1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 01:54:14.52 ID:0RBpuSfOO
雪歩「美希ちゃんは黙ってて!」
美希「むー! 雪歩は穴掘って埋まっててよ!」
雪歩「そ、それは私の台詞だよ!」
美希「うるさいの! いつもうじうじしてすぐ泣くくせに!」
雪歩「な……もう怒ったから!」
美希「べーっだ!」
真「ちょっと! ちょっと待ってよ二人とも! どうしたのさ!!? なんで喧嘩なんかしてるの!?」
雪歩「こうなったら本人に直接」
美希「聞いたらすべて丸っとさくっと収まるの」
真「うん? で、どうしたのさ」
雪歩「真ちゃんはどっちがいいの!?」
美希「真くんはどっちが好きなの!?」
真「え? えぇえ!? なんのこと!? いきなりどっちって言われてもボクわかんないよ! ちゃんと説明してよ!?」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 01:56:12.97 ID:VeShg9520
雪歩「もう、鈍いなぁ真ちゃんは」
真「いやいやいや」
美希「つまり、ミキと雪歩。どっちが好きなの? ってことだよ」
真「あ、え、えぇっと……そ、それって友達として、だよね?」
雪歩「真ちゃん?」
美希「あんまり茶化してばっかりだと、ミキも怒るよ?」
真「ちょ、怖いよ二人とも……。えぇと、あの、ボクは至ってノーマルだし。
恋人にするなら男の人の方がいいし、だから――ね? 落ち着こうよ」
雪歩「……」
美希「……」
真「……あ、あはは……ゴクリ」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 01:58:09.47 ID:VeShg9520
美希「はぁ……もういいよ。ミキはお仕事の時間だから」
雪歩「美希ちゃん、逃げるんだ……?」
美希「違うよ? 聞くまでもなく絶対ミキの勝ちだもん」
雪歩「なんで? どうして?」
美希「ミキの方がキラキラしてるからに決まってるよ。そうだよね? 真くんっ」ダキッ
真「……」
雪歩「……そっか」
美希「真くんはなにも言ってくれないの」
美希「仕方ないか……あはっ、じゃあね真くん! いってきまーす!」
真「……」
雪歩「……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 02:06:29.62 ID:VeShg9520
真「あ、えぇと……」
雪歩「行っちゃった。ふふふっ。でもこれで二人っきり」
真「雪歩?」
雪歩「真ちゃん。二人っきりだよ?」
真「そう、だね……」ソロリ
雪歩「どこに行くの?」
真「う、うん。ちょっと喉が乾いたからさ……」
雪歩「そっか……じゃあお茶入れてくるね」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 02:22:54.53 ID:VeShg9520
真「大丈夫だよ自分で買ってくるから」
雪歩「そっか……私のいれたお茶じゃ、ダメなんだ」
雪歩「そうだよね……私なんかひんそーでひんにゅーでちんちくりんでダメダメだもん……」
真「……ごめん」ダッ
雪歩「……」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 02:28:51.45 ID:VeShg9520
真「……どうしよう」
真「美希も雪歩もどうしちゃったんだ」
真「二人とも昨日までは普通に接してたのに」
真「今日ボクが来るまでに何かあったんだよね、きっと」
真「とりあえずプロデューサーに連絡――」
真「……あれ」ガサゴソ
真「ない」ガサゴソ
真「ない! 携帯がない」
真「そんなはず……出るときにポケットに入ってるのはしっかり確認したはずなのに」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 02:40:37.57 ID:VeShg9520
雪歩「あんなに慌てて出て行かなくてもいいのに」
雪歩「携帯落としたことにも気付いてないんだもん……でも好都合かな? ふふふ」パカッ
雪歩「美希ちゃんのアドレスは――あった」
雪歩「これで……」ピッピッピピッ
雪歩「送信。」
タッタッタッタッ――ガチャッ
雪歩「遅かったね真ちゃん」パタンッ
真「雪歩……それ、ボクの」
雪歩「うん、そうだよ。さっき落としていったのに気付いてなかったんだ」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 02:51:46.67 ID:VeShg9520
真「……」
雪歩「どうしたの? そんな怖い顔して」
真「……今、なにしてたの」
雪歩「? なにもしてないよ」
雪歩「一応、確認のために中はちょっと見ちゃったけど」
真「……」
雪歩「もう、本当だよ? ほら」
真「……」パカッ
真「……」ピッピッピッピッ
雪歩「じゃあ私、ちょっと用事が出来たからもう行くね」
真「……」ピピピッ
雪歩「くすっ」ガチャッ―バタン
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 02:58:27.64 ID:VeShg9520
真「……」ピッ
真「……」ピッピピッ
真「……」ピッピッ
真「……!」
真「これって……ボクはこんなの送った覚えはない! 送り先は!?」
――to美希
真「美希!?」
真「あれ、雪歩は!?」
真「くそっ!」ダッ
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 03:08:12.84 ID:VeShg9520
美希「メール? 真くんから!」
美希「……ふむふむ」
美希「これは真くんからのお誘いメール……」
美希「わかった行くの今すぐ行くの!」ダッ
P「おい美希! 撮影もうすぐ始まるぞどこ行くんだ!?」
美希「今この瞬間は愛こそすべてだよ? プロデューサー」
P「なにわけのわからんこと言ってんだ!」
オイオイ ッタクヤッテランネーヨ コレダカラ765プロハ
P「すいません今すぐ捕まえますんで」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 03:25:41.01 ID:VeShg9520
何処かにあるビルの屋上
美希「……あれ?」
美希「真くーん、どこにいるのー?」
美希「おかしいなぁ。ここであってるよね?」パカッ
美希「うんあってる」
??「ふふふっ。美希ちゃんは迂闊だよね」
美希「? 誰かいる?」クルッ
??「ちょっと考えればわかると思うんだけどなぁ」
美希「その声は雪歩? どこにいるの? 真くんは!?」
雪歩?「だって美希ちゃん。お誘いでこんな場所を待ち合わせにすると思う?」
美希「真くんならあり得なくはないの」
雪歩?「ふーん。そっか」
美希「それより雪歩! 真くんはどこにいるの!?」
雪歩?「真ちゃんならいないよ。だって――」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 03:33:04.51 ID:VeShg9520
雪歩「ここに呼び出したのは私だから」
ドカキンッ
美希「!?」
雪歩「外しちゃった」
美希「雪歩!? もしかして今の」
雪歩「そう。このスコップを振り下ろしたんだよ?」
美希「な、なんで、そんなことしたらミキ死んじゃうの!」
雪歩「そうだよ……だって美希ちゃんは私の敵だから」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 03:43:21.59 ID:VeShg9520
美希「ひっ……(やばい。雪歩の目に光がないの)」
カキンッ
美希「わぁっ(怖いの……)」
雪歩「あんまりちょろちょろ動かないで欲しいなぁ」ブンッ
美希「そ、そんなの無理なのぉお!」
ガンッ
雪歩「……ふふふ」ブンッ
ドゴッ
美希「いっあっ……!?」
美希「あ……いああああああ!!?」
雪歩「あーぁ脚に当たっちゃったね……」
美希「うっうあぁっ」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 03:49:24.32 ID:VeShg9520
雪歩「これで逃げられない。バイバイ美希ちゃん」スッ
雪歩「はぁっ!」
美希「うわあああっ(嫌っ死にたくないの! 助けて真くん!!)」
バンッ
?「そこまでだよ雪歩!!」
雪歩「……」ピタッ
美希「あああぁぁ……?」
雪歩「やっと来た。遅かったね真ちゃん」
真「雪歩……美希から離れて」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 03:58:06.92 ID:VeShg9520
雪歩「ふふふっ。嫌だって言ったらどうする?」
真「……」
雪歩「嫌だよ。美希ちゃんは私の敵だから」
真「雪歩!!」グッ
雪歩「真ちゃん。動いたら美希ちゃんが死ぬよ?」
真「!」
雪歩「……あ、でもいっか。今日の仕事サボってるし」
雪歩「アイドルとしていい加減すぎるよね美希ちゃんは」
美希「……」
雪歩「アイドル失格だよね」
真「……雪歩。それ以上言ったらボクは」
雪歩「いいよ真ちゃんなら。すべて受け止めてあげる」
真「くっ」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 04:15:03.75 ID:VeShg9520
雪歩「……」
真「くそっ(どうすれば……)」
雪歩「真ちゃん」
美希「(雪歩が真くんのほうばっかり向いてるの……やるなら今なの。動いてミキの脚!)」
美希「うぅ……うううりゃっ!!」ズキズキ
バキィッ――カキーン…カラン
雪歩「あぁっ、スコップが!」
美希「うあああああっ!!?」
真「美希! はぁっ!」ダッ
バッキィッ
雪歩「ぐっ……!?」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 04:23:43.25 ID:VeShg9520
雪歩「えへへ、真ちゃんに殴られちゃった」
雪歩「殴るにしても顔はひどいよ真ちゃん……ふふふっ」
真「……」
雪歩「……」
真「ふん」
雪歩「真ちゃん……」
真「美希、大丈夫?」
美希「うん……なんとか。真くんのおかげでね?」グスッ
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 04:34:43.71 ID:VeShg9520
真「雪歩。もう雪歩とは友達でも仲間でもなんでもない」
雪歩「そっか……でも仕方ないよね」
雪歩「えへへ……真ちゃんに嫌われちゃった」
真「美希、大丈夫? 動ける?」
美希「うん……ありがと。肩を貸してくれると嬉しいかな」
真「うん。お安いご用だよ」
美希「ありがとね、真くん……でもこういうのは女の子に言わせない方がいいって思うな」
真「ごめんね。ってボクだって女の子だよ……」
美希「あはっ☆」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 04:41:59.28 ID:VeShg9520
雪歩「やっぱり美希ちゃんには勝てなかったなぁ」
雪歩「真ちゃんには嫌われちゃったし」
雪歩「美希ちゃんにひどいことしちゃったし……」
雪歩「いまさら謝ったって……誰も……」
雪歩「許してなんて……くれないよね……」
雪歩「……」
コツ……コツ……コツ……
雪歩「あんまりちゃんと見たことなかったけど結構高いなぁこのビル……」
雪歩「……」
雪歩「えへへ……」
雪歩「ごめんね……美希ちゃん、真ちゃん」
雪歩「えへへ……」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 05:02:13.43 ID:VeShg9520
次の日。
P「結局、美希の奴昨日帰ってこなかったし、怒られるのは俺なんだからな!!」
prrrrrr
P「はい765プロダクションPでございます」
P「って美希! お前よくもそうのこのこと――は?」
P「え? 入院ってどういうことだよ。骨折!?」
P「……」
P「わかった。お大事に」ガチャン
P「ということは今日の仕事はキャンセルと……」ピッ
TV「ビィーン――時頃、東京都内の○○ビル付近の路地裏で765プロのアイドルグループ『修羅場トリオ』の萩原雪歩さんが頭を強く――」
P「……」
P「……」
P「……」
P「……え?」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 05:18:52.25 ID:VeShg9520
小鳥「という夢を見ちゃったんですよね……それも昨日」
P「うぇえ。なんですかそれ。縁起でもない話しないでくださいよ」
P「それにあいつらの仲は良好も良好大良好ですよ」
小鳥「えぇ、それはわかってますけど……杞憂だといいんだけど」
P「よおし仕事だ仕事だ行くぞ三人ともー」
ガチャッ
真「ちょっと! ちょっと待ってよ二人とも! 喧嘩はやめてストップ!」
雪歩「こうなったら本人に直接」
美希「聞いたらすべて丸く収まるの」
真「うん? で、どうしたのさ」
雪歩「真ちゃんはどっちがいいの!?」
美希「真くんはどっちが好きなの!?」
真「え……えええええ!?」
P「Oh…」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 05:31:02.93 ID:VeShg9520
P「おうどうしたどうした。なんで喧嘩してんだ」
雪歩「真ちゃんがはっきりしないからいけないんです」
美希「ほら、早く白状するのー。ミキのクッキーと」
雪歩「私のクッキー」
雪歩美希「どっちがおいしかった!?」
真「そんなこと言われたってぇ! プロデューサー助けてくださぁい!」
P「なんだ素直に感想を言えば済む話じゃないか」
真「それ二人のクッキーを食べた後でも言えますか、プロデューサー」
P「?」
真「まあなんでもいいんでこれとこれ食べ比べてみてくださいよ」
P「おう……」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/19(水) 05:43:40.11 ID:VeShg9520
P「ふむ。まあ見た目は普通のクッキーだな」パク
P「味も普通だな」モグモグ
P「……正直違いがわからん」
真「でしょう」
P「まあでも俺はどっちも好きだぞってことで一件落着。ほら早く行かないと遅れるぞー」
真「あ! もうそんな時間だったんだ!」
美希「ああ! ミキなにも準備できてないの!」
雪歩「わ、私も!」
P「ったく! なるべく急げー?」
ウワアアミキノカバンガー モウナニヤッテルンダヨミキー ワアアアアンッゴキブリデスゥ
ワーキャードタバタドンガラガッシャーン
P「もう俺は疲れたあああああ!」
終