1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:09:43.26 ID:7s/pQEpd0
小鳥『百万回生きた猫』
小鳥『100万年も死なない猫がいました』
小鳥『100万回も死んで、100万回も生きた立派なトラ猫でした』
小鳥『100万人の人がその猫を可愛がり、100万人の人がその猫が死んだ時泣きました』
小鳥『でも、猫は1回も泣きませんでした…』
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:11:03.03 ID:7s/pQEpd0
小鳥『あるとき猫は王様の猫でした』
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パッ
王様「あがめたてまつりなさい!」ハルーン
王様「猫ちゃん、遠征ですよ!遠征!」
トラ猫「うー…自分戦争なんかついてきたくなかったぞ…」
——————————————————————
小鳥『王様は戦争が上手で、いつも戦争をしていました』
小鳥『そして猫を立派なカゴに入れて戦争に連れて行きました』
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:13:32.81 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
王様「ふふふ…戦局は順調ね!猫ちゃーん、ほらほら」
トラ猫「わわっ、はる…じゃなくて王様、下ろして欲しいさー!」
王様「ほらほら~戦場がよく見えるねー…きゃっ」ドスッ
トラ猫「あがー!!ほ、ほんとに痛いさー!」バタバタ
王様「ね、猫ちゃーん!」
フッ
——————————————————————
小鳥『ある日、猫は飛んできた矢に当たって死んでしまいました…』
P(うわー…あれは痛そうだな…)
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:17:38.87 ID:7s/pQEpd0
小鳥『王様は戦いの真っ最中に猫を抱いて泣きました』
小鳥『王様は戦争をやめてお城に帰り、大きな庭に猫を埋めました…』
——————————————————————
パッ
王様「ごめんね猫ちゃん…衛士さん、穴を掘ってもらえますか?」
衛士「はっ、はいぃ!」ザクッザクッ
王様「そ、そんなに掘らなくても大丈夫だよ~…」
——————————————————————
P(土色の発泡スチロールをかけるだけなのに…ステージの床まで掘ってないだろうな…)
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:28:48.67 ID:7s/pQEpd0
>>8
そうなのか…ありがとう、初投稿でよく知らなかった
~一週間前~
P「演劇…ですか?」
社長「そんな大層なものではないよ、息抜き程度に考えてもらって構わないさ」
P「町内の子ども会の出し物ですよね、仕事として依頼されたんですか?」
社長「いや、ボランティアだ。ウチの様な弱小プロダクションはこういった草の根運動がだね」
P「わ、わかりました…そういえば演目は決まっているんですか?」
社長「うむ、先方から希望があってな」
社長「『百万回生きた猫』をやってもらいたいそうだ」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:40:28.32 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
王様「ちょ、ちょっと雪歩!ほんとに床に穴あいちゃう!」
衛士「ご、ごめんなさいぃぃ…」
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P「大丈夫かコレ…」
小鳥「あはは…まぁぶっつけ本番みたいなものですから」
P「あ、音無さん、ナレーションお疲れ様です。すごく良い感じですよ」
小鳥「ふふ、ありがとうございます。雪歩ちゃん凄い緊張っぷりですね」
P「仕事じゃなし、雪歩ももっと気楽に演じられればいいんだけどな」
——————————————————————
衛士「猫さんを埋めて私も一緒に埋まってますぅ~…」
トラ猫「ゆ、雪歩落ち着くさー!」
フッ
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P「響も喋っちゃってるし…まぁ子供たちにはウケてるからいい…のか?」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:49:45.01 ID:7s/pQEpd0
小鳥『んっ…コホン。あるとき猫は船乗りの猫でした』
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パッ
船乗り「ボクは世界一の船乗り!さぁ、猫くんも一緒に世界を股にかけた航海に出よう!」
トラ猫「何か水の張った子供プールが見えるんだけど…嫌な予感しかしないさー…」
——————————————————————
小鳥『猫は海なんか嫌いでしたが、船乗りは世界中の海と港に猫を連れていきました』
雪歩「わー…真ちゃん似合ってるなー」
P「おつかれ、雪歩……ほんとに穴は開けてないだろうな?」
雪歩「お、お疲れ様です!その…ヒビがほんの少しだけ…」
P「」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 00:57:06.56 ID:7s/pQEpd0
すまん…書く速度頑張ってあげてみる
——————————————————————
船乗り「猫くん、ほら見てごらん、あんなに綺麗に水平線が… フンッ!」ポーン
トラ猫「ほんとd(ガシッ)…って、ええええぇぇぇぇ…」バシャーン
——————————————————————
P「えー…」
小鳥『ある日船から落ちた猫は溺れて死んでしまいました…』
雪歩「落ちたっていうよりも放り投げられてたような…」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:00:17.36 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
船乗り「ね、猫くーーーん!!」
トラ猫「うう…折角の主役なのになんでこんな…」ポタポタ
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小鳥『船乗りは濡れた雑巾のようになった猫を抱いて大きな声で泣きました』
小鳥『そして、遠い港町の公園の木の下に猫を埋めました…』
P「さすがに子供は支離滅裂でも動きが面白かったら笑ってくれてるな…しかも」
P(ぴっちりレオタードな猫スーツが濡れて…こいつぁ)
雪歩「プロデューサー?早く照明落とさないと真ちゃん達戻ってこれませんよ?」
P「あ、ああ!そうだな!」パチン フッ
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:05:08.45 ID:7s/pQEpd0
~楽屋~
響「真ひどいぞー…急に投げられてびっくりしたさー」ヌギヌギ
真「ごめんごめん、何か緊張しちゃって…」
雪歩「わ、私もすっごく緊張しちゃいましたぁ」
春香「わかるよ~あの純粋な目で見られてると思うと緊張しちゃうよね」
伊織「あんたはいつも通りだったでしょ…」
やよい「ひびきさん、大丈夫ですかー?」
響「まさかこんなことになるなんて思って無かったから猫スーツはともかく替えの下着なんてないさー…」
貴音「この猫すぅつは生地がしっかりしているので直接着ても問題ないとは思いますが…」
千早「さ、さすがにそれはどうかと思うわよ?」
律子「響ー、車にグラビアで使う予定だった水着があったわよー」
響「ほんとか!?助かったぞー!」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:08:05.00 ID:7s/pQEpd0
響「おまたせー!」
P「お、やっと帰ってきたか。美希が即興の手品で間を持たせてくれてたぞ」
——————————————————————
美希「こうやってステッキで帽子を叩くと…おにぎりが出てくるのー!」
——————————————————————
P「差し入れのおにぎりだけなくなってるかと思えば…」
響「ピヨ子!ナレーション頼んだぞー!」
小鳥『あるとき猫はサーカスの手品師の猫でした』
小鳥『手品師は毎日……おにぎりを帽子から出して観客を楽しませていました』
小鳥『でもある日、手品師は猫を箱に入れてのこぎりで2つに切る手品に失敗してしまいました。』
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:13:26.06 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
手品師「今日はこの猫の入った箱をのこぎりでまっぷたつにするの!」
トラ猫「…なぁ、この箱ただのダンボールに見えるんだけど、仕掛けってちゃんとあるんだよな?」
手品師「…あはっ☆」
トラ猫「プロデューサーー!!助けてーーーー!!」
——————————————————————
P「…準備不足ってレベルじゃないな」
小鳥「各場面毎に担当するアイドルが小道具を用意しましたからね…」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:18:11.82 ID:7s/pQEpd0
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手品師「まぁまぁ、こうすればいいの…」ゴニョゴニョ
トラ猫「う…わかった、やってみるぞ…」
手品師「じゃあ、真っ二つにするの!それー」ブンッ
トラ猫「」
手品師「あ、あれ…?」
——————————————————————
小鳥『手品師は間違えて猫を二つに裂いてしまいました…』
P「あれ…響本当に半分になってないか!?」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:23:23.04 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
手品師「わー!失敗しちゃったのー!」
響「ぐぐ…プロデューサー…早く照明落として欲しいぞ…」
フッ
——————————————————————
P「あー…ヨガか。前から見るとわからないかもしれないな」
小鳥「響ちゃんはダンスやってますからね」
小鳥『手品師は半分になった猫を抱いて大きな声で泣きました。観客は誰も拍手をしませんでした…』
小鳥『手品師はサーカス小屋の裏に猫を埋めました』
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:30:01.84 ID:7s/pQEpd0
小鳥『あるとき猫は泥棒の猫でした』
——————————————————————
パッ
泥棒A「それじゃ→犬の注意ひきつけといてねー」
泥棒B「よろ→☆」
犬「何で私が…いっそミュージカルにしてしまおうかしら」
トラ猫「…犬耳似合ってるぞ?」
犬「くっ…もうこうなったら早く終わらせるわよ!」ガブッ
トラ猫「あがっ!じ、自分に当たらないでほしいさー!」
——————————————————————
小鳥『ある日トラ猫は犬に噛み殺されてしまいました…』
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:34:21.98 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
泥棒A「んっふっふ~、大漁大漁!」
泥棒B「笑いが止まりませんなぁ!…あれ?」
泥棒「し…死んでる…」
トラ猫「うぅ…手に歯型ついたぞ…」
——————————————————————
千早「プロデューサー、この配役は納得行きません!」
P「お疲れ様千早、可愛かったぞ」ナデナデ
千早「…今回だけですよ」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:41:37.86 ID:7s/pQEpd0
小鳥『泥棒はボロボロになった猫を抱いて泣きながら歩きました』
小鳥『泥棒はお金持ちの家から盗んだダイヤと一緒に、家の裏の小さな庭に猫を埋めました』
~舞台袖~
響「プロデューサー…もしかしてこの先もずっとこんな感じなのか?」
P「いや…そんなことはないと思うが…ほら!次はあずささんだし大丈夫だろう!」
響「うー…いってくるぞー…」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:44:37.97 ID:7s/pQEpd0
小鳥『あるとき猫はひとりぼっちのおばあs』
——————————————————————
パッ
おばあさん「あらー…」ゴゴゴゴゴ
トラ猫「」ブルブル
——————————————————————
小鳥『ピヨッ!お、お姉さんの猫でした!』
P「妙なアドリブきかせて…大丈夫なんですか?」
小鳥「こうするしかなかったんです~…」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 01:53:42.61 ID:7s/pQEpd0
小鳥『お姉さんは毎日猫を抱いて小さな窓から外を見ていました』
——————————————————————
お姉さん「いいお天気ねー…ね?猫さん」
トラ猫「にゃー!(はじめてのまともな場面かもしれないさー…)」
——————————————————————
小鳥『でも猫はお姉さんと過ごす日々が退屈で退屈で仕方ありませんでした』
小鳥『そして、やがて猫は歳をとって死んでしまいました。』
——————————————————————
お姉さん「猫さん…今までありがとう。あなたは退屈だったかもしれないけど、私は毎日が幸せだったわ…」
トラ猫「あずさ…」
——————————————————————
小鳥『お姉さんはすっかり軽くなった猫を抱いて静かに泣きました…』
小鳥『そして、お姉さんは庭の木の下に猫を埋めました』
P「あずささんガチで演技してくれてるな…子供たちも神妙な顔で見入ってるし」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:02:12.87 ID:7s/pQEpd0
~舞台袖~
あずさ「お疲れ様です、プロデューサー」
P「お疲れ様です、あずささん。とっても良い演技でしたよ」
あずさ「あらー、そう言ってもらえると嬉しいですね」
響「自分もようやく心が休まったさー…あ、次の場面行ってくるさー」
P「さて、ここからようやく劇は佳境ってところか」
小鳥「子供たちの反応もいいですし、残りも頑張ってくれるといいですね」
P「あんまり頑張られると困りますけどね…」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:07:43.56 ID:7s/pQEpd0
小鳥『あるとき猫は誰の猫でもありませんでした』
小鳥『猫ははじめて自分の猫になりました』
——————————————————————
トラ猫「はいさーい!自分、自由に生きる野良猫さー!」
トラ猫「理不尽な目に合わないってサイコー!」
メス猫1「そ、そこのカッコイイお兄さん!あ、あたいと遊んでいかないかい!?」
メス猫2「ちょ、それちが……」
——————————————————————
P「律子テンパってるなー…」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:17:20.85 ID:7s/pQEpd0
小鳥『ね、猫は立派なトラ猫だったので立派な野良猫になりました…』プルプル
小鳥『どんなメ、メス猫も猫のお嫁さんになりたがりました…』ククッ…アタイ…
P「ツボ入っちゃたか」
——————————————————————
メス猫2「あーもー律子は黙ってなさい…トラ猫さん?このみんなのアイドル、スーパー美猫の私と結婚してくださるかしら?」
トラ猫「ふふん?自分は百万回も死んだんだぞ!いまさら結婚なんて興味ないさー!」
メス猫1「あ、あたいたちが可愛くないってのかい!?」
——————————————————————
小鳥『ね、猫はだ、だれよr…』アハハハハハゲホッゲホッ
P『猫は誰よりも自分が好きだったのでどんなメス猫も相手にしませんでした』
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:25:07.25 ID:7s/pQEpd0
P『でも、たった一匹猫に見向きもしない、白い美しい猫がいました』
——————————————————————
白猫「…」
トラ猫「さっすが自分!完璧さー!…ん?」
白猫「…」
トラ猫「やぁやぁ、自分は百万回も死んだんだぞ!」
白猫「…そう」
トラ猫「むっ…すごいだろー?百万回も死んだんだぞ!?」
白猫「…そう」
トラ猫「うがー!!」
——————————————————————
P『トラ猫は自分が大好きだったので、白い猫の態度に腹を立てました』
P『それから毎日、トラ猫は白猫のところへ通いました』
小鳥「」ヒューヒュー…ゲホッ
P「しっかりしてくださいよ…」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:29:27.93 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
トラ猫「一回も死んでないんだろ?自分は百万回も死んだんだぞ?」
白猫「…そう」
トラ猫「ぐぬぬ…ほ、ほら!サーカスの猫だったこともあるからこんなこともできるぞー」クルクル タッ
白猫「…そう」
トラ猫「うがー!!」
——————————————————————
小鳥『…ゴホン。トラ猫は毎日毎日白猫のところにかよいました』
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:34:30.71 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
トラ猫「自分百万回も…」
白猫「…」
トラ猫「…なぁ、そばにいてもいいか?」
白猫「・・・ええ」
——————————————————————
小鳥『ある日、白猫をたずねた猫は「百万回死んだ」とは言いませんでした』
小鳥『そのかわり、猫はいつまでも白猫のそばにいました』
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:40:28.38 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
トラ猫「ごはんとってきたぞー!そうそう、さっきそこで人間がさー」
白猫「…あなた様」
トラ猫「!?」
トラ猫「な、なに!?」
白猫「…」クイッ
白猫「本日の月は、まこと綺麗なものですね…」
トラ猫「え…う、うん!とっても綺麗さー!白く光ってて、たk…お前みたいだな!」
——————————————————————
P「ふーむ…貴音の雰囲気は白猫にあってるな…」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:42:45.55 ID:7s/pQEpd0
まぁ誰も見てないだろうし、こんな駄文を転載するサイトも無いだろう
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:48:58.61 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
子猫「うっうー!お父さんお母さーん!」
トラ猫「おー、お前も大きくなってきたなー!」
白猫「…」ニコニコ
トラ猫「んふふ、なんだか幸せ って感じさー!」
トラ猫「いつまでも、こんな風に生きていきたいな…」
——————————————————————
小鳥『やがて、白猫は沢山の子猫を産みました』
小鳥『猫は白猫とたくさんの子猫を、自分よりもずっと好きになっていました』
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 02:53:17.36 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
子猫「うっうー!それじゃあ、今までお世話になりましたー!」ガルーン
トラ猫「ああ、元気に頑張っていくんだぞ!」
トラ猫「王様と船乗りと手品師と泥棒には近づくんじゃないぞー!」
白猫「…?」
——————————————————————
小鳥『やがて子供たちは大きくなり、一番小さかった子猫も立派な野良猫に成長してどこかへ行きました』
小鳥『猫と白猫はまた、出逢った頃のように二匹だけになりました』
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:00:29.40 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
トラ猫「いやー、あいつらも立派な野良猫になったなー」
白猫「ええ…本当に」
トラ猫「…お前と二人きりになるのも久しぶりだな?」
白猫「…ええ」スリスリ
トラ猫「わわっ……んふふ、幸せさー…ずっとお前と一緒に…いつまでも…」スリスリ
——————————————————————
小鳥『二匹になった猫たちは、穏やかに毎日を過ごしていました』
小鳥『白猫はすこしおばあさんになっていましたが、二匹はとても幸せそうな顔をしていました』
小鳥『しかし、何度か季節をめぐった春のある日…』
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:08:42.24 ID:7s/pQEpd0
——————————————————————
トラ猫「ん~…おはよう!今日は何しようか?あ、そういえば昨日河原で綺麗な花がさー……?」
白猫「」
トラ猫「…どうしたんだ?お腹いたいのか?ねぇ…どうしたの…」
白猫「」
トラ猫「う、嘘…ねぇ?起きてよ…………うわぁぁぁぁ」
トラ猫「たかねええええぇぇぇぇ…」
——————————————————————
小鳥『ある日、白猫は猫のとなりでしずかにうごかなくなってしまいました』
小鳥『猫ははじめてなきました。夜になっても、朝になっても…』
小鳥『また夜になって、朝になって…猫は百万回も泣きました』
小鳥『朝になって、夜になって…ある日のお昼に猫は泣き止みました』
小鳥『猫は白い猫の隣で静かにうごかなくなりました…』
P「響…完全に感情移入してたな…」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:10:04.12 ID:7s/pQEpd0
小鳥『猫はもう…決して生き返りませんでした…』
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:19:44.36 ID:7s/pQEpd0
みんな「「「おつかれさまでしたー!」」」
社長「いやー、ほんとお疲れ様!子供たちはもとより、君たちも楽しんでくれたようで何よりだ!」
あずさ「ふふ、とても楽しかったです」
亜美「アタイ!」
真美「アタイ!」
小鳥「」ブッフォ
律子「亜美真美…そこに座りなさい」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:23:03.18 ID:7s/pQEpd0
伊織「あー…仕事じゃないっていうのに随分疲れたような気がするわ…」
やよい「猫のいおりちゃん可愛かったです!」
美希「ハニー!美希のバニーマジシャンどう?可愛い?」
P「あー…かわいいかわいい…」
千早「プロデューサー…あの…」
P「千早もすっごく可愛いぞ!千早は可愛いなー」ナデナデ
千早「あっ///」
美希「こんなのってないの…」
春香「たまにはこういうお仕事もしてみたいね!」
雪歩「うぅ~…四条さん…響ちゃん…」
真「ゆ、雪歩…お芝居の中だけだからね?」
春香「あれ…そういえば響ちゃんたちは?」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:28:34.28 ID:7s/pQEpd0
~舞台裏~
響「…」ボー
貴音「響、こんなところにいたのですか…」
響「た、貴音…お、お疲れ様だぞ!」
貴音「お疲れ様です。…こんなところで何をしていたのですか?」
響「いや、なんていうかその…すっごく寂しい気分になっちゃって…皆といると泣いちゃいそうだったんだ…」
貴音「響…」
響「自分の好きな人とさ…ずっと一緒だと思ってても、それは絶対にいつかは…」
貴音「そうですね…私たちはいつかは死んでしまいます」
響「もし生まれ変わっても、そこに自分が大好きな人はいないんだよね…」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:37:10.44 ID:7s/pQEpd0
貴音「…そうですね、だからあの猫がもう生き返る事はないのでしょう」
響「そんなに悲しい事が絶対に起きるなんて…なんで自分は生きてるのかー…とか考えちゃって…」
貴音「響…」
響「ご、ごめんね?変なこと言っちゃって…そろそろ戻って、皆でご飯でも食べに行くさー! …貴音?」
貴音「響、別れは何にでも等しく訪れる不可避のものです」ギュウ
響「…うん」
貴音「響は前世の恋人を覚えていますか?」
響「ぜ、前世!?うー…そんなのなかったかもしれないし、覚えてるわけないさー!」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 03:55:12.45 ID:7s/pQEpd0
貴音「そうですね…では、響はそれを悲しく思いますか?」
響「そ、そんな覚えてもないのに悲しくなんかなったりしないぞ」
貴音「乱暴な物言いになってしまいますが、もし猫のように記憶を引き継がなければ、全て忘れてしまうのでそんな心配は無用なのです」
響「で、でも…忘れちゃうから悲しくないなんて…それこそ悲しいぞ!」
貴音「そうですね…でも響、前世の悲しみを引きずって今世を生きる事は、とても辛いことなのです…」
響「貴音…」
貴音「ふふ、何を言いたいのかわからなくなってきてしまいました」
響「自分もよくわからなくなってきたぞ…」
貴音「一回の人生を悔いのないように、愛するものを愛し、美味しいものを食べて過ごす…これが大切なのです」
貴音「先の事などわかりませんが…今この瞬間を私はとても愛おしく感じていますし、それでいいのだと思います」ギュウ
響「うん…そうだよね。そんな先の事で悩むなんてらしくないし、なんくるないさー!」ギュウ
貴音「はい、なんくるないさー ですね」グゥゥゥゥゥ
響「…たかねっご飯食べに行こっ!」
貴音「ええ、らぁめんが食べられる場所だと良いのですが」グゥゥゥゥゥ
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 04:03:19.10 ID:7s/pQEpd0
やよい「あ、ひびきさんにたかねさーん」
伊織「もう、あんたたちどこ行ってたのよ!」
真「社長が夕飯みんなに奢ってくれるってさ!やーりぃ!」
雪歩「グスッグスッ…」
春香「雪歩……ごんぎつねって知ってる?」
亜美「」
真美「」
小鳥「」
律子「まったく…ちゃっかり録画してるんじゃないわよ!」
あずさ「あらあらー」
美希「ハニー!お店では隣の席に座ってね!」
千早「わ、私も…」
P「はいはい、ほら行くぞー」
貴音「響…私達にはこんなにも得難い仲間がいますよ」
響「うん!えへへ…明日からも頑張るぞー!」
おわり
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 04:06:23.48 ID:tt4dyGQR0
乙、いい話だなー
ひびたか分もあって満足
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/29(日) 04:06:45.01 ID:7s/pQEpd0
読んでくれた方、支援してくれた方ありがとうございました!すごい時間になってしまった…
即興で筆の早い人ってすげぇ…改めてそう思った