1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:37:54 ID:4RF5Altk0
律子「よっしゃ、じゃないですよ。どこ行くんですか」
P「防波堤」
律子「真顔で言わないでください。仕事、まだあるでしょう」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:39:18 ID:4RF5Altk0
P「でも……」
律子「でも、じゃありません!! 今日こそはしっかり仕事してもらいますからね!!」
P「……すまん、やよい」
やよい「気にしないでください!」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:40:33 ID:4RF5Altk0
~夜~
小鳥さん「プロデューサーさん、まだ帰らないんですか」
P「ああ、どうしても釣りに行きたいんだ」
小鳥さん「でも、その様子だと」
P「ああ、明日も無理かもしれない……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:41:50 ID:4RF5Altk0
小鳥さん「やよいちゃんの休み、明日なんですよね」
P「うーん……親戚のおじさんに死んでもらうか」
小鳥さん「親戚のおじさん、この前死なせちゃったじゃないですか」
P「じゃあ……いとこのおばさん」
小鳥さん「それも、この前使いましたよ」
P「それじゃあ…………駄目だ。ほとんどの親戚や家族、死んだことになってる」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:43:26 ID:4RF5Altk0
小鳥さん「呪われた家系ですね」
P「どうしましょう」
小鳥さん「仕方ないですねー、ご飯のおごり3回で代わってあげましょう」
P「ほ、本当ですか! ありがとうございます!!」
小鳥さん「できれば、夜景のきれいなところがいいですね」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:44:21 ID:4RF5Altk0
やよい「プロデューサー、今日はありがとうございます!!」
P「今日はたくさん釣って、食費を浮かそうな!!」
やよい「はい!!」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:46:12 ID:4RF5Altk0
P「いい天気だなー…」
やよい「ですねー…風が気持ちいいです」
P「そろそろお昼だから、もうすぐで満潮だ」
やよい「まんちょー?」
P「魚がたくさん釣れる時間の事だよ」
やよい「うっう~!! 楽しみです!!」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:47:16 ID:4RF5Altk0
P「お、きたぞ!」
やよい「はわっ、糸がすっごく張ってます!!」
P「これは大物かもしれないぞ!!」
やよい「頑張ってください!!」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:48:43 ID:4RF5Altk0
P「釣れたけど、思ったより小さかったな……」
やよい「それでもお魚ですよ、すごいです!!」
P「20cmぐらいか」
やよい「メバルって、煮付けにすると美味しいんですよね!!」
P「から揚げでもいける」
やよい「うっう~!! もっと釣りましょう!!」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:51:15 ID:4RF5Altk0
P「お、引いてる!!」
. ” ´ “`”/
| /'”`”‘i’
ヽ¶_゚∀゚ノ チャオ☆
P「…………」
やよい「あれ、プロデューサー。どうして糸切っちゃうんですか?」
P「ゴミが釣れたんだ」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:52:05 ID:4RF5Altk0
P「釣れないなあ……」
やよい「ですねー…」
P「餌を変えてみようかな」
やよい「お昼にもやし弁当作ってきたんですけど……もやしは……」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:52:55 ID:4RF5Altk0
P「もやしは無理だろう……けど、ものは試しかな」
やよい「あ、引いてますよ!」
P「すげえ、食いついた!!」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:53:56 ID:4RF5Altk0
やよい「このお魚って……あ、膨らんだ」
P「クサフグだな」
やよい「え、ふぐですか!?」
P「けど駄目だ。こいつらは餌取り、って呼ばれてる」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:55:01 ID:4RF5Altk0
やよい「エサ取り?」
P「処理に困る、やっかいな魚だよ」
やよい「へぇー…でも、何だか可愛いです」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:56:26 ID:4RF5Altk0
P「やよい、お尻大丈夫か」
やよい「はい、座布団敷いてますから平気です」
P「すまんな。本当は椅子とかあればいいんだが。いつも俺はそうしてるから」
やよい「クーラーボックスでも、十分椅子になりますよ」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:58:09 ID:4RF5Altk0
P「もうちょっと遠くに投げてみるか……やよい、じっとしてろよ」
やよい「え、はい」
P「よい……しょっ!!」
やよい「わー、すっごい飛びました!」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 21:59:20 ID:4RF5Altk0
P「周りには十分気をつけてるつもりだけど、万が一針が引っ掛かったら危ないからな」
やよい「へー」
P「釣りキチ三平がちょっとトラウマ」
やよい「さんぺー?」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:00:31 ID:4RF5Altk0
P「釣れないなー」
やよい「ですねー。でも……何だか、心地いい気持ちです」
P「お、やよいも分かってくれたか。この、のんびりした感じがいいんだよなー」
やよい「はいー…」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:01:37 ID:4RF5Altk0
P「よし、1つ怖い話をしてやろう」
やよい「こ、怖い話ですか……」
P「あれは2年前、今日のような日に、1人で釣りに行った時のことだ」
P「投げ釣りでな、俺は思い切り振りかぶって投げたんだ。ところが……!」
やよい「と、ところが……?」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:03:23 ID:4RF5Altk0
P「一向に、水面に波紋が立たない……!」
やよい「お、おもりや針は、どこに行ったんですか……?」
P「俺も、同じことを思った。すると突然、リールがカラカラと回り始めたんだ……!!」
やよい「ひいっ」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:05:12 ID:4RF5Altk0
P「俺はハッとした。糸の伸びていく方向に目をやると……!!」
やよい「や、やると……?」
P「カモメが釣れていたんだぁ!!!」
やよい「いやぁぁぁぁ!!!」
P「……すまん、やよい。くだらない話で」
やよい「とーっても面白かったですよ!!」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:07:25 ID:4RF5Altk0
P「ありがとう。やよいは本当に優しいなあ」
やよい「そ、そんなことないです」
P「やよいみたいな子が、俺の奥さんだったらなあ」
やよい「プ、プロデューサー、冗談はやめてください……」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:09:05 ID:4RF5Altk0
P「冗談じゃないさ」
やよい「か、顔が近い、です……」
P「やよい」
やよい「ま、まだ駄目ですー!!」
……………
………
…
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:11:14 ID:4RF5Altk0
――い
――よい
やよい「カ、カモメ……」
P「やよい」
やよい「ん――え……あ、す、すいません!! つい、うとうとしちゃって……!!」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:13:10 ID:4RF5Altk0
P「いいよいいよ」
やよい「……私、寝言とか言ってませんでした?」
P「なんか、カモメ……って言ってたぞ」
やよい「うー、恥ずかしいです///」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:15:08 ID:4RF5Altk0
P「そろそろ、帰るかな」
やよい「え、もう、そんな時間ですか」
P「ああ、釣れたのはあのメバル一匹だけだな。申し訳ない」
やよい「とんでもないです!! すっごく美味しく料理します!!」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:17:22 ID:4RF5Altk0
P「帰りにスーパー寄ってくか。食材、買ってやるよ」
やよい「うっう~!! ありがとうございます~!!!」
P「さて、じゃあ撤収……お」
やよい「あ」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:19:08 ID:4RF5Altk0
P「な、何だ。すごく引いてる!?」
やよい「はわっ、い、糸が切れそうです!!」
P「もう少し、もう少し……やよい、そこの網取ってくれ!!」
やよい「は、はい!!」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:21:09 ID:4RF5Altk0
やよい「と、とってもおっきいですー!!」
P「60cmはあるな」
やよい「これ……もしかして鯛ですか」
P「ああ、チヌ、黒鯛だな」
やよい「今夜はごちそうです~!!!」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:22:42 ID:4RF5Altk0
P「……で、刺身がすごく美味しくてさ」
律子「で、それからというもの」
小鳥さん「たびたびやよいちゃんと釣りに行って」
律子「帰りは、やよいのご飯につられて、しょっちゅう家にお邪魔してると」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:24:42 ID:4RF5Altk0
P「いやあ、釣りを教えるつもりが、逆に釣られちゃったな」
律子「上手くないですよ」
P「いやまあ、てぶらじゃ悪いから、色々食材とか持っていくんだけどね」
やよい「食費が浮いて助かります!!」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:26:07 ID:4RF5Altk0
律子「……嬉しいのは食費のことだけかしら」
やよい「はわっ、律子さん!?」
P「?」
小鳥さん「やよいちゃん、恐ろしい子……!!」
やよい「う、うう~///」
おわり
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/17 22:34:50 ID:4RF5Altk0
読んでくれてありがとうございます。
前回、今回とちょっと固い話になってしまいましたね……。
なので、次回はもうちょっとほのぼのさせようと思います。
次回は誰になるか分かりませんが、そのときはまたよろしくです。