1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:46:41.91 ID:Wi1FDUKn0
P「最近できたラーメン屋、繁盛してるみたいだなぁ」
律子「一度食べたら病みつきになってしまうって評判ですね」
P「どうだ、行ってみないか?」
律子「いいですけど、貴音を誘ってあげた方が喜ぶんじゃ?」
P「それも考えたんだけどな。貴音のやつ、事務所に顔出さなくてさ」
律子「件のラーメン屋に夢中なのかも」
P「ははは、ありそうで怖いよ」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:47:50.35 ID:Wi1FDUKn0
ラーメン屋「六郎」
少年「いらっしゃいませ!」
少年「今すぐ食べるとなると、相席になってもらいますけどいいですか?」
P「ああ。構わないよ」
少年「こちらです」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:48:46.34 ID:Wi1FDUKn0
P「随分と小さい子が働いてるもんだ」
律子「感心しちゃいますね」
貴音「親子で開いたこの店を全国ちぇーんまで大きくするのが夢だそうです」
P「へぇー。こんな時代に立派なもんだ」
律子「これだけ繁盛してるんです。近いうちに叶いますよ」
貴音「そうですね。わたくしもそう思います」ニコ
P「……貴音、事務所に顔を出さないと思ったら」
P「やっぱりここにいたのか」
貴音「はい。ここのらぁめんは格別ですから」
少年「はい。とんこつラーメン3つ」
律子「ありがとうね」
P「貴音も頼んでたのか?」
貴音「三杯目です」ニコニコ
律子「流石ね……」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:49:33.12 ID:Wi1FDUKn0
P「うん! うまい!」
律子「ほんと。これは繁盛するのも納得ね」
貴音「そうでしょうそうでしょう」
P「なんでお前が嬉しそうなんだよ」
律子「また来たいですねー、ここ」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:50:31.00 ID:Wi1FDUKn0
数日後
律子「この前行ったラーメン屋、最近さらに人気になってきたみたいですね」
P「もう一回行ってみるか。貴音もいくだろ?」
貴音「ええ! 喜んで!」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:54:39.63 ID:Wi1FDUKn0
ラーメン屋「六郎」
客「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
客「ショリショリ・トットット・パカッ、フワッwwwwwwww」
客「アチ、ハフ、ぷり、とろ、じゅわ、うま〜」
P「な、なんだ? 客の様子がおかしいぞ?」
律子「店の内装も様変わりしてますね……」
P「まぁ、繁盛はしてるみたいだし味は変わってないんだろう」
店員「ラーメン、3つです」
貴音「……あの少年は?」
店員「……ごゆっくりどうぞ」
貴音「……」
律子「新しい店員、雇ったんでしょうか」
P「これだけ繁盛してればなぁ。人手も必要だろ」
律子「うちの社長も、増やしてくれませんかね……」
P「言うな……」
貴音「……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:57:37.87 ID:Wi1FDUKn0
P「……」ズズッ
律子「……」ズズズッ
P「う、うまい! さらにうまくなっている!」ズルズル
律子「箸が止まらないわ!」ズズ-ッ
貴音「……」
P「貴音? 食べないんだったらくれないか?」
貴音「……ええ、どうぞ」
律子「あっ! ズルいですよプロデューサー殿!」
P「欲しかったら自分で頼むんだな!」ズズズッズッ
律子「あーっ!」
貴音「……」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 22:58:40.14 ID:Wi1FDUKn0
・・・
・・
・
P「あー、美味かった。仕事がなければもっと食ってたのに!」
律子「私、明日も来ようかしら……」
貴音「……」タタタッ
律子「あ、貴音! どこへ行くの!?」
P「追おう!」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:01:54.38 ID:Wi1FDUKn0
ラーメン屋 裏手
P「貴音、どうして急にこんなところに」
貴音「こちらから中の様子が伺えます」
律子「美味しさの秘密でも探るの? いい考えね」
P「どれどれ……」
うあ~……あ~……
律子「う、唸り声? なんで厨房から……」
P「それに料理してる人達、なんだか様子が変だ……」
貴音「すうぷの鍋をご覧ください」
P「なんだ? 大量の粉?」
律子「調味料じゃないの?」
貴音「あれは……おそらく麻薬のような物……」
P「ま、麻薬!?」
貴音「そして厨房で働かされているのは、その中毒者」
律子「た、食べたらやみつきになるって、もしかしてそういうことなの……?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:04:52.94 ID:Wi1FDUKn0
貴音「……おそらく何者かがこのらぁめん屋を乗っ取ったのでしょう」
貴音「そしてこのような外道な行いを」
貴音「あの少年がいなくなった事にも関係がありそうですね……」
P「もう少しで俺たちもああなっていたのかと思うと恐ろしい話だ」ゾゾ…
律子「大変な事だわ……」
律子「早く警察に!」
シュ!
P「なんだ!? 律子の携帯が消えた!」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:05:27.18 ID:Wi1FDUKn0
???「消えたんじゃない。奪ったのさ」
???「この鞭でな」
貴音「用心棒ですか……」
貴音「鞭使いの、てんがろん遅川……」
遅川「嬢ちゃん、俺を知っているのかい」
貴音「ええ。その筋では有名ですから」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:06:11.19 ID:Wi1FDUKn0
貴音「ただし、その腕は日本で二番目……」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:08:51.57 ID:Wi1FDUKn0
遅川「ほお……。では日本一とは?」
貴音「ふふっ」
貴音「ちっちっち……」
P(舌打ちできないのか……)
貴音「わたくしです」ビシッ
遅川「いいだろう。……なら勝負だ」
遅川「眼鏡のお嬢、二つ結びにして離れた所に立ってもらおうか」
律子「わ、私!?」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:11:51.00 ID:Wi1FDUKn0
律子「……///」エビフリャ-
遅川「ルールは簡単だ。俺は右の結びを鞭で狙う」
遅川「俺の鞭を貸してやる。嬢ちゃんは左だ」
貴音「承知いたしました」
P「ま、待て! 律子に当たったらどうする! それに女の髪をこんなことで……!」
貴音「あなた様」
P「!」
貴音「わたくしめにお任せください」
P「くっ……。頼んだぞ、貴音」
遅川「話はまとまったようだな」
遅川「では彼女が両目を瞑ったら合図としようじゃないか」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:13:49.62 ID:Wi1FDUKn0
貴音「……」
遅川「……」
律子(もうどうにでもなーれ)
遅川「今だ!」
貴音「!」
ババッ!!
P「律子ぉ!」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:15:51.12 ID:Wi1FDUKn0
遅川「二人とも外れ……」
貴音「いえ……」
貴音「この勝負、わたくしの勝ちですね」
遅川「何を言う。嬢ちゃんこそ外しているではないか」
貴音「ちっちっち……」
P「あ、あれは!」
P「用心棒のテンガロンハットが落ちている!」
P「そうか! 貴音のやつ、用心棒の鞭をはたき落としただけではなく、返しの勢いで用心棒の帽子だけに鞭を命中させたんだ!すごい!」
遅川「~♪」ピューイ
遅川「……キザな嬢ちゃんだ」フッ
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:17:48.67 ID:Wi1FDUKn0
遅川「参った。素晴らしい技を見せてくれたおかげにひとつだけ情報をやろう」
遅川「今回の事件、黒幕は『ラーヌン団』なる組織の仕業だ」
貴音「『らぁぬん団』……」
遅川「せいぜい気をつけることだ」
遅川「さらばだ」
貴音「貴方はどこへ?」
遅川「さてね」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:22:36.99 ID:Wi1FDUKn0
貴音「らぁぬん団、一体何者なのでしょう……」
少年「」フラフラ
貴音「!」
貴音「少年! いったいどうしたのです!」ガッ
少年「お、お姉さん……」
貴音「はい。わたくしですよ。一体なにがあったのです?」
貴音「少年のらーめん屋は一体どうしてしまったのです?」
少年「実はあの店は、借金をして建てた物だったんだ……」
貴音「……」
少年「父さんは金を返すために頑張ったけど、間に合わなくて」
少年「どこかへ連れていかれてしまった……」
貴音「な、なんと……」
少年「なんとか店だけでも守りたかったけど……」
貴音「っ……!」ワナワナ
貴音「らぁぬん団……!」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:25:18.47 ID:Wi1FDUKn0
・・・
小鳥「それで、この子を預かってればいいの?」
貴音「はい。ご迷惑をおかけします、小鳥嬢」
小鳥「気にしないの。迷子をあずかるだけなんだから」
貴音「……」
prrrrr
小鳥「電話?」
小鳥「はい765プロ。……ええ、四条貴音は確かにおりますが」
小鳥「……」
小鳥「貴音ちゃん。あなたによ」
貴音「わたくしに……?」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:28:02.43 ID:Wi1FDUKn0
貴音「代わりました。四条です……」
『765プロのプロデューサーの二人は預かった』
『二人の命が惜しければ○○ビルの×階まで来る事だ』
プツッ
貴音「……」
小鳥「貴音ちゃん?」
貴音「申し訳ありません」
貴音「少し、用事ができてしまいました」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:30:48.74 ID:Wi1FDUKn0
・・・
○○ビル ×階 ラーヌン団事務所
ボス「本当に来るとは、見上げたものだ」
貴音「さあ、2人を開放してください」
ボス「そんな約束をした覚えはないのだが」
P「貴音! 罠だ!」
ボス「もうおそい! やれ!」
三下ども「ふへへ……」
貴音「ふふ……。これくらいは予想しておりました!」
貴音「はっ!」
バシバシィ!
三下ども「ぬわーーーーっ!!」
律子「い、一瞬……」
P「すごい鞭さばきだ……」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:33:25.24 ID:Wi1FDUKn0
貴音「さて、2人を……」
P「! 貴音、後ろだ!」
貴音「!?」
ガツン!
貴音「うぅっ!?」
三下ども「ふへへ……」
ボス「うちの用心棒を退けている時点でその展開は読んでいた!」
ボス「油断したなぁ?」
貴音「くっ……」
P「た、貴音……」
律子「手下の数がさっきよりも多いわ……。してやられたわね」
P「 くそ!」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:34:50.47 ID:Wi1FDUKn0
ボス「さて、お前たちにはどうなってもらうおかなぁ?」
ボス「そうだな、その男にはラーヌン屋で働いてもらおう」
P「……」
ボス「女は高く売れそうだ……」
ボス「ふふふ……」
ボス「これからラーヌンは世界に広まる! そして中毒者だらけの世界の中で私は頂点に立つのだ!」
ボス「その出鼻を挫こうとした小娘、貴様は殺してやる!」
ボス「やれ!」
三下ども「イッー!」
貴音(……無念!)
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:36:46.39 ID:Wi1FDUKn0
「でぇぇぇい!」
バシィィン!!
三下ども「ぬわーーーーっ!!」
ボス「だ、誰だ貴様!」
P(赤いヘルメット……)
律子(赤いスーツ……)
貴音(そしてあの鞭……)
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:38:52.09 ID:Wi1FDUKn0
「ズバッと参上、ズバッと解決!」
「人呼んでさすらいのヒーロー!」
「快傑ズバァット!!」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:40:19.38 ID:Wi1FDUKn0
貴音「快傑、ずばっと……」
ズバット「親子の夢を踏みにじり、ラーメンの名を被った薬物で人々を惑わし、あまつさえ罪のない人々にまで手にかけようとしたラーヌン団ボス!」
ズバット「許さん!」
ボス「ぬうう……。行け三下ども!」
三下ども「うぇーい!」
ズバット「でぇぇぇい!!」
三下ども「ぬわーーーーーっ!!!」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:42:09.62 ID:Wi1FDUKn0
ズバット「2月2日! 飛鳥五郎という男を殺したのはお前か!」
ボス「違う! 俺じゃない!」
ズバット「……」
ボス「その日はジンバブエに……」
ボス「信じてくれ!」
ズバット「ズバットアターック!」
『この者凶悪ラーヌン事件犯人!』
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:42:52.61 ID:Wi1FDUKn0
P「あの赤い人は行ってしまったな」
律子「そうですね……おや?」
男「あ、あんた達、息子をしらないか?」
貴音「息子? もしや、貴方はあのラーメン屋のご主人?」
男「あ、ああ。そうだが……」
貴音「無事だったのですか?」
男「早川とかいう男に助けられて……」
男「『潜入捜査の必要がなくなったから来れた』とか」
貴音「……そうですか」
貴音「少年は無事ですよ。わたくしの知り合いの元にいます」
男「ほ、本当か!?」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:43:52.93 ID:Wi1FDUKn0
・・・
数日後
P「あれ? 貴音は?」
律子「さすらいの旅ですって」
P「ラーメンの食い歩き程度でおおげさだなぁ」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:45:55.81 ID:Wi1FDUKn0
・・・
とあるラーメン屋
モブ「俺を知っているのか?」
貴音「ええ。らあめん早食いの達人……」
貴音「しかしその腕は日本では二番目……」
チッチッチ……
早川「いいや、三番目だ」
おわり
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:46:44.46 ID:Wi1FDUKn0
最後のやつが書きたかっただけ
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/19(日) 23:48:39.43 ID:Wi1FDUKn0
もうちょっと真面目に書けば良かった