【四条貴音SS】貴音「面妖な」イカ娘「ゲ、ゲソ…」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:31:34.13 ID:UuM96cgT0
…これは。

この夏に、私が経験した
不思議な少女との邂逅を物語ったものです。

あなた様のお時間が許されるのなら、
是非とも、私の話を聴いていただきたく。

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:35:59.79 ID:UuM96cgT0
———–

栄子「ほーら、ちゃっちゃと運べーイカ娘」
イカ娘「…いい加減、私を低賃でいいように扱うようにするのやめなイカ」

イカ娘「最賃違反で訴えるでゲソよ!?」
栄子「また妙な知識得てきたな…。いいか、訴えるのはいいが、イカ娘」

栄子「お前、日本国民か?」
イカ娘「!!!!」

イカ娘「に、日本語なら流暢じゃなイカ…!」
栄子「日本語が流暢で日本人なら苦労しねえって」

イカ娘「ゲ、ゲソ……」
栄子(『お前人間か?』と聞かないだけありがたく思えって)

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:38:23.44 ID:UuM96cgT0
イカ娘「ん?」

イカ娘「栄子。あれ。なんでゲソか?」
栄子「ん~?ああ、なんかの取材じゃねーの?」
イカ娘「ふーん…」

栄子「お前にしては珍しく興味薄いな…」
イカ娘「それよりもこの重い荷物から早く解放されたいでゲソ」
栄子「…うわっ、見ろよイカ娘!あの女の人、めっちゃ美人じゃねーか!」
イカ娘「ふーん…」
栄子(イカ娘から振ってきたくせに全然絡んでくる気ないな…早く帰るのが吉か)

———
貴音「……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:40:33.93 ID:UuM96cgT0
P「貴音、お疲れ」
貴音「プロデューサー、ありがとうございます。…しかし、プロデューサー。」
P「?なんだ?」

貴音「前にもお話ししたかと思いますが、その…私はあまり人前で肌をさらすのは…」
P「あ、ああ…まあ、一応仕事はちゃんと選んでいるんだが…」

P(しかし、粒ぞろいの765プロでも、こういったビジュアル関係の仕事は美希と貴音が主力なんだよな…。)
P(かつてのビジュアルエース、あずささんは今となっては律子の管理下だし…)

貴音「…ふふっ」
P「??」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:44:04.55 ID:UuM96cgT0
貴音「そんな困った顔なさらないでください。プロデューサー。」

貴音「与えられた仕事は全うする。自分にしかできない仕事に感謝する。」

貴音「プロデューサーが与えてくれた仕事です。私は、プロデューサーを信じておりますから。」
P「貴音…。」

P(貴音は話が分かる奴で本当に良かった。どこかの歌姫は、とたんにテンション下がって不機嫌になるからな…)

—————

どこかの歌姫「くっ…」

春香「どうしたの千早ちゃん?夏風邪?」

どこかの歌姫「さあ、どうかしら…」

春香「夏風邪は拗らせると面倒だからねー、気を付けてね」
どこかの歌姫「そうね。のどに影響が出ても困るわ。」

どこかの歌姫「くっ…くっ…」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:49:35.59 ID:UuM96cgT0
P「今日は貴音の仕事は終わりだな。夕方から都内でボーカルレッスンがあるが、時間はあるからゆっくり帰ろう」

貴音「プロデューサー!!!」
P「な、なんだよ貴音…」

貴音「お腹が、すきました。」

貴音「………」
P「………」

貴音「………」
P「………?」

貴音「店を、探しましょう。」
P「こ、ここでか?い、いいけど…」

P「…貴音」
貴音「はい」

P「お前孤独のグルメ見ただろ」
貴音「あれは大変素晴らしい番組で(イカ略)」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:54:29.55 ID:UuM96cgT0
P「…で、だ」
貴音「なんでしょう」

P「本当にいいのか?海の家で…」
貴音「プロデューサー。私、聞いてしまったのです」

貴音「海の家で食べるらーめんは、それはそれは格別なものである、と」

P(いらん情報を貴音に吹き込んだのは誰だ…)

貴音「ちなみに、この貴重な情報を教えていただいたのは、何を隠そう小鳥嬢で」
P「音無さぁぁん!!?」

P(まあ、あまり客もいないようだし、騒ぎにはならないか…)

P(いまや都内のラーメン店は全部制覇し、不甲斐ない店では説教すら始める貴音だ…)

P(海の家レベルのラーメンで納得できるとは到底思えないが…)

P「じゃ、じゃあ、入るぞ…」

≪海の家 れもん≫

栄子「いらっしゃいませー」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 21:59:22.78 ID:UuM96cgT0
栄子「お好きな席へどうぞーって、うおお!?」

P「!?」

栄子「さっき、取材受けてた人だ!」

栄子(有名人かな、いや、この風貌きっと有名人だろ…サインもらっておくか…??)

千鶴「栄子ちゃーん!ちょっと手伝ってー!」

栄子「あいよー!…あ、注文決まったら声かけてくださいねー」

貴音「大変繁盛しているようですね」
P「いや、そんなでもないけどな?…まあ、適当に座るか」

貴音「私は、迷わずらーめん、頂ます」
P「海の家かぁ。何年ぶりかな…。あ、ちょっと待ってくれ、俺も決めるから」
貴音「ふふ、お構いなく」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:04:45.17 ID:UuM96cgT0
P(海の家にしては、メニューが充実している)

P(ほう!イカスミスパゲッティー?)

P(珍しいな、こんな店で。しかもお勧めメニューだ…)

貴音「プロデューサー」
P「な、なに」

貴音「プロデューサー。孤独のグルメを見た影響で、セリフが心の声になっています」
P「人の心を読むな」

貴音「では、らーめんと、このイカスミすぱげってぃーに致しましょう」
P「だから人の心を読むな」

P「すいませーーん!」

鮎美「は…はは…はぃ……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:07:41.68 ID:UuM96cgT0
鮎美「ごご…ごごご注文をお伺いい…しましま…」

P(なんだこの娘…雪歩が100倍対人恐怖症になったような感じの)
P(けど見た目きれいな人だな)

貴音「あの、もし」

鮎美「は、はい…?」

貴音「らーめん、それにイカスミすぱげってぃーをお願いしたいのですが」

鮎美「あ、はい。ありがとうございます。あの、ラーメンは醤油、味噌、塩がありますが」

貴音「そうですか。では、塩らーめんを頂きましょう」

鮎美「はい!かしこまりました」

P(…なんだ、貴音と話すと、割と普通じゃないか)

P(雪歩みたいに男性恐怖症なのか)

鮎美「それでは、少々お待ちください」

鮎美(なんだろう、あの女の人だと話しやすい…)

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:11:49.47 ID:UuM96cgT0
栄子「姉貴ー、イカスミ切れてっけどー」

千鶴「まあ、困ったわね。それじゃあ…」

栄子「やっちゃうのか…」

……

千鶴「じゃあ、イカ娘ちゃん。そのまま7番テーブルにお願いねー」

栄子「姉貴…そのままって」

貴音「おや、来たようですよ」

P「腹が減って死にそうなんだ」

貴音「…あの、プロデューサー。いえ、もう何も言いません」

イカ娘「お待ちどうさまでゲソ。塩ラーメンとイカスミパスタでゲソ。」

P「!?」

貴音「こ…これは…!?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:17:43.01 ID:UuM96cgT0
P「か、髪の毛で皿を持っている…いや、髪の毛じゃない!?」

P「あんた、一体…!」

イカ娘「私でゲソか?ふっふっふ、よくぞ聞いてくれた人間!私は!海からの使…」

貴音「これはなかなかよい見た目ではないですか!ああ、なんという芳醇な香り…このらーめんは、至高の予感がします!」

イカ娘「イカ娘で…ゲソ…」

貴音「プロデューサー!早速頂きましょう!」

P「あ、いや貴音…盛り上がってるところ悪いんだけどさ…」

P「もうちょっとこの娘、構ってあげて」

イカ娘「く、屈辱でゲソ…」

貴音「らーめんを食した後でも良いですか?」

P「割と容赦ないな」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:25:54.57 ID:UuM96cgT0
………

貴音「真、すばらしいらーめんでした。小鳥嬢の話が嘘だった試しはありませんね」

P(まさか海の家であんな本格的なラーメンが出るなんて)

P(思い出補正とかそんなチャチな代物じゃなかったぞ…侮れないな、海の家)

貴音「あなた様のイカスミすぱげってぃーはどうでしたか?」

P「ああ、うまかったよ。具がないただのイカスミかと思いきや、これが意外とイケてな」

P(でも、イカスミがなんだかひと肌っぽかったな。どうせならしっかり温めてほしかった)

貴音「それで、先ほど何か話の途中だった気がするのですが」

P「いや、なんか美味しいもの喰えたし、腹も膨れたからわりと満足したわ」

貴音「そうですか。では、お会計をお願いしましょうか」

イカ娘「………」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:27:51.22 ID:UuM96cgT0
栄子「ありがとうございましたー!あ、もう帰っちゃいます?」

貴音「大変素晴らしい、らーめん頂きました。このお店、しかと覚えさせていただきたく」

栄子「いやいやー、それほどでもー。あ、それはそうと。あなたって有名人ですよね!」

貴音「はて、有名人…そうなのでしょうか?自分では実感がないのですが」

栄子「せっかくなんで、サインとかもらえないかなって~。」

千鶴「栄子ちゃん、その方ご存じなの?」

栄子「いやぁ、知らないけど。この見た目!オーラ!きっとすごい人だろうよ!うん!」

千鶴「栄子ちゃん失礼じゃない…。申し訳ございません…あの、四条貴音さん、ですよね?」

P「ええ。そうです。ご存知でしたか?」

千鶴「ええ、961プロのプロジェクトフェアリーの方ですよね?」

P「!? え、いや…貴音は765プロですが…」

貴音「ええ。この世界では765プロに所属しておりますが…貴女のいうことも一理あり…」

千鶴「ああ、ごめんなさいね!私そういうの疎くって…」

千鶴(そうね、この世界線では彼女は961プロではなかったわね)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:32:17.87 ID:UuM96cgT0
栄子「765プロ、聞いたことあるような無いような」

P「はは、まだ弱小プロダクションですからね。でも竜宮小町とか、最近結構テレビ出てますよ?」

栄子「ああ、その名前は聞いたことある!その、四条さんがその竜宮小町なんですか?」

P「貴音は違いますね…」

栄子「そうかあ。おお、こういうの詳しい生粋のテレビっ子いるだろ、ウチに。おーい、テレビっ娘ー」

イカ娘「……それは私のことでゲソか?もう出番ないから帰ろうかと思っていたでゲソよ」

イカ娘「世間ではアニメ化であんなにも盛り上がったのに、今じゃこんな扱いでゲソ。酷い世の中でゲソ」

栄子「メタやめろや」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:35:52.88 ID:UuM96cgT0
栄子「お前、暇ありゃずっとテレビ見てるだろ。765プロって知ってるか?」

イカ娘「知らないでゲソ」

P「はは…一刀両断だな…」

イカ娘「テレビは面白いでゲソ。でも、誰か出てきたらまたすぐ新しい人が出てくるでゲソ。」

イカ娘「面白いネタだとしても、それは一時的なもので大衆はすぐ飽きてしまうでゲソ」

イカ娘「アニメなんて4カ月で終わって、すぐ新しいものが出るでゲソ。いちいち覚えてられないでゲソ」

栄子(すこぶる不機嫌だな…何か身に覚えがあるのか)

P「あーーー!思い出した!」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:39:23.94 ID:UuM96cgT0
P「貴音!この娘!さっきこの…髪の毛で食器運んでたんだよ!見てたか??」

貴音「はて。どうだったでしょう。私はすっかりらーめんに目が行ってしまい…」

イカ娘「髪の毛じゃないでゲソ。触手でゲソ」

P「しょくしゅ…!?」

P「うぉお!?うねうね動いてる!す、すごい…!」

貴音「こ、これは……!」

P(面妖か!面妖がでるのか?)

貴音「……興味深いですね」

P(…言わないか。)

貴音「プロデューサー。」

貴音(プロデューサー。私、そうは簡単に決め台詞は使いませんよ)

P(こいつ…心に直接…!?)

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:45:56.03 ID:UuM96cgT0
P(貴音は、あの不思議ウエイトレスに大変興味を持ってしまい)

P(彼女と面談をしたい、と言い出した)

P(俺は別件(どこかの歌姫含む)の仕事に対応するため…)

P(貴音は俺が置いてきた。この戦いについてこれそうにないからな…)

P(じゃなくって)

P(まあ、貴音はしっかりしてるし、あずささんみたいな迷子にもならないから大丈夫だろ)

———-

どこかの歌姫「くっ…くっ…」

春香「結構来てるね、千早ちゃん。今日は病院に行ったほうがいいんじゃない?」

どこかの歌姫「そうはいかないわ。大事な仕事だもの」

どこかの歌姫「でもなんというか…」

どこかの歌姫「なぜか、すごく腹が立つわ」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:50:21.23 ID:UuM96cgT0
————-

イカ娘「………」
貴音「………」
イカ娘「………」
貴音「………」

イカ娘「…あ、あの」

貴音「静かに!」

イカ娘「ひぃ!?」

貴音「………」

イカ娘(栄子!助けなイカ…!)

栄子「四条さん、すっかりイカ娘に興味津々だな。転じてイカ娘は苦手なタイプっぽい」

千鶴「イカ娘ちゃんって、意外と人見知りするわよね」

栄子(いや、姉貴の場合は別だろ…。というか、真人間少ないのな、私の周辺)

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 22:55:07.40 ID:UuM96cgT0
イカ娘(きっとさっき知らないとか言ったから怒っているんでゲソ…。)

イカ娘(ドラマとかだと、こういう姿の娘は大抵プライドが高いじゃなイカ…)

イカ娘(ならば先手必勝、イカの極意、最上級土下座でさっさと切り上げるのが適策じゃなイカ!?)

イカ娘「あ、あの!さっきは気を悪くするようなことを言って申し訳ないで」

貴音「この触手ですが」

イカ娘「…は、はいでゲソ」

貴音「焼いたら美味しいですか」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:00:12.59 ID:UuM96cgT0
イカ娘「…!!!」

イカ娘(こいつ…私を食する気でゲソ…!なんということでゲソ…私の人生、こんなところでゲームオーバーだなんて…)

栄子「あー、四条さん。こいつは食用じゃないんですよ。きっと不味いです」

イカ娘(栄子…!私は栄子を信じていたでゲソ…!)

栄子「それに大事なウチの小間使いなので」

イカ娘(前言撤回でゲソ)

栄子「まあ、ぶっちゃけ、触手は切ってもすぐ生えるんだけど、心が弱くて。」

栄子「自分の触手喰われたと知ったらショックで寝込んじまう…あまりいじめないでくれるかな」

貴音「ふふ、わかっていますよ。ちょっと、からかっただけです」

貴音「私も話には聞いていましたが、初めて会いました。イカ娘という存在に」

栄子「えっ」
イカ娘「えっ」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:07:37.76 ID:UuM96cgT0
千鶴「えっと、どういうことかしら?ああ、もしかして前テレビで紹介されたとか?イカ娘ちゃんこの辺ではすっかり人気だもの」

貴音「いいえ。四条の教えで訊いたことがあるのです。」

貴音「古より、人の姿をした海からの使者が、海の平和を守るために存在する、と」

貴音「私の知っているところによれば、他にも何名かいるとのことでしたが。その一人が、貴女なのですね、イカ娘」

栄子「イカ娘…お前…」

イカ娘「ぷ…くくく…あははは!面白いこというじゃなイカ!なんかそういうの、栄子のゲームとかででてきそうでゲソね!」

イカ娘「確かに私は海からの使者でゲソ。海を守るために、地上に侵略にきたでゲソ」

イカ娘「そんな仲間がたくさんいるのなら…最初から一緒に乗り込んでくるでゲソ…単身でなんて、来ないでゲソ…」

栄子(また地雷踏んじまったか…こいつ、自分の話するとたいていネガティブになるよな)

栄子(どんだけ海でぼっちだったんだよ…)

—————–

田辺梢「………」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:15:01.79 ID:UuM96cgT0
貴音「そうですか…。現時点で、海からの使者はまだ貴女一人なのですね」

イカ娘「そうでゲソ。ああ、でもだいぶ前に同胞には出会ったでゲソが」

栄子(たけるの作ったイカ帽子のことか)

イカ娘「来てすぐに死んでしまったでゲソ…。」

貴音「人の姿をした、別のイカ娘…ですか?」

イカ娘「イカ娘というか、イカ息子というか…」

貴音「はて。海からの使者は複数いるとはいえ…イカの姿をした使者は1人と訊いていましたが」

イカ娘「そ、そんなはずないでゲソ!現に会って話もしたでゲソ!」

栄子(すまん、イカ娘…それはたけるの自由研究だったんだ…お前の同胞じゃない…)

貴音「まあ…人伝の伝承など、どこか誤りがあるものです。貴女がいた、というのなら、いたのでしょう。」

栄子(ほっ…)

貴音「ですよね、栄子」

栄子「え!?あ、ああ…ええ…まあ」

栄子(なんであたしに振ってきた…??)

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:21:05.79 ID:UuM96cgT0
鮎美「あの~、素朴な疑問なんですけど」

栄子「うお、鮎美ちゃんが自然に会話に溶け込んだ!」

鮎美「ひ、ひっいぃぃぃ、ご、ごめんなさい、ごめんなさい…」

栄子「あ、いや…いいんだけどさ…」

栄子(ってあれ?鮎美ちゃんって人間には苦手意識持ってるが)

栄子(イカ娘や、姉貴みたいな人外は人間じゃないから平気って言ってたな。まさか……)

栄子(でもイカ娘好きの早苗も人外設定してたし、まあ、人並み外れた容姿だからな…)

貴音「なんでしょう。鮎美」

鮎美「はい。…え?どうして私の名前を…?」

栄子(そういや、あたしも突然名前で呼ばれたな…まあ、あたしの場合は店内で姉貴とかに呼ばれてるからわかるかもだが)

貴音「名前のことは気になさらず。ところで、疑問、とは?」

鮎美「イカの姿をした使者は一人、ってことは…」

鮎美「イカさんのお父さんや、お母さんって、どうなんですか?」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:28:31.68 ID:UuM96cgT0
栄子(あたしも実は気になってたんだよな)

栄子(ちょっと前にこいつの父親について、本当に何気なくさらっと触れられたことがあった気がしたが…)
http://crusherfactory.net/~pmoon/mt/image/ika4-thumb.jpg

貴音「そうですね…」

イカ娘「………」

貴音「まあ、その話は、直接本人にお伺いしてはどうでしょう」

栄子「え?」

貴音「先も言った通り、私の言い伝えにはどうやら齟齬があったようです。なので、この話は…」

貴音「イカ娘。貴女が話すべき時が来た時に、話してくれればいいと思うのです。」

イカ娘「お主……。」

イカ娘「そ、そうでゲソね!そのあたりは、原作をぜひ期待してくれなイカ!」

栄子「雰囲気ぶち壊す上にメタやめろ」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:34:33.94 ID:UuM96cgT0
————————

貴音「はて、もうこのような時間ですか」

千鶴「そういえば、夕方からお仕事あるんでしたよね?間に合います?」

貴音「ええ。大丈夫です。お心遣い、感謝いたします。」

貴音「イカ娘」

イカ娘「は、はいでゲソ!?」

貴音「海からの使者、まさかこんなところで一人きり、奮起しているとは知りませんでした。」

貴音「しかし、貴女が元気そうで何よりです」

貴音「私の知る限り過去の多くの使者は……。いえ、これは言わないでおきましょう。」

イカ娘「ど、どうなったでゲソ…知りたいじゃなイカ…」

貴音「………」

貴音「多くの使者は、病に臥せって、亡くなったと聞きます。」

栄子「!」
千鶴「!」
イカ娘「!」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:36:37.60 ID:UuM96cgT0
貴音「それもかなり若いうちに、と。残念なことです。」

栄子「し、四条さん!その…なんとかならないんですか!?もしこいつ…イカ娘が病気になったら…あたしらどうしたら…」

貴音「…しかし、人間とは異なる症状で、対処法も分からず…発症したらそこまでと…。」

イカ娘「そ、そんな……」

栄子(……)

栄子「あ、あの~、”一応”聞きますけど、どんな症状とか、わかります?」

貴音「詳しい症状までは、さすがに…」

貴音「でも、その病気の名前はゲソニンムルゴボング病とききm」

栄子「あ、それもうウチのイカ娘罹ったんで。大丈夫です。」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:42:24.56 ID:UuM96cgT0
————————–
貴音「では、このあたりでお暇します。長居してしまい、申し訳ありません。」

栄子「なんのなんの!サインもらっちゃったし!」

栄子「正直どーでもよかったイカ娘のことも訊けたしな!」

イカ娘「どーでもいいとは、非道いじゃなイカ!」

栄子「なんならさ、またこっち来たら寄ってくれよ。歓迎するからさ!」

貴音「ええ。是非。大変おいしいらーめん、また食しに来たいものです」

イカ娘「その……まあ、来てくれれば、ちゃんと食事くらいは出すでゲソ」

貴音「イカ娘」

イカ娘「な…なんでゲソ」

貴音「貴女は一人じゃない。それは、忘れないでほしいのです。」

イカ娘「……」

イカ娘(前にも、そんなことを言われた気がするでゲソ…)

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:47:44.73 ID:UuM96cgT0
貴音「海からの使者は、きっとどこかで。貴女のことを知ってか知らずか。活動していることでしょう。」

貴音「もしかすると、貴女もそうであったように、伝え聞いたことと、実際に見るもので異なることがあるはずです」」

貴音「その時は、貴女が是非」

貴音「貴女が体験した、ありのままを、共有していただきたいのです。」

イカ娘「…よ、よくわからんでゲソが…」

貴音「それに…使者は海からだけとは限らないのです。そう、例えば……」

貴音「まあ、それはいいでしょう。また、いずれ。」

イカ娘「お、お主…途中で言い澱むのは面白くないでゲソ!ちゃんと最後まで言わなイカ!?」

貴音「ふふふ…」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:51:22.09 ID:UuM96cgT0
貴音「そうですね、次に来るときは、私の友人をご紹介しましょう。」

栄子「え!?マジ、芸能人の友達!?やばいな~、あたしら有名人とお近づきだよ!」

貴音「きっと、彼女も喜びますでしょうし、イカ娘。貴女にとっても有意義な出会いとなるでしょう。」

イカ娘「ま、まさか…それが私以外の海からの使者でゲソか…!?」

貴音「いえ、彼女はそういうのではありませんが…」

貴音「大の動物好きですが、魚介類の友達は、まだいないようなので。大層喜んでくれるはずです。」

イカ娘「!?」

To Be Continued….???

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/12/02(日) 23:56:11.44 ID:UuM96cgT0
<おまけ>

P「春香、千早。収録お疲れさん。」

春香「あ、プロデューサーさん。千早ちゃん、どうも夏風邪ひいたみたいですよ」

P「え?そうなのか?」

千早「そういえば、くしゃみ…のようなもの、おさまりましたね。たぶん大丈夫です。」

春香「本当?大丈夫?」

千早「だから大丈夫だって、春香」

P「まあ、体調管理はしっかりな。いま、いい調子で来てるから」

P「んで、明日のインタビューなんだけど、先方たってのお願いで、どうしても水着でのポートレートがほしいと…」

千早「それ、水着じゃなきゃダメなんですか?いつもの衣装じゃダメなんですか…」

P(始まった…千早の正論テンションダウン…)

千早「くっ……。」
千早「あら?またくしゃみが」

春香「え、千早ちゃんのそれ、くしゃみなの???」

<おまけおわり>

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