2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:46:38.01 ID:IOVbrsMa0
――事務所――
律子「――はい。その件につきましては……」
P「……」カタカタ
小鳥「……」カタカタ
律子「――はい。失礼します」ピッ
小鳥「そろそろ、お昼ですねー」チラッ
小鳥「プロデューサーさん、律子さん。お昼行きましょうか?」
P「!」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:47:45.02 ID:IOVbrsMa0
律子「……? プロデューサー? どうかしましたか?」
P「い、いや。なんでもない……」
小鳥「あずささんも一緒にどうですか?」
あずさ「あらあら。よろしいんですか? では私も」ウフフ
P(……この事務所に入社して二週間)
P(食事の時間がこんなに苦痛になってしまうとは……)
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:49:08.66 ID:IOVbrsMa0
P(新米の俺を気づかって昼飯に誘ってくれるのはありがたい……)
P(ただ……)
小鳥「おいしいイタリアンのお店見つけたんです」
小鳥「ランチタイムはすっごくお得ですから、お財布にも優しいんです」フフフッ
あずさ「それは楽しみですねー」
律子「はい。小鳥さんの探してくるお店はいつも美味しいですから」
P「……楽しみですね」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:50:59.68 ID:IOVbrsMa0
――街中――
律子(小鳥さん、プロデューサー殿が来てから定食屋に入らなくなりましたね)ヒソヒソ
小鳥(……ピヨ!!)
あずさ(あらあ? 確かにそうですね)ヒソヒソ
小鳥(そ、それは……)ヒソヒソ
小鳥(私ももう2X歳ですし、少しは女らしくしようかと……)ヒソヒソ
小鳥(こういうアピールが効くって、雑誌に書いてあって……)ヒソヒソ
律子(なるほど。そういうわけだったんですか)ヒソヒソ
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:52:53.11 ID:IOVbrsMa0
――店内――
律子「わあ! とっても美味しそうですね!」
小鳥「そうなんですよ。香りもいいですし」
あずさ「はい。お店の雰囲気もいいですねー」
小鳥「それじゃあ、食べましょうか?」
一同「いただきまーす!」
P「……いただきます」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:55:07.59 ID:IOVbrsMa0
P(確かに店の雰囲気はいいし、味も良い)カチャカチャ
P(ただ……)
P(量が少ない!!)
P(大盛りを頼めば良いんだろうが)チラッ
一同「――――」キャッキャウフフ
P(なんとなくそうはできない雰囲気……)
P(俺は新米だし、しかも周りは女性ばかりの職場)
P(ある程度覚悟はしていたが、まさかこんなにやりづらいとは!)
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:56:32.95 ID:IOVbrsMa0
P(正直、息が詰まることもある……)
P(牛丼屋でがつがつと食いたいときもあるんだ)
P(音無さんを初め、事務所の皆はマナーも良いし……)
P(こっちも気にしてしまうんだよな……)ハアッ
小鳥「プロデューサーさん?」
P「……は、はい!」ビクッ
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 20:58:25.44 ID:IOVbrsMa0
律子「どうしたんですか? 溜め息なんてついて」
あずさ「なにか……、悩み事でしょうか?」
P「い、いえ……、そういうわけでは」
小鳥「お口にあいませんでしたか?」ショボン
P「……!」
P「いえ、違います! あんまりに美味しかったものですから!」
P「少し浸ってしまいました……」アハハ
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:00:06.96 ID:IOVbrsMa0
律子「ああ、なるほどです。確かに美味しいですから」
あずさ「ええ、とっても」
小鳥「そうだったんですか。心配しちゃいました」ニッコリ
P「え、ええ。すみません」アハハ…
P(うう……。なんで素直に言えないんだろうか)
P(仕事上ではそれなりに意見も言えるんだが……)
小鳥「また良いお店、探しますからね?」
P「……はい! 楽しみにしてます!」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:02:05.86 ID:IOVbrsMa0
――事務所への帰り道――
あずさ「おいしかったですねー」ウフフ
律子「ええ! とっても!」
小鳥「明日はどうしますか?」
あずさ「この間のお店はどうでしょうか? サラダがとっても美味しかったわあ」
律子「いいかもれません! あそこの野菜は無農薬で――」
P「……」
28: 支援ありがとう 投稿日:2012/11/05(月) 21:03:58.55 ID:IOVbrsMa0
――事務所――
ワイワイガヤガヤ
P(……ん? どうしたんだ? 事務所がやけに騒がしいが)
ガチャリ
P「なんの騒ぎだ?」
美希「あ! プロデューサー!」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:06:02.77 ID:IOVbrsMa0
春香「おかえりなさい! プロデューサーさん!」
P「ああ、ただいま」
P(誰かに皆が群がってるな。よく見えないが)
???「みんな、少し落ち着いてよ……!」
亜美「んっふっふ~。まこちん、久しぶりなんだからよいではないか→」
真美「真美たちもみんな心配してたんだよ→?」
雪歩「うぅー。真ちゃん……」ジワッ
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:07:59.58 ID:IOVbrsMa0
P「なあ、美希?」
美希「どうしたの?」
P「見慣れない子が居るんだが、あの子は……」
美希「……そっか。プロデューサーは真くんと会うのは初めてだったね」
P「真くん?」
春香「はい! 765プロのアイドル、菊地真です!」
春香「ダンスレッスン中に怪我をしちゃって、いままで休養してたんです」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:09:20.42 ID:IOVbrsMa0
P「そうだったのか……」
春香「愛称は『真王子』なんですよ」クスッ
P「へえ」
美希「む~。春香! プロデューサーは美希とお話してたの!」
春香「そうだったね。ごめん美希」ニッコリ
美希「む~」プンスカ
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:11:14.29 ID:IOVbrsMa0
???「あ! みんなちょっとごめん!」タタタッ
???「す、すみません!」
P「あ、ああ。君は……」
真「菊地真です! あなたはこの事務所のプロデューサー、ですよね?」
P「ああ……」
真「くう……。やっぱりそうかあ……」ガックリ
P(なんだか落ち込んでるみたいだが……、どうしたっていうんだ?)
37: 支援ありがとう 投稿日:2012/11/05(月) 21:13:24.39 ID:IOVbrsMa0
真「あの、実はボク、今まで怪我をしてて休んでいたんです」
P「ああ、その話なら今、春香に聞いたよ」
真「くう。出遅れちゃったなあ……」
真「みんなは二週間も先にプロデュース活動を始めてもらってるってことですよね?」
P「ああ、そうなるが。でも、気にすることも無いさ」
P「最初の一週間は挨拶や事務的な手続きばかりだったし」
P「本格的なプロデュースはほとんどこれからなんだ」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:15:24.31 ID:IOVbrsMa0
真「そうだったんですか! へへっ! それを聞いて少し安心しました!」
真「これからよろしくお願いしますね! プロデューサー!」ニコッ
P「!」
P「ああ! こちらこそよろしく頼む!」グッ
真「それじゃあ、失礼します!」ペコッ
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:17:06.82 ID:IOVbrsMa0
P(……菊地真かあ)
『美希「……そっか。プロデューサーは【真くん】と会うのは初めてだったね」』
『春香「愛称は【真王子】なんですよ」』
『真「あの、実は【ボク】、今まで怪我をしてて休んでいたんです」』
P(まさか、うちの事務所にも男のアイドルがいるとは知らなかったな……!)
P(これからは少し居心地がよくなるかな?)
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:19:00.98 ID:IOVbrsMa0
――午後
社長「あー、キミぃ」
P「はい?」
社長「今日から菊地真君が復帰したんだが……」
P「はい! そうみたいですね。話は春香たちに聞きました」
社長「おお! そうだったのかね。さすが我が社のホープ! 仕事が早いね!」
P「いえ、それほどでも……」
社長「それなら私から改めて話をする必要もないかな。引き続き頑張ってくれたまえ!」
P「はい! ありがとうございます!」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:21:07.52 ID:IOVbrsMa0
――翌日
――事務所――
P「真。体の調子はどうだ?」
真「はい! 全く問題ありません!」
真「空手の型だってこの通り!」ババッ
P「おお! すごいな! 真は空手をやってるのか?」
真「はい! 最初は父さんに無理やりやらされたんですけど……」
真「いまはとっても楽しいです!」
P「そうか」ニッコリ
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:23:06.92 ID:IOVbrsMa0
P「ああ、そうだ……」
真「?」
P「真は昼飯はどうするんだ?」
真「お昼ですか? お昼は、みんなとコンビニに行こうって話してるんですけど……」
P「そ、そうなのか」
P「その……、真が良かったらで構わないんだが」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:25:16.87 ID:IOVbrsMa0
P「俺と一緒に外へ食いに行かないか?」
春香「……」ガタッ!
美希「……」ガタタッ!
雪歩「……!」
真「ええ! 構いませんよ! ならみんなも一緒に」
P「……いや」
P「出来れば二人だけの方がいいんだが……」ヒソッ
真「……え?」////
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:26:49.28 ID:IOVbrsMa0
真「二人……、ですか?」////
P「ああ。ダメか?」
真「いえ、ダメってことはないですけど」チラッ
春香・美希・雪歩「……」
貴音「良いではありませんか」
真「貴音?」
貴音「真は私たちに比べて、プロデューサーとの時間が少ないのは確かなのです」
貴音「一緒に食事をとって、仲を深めることも大事かと」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:29:04.01 ID:IOVbrsMa0
春香「……まあ」
美希「……そうかも知れないの」
雪歩「……」
P(本当はみんなも誘ってあげるべきなんだろうが)
P(たまには、気がねなく食事をとりたい)
P(男同士で!)クワッ
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:30:40.80 ID:IOVbrsMa0
真「わかりました」
P「!」
真「確かにこういう時間をとって話をするのも大事ですよね!」
真「ご一緒しますよ! プロデューサー!」
P「ああ、ありがとう」
真(……そうだよね。変に意識することなんて無い)
真(単に二人で食事に行くだけなんだし……)
真(……二人で)////
62: 支援ありがとう 投稿日:2012/11/05(月) 21:32:29.71 ID:IOVbrsMa0
――昼休み
小鳥「プロデューサーさんは今日は真ちゃんとお昼なんですよね?」
P「ええ。ですから、申し訳ないですけど……」
小鳥「いえ! そんな申し訳ないだなんて……」
P「すみません。それじゃあ」ソソクサ
オーイ! マコトー!
ハイ! イキマショウカ! プロデューサー!
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:34:03.18 ID:IOVbrsMa0
小鳥「……」
律子「……小鳥さん?」
小鳥「律子さん!」クワッ
律子「……は、はい!」ビクッ
小鳥「今日のお昼はたるき亭にしましょう!」
律子「え、ええ。構いませんよ?」タラッ
あずさ「あらあら」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:35:33.93 ID:IOVbrsMa0
――街中――
真「今日はどこへ連れて行ってくれるんですか? プロデューサー」ワクワク
P「え? まあ、そんなに楽しみにされると恐縮なんだが……」
P「……牛丼を食いに行きたくてな」
真「……へ?」キョトン
P「……! 嫌だったか?」
真「え! いや! そんなことないです! 食べたいです、牛丼!」
P「そ、そうか」ホッ
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:37:15.56 ID:IOVbrsMa0
真(……牛丼かあ。正直、少しがっかりしたけど)
真(プロデューサーと二人でご飯なんだよね)////
真(男の人と二人で食事に行くなんて……)////
真(いま僕たち、他の人たちから見たらどう見えてるんだろう?)
真(やっぱり、こ、恋人同士かな)////
P「真?」
真「……え? ああ! どうかしましたか? プロデューサー」
P「いや、店に着いたぞ?」
真「す、すみません! 入りましょう!」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:39:26.39 ID:IOVbrsMa0
――店内――
ガヤガヤ
P「結構混んでるな……」
真「そうですね……」
P「とりあえず、座ろうか」
真「はい!」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:41:09.17 ID:IOVbrsMa0
真「プロデューサーは何を食べるんですか?」
P「俺は牛丼特盛、卵と豚汁と御新香かな。真は」
真「えっと……ボクは」
真(プロデューサー凄い食べるんだな……)
真(ボクも結構食べられるんだけど……)
真(あんまりいっぱい食べたらプロデューサーに、はしたないって思われるかな?)ウーン
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:42:16.61 ID:IOVbrsMa0
真「プロデューサーは何を食べるんですか?」
P「俺は牛丼特盛、卵と豚汁と御新香かな。真は?」
真「えっと……ボクは」
真(プロデューサー凄い食べるんだな……)
真(ボクも結構食べられるんだけど……)
真(あんまりいっぱい食べたらプロデューサーに、はしたないって思われるかな?)ウーン
81: >75 Pのセリフに「?」付け忘れました 投稿日:2012/11/05(月) 21:44:31.21 ID:IOVbrsMa0
P「真も俺と同じのでいいか?」
真「……!」
真(そんな平然と! い、いいのかな?)
真「じゃ、じゃあ牛丼だけは大盛りにしてもらえますか?」
P「ああ! わかった!」
P「今日は俺のおごりだからな! 遠慮なく食ってくれ!」
真「はい! ご馳走になります!」
82: 支援ありがとう 投稿日:2012/11/05(月) 21:46:13.14 ID:IOVbrsMa0
――そして
P「うまい! 久しぶりだから尚いっそううまいな!」ガツガツッハフハフッ
真(男らしいなあ……)
真(なんかちょっと……いいかも)////
P「どうした? 真もどんどん食べてくれ!」
真「……はい!」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:48:18.67 ID:IOVbrsMa0
――事務所への帰り道――
真「ごちそう様でした! プロデューサー!」
P「いやいや。これくらいなんともないぞ!」
真「あ、あの……」
P「?」
真「プロデューサーは事務所のみんなともこうして食事したことあるんですか?」
P「ん? ああ、実は……」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:50:43.27 ID:IOVbrsMa0
真「そうだったんですか……」
P「ああ。このことは音無さん達には内緒だぞ?」
P「正直、洒落た店でご飯を食べても、食った気しないんだよな」
真「はははっ! なんかそれ、分かる気がします」クスッ
P「音無さん達との食事はそういうのだし、一回、とある噂を聞いて貴音と行ったこともあるんだが……」
真「……貴音、ですか」
P「……ああ」トオイメ
真(詳しく聞くのはやめておこう……)
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:52:10.10 ID:IOVbrsMa0
真「……あ!」
P「ん? どうした?」
真「信号変わりそうです! 行きましょう!」ギュッ
P「あ、ああ! って、急に走るな!」
真「これくらい何言ってるんですか!」タタタッ
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:54:16.97 ID:IOVbrsMa0
P「……はあはあっ」ゼエゼエ
真「まったく! プロデューサー! だらしないですよ!」
P「食べたばっかりなんだから、仕方ないだろ……?」ハアハア
P「真はなんとも無いのか?」
真「ええ! ちっとも!」
P「さすが普段から鍛えてる奴は違うな」
真「へへっ!」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:55:47.11 ID:IOVbrsMa0
真「さ! 行きましょう! プロデューサー!」
P「ああ……」
P(それにしても……)
P(……真の手、柔らかかったな)
P(それに、良い匂いもした……)
P(……!)ハッ
P(な、何を考えてるんだ俺は!)
P(真は男なんだぞ!)
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 21:57:37.56 ID:IOVbrsMa0
――事務所――
小鳥「お帰りなさい! プロデューサーさん!」ニコニコ
P「ただいま戻りました」
P「音無さん、なにかあったんですか?」
小鳥「……え?」
P「いえ、なんだか嬉しそうなので……」
小鳥「……そうですか? 気のせいですよ」フフフッ
小鳥(……言えないわ。久しぶりに食べた、たるき亭の定食が美味しくて気分が上がってるだなんて……)
P「……?」
105: 支援ありがとう 投稿日:2012/11/05(月) 21:59:46.75 ID:IOVbrsMa0
律子「……あっ! プロデューサー、戻ってきました?」テテテッ
P「……どうかしたのか?」
律子「ええ。実はお願いしたいことがありまして」
P「……?」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:01:39.29 ID:IOVbrsMa0
P「……ダンスの構成が変わった?」
律子「ええ。細かいところなんですけど、いくつか変わった部分がありまして……」
P「それで?」
律子「その変更があったのが、真の休養の直後だったんです」
P「あー。なるほど……」
律子「はい。真だけ、変更後のダンスの練習をしていないんです」
律子「ダンス部分は早いうちに詰めに入っていたんで、失念していました」
律子「……私のミスです。すみません」ペコッ
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:03:05.41 ID:IOVbrsMa0
P「よし! わかった! それを俺が指導すればいいんだな?」
律子「はい。トレーナーさんにも連絡してみたんですが、予定が詰まってるみたいで」
P「大丈夫だ。俺に任せてくれ」
律子「すみませんが、お願いします。これ、これまでの練習中のビデオです。参考にしてください」
P「ああ。ありがとう」
律子「スタジオは押さえてあります。私は午後から春香たちに着くので、なにかあったら……」
P「そんなに心配するな! 任せろっていったろ?」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:04:39.53 ID:IOVbrsMa0
――
――――
P「と、いうわけでだ」
P「真は午後から俺とダンスレッスンだ」
P「他の皆は歌のレッスンに行くから、別々になってしまうが……」
真「はい! わかりました!」
美希「真くんだけ別なのは少し寂しいの」
春香「プロデューサーさんはこっちには来てくれないのかな?」ボソッ
P「ん? 春香、何か言ったか?」
春香「い、いえ! なんでもありません」アセアセッ
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:06:27.29 ID:IOVbrsMa0
――そして
――レッスンスタジオ――
P「それじゃあ、レッスンを始めようか!」
真「はい! よろしくお願いします!」
P「ああ! 真ならすぐに皆に追いつけるぞ!」
P「それじゃあ、変更した箇所なんだが……」
P「ビデオ、再生するぞ?」
真「はい!」
123: 支援ありがとう 投稿日:2012/11/05(月) 22:08:18.97 ID:IOVbrsMa0
P「……どうだ? 真」
真「うーん。流れは分かったんですけど……」
真「正面からの映像だけなんで細かい部分がなかなか……」
P「うーん、確かにそうだな……」
P「じゃあ、実際にやってみるか!」
真「そうですね。でも……」
P「これでもレッスンはちゃんとサポートしてきたんだ」
P「細かい部分もちゃんと指導できるはずだ!」
真「そう、ですよね! はい! お願いします! プロデューサー!」
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:09:36.86 ID:IOVbrsMa0
~♪ ~♪♪
ジャーン・・・・・・
真「……ふう」
真「どうでしたか? プロデューサー?」
P「うん、流石だな。大体は良さそうだ」
P「だけど、確かに細かいところで気になるところはある」
真「はい」
P「そこのところを調整していこう!」
真「お願いします!」
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:11:37.43 ID:IOVbrsMa0
P「とりあえず、曲の変わり目の部分なんだが」
真「はい」
P「もっと腰を左に突き出す感じかな?」スッ…
真「うひゃあ!!」ビクッ
P「うわあ!!」
P「ど、どうしたんだ? 急に?」
真「い、いえ……」
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:13:12.47 ID:IOVbrsMa0
真(『どうしたんだ』なんて、急に触られたらビックリするに決まってるじゃないかあ……)////
真(で、でも……)チラッ
P「?」
真(プロデューサーは全然気にしてみたい……)
真(そ、そりゃそうだよ。これはレッスンなんだから)
真(こんなことで一々動揺してたらプロ失格だよね)
真「何でもありません! 続けましょう!」
P「ああ。それでここのところは――」
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:15:08.74 ID:IOVbrsMa0
――しばらくして
P「……ふう。大体良さそうだな」
真「は、はい!」ハアッハアッ
P(う……)
P(汗で髪が顔に張り付いて、なんだか色っぽいな)////
P(息も切らせて……)
P(それになんだかいい匂いが……)
P(……! だ、だから何を考えているんだ俺は!)
P(俺にその気はないんだ! ……ないはずだ)
139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:16:34.92 ID:IOVbrsMa0
――そして
P「さ、さあ真。そろそろ時間だ。着替えて事務所に戻ろう」
真「はい! そうですね!」
P「……」
真「……」
P「……どうした?」
真「……え?」
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:18:05.56 ID:IOVbrsMa0
真(ど、どうしたって……)
真(着替えたいから出て行ってほしいんだけど……)
P「……?」
真(……! そ、そういうことか!)
真(いまの二人はアイドルとプロデューサー。男も女も無いんだ!)
真(仕事とプライベートはしっかり分けて考えなくちゃ!)
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:19:09.32 ID:IOVbrsMa0
真「それじゃあ、着替えちゃいますね」
P「ああ」
真「……」ヌギッ
P「……」
P「…………」
P「……………………」
P「うわあああああああああああ!!!!」
真「」ビクッ!!
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:20:12.54 ID:IOVbrsMa0
真「ど、どうしたんですか! プロデューサー!」
P「お、お、お、おおお……」
真「……お?」
P「……お、おんな?」
真「……は?」
P「真、お前女だったのか?」
真「」
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:21:34.41 ID:IOVbrsMa0
P「……ま、真?」
真「……」ツーン
P「そろそろ、機嫌直してくれないか?」
真「ひどいですよ。男と間違えるなんて……」
P「……すまない」
真「……」
P「……真?」
157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:22:58.68 ID:IOVbrsMa0
真「……やっぱりボク、アイドルなんて向いてないのかな」
P「……!」
真「女の子らしくって、憧れてアイドル事務所に入ったのに……」
真「プロデューサーに男と間違えられるなんて……」
P「いや、そんなことは……」
真「だって!」
P「……」ビクッ
真「プロデューサー、気づいてくれなかったじゃないですか……」グスッ
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:24:07.14 ID:IOVbrsMa0
P「真……」
真「……」グスッ
P「そんなことない」
真「……慰めなんてやめてくださいよ」
P「いや、慰めなんかじゃない」
P「真はかわいい女の子だよ」
真「……」
162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:25:26.87 ID:IOVbrsMa0
P「真に初めてあった時、真、俺に笑ってくれたろ?」
P「その時、俺、胸がドキッとしたんだ」
P「昼に食事しに行った帰り道に手を引かれたとき」
P「やっぱり、胸が高鳴った」
P「とっても良い匂いがした」
P「今のレッスン中だってそうだ。俺、ドキドキしっぱなしだった」
P「それに……」
164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:27:06.04 ID:IOVbrsMa0
P「さっき、真の下着を見たときも……」
真「うわああああああ!!」////
真「そ、それは言わなくてもいいです!」
P「ん? そ、そうか? ……そうだよな」////
P「ま、まあ……」コホン
P「とにかく! 真は魅力的な女の子だよ!」
真「……」////
真「……あ、ありがとうございます」////
169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:28:28.98 ID:IOVbrsMa0
P「みんなが『王子』とか『くん付け』で呼んでたりしてたから勘違いしてしまったが……」
P「むしろ、真が女の子で安心したんだ」
P「俺、その気があるんじゃないかって不安だったんだ」アハハ・・・
真「……ふふっ! 良かったですね! ボクが女の子で!」
P「ああ! 真はとってもかわいい女の子だ!」
真「……へへへっ!」////
174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:30:09.51 ID:IOVbrsMa0
――数日後
――事務所――
P「ここの店は雰囲気も良くてな? ランチタイムはセットが安くて――」
真「へえ! いいですね! 行きましょうよ! プロデューサー!」
P「もちろん大盛でな! ……あ! 春香たちも一緒にどうだ?」
春香「……いえ、結構です」
美希「胸焼けしそうなの」ボソッ
雪歩「お二人の邪魔しちゃ悪いですぅ」
198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:38:16.86 ID:IOVbrsMa0
皆さん。支援ありがとうございました。
>>177
雪歩はまだ入社二週間のPに馴染んでいません。
仲のいい真をとられるんじゃないかと心配しています。
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:32:03.92 ID:IOVbrsMa0
P「……ん? そうか。気にしなくてもいいんだぞ?」
真「そうだよ! 皆で行こうよ!」
雪歩「う、うん……」オドオド
春香(見せ付けられるってわけね……、でも)
美希(でもまあ……、二人の関係は日も浅いし)
春香・美希(隙あらば……)キラーンッ
春香「じゃあ、ご一緒しまーす!」
美希「美希もなの~!」
182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:33:35.44 ID:IOVbrsMa0
小鳥「うぅ~。何でこんな事に……」グスグスッ
律子「小鳥さん、いい加減元気出してください……」
あずさ「あらあら」
小鳥「たったの二日。たったの二日ですよ? 律子さーん」ピヨヨ・・・
小鳥「しかも、さっき言ってたお店、私が教えてあげたお店で……」
律子「はいはい。わかりましたから」ナデナデ
小鳥「ううう。短い夢でした」ウルウル
186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:35:25.49 ID:IOVbrsMa0
真「この前、行ったお店もまた行きたいですね! 生姜焼き、とっても美味しかったです!」
P「ああ! あの店か! 少し並ぶけど、美味いよな!」
真「……なにより!」ニコッ
P「……ああ!」ニッ
P・真「ご飯大盛が無料!!」
おわり
187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:35:50.39 ID:AqEFI3Om0
現実に目を向ければいくらでも相手がいるのにこれだからぴよぴよは
204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/05(月) 22:43:04.68 ID:IOVbrsMa0
蛇足ですが、
以前、というか昨日書いたSSです。
P「音無さんに告白する!」 春香「頑張ってください!」
読んでいただけたら幸いです。
おやすみなさい。