1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:00:23.84 ID:hdqvy2Ow0
亜美「真美ー早くしないと遅刻しちゃうよ→」
真美「ごめん亜美、まだ時間かかりそうだから先行ってて」
亜美「わかったー、んじゃもし間に合わなかったらなんか言い訳しとくから」
真美「うん、お願いね」
亜美「んじゃ亜美は先行くよ→」
真美(うあうあ~初日から寝坊とか最悪っしょ→……しかも準備もしないで寝るなんて真美のばかばか→)
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:03:24.57 ID:hdqvy2Ow0
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
真美「はあ……はあ……」タッタッタ
このままじゃ遅刻確定だよ……こうなったら亜美がうまくごまかしてくれることに賭けるしかないか……
ドンッ!
??「うわっ!?」
真美「痛っ」
??「ごめん、怪我ない?」スッ
真美「あ、うん……」
??「よかった……」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:06:32.47 ID:hdqvy2Ow0
真美「んじゃ真美は急いでるからこれで」
??「ああ、ちょっと待って」
真美「何?」
??「この近くに765プロってところがあるらしいんだけどどこにあるか知ってるかな?」
真美「え?もしかして君も765プロに行くつもりだったの?」
??「うん、それとボクの名前は菊地真だよ」
真美「そっか→真美は双海真美だよん」
真「そうなんだ、よろしくね真美ちゃん」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:09:26.78 ID:hdqvy2Ow0
真美「えっと……ちゃんはつけなくていいよ」
真「そう?それじゃよろしくね、真美」
真美「うん、よろしくねまこちん!」
真「まこちん?」
真美「うん、真だからまこちんだよ!」
真「あはは、そっか……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:12:26.54 ID:hdqvy2Ow0
真美「ってこんなことしてる場合じゃなかったよ→早くしないと遅刻しちゃう!」
真「あれ、まだそんな急ぐ時間でもないと思うけど……」
真美「……え?」
真「たしか今日は顔合わせだけだから10時までに来てくれればいいって……」
真美「10時?9時じゃなくて?」
真「うん」
真美「なんだー……そうだったんだ」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:15:29.67 ID:hdqvy2Ow0
真「もしかして勘違いしてたの?」
真美「お恥ずかしながら……」
真「ふふっ……」
真美「むうー……何が可笑しいの?」
真「いや、実はボクもついさっきまで9時だと思ってたんだよ」
真美「えっそうなの?」
真「うん、さっき手帳落とした時にもう1度確認してみたら10時だったらしくてさ」
真美「そっか……んじゃ一緒に歩いて行かない?場所なら一応わかるし」
真「そうだね、それじゃ一緒に行こうか」
こんなに急いでたのに時間間違うなんて……でもそのおかげでまこちんと会えたしいっか……
まこちんと歩きながら事務所に向かう途中、色々なことを話した。
まこちんも真美と同じで今日から765プロのアイドルになるってこと。
真美には双子の妹の亜美がいるってこと。
他にも色々、いっぱい話しながら事務所に向かった。
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:18:28.64 ID:hdqvy2Ow0
事務所
亜美「真美、遅かったじゃん」
真美「ごめん亜美、時間間違ってたみたいだね」
亜美「うん、でもそのおかげで事務所の皆と色々話せたから別にいいけどね→」
真美「そっか、でも真美もまこちんと色々話したもんね→」
亜美「まこちんって真美の隣にいる男の子?」
真美「ちょっと亜美、まこちんは女の子だよ?」
亜美「そうだったんだ……ごめんね」
真「あはは、いいよ別に……間違われるのなんて慣れてるし」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:21:31.55 ID:hdqvy2Ow0
亜美「そいえば真美はまこちんのこと間違わなかったの?」
真美「うん、だってどうみても女の子っしょ?」
真「ありがとう、真美……ボク、今まで初対面の人で男に間違われなかったのは初めてだったんだ」
真美「えっそなの?こんな可愛いのに……」
真「真美……」グスッ
真美「ちょ、ちょっとまこちんどったの!?」
真「いや、嬉しくてさ……ボク、今まで可愛いなんて言われたことなくて……」
真美「まこちん……」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:24:29.75 ID:hdqvy2Ow0
律子「そこにいる3人が今日から事務所に入る子であってるわよね?」
亜美「うん、そだよ→りっちゃん」
律子「……りっちゃん?」
亜美「律子だからりっちゃんだよ!」
律子「はあ……まあいいわ、とりあえず今日は顔合わせだからこっちにきてちょうだい」
亜美「はーい」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:27:31.50 ID:hdqvy2Ow0
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
律子「それじゃ3人とも、自己紹介して貰えるかしら」
亜美「やっほ→双海亜美だよん!好きな食べ物は焼き鳥、タレ派だよ!」
真美「双海真美だよ→趣味はメールとゲームだよん、よろしくね!」
真「菊地真です、可愛い女の子になりたくてアイドルになりました、これからよろしくお願いします!」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:30:38.84 ID:hdqvy2Ow0
律子「私は秋月律子よ、よろしくね……それじゃうちのアイドルにも順番に自己紹介して貰うわね」
春香「天海春香です!これから一緒に頑張って行こうね!」
千早「如月千早です、よろしくお願いします」
あずさ「三浦あずさと申します~3人ともこれからよろしくね」
雪歩「は、萩原雪歩ですぅ……えっと、お茶が大好きです!」
律子「それじゃ皆、うちはまだまだ弱小で有名じゃないけど力を合わせて頑張っていきましょうね」
「「はい!」」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:33:33.38 ID:hdqvy2Ow0
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
亜美「それでね→……」
春香「あはは、そうなんだ」
雪歩「亜美ちゃんのお話、すごく面白いね」
あずさ「そうね~」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:36:34.98 ID:hdqvy2Ow0
真「……ねえ、真美」
真美「何ー?」
真「さっきさ、ちょっと緊張してたでしょ?」
真美「えっ!?……ま、まあちょっとはしてたかも」
真「別に恥ずかしがることないよ、ボクも同じだから……」
真美「まこちんも緊張してたの?」
真「うん……でもさ、真美も緊張してるんだってわかって、少し気が楽になったよ」
真美「そっか……」
真「……あはは」
真美「えへへ……」
自然と笑い合えた、まこちんは……真美が中学生になって、アイドルになってから初めてできた友達だった……
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:39:41.27 ID:hdqvy2Ow0
数週間後
律子「それじゃ皆、今日もお疲れ様」
春香「お疲れ様でした!」
亜美「おつかれちゃーん!」
春香「ねえ亜美、この後一緒にショッピングでも行かない?」
亜美「いいよ→」
春香「他の皆もどうかな?」
雪歩「それじゃ私も一緒に行こうかな」
あずさ「私もご一緒しようかしら」
真「ボクは今日はいいかな」
真美「あ、じゃあ真美もパス」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:42:28.33 ID:hdqvy2Ow0
春香「うーん、そっか……千早ちゃんは?」
千早「私は……」
亜美「千早お姉ちゃんも一緒に行こうよ!」
千早「えっ!?」
春香「そうだよ、皆でショッピングするの、楽しいと思うよ?」
千早「それじゃ……私も一緒に行ってもいいのかしら?」
あずさ「ええ、一緒に行きましょ、千早ちゃん」
雪歩「それじゃ行こうか、真ちゃん、真美ちゃん、また明日ね」
真「うん、また明日」
真美「また明日→」
ガチャッバタンッ
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:45:38.85 ID:hdqvy2Ow0
真「……真美」
真美「うん……」
律子「あなたたち、最近よく一緒に事務所に残ってるわよね」
真「ああ、まあね……」
真美「えへへ……」
律子「?……まあいいわ、それじゃ私は行くところがあるから」
真「うん、戸締りはちゃんとしておくよ」
律子「ええ、今日は小鳥さんも休みだから頼むわね」
真美「んじゃりっちゃん、また明日」
律子「ええ、またね」
ガチャッバタンッ
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:48:30.85 ID:hdqvy2Ow0
真「真美、今日はお疲れ様」
真美「うん、お疲れ……さっきりっちゃんも言ってたけど、最近2人で事務所に残ること、多くなったよね」
真「あはは、そうだね……」
まこちんと初めて会ってから数週間が経った……あれからまこちんと色々話して、まこちんのことを色々と知れた。
意外にもお化けが苦手だったこと、ぬいぐるみ集めが大好きなこと……他にもいっぱいまこちんのことを知った。
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:51:41.03 ID:hdqvy2Ow0
真「あのさ、真美……」
真美「何?」
真「呼んでみただけ」
真美「もう、何それ……」
……どうしてだろう、まこちんのことを知れば知るほど、まこちんのことを好きになっていく気がした。
でも、まこちんは女の子……こんな気持ちを抱くのはおかしい……でもさ、仕方ないよね
……好きになっちゃったんだもん
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:54:42.50 ID:hdqvy2Ow0
真美「……」ギュッ
真「……真美?」
真美「なんとなく、こうしてみたくなっただけ」
真「ふーん、そっか……」
傍にいたい……そう思う気持ちが日に日に強くなっていったのはいつからだったかな……
まこちんに寄り添ってから、胸のドキドキがどんどん強くなっていってるのが自分でもわかった。
なんでだかわからないけど、胸がキュッと締め付けられる感じがした……
……でも、嫌じゃない……たぶん、これは真美の初めての恋なんだ
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 20:57:35.54 ID:hdqvy2Ow0
真美「えへへ……」
真「何が可笑しいの?」
真美「ううん、なんでもないよ」
真「そっか……」
心に花びらが舞うような感じがした……たぶん、これは初恋の印なんだと思った……
まこちんは、初めての友だちで……初めての、片思いの相手だった……
いつか、桜みたいに真美の初恋も咲き誇って欲しいな……真美は、密かにそう思った……
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:00:27.73 ID:hdqvy2Ow0
数ヵ月後
真「真美、そういえばもう、夏だよね」
真美「そだね……」
真「なんかさ、まだ出会ってそんなに経ってないのに、もうずっと前から一緒にいる感じがするよね」
真美「えへへ、そっか……」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:03:29.05 ID:hdqvy2Ow0
春香「あ、ねえ真、真美……今夜の夏祭り、一緒に行かない?」
真「うーん……この時間だとちょっと厳しいかも」
真美「まこちんが行かないなら真美もいいかな」
春香「そっか、了解」
真「ごめんね、折角誘ってくれたのに」
春香「気にしなくていいよ、もう結構遅い時間だしね」
真「うん……」
何気なく窓の外を眺めてみた……もう桜は散ってしまっていたけど、真美の心の花びらは、今でも舞っている気がした。
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:06:35.20 ID:hdqvy2Ow0
亜美「んっふっふー、いおりんももちろん夏祭り行くよね?」
伊織「わ、私は別に……」
やよい「伊織ちゃん一緒に行けないの?」
伊織「そ、そういうわけじゃないんだけど……」
亜美「いおりーん、素直に皆と一緒に行きたいって言っちゃえば?」
伊織「なあっ!?べ、別に私は行きたくなんか……」
やよい「伊織ちゃん、一緒に行こうよ」
雪歩「そうだよ伊織ちゃん、皆で行った方が楽しいよ」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:09:26.31 ID:hdqvy2Ow0
伊織「わ、わかったわよ……」
亜美「いおりんやっと素直になったね」
伊織「さっきからなんなのよあんたは!」
亜美「わーいおりんが怒った→」ダッ
伊織「こらっ待ちなさい亜美!」ダッ
あずさ「亜美ちゃんも伊織ちゃんも元気いっぱいね~」
千早「そうですね……」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:12:36.59 ID:hdqvy2Ow0
真「真美、ボクのことは気にしなくてもいいから皆と一緒に行ってくれば?」
真美「ううん、いい」
真「そっか……」
真美、今恋してる……すごく嬉しいけど、すぐにすごく切なくなる……
好きって言いたい……言いたいけど、いつもいつも、言えない……
でも、真美は決めたんだ……今日の帰り道に、まこちんに好きって伝えようって……
真「それじゃ、そろそろ帰ろうか」
真美「うん、そだね……」
真「皆、また明日」
律子「ええ、2人ともお疲れ様」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:15:36.52 ID:hdqvy2Ow0
帰り道
真美「……」
真「真美……さっきからちょっと変だけど、どうかした?」
真美「えっ……ううん、別になんともないよ」
真「そう?ならいいけど……」
まこちんが心配そうに真美のことを見てきた……優しくしてくれるのはめっちゃ嬉しいけど、急に胸が痛くなった……
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:18:28.35 ID:hdqvy2Ow0
真美(あ……もういつもの分かれ道に着いちゃった……)
真「それじゃ、また明日」
真美「うん……」
手を振るまこちんを見て、その時何故だか、2度と会えなくなっちゃうような気がした……
真美「……まこちんが好き」
そう言った瞬間、遠くで花火が舞った……
真「……」ギュッ
しばらく花火を眺めてたら、まこちんがそっと真美の手を握ってくれた……
めっちゃドキドキするけど、それと同時にすごく嬉しくなった……
空で舞っている花火は、まるで告白の花火とでも言うようにいつまでも空を覆い尽くしていた。
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:21:33.52 ID:hdqvy2Ow0
数ヵ月後
真美「まこちんまこちん、手繋ご?」
真「うん、いいよ」スッ
真美「えへへ、ありがと」ギュッ
真「真美の手、あったかいね」
真美「まこちんの手もあったかいよ」
真「あはは、そっか……」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:24:33.46 ID:hdqvy2Ow0
真美「ねえ、まこちん、夏休みの終わりに約束したこと、覚えてる?」
真「えーと……何だっけ?」
真美「もう……カレンダーの日付が赤い日には二人で出かけようって約束したっしょ!」
真「ああ、そうだった……ごめん、すっかり忘れてたよ」
真美「むうー……まこちん、真美とデートするの嫌なの?」
真「はあ、何言ってるんだよ……嬉しいに決まってるでしょ」
真美「そ、それならいいけど……」
真「ほら、早く事務所行こう、レッスンの時間に遅れちゃうよ?」
真美「そだね」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:27:35.08 ID:hdqvy2Ow0
事務所
真「おはようございます!」
真美「おはよ→」
律子「おはよう2人とも、少ししたらレッスンの時間だから準備しておいてね」
真美「はーい」
レッスンもいいけど、まこちんには特別な真美のこと、もっと知って欲しいな……
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:30:30.03 ID:hdqvy2Ow0
真「真美、準備できた?」
真美「うん、できたよ」
真「よし、それじゃあ今日も頑張ろうね!」
真美「うん!」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:33:40.77 ID:hdqvy2Ow0
数日後
真美「ふんふんふ~ん♪」
今日は日曜、待ちに待ったまこちんとのデートの日……紅葉が舞っていく、そういえばもう秋なんだっけ……
真「真美……」
真美「あ……まこちん……」
毎日まこちんに会える……それだけで頬が紅く染まるのがわかる……
真美「ちょっと待たせちゃったかな?」
真「いや、ボクもさっき来たところだよ」
真美「そっか、それならよかった……」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:36:33.60 ID:hdqvy2Ow0
真「さて、それじゃあどこ行く?」
真美「まこちんが行きたいところでいいよ→」
真「うーん……じゃあ前に行った喫茶店とかどうかな?」
真美「うん、それでいいよ!」
真「よかった、それじゃあ行こうか」ギュッ
真美「うん///」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:39:35.90 ID:hdqvy2Ow0
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
真美「~~♪」
今日は新しい服を着て行こうかな、何だって初めはまこちんに見せたいから。
まこちん、気付いてくれるかな……えへへ。
真美「まこちん、おまたせ!」
真「あれ、新しい服?」
真美「うん、どうかな?」
真「似合うよ」
真美「えへへ、そっか///」
真「真美……」スッ
真美「あ……うん///」ギュッ
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:42:39.76 ID:hdqvy2Ow0
ヒュ~……
急に木枯らしが吹いて、真美の体を震わせた。
真「……」ギュウ
真美「!?」
その時まこちんが真美のことを抱きしめてくれた。
いきなりだったけど……すごく優しくて……温かくて……
好きっていう気持ちが、体中に響いていくのがわかった。
真美「……離さないで」
真「……うん、もちろん」
真美、今めっちゃ幸せ!
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:45:28.99 ID:hdqvy2Ow0
数ヵ月後
真美「ねえ、まこちん」
真「……何?」
真美「今日のデート、楽しかったね」
真「……」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:48:39.89 ID:hdqvy2Ow0
真美「えっと……」
真「……」
真美「寒いね……」ギュッ
真「……ごめん」スッ
真美「え……」
真「もう、帰らなきゃ」スタスタ
真美「あ……」
待ってって言おうとしたけど、声が出なかった……
そういえばまこちん、いつもみたいにまた明日って言って手、振ってくれなかった……
真美、何かしちゃったのかな……
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:51:40.47 ID:hdqvy2Ow0
真美「……」
寒いな……まこちん、寒いよ……
置いて行かないで……
……やだよ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:54:37.32 ID:hdqvy2Ow0
1人で帰る帰り道……いつもはまこちんと一緒に帰ってた帰り道……
ヒュ~~~~ッ……
急に北風が吹いて、真美の心を震わせた……
真美「大丈夫……だよね……」
自分にそう言い聞かせてみるけど、少しも気分は晴れなかった。
ポツポツ……
瞳に映っている雪が、不意に雨に変わった。
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 21:57:40.65 ID:hdqvy2Ow0
今日はクリスマスイヴ……大事なイヴだから、デートの余韻に浸りながら2人で帰りたかった……
でも、まこちんは真美を置いて行っちゃった……
もう、真美のこと……好きじゃなくなっちゃったのかな……
真美「……」
遠くでジングルベルの音色が響いていた。
でも、そんなのどうでもよかった……真美は、まこちんさえいてくれれば……それだけでよかったのに……
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:00:41.96 ID:hdqvy2Ow0
ザー……
さっき雪から変わった雨は、止むどころか次第に強くなっていった。
そのせいもあってか、すべてが滲んで何も見えなくなった。
真美「明日も会える……よね……」
そう信じたかった……ううん、信じてる……
それなのに……何度願っても、心中が痛かった……
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:03:40.25 ID:hdqvy2Ow0
まこちんに会いたい……
会いたい……
会いたいよ……
走っていますぐ、まこちんの傍に行きたい……
でも……だめ、なんだよね……
困らせたくないから……
まこちんは、真美がいなくて寂しくないのかな……
ねえ……どうなのかな?
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:06:34.89 ID:hdqvy2Ow0
1人で歩いて帰る帰り道……まだ相変わらず雨は降り続いている。
真美「大丈夫だよ……」
もう1度自分にそう言い聞かせる……だって……真美は……
まこちんのことだけが……好きだから……
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:09:30.78 ID:hdqvy2Ow0
翌朝
真美「……ううん」
真美「朝か……」
あ、窓から光が射してる……
真美「……」サッ
カーテンを開けてみたら、眩しい銀世界が広がっていた。
真美「……外、出ようかな」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:12:26.22 ID:hdqvy2Ow0
繁華街
ワイワイガヤガヤ
繁華街は人ごみで賑わっていて、すれ違う人達からは笑顔が零れていた。
そして、昨日の雨が嘘のように、空は光輝いていた。
真美「……会いに行かなきゃ」
まこちんに、会いに行かなくちゃ……
悲しむために恋したんじゃない……真美は、幸せになるために恋したんだ。
ちゃんと伝えなくちゃ……真美の心のまま、ありのままを……まこちんに……
桜が舞う頃に巡り逢って
花火が舞う時に手を繋いで
木枯らしが舞う日に抱きしめてくれた
まこちんと出会ってから、真美はずっと幸せだった……
だから、これからもずっと幸せでいたいから……
会いに行かなくちゃ……まこちんに……
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:15:32.94 ID:hdqvy2Ow0
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
真美(どこにいけば会えるのかな……)
気が付いたら、いつもの待ち合わせ場所に来ていた……
真美(ここで待ってれば、もしかしたら……)
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:18:47.61 ID:hdqvy2Ow0
数時間後
真美(どのくらい待ったんだろ……)
もう、だめなのかな……諦めかけてたその時
??「真美!」
声が聞こえた……真美を呼ぶ声が……
一瞬でわかった……
真美が大好きな声、真美がいつも聞いてた声……真美が今、1番聞きたかった声……
そうだ、この声は……
真美「まこちん!」ダッ
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:21:32.84 ID:hdqvy2Ow0
ダキッ
真美「ぐすっ……」ポロポロ
どうしてだろう……嬉しいはずなのに、涙が止まらない……
真「真美……」ギュウ
真美「まこちん、困らせちゃうかもしれないけど……聞いて」
真「うん……」
真美「もうやだよ……1人にしないで……寂しいのはやだよ……」
真美「真美の傍にいて……ずっと……」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:24:35.85 ID:hdqvy2Ow0
真「……真美、今日何の日か知ってるよね?」
真「はい、これ……ボクからのプレゼント」スッ
真「実は昨日さ、これ取りに行ってたんだ、内緒にしてごめん、だけど……」
真「メリークリスマス」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:27:31.55 ID:hdqvy2Ow0
真美「ありがとう……本当に……ありがとう……」
真「あはは、喜んでもらえたならよかったよ」
真美「真美、まこちんが好き」
真「……ボクも、真美が好きだよ」
真美「ねえ、まこちん……プレゼント、開けていい?」
真「うん、いいよ」
プレゼントを解いたら、そこには寄り添った1組のイニシャル入りのシルバーリングがあった。
真美「あ……」
真「どう?気に入ってもらえたかな?」
真美「うん……ありがと、まこちん」
真「どういたしまして」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:30:43.38 ID:hdqvy2Ow0
真美「あのさ、まこちん」
真「何?」
真美「初めて会った時のこと、覚えてる?」
真「うん、あの時は真美が時間を間違えちゃってたんだっけ?」
真美「うん……でもさ、そのおかげで今こうやって一緒にいられるんだって思うと、時間間違えて正解だったのかもね」
真「あはは、そうだね」
真美「実はさ、その後少し経った時には、真美ね、もうまこちんに恋してたんだ」
真「えっ……そうだったんだ」
真美「うん……」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:33:25.94 ID:hdqvy2Ow0
真「……実はさ、ボクも同じなんだ」
真美「えっそうなの?」
真「うん……」
真美「えへへ、んじゃ真美とまこちん、同じ時に片思いしてたんだね」
真「あはは、そうなるね」
桜が舞う頃に巡り逢って
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:36:32.13 ID:hdqvy2Ow0
真美「まこちん、真美が告白した時のこと、覚えてる?」
真「うん、覚えてるよ……あの時は真美の様子がおかしかったから何かあると思ってたからね」
真美「そっか……」
真「嬉しかったよ……告白してくれて」
真美「あの時はめっちゃドキドキしたけど……まこちん、手、握ってくれたでしょ?」
真「うん……」
真美「嬉しかった……」
真「そっか……」
真美「花火、綺麗だったよね」
真「そうだね……」
花火が舞う時に手を繋いで
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:39:25.66 ID:hdqvy2Ow0
真美「そいえばさ、秋くらいからデート、いっぱいするようになったよね」
真「うん、真美がカレンダーの日付が赤い日には2人で出かけようって言ってたからさ」
真美「でもまこちん、1回真美が聞いた時忘れてたよね?」
真「あはは、ごめん……」
真美「いいよ……だって、木枯らしが吹いた時さ、まこちん、すっごく優しく抱きしめてくれたから」
真「そっか……」
木枯らしが舞う日に抱きしめてくれた
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:42:34.49 ID:hdqvy2Ow0
真「……真美」スッ
真美「ん……」
雪が舞う季節にキスを……君と……
END
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/25(火) 22:43:39.95 ID:hdqvy2Ow0
終わりです。読んでくれた方、支援してくれた方ありがとうございました