1:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:23:33.84 :FzM8CPEt0
設定及び注意点
1.楓さん主演のドラマ。楓さんは本家と同じく雑貨商を営んでいる。
2.筆者は無心で飯を食べるタイプなので、文中の表現が乏しい。
3.楓さんが、酒を呑まない。(以下 その理由)
モバP「楓さん、ドラマの仕事持ってきましたよ!主演です」
楓「まぁ……気合が入ります。ところで、ドラマの中でお酒は飲めますか」
モバP「ああ、主人公が下戸って設定なので、無理です」
楓「は?」
モバP「いや、設定上そこは譲れないと先方から」
楓「お酒が呑めないなんて……酷です……残酷です」
2:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:24:43.46 :FzM8CPEt0
第一話「港区 神谷町 南インドカレー店のビュッフェランチ」
高垣楓(神谷町……東京タワー。やっぱり、東京タワーの方がシンボルって感じするわね)
楓(む……もう十二時だわ。仕事を早く終わらせて、お昼にしましょう)
時間や社会に捕らわれず、幸福に空腹を満たす時
束の間、彼女は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気を遣わずにモノを食べるという孤高の行為
この行為こそが、現代人に平等に与えられた最高の癒しと言えるのである。
「楓のグルメ」
3:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:25:18.46 :FzM8CPEt0
楓(さて、待ち合わせ場所は愛宕神社だったわね。ああ……ここか)
楓(出世の石段か……生憎、サラリーマンじゃないけれど、ゲン担ぎに一つ気合を入れて登ってみましょうか)
楓「はぁ…はぁ……ふぅ」
楓(結構長い石段だったわ。そして、二つ目の鳥居……依頼人はすぐそこね)
楓(折角だから、少し愛宕様にお参りでもしていこうかしら)
楓(手水舎で口と手を洗って……参道を歩いて)
楓(社殿ね。確か……二礼二拍手一礼だったかしら)
パン パン
楓(良い駄洒落を思いつけますように……と)
楓(参拝も終わったし、そろそろ依頼人の所に……)
依田芳乃「おおー、そなたはー」
楓「あっ……どうも。依田芳乃さんでしたね」
芳乃「はいー、わたくしが依田はー芳乃でしてー」
楓「どこか落ち着けるところで、商品をお渡ししましょうか」
4:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:25:45.63 :FzM8CPEt0
芳乃「そうですねー」
楓「さて……こちらがご注文の商品です。ご確認願えますか?」
芳乃「むおー、これでございましてー。この柄ー、この艶ー、音も大変良さそうですねー」
楓「気に入って頂けましたか」
芳乃「望み通りでしてー。いやー、社まで来ていただいて、申し訳ありませんねー」
楓「いえいえ……お客様の元に商品を届けるまでが仕事ですので」
芳乃「商人の鏡ですねー。ところで参拝はいたしましてー?」
楓「はい、ここに来てすぐ」
芳乃「それは良いのでしてー。では、わたくしはこれでお暇させていただきましてー」
楓「はい、また何かありましたら、ご連絡を」
楓(何だか変わった子だったわね。神社に馴染んでるというか……む)
楓(十二時半……時間を意識し始めたら)
楓(お腹が……減った)
5:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:26:11.32 :FzM8CPEt0
スタスタ
楓(駅に戻るまでに何か美味しそうなものを見つけよう……)
楓(ラーメンって気分じゃないし……ソフトクリームも美味しそうだけど……お昼に食べるものじゃないわね……牛丼は安直すぎるし……とすると)
楓(パスタと……カレーか……)
楓(パスタは……橘のイチゴパスタ……地雷臭がするわね。とするとカレーなんだけど……ビュッフェスタイルか……お腹も空いてるし、ここにしよう)
店員「イラッシャイマセ」
楓(店員は、皆インドの人なのかしら……いきなり本格的だわ)
店員「オヒトリサマで?」
楓「はい、一人です」
店員「ゴアンナイイタシマス」
楓(さて……店員もそうだけど、他のお客もインド人……日本人が少数派……新鮮だわ)
楓(さぁ……早速、食べましょうか)
6:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:28:33.05 :FzM8CPEt0
楓(おおっ、カレーが沢山、より取り見取りだわ……それに皆、いい香りだわ……期待に胸が膨らむわ)
楓(カレー用のお皿は二つまで……成るほど、これだけカレーがあると一気に取って食べたくなっちゃうから、お皿が無くなっちゃうものね。……さてと)
楓(ご飯はサフランライスかしら……あとは……なんじゃこりゃ)
楓(ケララパロタ?ナンより重い……厚いクレープみたいだわ。取りあえず二枚取っておきましょうか)
楓(カレーはとりあえず……ジンジャーチキンカレーと……ベじ…はいどばら?良く分からないけれど野菜カレーみたいだからこれにしましょうか。一先ず、このくらいで)
楓「よし……頂きます」
楓(ケララパロタをまずは食べてみよう。チキンカレーに漬けてっと)
楓「あむ…はむ…あぐっ」
楓(美味しい……辛いけど、辛いだけじゃない。スパイスの奥深さってものを感じるわ)
楓(それに……ケララパロタも最初見たときは何じゃこりゃと思ったけど……いいじゃないか)
楓(普段見かけるナンとは違って、少し重くて密度があるけれど……歯ごたえがあって、モチモチしてる……。そして……カレーともよく合う)
楓(ナンだけじゃない。新しい発見をしたわ)
7:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:28:59.81 :FzM8CPEt0
楓(ベジカレーの方も、おおっ……カレーというよりはスープって感じだけど……味は濃厚でしっかりスパイシー……なるほど、インドにベジタリアンが多い理由が分かるわ)
楓「ふぅ……まだ足りないわね」
楓(今度は、このチリチキンみたいなやつと…モグラヒチキン……モグラカレーと)
楓(さっきから気になっていた君にしよう。ワダくん。ドーナツみたいだけど変な名前だ)
楓(さぁ……第二戦だ)
楓(まずはチリチキンから……)
楓「うん……いいじゃないか、いいじゃないか」
楓(想像通りの味だわ……うん、辛い。食が進む)
楓(さて……次はワダ君にしよう。まずはカレーにつけないで一口……)
楓「んっ……これはこれは」
楓(ドーナツみたいだからパン生地かと思ったけど……フワフワしてる。ゆるふわだ……ゆるふワダ。ふふっ……)
楓(さぁ、今度はカレーに浸けて……モグラカレーにしよう)
楓(ほぉ……モグラカレーも侮れない味だ……カレー軍団の中でもしっかり個性を確立してる。辛みが強く……そして鶏肉が柔らかい)
楓「んふふっ……」
8:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:29:26.15 :FzM8CPEt0
楓(さぁ、残りのカレーを制覇しよう。……ラストスパートだ)
楓(サフランライスを多めに持って……ワダを一つ……ワダのお供には、この狙ったかのように置いてあるサンバルカレー……そしてライスにはモグラカレーをどばぁーっと)
楓(よし……完璧だ)
楓「はむっ……がつ……あむ…」
楓(ライスにカレー……ライスカレー。まさに王道を征く味だ……美味しい)
楓(サンバルカレーはどうかしら……うん、優しい味だ。お豆のカレー……オクラも入ってるわ……いいぞぉ。ワダとの相性も抜群……ナンに負けてないぞ)
楓(いいなぁ……このお店。どれを食べてもスパイシーで……辛いだけじゃない奥深さを感じる)
楓(あと一巡できそうだけど……残してしまうとマズい。これで終わりとするか……)
楓「……ご馳走さまでした」
楓(会計はこのレジでするのね……あっ!!)
楓(タピオカ……デザートがあったのか……くぅっ……惜しい、ただただ惜しい)
楓(ごめんなさい……今度来るときは忘れないわ)
楓「ふぅ……」
楓(南インドカレー……香辛料に彩られた良いお昼だった)
楓(タピオカ……必ずまた来るわ)
楓(さぁ……午後の仕事も頑張るぞ……)
9:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:46:38.30 :FzM8CPEt0
CM「ちゅ」
ちひろ「大体、名アイドルはワンテイクOKですよね」
監督「よく聞きます」
のあ「私も、テイクワンに最も集中するから……任せなさい」
のあ「……では、始めましょうか」
脚本「マンションはチヒロハウス」
のあ「へぇ……チヒロハウスはちひろの会社なのね……」
監督「ニュアンスは、のあさんにお任せします。テイクワンよーい!」
カチッ
のあ「マンションも……チヒロハウチュ」キリッ
10:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:47:08.29 :FzM8CPEt0
ちひろ「…………」
スタッフ「…………ちゅ?」
監督「のあさん……今、微妙にハウスがハウチュに……」
のあ「だって……」
のあ「ハウチュ」「ハウチュ」キリッ 「ハウチュ」ドヤッ
ちひろ「……あはは」
のあ「もういい。もう一回やりましょう」
監督「ありがとうございます!」
のあ「ハウスッ……!ハウスッ!」
監督「では、テイクツーよーい!」カチッ
11:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 13:47:40.30 :FzM8CPEt0
のあ「マンションも……チヒロハウチュ」
監督「なんで……チヒロハウチュなんだ……」
のあ「…………っ」
マンションもチヒロハウチュ
15:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:28:44.86 :FzM8CPEt0
第二話「新宿区 高田馬場のロシア料理」
楓(初めて降りたけど……学生がいっぱいね)
楓(電車に乗っている間にも、いろいろな学校が見えたし……学生街なのかしら)
時間や社会に捕らわれず、幸福に空腹を満たす時
束の間、彼女は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気を遣わずにモノを食べるという孤高の行為
この行為こそが、現代人に平等に与えられた最高の癒しと言えるのである。
「楓のグルメ」
16:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:29:14.67 :FzM8CPEt0
スタスタ
楓(ビッグボックス……歓迎しよう!盛大になっ)
楓(と遊ぶのはこれくらいにして、早く仕事を済ませてしまいましょう)
楓(三丁目……この喫茶店か……シーサイドキャット)
ガチャリ
高峯のあ「いらっしゃいませ」
楓「ああ……私、昨日お電話した高垣楓です」
楓(メイド服……普通の喫茶店にそれは……)
のあ「昨日の……思い出しました。貴方が高垣さんですね」
楓「はい。早速ですが、猫のオブジェをお探しとの事で……」
のあ「ええ。ですがオブジェ……とは言っても、私が探しているのは只の猫のオブジェではありません」
楓「と言いますと?」
のあ「猫であるが猫でない。そういったオブジェです」
楓「普通の猫のオブジェではダメなんですよね?」
17:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:29:42.54 :FzM8CPEt0
のあ「普通……普通という言葉を人々は良く使いますが……普通とは何でしょうか?私はよく普通でないと言われますが……何をどうすると普通なんて……一体誰が決めたのでしょうか」
楓(マズい……この人、私より厄介なタイプだ)
のあ「ところで、コーヒーはいかがでしょうか?」
楓「あっ……頂きます」
のあ「砂糖は?」
楓「お願いします」
のあ「どうぞ」
楓「ありがとうございま……」
のあ「とうっ……」
楓「あれ……消えちゃいました」
のあ「こちらに」スゥ
楓「まぁ!凄いですね。どうやってやってるんですか?」
のあ「それは……営業秘密という事で」
楓「では……もう一回だけ見せていただけますか」
のあ「ふふ……はぁっ」
楓「たぁ」
18:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:30:18.24 :FzM8CPEt0
楓(取れちゃった)
のあ「……どうしてお取りに?」
楓「取れるかなって思いまして」
のあ「思っても取らないでしょう……普通」
楓(今……普通って言った)
楓「それでは、後日、資料をお送り致しますので……私はこれで」
のあ「はい……それではまた後日」
ガチャン
のあ「彼女……きっといいオブジェを見つけてくれるわね」
楓(難しいお客様だったわ……それに、難しい話をしていたら)
楓(お腹が……減った)
19:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:30:52.22 :FzM8CPEt0
スタスタ
楓(ハンバーグ……焼鳥……どれもしっくり来ない。焦るな……落ち着け……私はお腹が減っているだけなんだ)
楓(……!このビル、結構お店が入ってるわ。少し見て行こう)
楓(うどん……新しい出会いがありそうで釣られるけれど……ロシア料理……いいなぁ。ここにしよう)
ガチャリ
アーニャ「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」
楓「はい、一人です」
楓(可愛い店員だわ……)
アーニャ「ではお席にご案内します。コートはあちらに懸けてください」
楓「ここで?」
アーニャ「はい。あ……こちらがメニューです」
楓「どうも」
アーニャ「モスクワセットの料理はアイナメのソテーで、トーポリセットのお肉料理はタバカ……アー……鳥の圧焼のサワークリーム添えです」
楓「ありがとうございます」
楓(さてさて……何を食べようかな。……ん?)
楓(”つぼ焼きは天火で焼いているので熱いです。紙ナプキン等を使い、パイを外してお召し上がりください“か。へぇ、つぼ焼きか……いいじゃないか)
楓(あと……ウォッカは巷で言われているほど強いお酒ではありません。ウォッカを一杯飲み、その後水を飲んで香りをお楽しみください“……残酷だ。残酷です)
楓(とりあえず、つぼ焼きは食べてみたいな。あとピロシキも食べたいし……とすると、トロイカセット……ボルシチとつぼ焼きとピロシキ、そして食後はロシアンティー。決めた)
楓「すみません」
アーニャ「はい」
楓「この……トロイカセットを一つ」
アーニャ「トロイカセット……ですね。少々お待ちください」
20:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:31:21.86 :FzM8CPEt0
楓「はい」
楓(さっきまでメニューに集中していて気が付かなかったけれど……いい雰囲気だわ、このお店)
楓(調度品もしっかりしてて……レトロな欧風レストランって感じで、おしゃれ……)
楓(ただ……目の前にウォッカの瓶があるのはいただけない。……目に毒だ)
アーニャ「こちら、サラダになります」
楓「あっ、どうも」
楓(サラダはレタスにきゅうり……あと人参とトレビスに、フレンチドレッシングか……うん、無難で悪くない)
アーニャ「こちら……ボルシチになります。サワークリームを溶かして召し上がってください」
楓(おおっ……来た来た。ロシアの代名詞)
楓「頂きます」
楓(サワークリームを溶かしてっと……一口)
21:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:32:23.33 :FzM8CPEt0
楓(んぅー……美味しい。野菜と牛肉のコクとビーツがしっかりマッチしている。さっぱりしているけど薄すぎない。ベストな感じだわ)
楓(玉ねぎ、ニンジン……キャベツもか。具だくさんで結構結構)
楓(そして牛肉……ボルシチがしっかり滲みてる。味わい深い)
アーニャ「ふふ……美味しいですか?」
楓「はい!とっても」
アーニャ「嬉しいです。ではピロシキもどうぞ。熱いので気を付けてくださいね」
楓(ピロシキ……アツアツだ。さてお味は……)
楓「はふ……はふ……はぐっ」
楓(うわぁ……中身がぎっしり、ひき肉で……男の子の味ね。でも油っこくない)
楓(おっと……気を付けて食べないとこぼしそうになるわね。春雨もしっかりアクセントとしての役目を果たしている。)
楓(ふぅ……二品ともペロリと食べてしまった。もう少し味わって食べればよかったな……)
アーニャ「こちらが、つぼ焼きです。熱いので気を付けてくださいね」
楓「はい、どうも」
楓(来たな……つぼ焼き。さて、紙ナプキンと使ってっと)
22:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:32:50.10 :FzM8CPEt0
楓「ふん……ふぬぬ」
楓(このパイ……やりおる)
楓(もう一回チャレンジ……よし、取れた)
楓(それにしても、このパイ……良いバターの香りがするなぁでもまずはシチューを食べよう。)
楓「あむっ……」
楓(ふふ……美味しい。生クリームがしっかり効いた濃厚なシチューだ。……パイをつけて食べると……おおー、パイのバター味とシチューの風味が合って、深い……深いぞぉ)
楓(シチュー単体でも美味しいけど……パイが加わることによってもっと美味しくなってるなぁ)
楓(ロシア料理……寒い国ならではの身も心も豊かになる味だ……)
アーニャ「こちら、ロシアンティーになります」
楓「これは……中にジャムが入ってるんですよね?」
アーニャ「はい。ジャムを入れて飲むのはウクライナの飲み方なんですけど、ロシアでもこの飲み方をする人はいるので……ロシアでは、ジャムをスプーンで口に含みながら飲むんですよ」
楓「へぇー」
楓(知らなかった……)
アーニャ「それでは、ごゆっくり」
楓(ふふふ…ナイストリビア)
23:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:33:22.18 :FzM8CPEt0
楓(うん、紅茶も濃い目の紅茶にイチゴジャムが合わさって、良い酸味だわ)
楓「ふぅ……ご馳走様でした」
楓(ロシア料理……初めて食べたけど、寒い国ならではの豊かな味わいだったわ)
楓(さて……そろそろお会計を済ませて、お店を出るか)
楓(ピロシキ……テイクアウトまであるのか)
楓「すみません、ピロシキってテイクアウト出来るんですか?」
アーニャ「はい、いくつ食べますか?」
楓「とりあえず四個お願いします」
アーニャ「はい。少し待っててくださいね」
24:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:34:58.44 :FzM8CPEt0
客1「白いの、何食べる?」
客2「私、つぼ焼き、所望!!」
客1「なら、私、トーポリ。白いのは、トロイカ、注文」
客2「うい!注文!」
楓(ふふふ……ウェルカム、ウェルカム)
アーニャ「こちらピロシキです」
楓「はい。どうも」
アーニャ「またのご来店をお待ちしてます」
楓(さぁ……ピロシキをお供に、午後の書類作成といきますか)
25:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:49:43.70 :FzM8CPEt0
CM「ぴにゃこら太」
のあ「へぇ……立派なマンションね。チヒロハウス……?」
穂乃香「……はい」
ちひろ「カーット!!」
ちひろ「いやーいい演技でしたよ、のあさん」
のあ「どうも……」
ちひろ「次のカットの事で相談なんですけど……」
ちひろ「どうですか?」
ぴにゃこら太「」デン
のあ「……ぴにゃこら太?」
ちひろ「違います。ぴにゃ↑こら太です」
のあ「ぴにゃこら太……」
ちひろ「これを着て欲しいんですよ、のあさん」
のあ(何で……ぴにゃこら太なのかしら……)
ぴにゃこら太「ぴにゃこら太ぁッ」
26:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:50:14.14 :FzM8CPEt0
穂乃香「行ってしまうんですか?」
穂乃香「ぴにゃこら太っ!行かないでくださいっ」
のあ「……素晴らしいマンションだったわっ」
タッタッタッ
ちひろ「はい、カーット!!」
のあ「………………暑い」
ちひろ「いやぁーいい演技でしたよ、のあさん」
のあ「……どうも」
ちひろ「じゃあ次のシーンに」
のあ「……監督」
27:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 16:50:42.74 :FzM8CPEt0
ちひろ「どうしました?」
のあ「この衣装と……マンションの間に何の関係があるのかしら」
ちひろ「関係?ある訳ないじゃないですか、のあさん」
のあ「な……っ…………何!?」
ぴにゃこら太「ピニャコラタァッ」
デン デン デン!!
のあ「チヒロハウス」
30:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 18:08:07.32 :FzM8CPEt0
第三話「千代田区 秋葉原のせせり丼」
楓(秋葉原……昔はオタクの町で有名だったけど……最近ではその頃の面影が無くなってきてる)
楓(それに……人も増えたなぁ)
楓(こう人も増えると昔みたいにコスプレした人も減って……)
蘭子「いざ、猛虎の牙城に侵攻せんっ!!(まずはとら○あなに行きましょう!!)」
飛鳥「ふふ、行先は君に任せよう」
凛「ねぇ、私達目立ってないかな」
奏「大丈夫よ、似合ってるわ」
楓(う……黒歴史を思い出す)
時間や社会に捕らわれず、幸福に空腹を満たす時
束の間、彼女は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気を遣わずにモノを食べるという孤高の行為
この行為こそが、現代人に平等に与えられた最高の癒しと言えるのである。
「楓のグルメ」
31:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 18:08:39.66 :FzM8CPEt0
楓(さてと……メイドカフェウサミンだったかしら?……見つけた)
ガチャリ
心「いらっしゃいませー☆お一人様ですかぁー☆」
楓「あの……私、安部菜々さんに用がありまして」
心「菜々店長に?ちょおっと待ってろー☆菜々さーん!!」
菜々「はいはーい!あ!楓ちゃんじゃないですかー!!久しぶりですねっ」
楓「はい、お久しぶりです、菜々先輩」
菜々「ちょっと楓ちゃん!先輩とか言っちゃダメですー!」
楓「えっ……」
菜々「菜々は今十七歳ですからね!!」
楓「は……はぁ」
楓(わ……訳が分からないわ)
ツンツン
楓「ん?」
心「察しろ☆」
楓(ああ、メイドの時は十七歳って事なのか……大変だなぁ)
32:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 18:09:06.90 :FzM8CPEt0
楓「ところで菜々せ……菜々ちゃん」
菜々「はい!何ですか?」
楓「先日、お電話いただいた件なんですけど……一応サンプルを持って来たんですけど」
菜々「うわぁーっ、可愛い置物ですね」
楓「はい。可愛い兎の置物という事だったので」
菜々「楓ちゃんに頼んで正解でしたね。ではこれでお願いします」
楓「はい、じゃあ後日、品物をお送りしますね」
菜々「はい!その時にはパフェを作ってお待ちしてますね!」
バタン
33:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 18:09:36.97 :FzM8CPEt0
楓(高校時代の先輩が店をやってるとは聞いていたけど……メイドカフェだったとは)
楓(でも楽しそうだったなぁ。良かった良かった)
楓(でも私は良くないな。お腹が……減った)
楓(今日は時間もあるし、吟味しながら探そう)
楓(秋葉原……ラーメンとかカレーとか牛丼もあるけれど……がっつりした物は食べたい気分じゃないわ)
楓(こう……お昼ご飯って感じのが食べたい)
楓(そうこうしているうちに……駅の方まで戻ってきてしまった。……あれ、あれいいんじゃないかしら)
楓(居酒屋だけど……お昼もやってる。それに、“お昼ご飯出来ました”この暖簾がいいじゃないか)
楓(私のお昼ご飯……決定)
34:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 18:10:07.03 :FzM8CPEt0
楓(地下にあるのね。地下は好きだわ、落ち着いてて)
美優「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」
楓「はい、一人です」
美優「カウンターの……左から四番目の席が空いてますので、そこに座ってください」
楓(店の雰囲気は……悪くない。さて、メニューは……せせり丼?せせりって何なのかしら……気になるわ)
楓「すみません、せせりって……何ですか?」
美優「鶏の首の方のお肉です。身が締まってコリコリしてとっても美味しいですよ」
楓「じゃあ、せせり丼一つ」
美優「はい、せせり丼一つですね。千秋ちゃん、せせり丼一つ」
千秋「はい、せせりですね」
楓(コリコリ……どんなお肉なんだろう。楽しみね)
翠「こちら、お通しになります。お食べになってお待ちください」
楓「では……頂きます」
35:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 18:11:16.51 :FzM8CPEt0
楓(お通しか、どれどれ……ポテトサラダに梅干にもやしの胡麻和え……ベーシックだけどそれが良い)
楓(味も……うん、美味しい。お酒と一緒に食べたら、もっと美味しいだろうな)
楓(梅干……お昼に梅干は、久しぶり)
楓(うん……懐かしい。お通しも美味しいけど……お皿が可愛いわ)
楓(この小鉢……どこで売ってるのかな)
千秋「はい、せせり丼です」
楓(来ました、来ました、せせり丼。早速だけど……頂きます)
楓(ん……確かにコリコリしてて……でも柔らかく、脂ものってる……美味しい。
タレも下手に自己主張していない……うん、パクパクといけるわね)
36:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 18:12:31.86 :FzM8CPEt0
楓(これならご飯大盛りでも良かったかもしれない。……少し、後悔)
楓(おっと、お味噌汁を忘れてた。中には……カブ、にんじん、大根……うん、私の好きなお味噌汁だ)
楓(うん……お昼ご飯って感じのお昼ご飯だった)
楓「ご馳走様でした」
楓「ふぅ……」
楓(絶対、夜来よう。混むだろうけど)
志乃「……ふふ」ウィンク
楓(挑戦状を受け取ってしまった。早く仕事を終わらせよう)
CM「志乃さん、羨ましいです。by楓」
ナレーター「酒場という聖地へ」
ナレーター「酒を求め―」
ナレーター「肴を求め、彷徨う」
柊志乃の酒場放浪記
38:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 19:19:34.09 :FzM8CPEt0
最終話「台東区 上野のとんかつ」
楓「ほふ……ほふはふ……」
楓(さっき買った、このたこ焼き……美味しい)
楓(でも……まだ来ないのかしら、早苗さん)
楓(もう30分くらい経ってるのだけど……電車は遅れてないし……まさか、寝坊)
早苗「楓ちゃーん!!」
楓(あっ、来た来た)
楓「早苗さん、遅かったですね」
早苗「ゴメンゴメン、昨日の夜、お酒飲みすぎちゃってさ……酔いが全然抜けなくて」
楓「いえ、時間はあるので大丈夫ですよ」
39:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 19:20:02.78 :FzM8CPEt0
早苗「楓ちゃん、その手のたこ焼き、何処で買ったの?」
楓「アメ横の中で買いました」
早苗「いいなぁ、アタシにも一個ちょうだい」
楓「どうぞ」
早苗「はいはい、ありがとー」
早苗「んっ……ほふ…ほふほふはふっ……はふい」プルプル
楓「あ、熱いので気を付けてくださいね」
早苗「さひにひってよ(先に言ってよ)!!」
楓「ふふ……遅れてきたお仕置きです」
早苗「はぁ……相変わらず、楓ちゃんは読めないなぁ」
早苗「ああっ、これ……楓ちゃんにお仕事持ってきたから、見といて」
楓「ふむふむ……こんなに大きいお仕事……本当に良いんですか?」
早苗「楓ちゃんになら任せられるって思ってさ。あと、あたし、明日からハワイに行くからさ」
40:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 19:20:43.20 :FzM8CPEt0
楓「ハワイ……美味しいものが一杯ですね」
早苗「へへへ……良いでしょ。あ、何かおみあげでリクエストある?」
楓「マカダミアチョコレートの高いので」
早苗「マカダミアナッツのチョコレートね。じゃあ、あたしは荷物の用意しなきゃいけないから行くね。お仕事よろしくねー」
楓「はい、気を付けて」
楓(早苗さんからのお仕事は、面倒だけど大口のお仕事が多いから、やりがいがあっていい)
楓(でもハワイか……いいなぁ)
楓(ハワイの食べ物の事を考えていたら、お腹が……減った)
41:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 19:21:09.69 :FzM8CPEt0
楓(上野は見渡す限りご飯処……慌てるな、自分の感覚を信じて……お店を嗅ぎ当てるんだ)
楓(おっ……ここなんかいいんじゃないのかしら)
楓(ロースかつ700円……値段的には魅力的だけど、まぁお店の中を少し見てから考えよう)
ガラガラ
楓(サラリーマンでいっぱい……これはひょっとするとひょっとするんじゃないかしら)
楓(よし……ここにしよう)
42:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 19:21:39.07 :FzM8CPEt0
東郷あい「いらっしゃいませ、お一人様ですか」
楓「はい、ひとりです」
あい「ではカウンターの席にどうぞ」
楓「はい」
楓(綺麗なお店だわ……真面目なお店なんだろうな)
楓(さて、何を頼もうかな)
楓(メニューは……ロースかつにカキフライに……ミックスフライ、ヒレカツか……)
楓(ロースかつも悪くないけれど、ここはヒレカツにしよう)
楓「済みません、ヒレカツ定食を一つ」
あい「ヒレカツですね。少々お待ちください」
43:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 19:22:10.68 :FzM8CPEt0
楓(周りはロースかつを食べている中で一人だけヒレカツ……ロースカツが人気なのかしら)
楓(目の前で揚げてくれるのが良いなぁ。本格的)
あい「こちらヒレカツ定食になります」
楓(山盛りキャベツにヒレカツ……美味しそう。お味噌汁は蜆のお味噌汁ね、ぐっど)
楓(ご飯も結構量があるから、食べがいがあるわね)
楓「いただきます」
楓「あむっ……あぐ……もぐ」
楓(ヒレカツが柔らかくて美味しい。お肉は重いのに衣は軽い。うん、ソースもいいなぁ)
44:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 19:22:39.72 :FzM8CPEt0
楓(ヒレカツを食べて、ご飯を食べて、さらに浅漬けをお口に入れる。ああっ……美味しい)
楓(よし、浅漬けが無くなったらお味噌汁だ……止まらない、私のお箸は止まらないっ)
楓「はむ……もぐ……はむはふ」
楓(ふぅ……いつの間にか食べきってしまった。とっても美味しかったわ)
楓「ご馳走様でした」
あい「また来てくださいね。あとお忘れ物とか無いようにしてくださいね」
楓「はい……また」
楓(気持ち良い接客もまた良きなり)
楓(さぁ、明日は浅草ね。何を食べにいこうかな)
おわり
46:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 20:24:21.15 :FzM8CPEt0
おまけ
CMの残り
CM「ぴにゃこら太X」
のあ「へぇ……これがチヒロハウスの新しい家……」
ちひろ「外張り断熱と太陽光発電で光熱費を約40パーセントカット減らせるみたいですよ」
のあ「なるほど……でも建物がXの形をしているのは何故なのかしら」
ちひろ「そこに目をつけるとは……流石はのあさん」
ちひろ「そこで……」
ぴにゃこら太X「」
ちひろ「これをのあさんに着てもらいたいんです」
のあ「また……ぴにゃこら太……!」
ちひろ「ただのぴにゃこら太じゃない、ぴにゃこら太Xです!」
ちひろ「建物に因んでXにしてみました!」
のあ「ぴにゃこら太……エックス」
ちひろ「やってくれますよね!」
のあ「……ちょっと……考えさせて下さい……」
47:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 20:24:49.98 :FzM8CPEt0
デン デン デン!
のあ「チヒロハウス」
CM「仕事は選ぼう」
のあ「ぴにゃこら太X……」
ちひろ「やってくれますよね!」
のあ「この役には……もっとふさわしい人間がいるわ」
のあ「年齢的にも……例えば……岡崎泰葉とか」
ギュン!!
岡崎泰葉「岡崎泰葉です。宜しくお願いします」
ちひろ「これなんですけど」
泰葉「喜んで着させていただきます」
のあ「えっ……!?」
泰葉「外張り断熱と太陽光発電で!光熱費とCO2を約40パーセントカット!!」
泰葉「こんな感じでどうでしょう、監督」
ちひろ「完璧です」
のあ「……ええ……っ」
デン デンデン!!
のあ「チヒry」
48:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 20:25:23.88 :FzM8CPEt0
CM「リフォーム」
のあ「へぇ……ライブ会場のリフォームね」
ちひろ「チヒロハウスはリフォームも得意なんですよ」
ちひろ「そこで私もぴにゃこら太をリフォームしてみました。これです」
ちひろ「ぴにゃこら太アクセルですよ、のあさん」
のあ「なっ……何をやっているの貴方は……」
ちひろ「着て、頂けますね」
のあ「無理に決まってるでしょう……こんな布があって無いようなもの……」
ちひろ「そうですか、残念です。じゃあ、誰か他に良い人は?」
のあ「少し考えれば思いつくでしょう……新田美波とか新田美波とか……!新田美波とか……!!」
ちひろ「好きなんですね、のあさん」
のあ「や、ち、ちがっ……」
デン デン デン
のあ「チry」
49:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 20:25:53.80 :FzM8CPEt0
CM「ミスプロ意識」
ちひろ「そうですか、残念です。なら他に良い人は?」
ギュン!
武内P「新田美波です。宜しくお願いします」
ちひろ「美波ちゃん、これなんですけど」
武内P「申し訳ありませんが……私どもの新田は被り物はNGでして」
のあ「そこ?……NGなのはそこなの……!?」
美波「私、必然性があれば着ますっ//」
ちひろ「どうですか、のあさん?」
のあ「必然性だらけだわ。むしろ必然性しかない」
美波「リフォームもっ!チヒロハウスっ!!」タユンタユン
美波「どうですか、監督」
ちひろ「どうですか、のあさん」
のあ「完璧ですッ!!」ホッコリ
デン デン デン!!
のあ「ry」
50:◆2vQ.vRCmts:2015/01/30(金) 20:26:21.00 :FzM8CPEt0
CM「大団円」
ちひろ「そうだ!今度のCMはエックスとアクセルのラブロマンスにしましょう!」
のあ「……」
撮影前夜。
のあ(泰葉……この前は、無理矢理押し付けて悪かったわ。ぴにゃこら太Xは私がやるから……)
ぴにゃこら太X「どうしたんですか、急に呼び出して」
のあ「ごめんなさい大した用事では……っ、何をやっているの……!?」
泰葉「明日は大事な撮影なので、今から役作りをしておこうと思いまして」
泰葉「チヒロハウスは省エネな家を建てるのもでリフォームも得意なんだぴにゃ」キリッ
泰葉「これが、明日の大事なセリフです」
のあ「そう……頑張りなさい」
撮影当日。
美波「しっかりして!ぴにゃこら太X!!」
泰葉「貴方は……大丈夫」
美波「私は大丈夫です」
泰葉「最後に伝えたいこゴハぁッ!!伝えたい事がァッ!!」
美波「何!?」
泰葉「チヒロハウスは省エネな家を建てるのもでリフォームも得意なんだぴにゃ」キャッピピピピーン
美波「分かったから、もう……」スゥ
のあ「カットォ!!」
のあ「チヒロハウスが素晴らしいって事を伝えるために!こんな芝居……!必要ないでしょう……!!」
ちひろ「確かに」
ちひろ「でも楽しいでしょう」
のあ「何!?」
泰葉「そう!家は楽しいところっ♪」
のあ以外全員「笑顔の集まる楽しいところ♪」
全員「チヒロハウスは楽しいとーころー♪」
ちひろ「これからの女子寮のご利用もも宜しくお願いしまーす♪」
終わり
52:2015/01/30(金) 22:48:49.25 :VPe+uKX30
乙です
のあが可愛いし泰葉がはっちゃけたり楽しかった♪
またやって欲しい
53:2015/01/31(土) 03:13:19.18 :nEc29x1Mo
川崎の馬刺しこだわりの店とか見たいなー(ステマ
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422591813