1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:35:40.26 ID:S4LO2OVS0
P(この季節になっても外回りとなると残暑がきついなあ)
「きゃああああああああああああああああ」
P「!?」
P「この声は……事務所からだな」
P「おい、今の悲鳴は!?」ガチャ
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:37:11.62 ID:S4LO2OVS0
春香「プ、プロデューサー……え? あれ、プロデューサーさん!?」
P「春香、なにがあったんだ?」
春香「ななななんでプロデューサーさんがここに?」
P「なんでって……今ちょうど外回りから帰ってきたところだ」
春香「外回り? じゃあ、そこで全裸で倒れてるプロデューサーさんらしきものは……」
P「ん?」チラッ
Pらしきもの「」
春香「私、お仕事から帰ってきたら、プロデューサーさんが倒れてて」
春香「頭真っ白になっちゃって……」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:40:15.59 ID:S4LO2OVS0
P「ぷっ、あははははははははは」ケラケラ
春香「な、どうして笑うんですか! 私ものすごく焦ったんですよ!」
P「おいおい、俺はちゃんとここにいるだろ?」
春香「そ、そうですけど」
P「それに全裸で死ぬなんて無様なことはさすがに俺でもしないぞ」
春香「うう///」
P「まあ、無理もないか。これは俺の抜け殻だしな」
春香「そうだったんですか!」
P「ああ。まったく、春香は早とちりだな」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:42:30.59 ID:S4LO2OVS0
春香「えへへー……って」
春香「え?」
P「ん?」
春香「抜け殻……ですか?」
P「おう、外回り行く前にちょうど、『なんか脱皮したいなー』って思ったからさ」
P「手早く脱皮してから事務所を出たんだ」
P「よく考えてみれば、片づけるの忘れてたかもなー……驚かせて悪かった」
春香「いえ、それはもうどうでもいいんですけど」
P「うん?」
春香「え? プロデューサーさんって脱皮するんですか?」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:46:21.70 ID:S4LO2OVS0
P「そ、そうだけど、なんかおかしいか?」
春香「おかしいに決まってるじゃないですか!」
P「でも見てみろよ、俺の肌つるっつるだろ?」
春香「肌の美しさを免罪符みたいに言わないで下さい!」
P「ええー……でも、これしないと肌カサカサになるんだよ」
P「それにほら、抜け殻を欲しがる奴もいるしさ」
P「美希なんて、この抜け殻に綿を詰めて抱き枕にしてるって言ってたぞ」ハハハ
春香「……」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:50:56.12 ID:S4LO2OVS0
P「どうかしたか春香?」
春香「ええと、少し落ち着く時間もらえますか?」
P「おう、いいぞ」
春香「プロデューサー……でも男の人なら……下のほうに皮が……」ブツブツ
P(何故かはわからないが、春香を困惑させてしまったみたいだな)
P(美希や貴音はすんなり受け入れてくれたんだがなあ)
P(貴音なんて、『ぷろでゅうさあの抜け殻収集家』になってるくらいだし)
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:54:49.46 ID:S4LO2OVS0
ピキーン
P「……うぐっ!」
春香「」ビクッ
春香「ぷ、プロデューサーさん?」
P「」プルプルプルプル
春香「どうしたんですか、小刻みに震えてますけど?」
P「」ポロポロ
春香「え? あれ? ちょっ、ちょっとプロデューサーさん!?」
P「春香ぁ……雪歩、雪歩はいるか?」グスッ
春香「へ? 今は多分レッスンの最中だと思いますけど」
P「悪いけど、至急呼んできてくれ……頼む」ポロポロ
春香「は、はい!」タッタッタッ
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 00:59:23.47 ID:S4LO2OVS0
~数分後~
春香「連れてきました!」
雪歩「急ぎの用事ってなんですか?」
P「雪歩……来てくれたか」
P「悪いけど、穴、掘ってくれないか」ポロポロ
雪歩「あ、穴ですかぁ?」
P「そうだ、いつもやってるみたいに」
P「そこまで深くなくていい。浅めで頼む」プルプル
雪歩「……? よくわからないけど、わかりましたぁ」ザックザック
春香(当然のように事務所に穴掘ってるけど……緊急事態だしいいよね?)
P「ぐぅぅ、まだだ、まだ出てきちゃだめだ」ポロポロ
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:05:12.93 ID:S4LO2OVS0
―― ―― ――
雪歩「出来ましたよ、プロデューサー」
P「悪い、ありがとうな」
雪歩「いえ……」
P「二人とも、下がっててくれ」カチャカチャ
春香「ちょ、ちょっとプロデューサーさん! なにしてるんですか!」
雪歩「はう///」
P「こうしないと、産めないだろ」
春香「は?」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:09:33.11 ID:S4LO2OVS0
P「よし」
P「うぐぐぐぐぐぐぐぐ」メリメリメリ
P「ふううううううううううううううううううう」
P「うおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああ」
P「あおんっっ!!」ポーン
P「ふうっ、なかなかの難産だった」
P「二人とも、どうだ、立派な卵だろ? 産みたてだぞ」
つ○
春香「」
雪歩「」パタリ
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:14:26.71 ID:S4LO2OVS0
P「あとは雪歩の作った穴にこれを埋めて……っと」
P「よし。元気に生まれてくるんだぞ!」ポンポン
P「雪歩、ありがとな! これで元気に俺の子供が生まれてこられるよ!」
P「って、雪歩!? おい、どうした!」
雪歩「」
春香(もう無理です)
春香(ついていけません)
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:18:44.58 ID:S4LO2OVS0
―― ―― ――
雪歩「うーん……んん……」
P「雪歩がいきなり倒れるなんて……」
春香「……」
P「だいぶうなされているし、日ごろの疲れが溜まってたのかもな」
P「くそっ、なんで俺は気づいてやれなかったんだ!」ドン
春香「……プロデューサーさん」
P「春香も、体調が悪いなら休んだほうがいいぞ」
春香「いえ、少し聞きたいことがあるんです」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:23:38.49 ID:S4LO2OVS0
P「俺にか?」
春香「はい]
P「……言ってみろ」
春香「プロデューサーさんは何者なんですか?」
春香「はっきり言って、産卵なんて哺乳類ができる所業じゃないですよね」
P「カモノハシは卵産むぞ?」
春香「……」
P「……」
春香「……」
P「すみません……」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:28:27.41 ID:S4LO2OVS0
春香「もう一度聞きます」
春香「プロデューサーさんって、人間じゃないんですか?」
P「……」
春香「……」
P「な、7:3くらいの割合で、人間じゃないかなーって」
春香「えぇ!? 30%も人間じゃないんですか!?」
P「いやいや、逆、逆」
春香「そっち!? 7割のほうですか!!?」
P「えへへ、ウミガメ成分とかいろいろ、入ってます」
春香「うえぇぇぇぇぇぇ!?」
P「あはっ☆」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:33:24.28 ID:S4LO2OVS0
春香「あー……だから卵産むとき涙流してたんですね、なんか変に納得しちゃいました」
P「実はあれ、塩分なんだけどな。体内中の無駄な塩分を目から流してるから涙に見えるだけで」
春香「へえ……」
春香(どうでもいい)
春香「じゃあ、失礼なこと聞きますけど、プロデューサーさんの両親は……」
P「? 立派に人間やってるぞ」
春香「そうですか」ホッ
春香「じゃあなんでプロデューサーさんはそんな体に?」
P「……」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:40:21.51 ID:S4LO2OVS0
P「思い出してみると、俺もバカなことをやったもんだよ」
春香「?」
P「まあ、俺もガキだったからな、憧れたんだよ」
春香「憧れた?」
P「仮面ライダーに、さ」
P「ほら、仮面ライダーってバッタの能力持ってたじゃん?」
P「それで、俺もなにか別の動物の能力が欲しいなあーなんて、思ってさ」ハハハ
春香「それで改造手術しちゃったんですか?」
P「うん……」
春香(うわあ)
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:46:24.16 ID:S4LO2OVS0
P「だって、『親子割引中! 30%OFF』とか言われたら、やっちゃうじゃん? 親父も誘っちゃうじゃん?」
春香(同意求められてもなあ)
P「まあ、親父のほうはナマケモノだったから、ぷー太郎になるくらいで済んだけどさ」
P「俺の方は大体がウミガメなもんで、海水中のほうが居心地良かったり」
P「さっきみたいに定期的に卵をうみたくなるときがあったりと不便だけど」
P「俺は強く生きてます!」
春香「なに言ってんですか」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:51:43.78 ID:S4LO2OVS0
P「はは、まあまあ」ナデナデ
春香「ふぁ……痛っ! 痛い痛い! プロデューサーさん、爪が!」
P「おっと、すまん。ついつい爪が出てたみたいだ」
春香「な、なんですかこの爪! まるで猫みたいに長くて……え?」
P「ウミガメと一緒に猫も移植してもらったんだぞ」ニッコリ
春香「」
P「まあこんにゃ俺だけど、これからもよろしくにゃ、春香」
春香「……もう、もう、もう」
P「お、春香は牛か?」
春香「もういやあああああああああああああああああああああ」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:54:20.94 ID:S4LO2OVS0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
春香「ハッ!」ムクリ
春香「あれ、事務所……雪歩は……?」キョロキョロ
春香(そういえば、レッスンで疲れてソファで寝ちゃってたんだっけ)
春香「ということは……」
春香「ゆ、夢かあぁぁぁぁ~~~」
春香(ま、そりゃそうだよね)
春香「それにしても、なんて夢を見てるんだろ」
春香「プロデューサーさんがウミガメ+猫+人間の人外だなんて……」
春香「ある~わけ~ないのに~♪」
春香「ふふっ」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/21(金) 01:57:48.03 ID:S4LO2OVS0
春香「あ、でも、ウミガメ+猫+人間を略したらウミネコ人間かー……」
春香「翼を生やせるとかだったら、可愛いかも」
P「よく気が付いたな春香!」ヒョコッ
春香「うええっ?!」
P「なにを隠そう、俺はウミネコ人間だったのだ! ふはははははは」バサッバサッ
春香「あは、あははははは」
春香「あはははははははははははは」
春香「」パタリ
終わり