響「プロデューサーが動かないぞ」【我那覇響SS】

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 20:53:11.77 ID:V575N/po0
響「どうしたのさプロデューサー!」

あずさ「響ちゃん、どうしたの?」

響「プロデューサが動かないんだ!」

あずさ「あら、充電切れかしら?」

響「じゅう……でん?」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 20:55:00.50 ID:V575N/po0
あずさ「夜中に充電する前に力尽きちゃったみたいね」

響「ごはん、食べ忘れたって事だよね?」

律子「まーた止まっちゃってるんですか? まったく、こまめに給電するようにいつも言ってるじゃないですか……って電源入ってないから聞こえないか」

伊織「仕方ないわねー、えっとコードはっと」

響「ちょ、ちょっと待って!」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 20:59:30.80 ID:V575N/po0
伊織「何よ、よいっしょっと。急速充電だから数分すれば、コンセントに挿したまま動けるでしょ」

響「プロデューサーの背中から出てるコードは、何?」

伊織「何ってそんなの給電用のコードに決まってるじゃない」

響「えっ?」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:03:18.61 ID:V575N/po0
あずさ「予備のバッテリーも忘れているとかプロデューサーさんもドジですねぇ」

律子「ほんっと駄目なんですから、後でしっかり言っておきます。ですが、あずささんも人の事言えませんからね」

あずさ「ごめんなさいね~」

響「ちょちょちょちょっと! 何で普通に会話してるのかわからないぞ!」

伊織「どうしたのよさっきから、おかしいわよ?」

響「おかしいのは自分じゃなくて! みんなの方でしょ!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:06:01.29 ID:V575N/po0
あずさ「何か変だったかしら?」

律子「いえ、特に思い当たりませんが」

響「おかしいでしょ!!」

伊織「うるさいわね、何もおかしくないわよ」

響「お! か! し! い! ぞ!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:10:00.65 ID:V575N/po0
伊織「うるさいって言ってるでしょ! だから、何がよ!」

響「何って、見れば分かるじゃないか!」

伊織「だから、分からないわよ!」

律子「あずささん、分かりますか?」

あずさ「分からないですね~」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:14:59.77 ID:V575N/po0
響「だーかーらー! プロデューサーがバッテリーで動いてる訳ないじゃないか!」

伊織「……へ?」

あずさ「……あら?」

律子「……えっ?」

響「何でそんな、『何言ってるんだ?』みたいな顔してるんだ! プロデューサーはごはんを食べて動いてるんでしょ!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:19:59.72 ID:V575N/po0
伊織「……あんたねえ、そんな訳ないでしょ」

律子「新手のドッキリかしら?」

あずさ「違うような気がします」

響「自分がおかしいのか!?」

伊織「だって、こいつは電気で動いてるのよ?」

響「そんなのありえないぞ! ロボットじゃあるまいし!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:25:00.51 ID:V575N/po0
律子「何を言ってるの? プロデューサーはロボットよ?」

響「……はい?」

あずさ「さい?」

伊織「もう、あずさは変な合いの手入れないの!」

あずさ「うふふ、ごめんなさいね」

響「ほのぼのした雰囲気にしない!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:30:06.67 ID:V575N/po0
律子「響……あなた疲れてるのよ。今日のレッスンは休みなさい。プロデューサーが再起動したら、私から言っておくから」

響「何もかもがおかしいぞ!」

伊織「休息も仕事よ、しっかり休みなさい」

響「いやいやいや、おかしいでしょ」

伊織「何にもおかしくないって言ってるでしょ!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:35:14.13 ID:V575N/po0
響「おかしい!」

伊織「何がよ!!」

響「プロデューサーはロボットじゃないぞ!!」

伊織「ロボットよ!!」

あずさ「あの、律子さん、もしかして……」

律子「ええ、そうかもしれません」

響「何さ!」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:40:03.62 ID:V575N/po0
律子「いい、響、落ち着いて聞いてね」

響「何さ!」

律子「プロデューサーはロボットよ」

響「嘘をつくなー!!」

律子「嘘じゃないわ、プロデューサーは正式名『P-765』と言うロボットよ」

響「ありえないぞ!!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:45:02.85 ID:V575N/po0
律子「ありえないって言われたって、現にそうなんだから仕方ないじゃない」

響「うーそーさー!!!」

律子「……響、プロデューサーの名前を言ってみなさい」

響「そんなの、Pに……ぴぃ?」

律子「世の中にPなんて名前の人いる? どんなキラキラネームって話よ、そのPはP-765の、プロトタイプのPよ」

響「そんな……そんな……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:50:01.53 ID:V575N/po0
律子「そもそも、頭がおかしいでしょ! この世の中に頭の形が大文字のPの形をしている人間なんていないわよ」

響「自分は、かぶりものだと……」

伊織「頭がムレムレじゃないのよ。でも、今まで誰も教えなかったのかしら?」

あずさ「みんな、もう誰かが教えたと思ってたんでしょうね」

響「いや、でもそんな……」

律子「別にそんなショックを受けるような事じゃないでしょ。ただ、電気で動くか、ごはんで動くかってだけなんだし」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:55:02.12 ID:V575N/po0
P「うぃーっす!! すまんな、迷惑かけた」

響「うご……いた?」

伊織「やっと起きたわね、この馬鹿!」

P「いやー悪かった。残り2%で気付いて慌ててコンセントの近くまで行ったんだが、俺のってメモリーの最小待機電力を保持するために0%になる前に電源が自動でオフになるんだよなー」

響「」

P「おーい、ひびきーどうしたー?」

響「あり、えないぞ……」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 21:59:24.55 ID:V575N/po0
律子「どうやら、プロデューサーがロボットだって知らなかったらしいんです」

P「あーなるほどな。そう言えば俺から言ってなかったわ。社長あたりが説明してるもんだと思ってた」

伊織「だからってこれは驚きすぎよ」

P「おいおい、伊織がそれを言うか? お前だってあの時は――」

伊織「――う、うるさいわね! 昔の事はどうだっていいのよ!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 22:05:10.73 ID:V575N/po0
律子「それじゃあプロデューサー、自分で説明してあげてください」

P「おう。いいか、響。俺は正式名『P-765』だ。アルミニウム二次電池搭載で稼働時間はおよそ16時間。関節にあたるモーター、補助モーターの数は大小あわせて約500個で、おおよその人間の動きなら可能だ。そしてチャームポイントはこの『Pヘッド』だ!」

響「じ、自分は、自分は……」

P「このPヘッドはな! バッテリーなんだぞ! しかも取り外し可能!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 22:10:07.39 ID:V575N/po0
律子「なのにどうして、予備バッテリーを忘れてるのよ」

P「いや、だって予備バッテリーってピンク色じゃないか。俺、男だしピンクはちょっと……」

響「うーーーーがーーーーーーー!!!!!!!!」

P「ど、どうした響!?」

響「うるさい、うるさい、うるさーーい!!」

伊織「ちょ、それ私の――」

響「――自分はもう帰る!」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 22:15:07.21 ID:V575N/po0
P「おいおい、まだレッスンがあるじゃないか」

あずさ「まあまあ……」

律子「ショックを受けているみたいだし、今日は休みにしてあげたらどうですか?」

P「うーん、まあオーディションもしばらくはないからいいか」

あずさ「ゆっくり考えたいんですよ、思春期ですもの」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 22:20:06.12 ID:V575N/po0
P「年頃の女の子ってのはいまいちわからないなあ……。おーい、ひびきぃー明日のレッスンには来いよー!!」

響「もう、自分はプロデューサーなんて知らないぞ!!」

律子「年頃っていうかプロデューサー殿は女心が分かってませんよ」

P「これまた手厳しい」

あずさ「そうです、プロデューサーさんはもう少し勉強しなきゃダメですよ」

P「善処します」

伊織「まったく、しっかりしてよね」

P「はいはい、っていうかあずささんアホ毛が垂れてきてますよ」

あずさ「あらあら、そう言えば私も昨日は充電し忘れてました。プロデューサーさん上のコンセント、失礼しますね」

おわり

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 22:22:08.78 ID:v6WoaYk+0

星新一でこういう話あったな

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/16(日) 22:24:21.89 ID:V575N/po0
たしかにアンドロイドですね、自分のミスでした。すみません

短いですがこれで終わりです

Pヘッドとか、あれ人間じゃないだろと思って書いてみました

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