ってこーっと。忙しくてブログも更新出来てないし、そろそろ書かなきゃ」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:22:24.20 ID:S/g6jdYV0
真(何でだろ、事務所で顔を合わせるのに、少し緊張してきちゃった。久しぶりに2人っきりだからかな?)
雪歩「ゴメン真ちゃん! 待った?」
真「いや、さっき来たばっかだよ!」
真(といいつつ、既にドリンクバーで3周してたり)
雪歩「ゴメンね。ちょっと道端に大型犬がいて……」
真「あはは、雪歩らしいよ、それ」
雪歩「小さい犬は大丈夫なんだけどな……。シェパードはまだ怖いかな」
真「雪歩も頼みなよ」
雪歩「じゃあ私は和風アイスを……」
真「アイスかぁ。冷えて来たから最近食べてないや」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:27:08.20 ID:S/g6jdYV0
雪歩「アイスクリームって冬の方が好きかな。こたつに入って食べるとすごくおいしいし」
真「それ分かるよ。下はぬくぬくして、上はひんやり。うん、気持ちいいよね」
雪歩「真ちゃんもそうなんだ」
真「うん。そうそう、ボクに相談ってなにかな?」
雪歩「あっ、そうだね。それを話すために来てもらったもんね」
店員「和風アイスお持ちしましたー」
真「と、その前に……。いつものカメラで」
雪歩「まだ撮ってたんだ」
真「うん、最近は少しサボり気味だけどね」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:32:12.40 ID:S/g6jdYV0
真「んじゃ撮るね」
雪歩「真ちゃんは写らないの?」
真「偶には雪歩のソロでも撮ろうかなって。いや?」
雪歩「大丈夫だよ」
真「前は嫌って言ってたのに、雪歩強くなった?」
雪歩「そ、そんなことないよ! 真ちゃんの方が強いよ」
真「物理的な強さじゃなくて、精神的な強さの話だよ? はい、笑って笑って! はい、」
雪歩「チーズ!」
真「うん、いい写真が撮れたかな。これはブログに載せよーっと」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:38:47.88 ID:S/g6jdYV0
真「っと相談を忘れるとこだったね」
雪歩「うん……」
真「さぁ、このボクに何でも相談しちゃって!」
雪歩「真ちゃん、軽蔑しないでね?」
真「軽蔑? するわけないでしょ。人の悩みを馬鹿にするほど嫌な性格してないよ」
雪歩「だよね。うん、真ちゃんなら大丈夫だよね」
真「大丈夫だって。何がか分からないけど」
雪歩「じゃあ、言うね?」
真「うん、なんでも来い!」
雪歩「うん、実は……」
雪歩「好きな人が出来たの」
真「え?」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:45:16.34 ID:S/g6jdYV0
真「好きな人?」
雪歩「う、うん……。はっきりとは分からないけど、多分これが恋なのかな……」
真「あ、相手って……。プロデューサー?」
雪歩「うん、なんでわかったの?」
真「あー、身近な男性ってプロデューサーか社長だしね。まさか他の男性アイドルってことはないだろうし、残ってるのはプロデューサーかなって」
雪歩「もしかして、顔に出てたのかな……」
真「ボクは……、初耳だけどな……」
雪歩「ゴメンね。隠すわけじゃなかったの」
真「仕方ないよ。最近忙しくて、ボク達なかなか一緒になれなかったし」
雪歩「そうだね……」
真「うん、そうだよ」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:49:25.30 ID:S/g6jdYV0
雪歩「やっぱり変かな? アイドルが、プロデューサーを好きになって……」
真「悪いと思わないよ、ボクは。春香も美希もプロデューサーに惚れてるしね」
雪歩「やっぱりあの2人の方がいいよね……。私なんかひんそーでちんちくりんだし……」
?「クッ」
真「……そんなことないよ。雪歩だって魅力的だよ?」
雪歩「そうかな?」
真「だからさ、もっと自分に自信持ちなよ。自身がないなら、ボクが保証するからさ」
雪歩「真ちゃん……」
真「ボクは応援するよ? 雪歩の恋を」
雪歩「ありがとう、真ちゃん」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 15:56:34.30 ID:S/g6jdYV0
雪歩「あっ、私次の仕事に行かなきゃ……。誘っておいてごめんね?」
真「気にしないでよ。ほら、行かなきゃ遅れちゃうよ? 会計はボクがしておいてあげるからさ」
雪歩「ありがとう。またお金は返すね。ばいばい、真ちゃん」
真「行ってらっしゃい」
真「行ったか……」
真「はぁ、なんでだろ。何でちょっと胸がチクチクするのかな……」
真(何の気なしに写真を見る。手の届きそうな距離にいるはずなのに、ファインダー越しの雪歩の姿が、ずっとずっと遠くに見えた――)
真「すみません、和風アイス頼んでいいですか?」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:03:11.81 ID:S/g6jdYV0
真(それからというもの、時間を見つけては雪歩の恋愛相談に乗っていた)
雪歩「うーん、どうしようかな……」
真「どうしたの、雪歩。またプロデューサーのこと考えてるの?」
雪歩「真ちゃん? うん、プロデューサーの誕生日って来月なんだって」
真「そうなんだ。初めて聞いたかも」
雪歩「だから何かプレゼントできないかなって」
真「1か月前からって早くない?」
雪歩「私鈍くさいから、簡単なものも時間かかっちゃいそうだし……」
真「来月かぁ。雪歩はクリスマスだもんね」
雪歩「うん、でもみんなクリスマスをお祝いして、私のお祝いなんかしないよ……」
真「ボクが祝うよ! それに、みんな祝ってくれるって!!」
雪歩「そうかな?」
真「1年に1回なんだから、祝われないわけないよ」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:06:39.82 ID:bDnSw9mh0
真(そんななか、ボクとプロデューサーが2人になる機会があった)
P「はぁ、あんまり無茶するなよ?」
真「大丈夫ですか、プロデューサー」
P「ああ、気にするほどでもないぞ。いてて……」
真「もう、あんな奴らボク一人で倒せたのに」
P「真は女の子なんだから、そんなことさせるわけにいかないだろ?」
真「も、もう!!」
真(なんとなく、雪歩が彼を好きになった理由が良く分かった気がする。この人は、いつもボクらを見ていて、ボクらのために必死になれる人だから)
真「ねえ、プロデューサー」
P「なんだ、真?」
真「好きな人います?」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:12:16.77 ID:S/g6jdYV0
P「真?」
真「あっ、今の忘れてください! 鍬な人、つまり農家な人がいますかって聞いたんであって……」
P「それはさすがに苦しいぞ」
真「う、うう……」
P「まぁ誰にも言わないって言うなら、答えてやってもいいけど」
真「え? いるんですか?」
P「ああ、叶いっこないけどな」
真(それってどういうことだろう……)
P「担当アイドルを好きになるって、プロデューサー失格だろ……」ボソッ
真「プロデューサー?」
P「な、何でもないぞ! さぁ、もうすぐ閉園だ! 最後にどれに乗りたい?」
真「ま、待ってくださいよ!!」
真(今プロデューサー、担当アイドルって……)
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:20:01.11 ID:2ITrWW8b0
真「はぁ、結局好きな人聞き出せなかったや」
真「今日の写真をアップして……。プリクラを張ったら炎上しそうだから、これはどけといて……」
真「そう言えば、このカメラで雪歩とアイスばっかり撮ってたっけ」
真「あっ、サーティンワンだ。懐かしいなぁ。これはMOWかな、確かこの辺でプロデューサーがやって来て……」
真「かき氷かぁ。アイスクリーム症候群だっけ? 頭がキーンってなるやつ。ははっ、雪歩も痛がってる」
真「これはダブルソーダかな。結局溶けるまで、プロデューサーと雪歩の写真撮ってたっけ?」
真「ははっ、アイスはいつか溶けちゃう、か」
真「本当に、雪歩が遠くなっちゃったや」
真「何でかな……、何でこんな嫌な気持ちになるんだろ……」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:24:42.78 ID:S/g6jdYV0
雪歩「真ちゃん、真ちゃん?」
真「あっ、ゴメン雪歩。なんだっけ?」
雪歩「真ちゃん大丈夫? なんか顔色悪いよ?」
真「気のせいだよ、気のせい!」
雪歩「本当かなぁ? で、プロデューサーにあげるプレゼントだけど、手袋が良いかなって」
真「手袋? いいんじゃない? 寒くなるし、手作りなら気持ちもこもっていいと思うよ?」
雪歩「うん、そうするよ。喜んでくれるかな? あっ、でも重い女って思われないかな……」
真「大丈夫だよ、うん。雪歩からのプレゼントを喜ばない人はいないよ!」
雪歩「そうかな?」
真「うん、そうだよ!」
真(もう、溶け始めちゃったんだね……)
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:31:59.46 ID:S/g6jdYV0
真「あっ、今日はプロデューサーの誕生日か。何も用意してなかったや。今から作るのもあれだから、何か買っていこっと」
携帯『まっこまっこりーん! まっこまっこりーん!!』
真「あっ、雪歩からメールだ。何々……、真ちゃん、今まで話を聞いてくれてありがとう。私は今日、プロデューサーに思いを伝えます……」
真「そっか。そうだよね――」
真「頑張れ、っと。送信!」
真「頑張れ、雪歩」
真「……ははっ、上手く行ったら淋しくなっちゃうな」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:39:47.66 ID:S/g6jdYV0
真(雪歩といたら、ボクの世界は煌めいていたと思う。でも雪歩は、プロデューサーに恋をした)
真(この気持ちが恋なのか、親友に彼氏が出来る寂しさなのか、ボクには分からない)
真(もしボクが男の子なら、きっと雪歩を好きになってたんだろうな。まっ、あり得ない話だけど)
真「ん? メールだ。雪歩から」
真「へへっ、良かったじゃん、雪歩」
真「ホント、幸せになってね……」
真「すぅ……」
真「おめでとおおおおおおおお!」
子供「あの男の人何叫んでるの?」
親「しっ! 放っておきなさい!」
真(アイスクリーム、か。我ながら寒いギャグ)
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:47:18.17 ID:bDnSw9mh0
数年後――
真「雪歩、綺麗だったなぁ。私もいつかあんなドレスを着たいよ」
美希「真君はタキシードの方がいいよ? ハ、プロデューサーもかっこよかったな。隣にいるのが私じゃないのが少し残念かな」
真「はぁ、私もあんな結婚式したいな」
美希「私もなの。真君、結婚しちゃう?」
真「それは無理だよ!!」
美希「真君ならオーケーだけどな。じゃあ私はここで、またね、真君」
真「じゃあね、美希」
真「いつまで真君なんだろうなぁ。自分のことボクじゃなくて私って呼んでから結構経つのに」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:51:20.31 ID:2ITrWW8b0
真「あっ、駄菓子屋だ」
お婆さん「いらっしゃい、色々あるよ?」
真「駄菓子屋に入るのって何年振りかな。あっ、これ……」
お婆さん「ダブルソーダかい?」
真「はい、凄く懐かしく思って。いくらですか?」
お婆さん「60円だよ」
真「じゃあこれで」
お婆さん「毎度ありぃ」
真「ふぅ、二つ一組、か……。両方食べちゃえ」
真「キーンってきた……」
お終い
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/11(金) 16:53:07.85 ID:2ITrWW8b0
これにて終わりです。スキマスイッチの同タイトルの曲に沿った構成を目指したけど、いまいちしきれなかった感がありますね。
支援くださった方、読んでくださった方、本当にありがとうございました。