伊織「あんた、どこに行く気?」【水瀬伊織SS】

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 13:46:05 ID:r3k+o3wg0
P「いや、ちょっとコンビニへ行きたいなーって……」

伊織「欲しいものがあれば執事に行かせるわよ」

P「……と言うか、そろそろこの部屋から出たいというか……もう3日は缶詰で……」

伊織「ダメよ」

伊織「あんたは私と一緒に、この部屋で過ごすんだから」

P「………」

いおりんと一緒にラブラブ生活をしたい

4: >>2 続きなぁ…… 2012/10/31 13:55:22 ID:r3k+o3wg0
P「なぁ、そろそろ仕事に行かせてくれよ 社長や小鳥さんだって心配してるだろうし……」

伊織「はぁ? ちゃんと代わりは寄こしてるわよ」

伊織「あんたはここで私の一生をプロデュースすればいいのよ」

P「………」

コンコン

新堂「お嬢様、少しよろしいでしょうか?」

伊織「なに?」

新堂「御友人様がいらっしゃいました」

春香「っ……、プロデューサーさん! やっぱりここに……」

P「はるか……? 春っ……」

伊織「帰ってもらって」

新堂「はい、すみませんが、お嬢様からの御命令なので」

春香「えっ、プッ、プロデューサーさ……」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 13:58:33 ID:r3k+o3wg0
伊織「ふう……これで二人っきりね」

P「………どうして……」

伊織「?」

P「どうして……俺を……」

伊織「言わなきゃわからないの?」

伊織「あんたが好きだからよ」

P「………っ」

伊織「ほんっと、鈍いわね」

伊織「美希よりも、春香よりも……私が一番なんだから……」

伊織「だから、あんたも私を一番にしなさい」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:03:33 ID:r3k+o3wg0
伊織「あんたがどれだけ望んでも、この部屋は外から新堂が鍵で開けるか、内から私の指紋認識でしか開けられないんだから諦めなさい」

P「………外からか………」

伊織「それじゃあ、今夜は腕によりをかけて夕食を作ってあげるわ」

P「……………指紋………」

伊織「感謝して食べなさいよね、にひひっ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:09:53 ID:r3k+o3wg0
・・・
・・

伊織「……すぅ…すぅ…」

P「………よし」

P「……こんな窓のない……朝か昼かすらわからない部屋もう嫌だ………」

P「………」

P「………キッチン……」

P「…………すまん伊織………ここから出るにはこれしか………」

伊織「何やってるの?」

P「っ……!!」

伊織「包丁なんて持って、こんな時間から料理?」

P「………」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:12:34 ID:r3k+o3wg0
伊織「料理は日が昇ってるうちにするもんよ」

P「………俺から太陽を奪ったのは誰だと……」

伊織「それで、なに?」

P「………」

P「………取り引きだ」

伊織「取り引き?」

P「俺をここから出すか」

P「俺に指だけ捧げるか」

伊織「………」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:16:27 ID:r3k+o3wg0
P「もし、どっちも無理っていうのなら……」

伊織「いいわよ」

P「……?」

伊織「指でも心臓でも好きなだけ持っていきなさい」

P「なっ………それじゃ伊織はっ」

伊織「最高じゃない!」

P「………っ!」

伊織「もし私が氏ねば、あんたの記憶に私の存在が一生刻まれる……」

P「………」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:21:08 ID:r3k+o3wg0
伊織「そのまま生きてもいい……後悔で後を追ってきてもいい……」

P「やめろ伊織……っ、近づいてくるなっ!!」

伊織「もし追ってくるなら……」

伊織「天国で一緒に暮らしましょう?」

P「っ!!」

伊織「…………」

伊織「ふっ………ふふっ………」

伊織「だからあんたは甘いのよ……」

P「……うっ……うう……」

伊織「自分で自分にナイフを突き立てたって、本能で急所を狙えるわけないじゃない」

P「…………げほっ……」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:26:28 ID:r3k+o3wg0
伊織「さぁ、今度は私が取り引きをする番よ」

伊織「助けて欲しい?」

伊織「それとも、そのままがいい?」

P「…………なっ…………くっ……」

伊織「このままあんたを剥製にしても面白そうね」

P「………っ」

伊織「それなら私も剥製になるわ」

伊織「それで二人で美術館に飾ってもらいましょう」

伊織「タイトルはそうね……」

伊織「……永遠の愛………とかどうかしら?」

伊織「面白そうだから、事務所にも美術館のチケットを送りましょう」

伊織「きっと皆は美しさと感動のあまり涙を流すわ」

伊織「もう二度と届かない、私達を見てね」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:31:44 ID:r3k+o3wg0
伊織「それで皆は追いかけようとするのよ」

伊織「必死に、精一杯」

伊織「……でもね、絶対に届かない」

P「……てくれ……」

伊織「可哀相だから、隣のブロックに飾ってあげようかしら?」

伊織「……夢の探求者…… うん、いいじゃない」

P「……助けて……くれ………」

伊織「………」

伊織「そんなに助けて欲しいのなら、わかってるわよね?」

P「………あ、あぁ……」

・・・
・・

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:37:00 ID:r3k+o3wg0
伊織「はい、あーん」

P「あーん」

伊織「美味しい?」

P「うんっ!」

伊織「ちゃんと食べないと大きくならないわよ」

P「わかった!」

コンコン

新堂「失礼します、お嬢様宛にお手紙が届いております」

伊織「はぁ……また…… いいわ、捨てておいて」

P「だめだよ!」

伊織「?」

P「ちゃんと読んであげないとかわいそうだよ」

伊織「………わかったわ、そこに置いといて」

新堂「はい、失礼します」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:45:47 ID:r3k+o3wg0
P「ねぇ、伊織お姉ちゃん」

伊織「なに? と言うか、呼び捨てでもいいのに」

P「えー、でも、お姉ちゃんを呼び捨てには……」

伊織「あんたは変なところに律儀ね」

P「ごめんなさい……」

伊織「別に泣かなくてもいいのよ、それで?」

P「僕がお手紙読んであげるよ!」

伊織「………」

伊織「それじゃあ、お願いしようかしら、漢字読める?」

P「うんっ、任せて! えーっと……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:49:23 ID:r3k+o3wg0
P『いおりちゃんへ…… おげんき……?ですか。やよいです。………?』

伊織「さいきん」

P『さいきん、はる……? さんもめっきり、……しょ?に、こなくなりました。これで、わたしのほか?には……もいなくなりました』

P『ぷろでゅーさーはげんきですか? わたしはただ、ふ……ふたりのことが……』

P『よかったらでんわでも、おてがみでもいいのでください。わたしはいつでも………しょでまっています』

P「だって!」

伊織「………ふふっ、それじゃあ、お返事出してあげましょうか」

伊織「プロデューサーから送ってくれたら、やよいも喜ぶわよ」

P「うんっ!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31 14:49:55 ID:r3k+o3wg0
おわり

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