1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 00:55:06.15 ID:/T6GfDfs0
P「お、雪歩、今日も早いな。まだ7時だぞ」
雪歩「えへへ。落ちつかなくって、つい早く来ちゃうんです」
P「しょうがないな。今日もか?」
雪歩「はい。お願いしてもいいですかー?」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 00:58:11.80 ID:/T6GfDfs0
P「じゃあソファーに行こう」
雪歩「えへへ。はいですぅ!」
ポス
雪歩「じゃあ、その、いいですか?」
P「いつでもどうぞ」
雪歩「……っ」ギュッ
P「…………」ダキッ
雪歩「…………」ギュウ……
P「…………」
P(……………………)
P(事の発端は、一週間前に遡る)
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:00:42.33 ID:/T6GfDfs0
■一週間前
ガチャリ
P「ふう……疲れた。やっと終わったか」
雪歩「あ、おかえりなさい、プロデューサー!」
P「うお?雪歩まだいたのか。もう夜10時だぞ?」
雪歩「す、すみません……でもあ、あの、プロデューサーにどうしてもお願いしたいことがあって……」
P「お願い?俺にか?」
雪歩「は、はいぃ」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:02:42.83 ID:/T6GfDfs0
雪歩「二人っきりで、お話ししたかったんです……お時間、大丈夫ですか?」
P「あ、ああ。俺は大丈夫だけど……」
雪歩「そ、それじゃ、あの、単刀直入にいいますね?」
雪歩「…………あ、朝、私が事務所に来た時に、その……」
P「朝、何するの?」
雪歩「さ、3分間……抱きしめてほしいんですぅ……」
P「」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:04:43.57 ID:/T6GfDfs0
雪歩「はうっ!い、言っちゃった……!」
P「……ど、どういうことだ?」
雪歩「そ、その、言葉どおりの意味ですぅ」
P「…………」
P(ヤバイ。幻聴が聞こえたぞ。今雪歩はなんて言ったんだ?俺の聞き間違いじゃなければ、その、何を言ってんだ?えーっと、つまり、その)
P「俺に、抱きしめてほしい、と?」
雪歩「……はいぃ……///」
P「……なんと」
P(おいおいおい。まるで意味が分からんぞ!なんで雪歩がそんな事を……?)
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:07:00.85 ID:/T6GfDfs0
雪歩「あ、あの……ダメ、ですか?」
P「あ、いや、えと、そうじゃなくてだな。とりあえず理由を聞かせてくれないか?」
雪歩「あ、はい。……この前のオーディションの時、なんですけど」
P「ん?ああ、雪歩がトップで合格したやつだな。すごかったなあれは。あの念願の番組のオーディションで優勝するなんて」
雪歩「1位をとった時に、思わずプロデューサーの……胸に、抱きついてしまったじゃないですか……?」
P「あ、ああ。そうだったな。ちょっと驚いたよ」
雪歩「私、男の人が苦手ですから、その、あんなことしたことなくて……」
雪歩「嬉しくて無意識だったんですぅ。でも、いざやってみると、プロデューサーの胸は、すごくあったかくて、全然怖くなんかなくって、その……素直に落ちつくことが出来て……」
雪歩「それから、次の日に収録があったんですけど、驚くほどリラックスして臨めたんですぅ」
P「だから、抱きしめてほしいと?」
雪歩「はい……ご迷惑じゃなければ、お願いしたいんですけど、どうですか?」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:09:40.81 ID:/T6GfDfs0
P「雪歩……」
P(つまり、俺は雪歩の落ちついて過ごせる場所になってるってことなのか?だとしたらそれは嬉しいことだが)
P(うーむ……)
P「……わかった。雪歩がそれで安心できるなら、お安いご用だ」
雪歩「ほ、ほんとですか?ありがとうございますぅ!」
P(と、いうわけだが)
雪歩「はあぅ……」
P(とってもリラックスしてらっしゃるご様子で)
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:11:38.33 ID:/T6GfDfs0
雪歩「えへへ♪」ギュッ
P(正直、よく俺の理性が吹っ飛ばずにいられるなと感心している)
カッチコッチカッチコッチ……
P「…………」
P(時計の音がやけに大きく聞こえるな)
雪歩「…………」ギュッ、スリスリ
P「…………」ナデナデ
雪歩「あっ……うふふっ」ギューッ
P(あーもう、なんだこれ!)
カッチコッチカッチコッチ……
P「…………よし、終わり。3分たったぞ」
雪歩「あ、はいっ。ありがとうございますぅ!」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:13:55.04 ID:/T6GfDfs0
P「どういたしまして」
P(平静を装うので精一杯だった……)
雪歩「えへへっ充電完了ですぅ!プロデューサー、今日も1日、頑張りましょーう!」
P「おう。サクッとこなして行こうな」
P(これが終わると、別人のように元気になるんだよな。まあ、いいことなんだけど)
ガチャリ
小鳥「おはようございまーす」
P「あ、おはようございます。音無さん」
雪歩「おはようございますぅ。今からお茶、淹れますね」
小鳥「ありがとう、雪歩ちゃん。さーて、今日も頑張るわよーっ」
P(ここ最近の雪歩の1日は、こうして始まる――)
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:15:43.90 ID:/T6GfDfs0
■翌日
雪歩「おはようございますぅ、プロデューサー」
P「おはよう。今日も?」
雪歩「はいですぅ!」ワクワク
P「じゃ、座って」
雪歩「はい」ポスッ
P「……よし、いいぞ」ポスッ
雪歩「失礼しますぅ……」ドキドキ
雪歩「…………」ギュッ
P「…………」ギュッ
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:17:45.00 ID:/T6GfDfs0
雪歩「はふぅ……」ギューッ
雪歩(どうしよ……もう1週間もしてもらってるのに、ドキドキしっぱなしだよぉ……)
雪歩(でも、好きな人に抱っこされるの……気持ちいいな……)
雪歩「時々頭も撫でてくれるし」
P「ん? どうした雪歩」
雪歩「はうっ!?ななななんでもないですぅ!」
雪歩(知らないうちに声に出ちゃってた……うぅ、穴掘って埋まりたいですぅ)
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:19:41.99 ID:/T6GfDfs0
P「頭、撫でてほしいのか?」
雪歩「あ、え、えと……はい///」ギュッ
P「よしよし……」ナデナデ
雪歩「あ……///」
雪歩(やっぱり、プロデューサーは優しいですぅ)
P「…………」ナデナデ
雪歩「んふぅ……」
雪歩(3分以上だと、眠っちゃいそう……)
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:21:40.39 ID:/T6GfDfs0
P「ん?そろそろ終わりだな」
雪歩「あ、はいっ」
雪歩(もう少し、こうしてたかったなぁ。3分って短いですぅ。でも――)
雪歩「ありがとうございますっ、プロデューサー」
P「どういたしまして」
雪歩(今日もがんばろっと♪)
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:23:32.22 ID:/T6GfDfs0
■さらに翌日
雪歩「…………」チラッ
P「あ、はい。そういうことでお願いします。それでは」デンワガチャリ
P「よし、次のライブの計画もたってきたし、うちの人気も上がってきてるみたいだな」
春香「お疲れ様ですプロデューサーさん!クッキー作ってきたんです。息抜きにどうですか?」
P「おお、一つもらおうかな」
春香「はい、どうぞ♪」
P「あむっ」サクッ
P「うん、うまい。また腕上げたな」モシャモシャ
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:25:47.59 ID:/T6GfDfs0
春香「えへへ。本当ですか?」
雪歩「…………」ソワソワ
小鳥「ねえ、雪歩ちゃん。なんだか落ち着きがないみたいだけど、どうかしたの?」
雪歩「ふぇえ!?い、いえ、なんでもないですぅ」
小鳥「そう?ならいいんだけど。あ、プロデューサーさん、私ちょっと下でランチ食べてきますね」
P「いってらっしゃい音無さん」
春香「いってらっしゃーい」
雪歩(はぁ……。今日はちょっと寝坊しちゃって、一番に来れなかったなぁ……)
雪歩(まだ今日のぶんの充電が出来てないよぉ……)ソワソワ
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:27:35.89 ID:/T6GfDfs0
春香「えへへ。それじゃ、また今度作ってきますね」
P「じゃあ、チョコチップみたいなの頼めるか?」
春香「もちろんいいですよ!頑張りますね!」
P「期待してるよ」
春香「ありがとうございます!じゃ、レッスン行ってきまーす」
雪歩「!」ソワソワ
P「いってらっしゃい。あとで迎えに行くからな」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:30:01.81 ID:/T6GfDfs0
春香「はい、待ってまーす!」ガチャ、バタン
雪歩「ぷ、プロデューサー!」クワッ
P「はいはい、分かってるよ。逃げたりしないからちょっと待て」
雪歩「はい!」ドキドキ
P「よし。お待たせ」ポスッ
雪歩「えへへ♪」ギュッ
P(……誰か上がってきたりしませんよ―に!)
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:32:13.37 ID:/T6GfDfs0
雪歩「あ、はい。美希ちゃんがCMに出てるシャンプーを買ったんですぅ」
P「なるほど。いつもと違う匂いがしたもんだから」
雪歩「髪質にもあってて、とてもいい匂いがするので、私も気に入ってるんですぅ」
P「そっか」ナデナデ
雪歩「ふあっ……えへへ、ちょっぴりくすぐったいです」スリスリ
P「ああ悪い、つやつやだから、つい触りたくなって」
雪歩(プロデューサーになら、ずっと撫でてもらいたいな……)
P「…………」ナデナデ
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:33:55.56 ID:/T6GfDfs0
すいません、一文抜けてました、修正っす
P「雪歩……シャンプー替えた?」
雪歩「あ、はい。美希ちゃんがCMに出てるシャンプーを買ったんですぅ」
P「なるほど。いつもと違う匂いがしたもんだから」
雪歩「髪質にもあってて、とてもいい匂いがするので、私も気に入ってるんですぅ」
P「そっか」ナデナデ
雪歩「ふあっ……えへへ、ちょっぴりくすぐったいです」スリスリ
P「ああ悪い、つやつやだから、つい触りたくなって」
雪歩(プロデューサーになら、ずっと撫でてもらいたいな……)
P「…………」ナデナデ
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:35:57.68 ID:/T6GfDfs0
雪歩「~♪」ギュッ
P「…………」
雪歩「…………」ニコニコ
P「…………」
雪歩「…………」ニコニコ
カッチコッチカッチコッチ……
P(静かだなあ。こういう時間って、なんか落ちつく)
雪歩「とっても……落ちつきますぅ」
P「ははは。俺もだよ」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:38:12.72 ID:/T6GfDfs0
雪歩「…………」
P「…………」
カッチコッチカッチコッチ……
P「なあ、雪歩」
雪歩「はい、なんですか?」
P「なんで、その……俺がこうすると安心できるんだ?」
雪歩「あ……あのっ……それは……その」
雪歩「…………あぅ///」プシュー
P(無言で赤くなっちゃったよ……)
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:39:51.41 ID:/T6GfDfs0
雪歩「ぷ、プロデューサーは……」
P「ん?」
雪歩「プロデューサーは、こんなことを頼む私は……嫌いですか?」ウワメヅカイ
P「っ!」
P(それは反則だ雪歩!)
P「……何言ってんだよ」
P「嫌いだったらこんなことすると思うか?」ギュッ
雪歩「!…………///」ギューッ
P(照れてる。素直なやつだなあ)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:42:13.06 ID:/T6GfDfs0
P「よし、時間だ」
雪歩「はい。あの、ありがとうございますぅ」
P「いいんだよ。雪歩の役に立てるなら、これくらい」
トテトテトテトテ、ガチャリ
春香「はあっ、はあっ。ちょっと忘れ物しちゃいました……あれ?なんで二人ともソファに座ってるんですか?」
雪歩「わ!これはっ、えーと!」
P「休憩だよ休憩。いっしょにお茶飲んでたんだ。春香のクッキーもあるしな」
春香「ああ、なるほど。……えーっと、あ、コレコレ」
P「なんだ、ジャージ忘れてたらレッスンどころじゃないぞ?」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:44:06.61 ID:/T6GfDfs0
春香「危うく忘れて行くとこでした。それじゃ、改めて行ってきまーす!」ガチャバタン
P「……ふうっ、行ったか。もうちょっと離れるのが遅かったら危なかったな」
雪歩「私もびっくりしちゃいましたぁ。あ、えっと、お茶淹れてきますね!」
P「ああ、頼む。ありがと」
雪歩「プロデューサーにはお世話になってますから。これくらいは当然ですぅ!」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:46:26.62 ID:/T6GfDfs0
■さらにさらに翌日
P(この日は、ちょっとした事件が起きた)
雪歩「えぐっ、ううぅ……ぐすん」
P「……な?だれだって失敗くらいするさ。また次で頑張ればいいじゃないか」ヨシヨシ
真「そ、そうだよ雪歩!ボクだって失敗はあるんだし、ね?もう泣かないで?」
雪歩「うっ……ぐすっ……うんっ……ありがとう、真ちゃん」
小鳥「…………」
小鳥(なにかあったのかしら……)
小鳥「ねえ真ちゃん、ちょっといい?」チョイチョイ
真「あ、はい、なんですか小鳥さん」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:48:51.49 ID:/T6GfDfs0
小鳥「雪歩ちゃん、なにかあったの?」コソコソ
真「それが……さっきの生放送で……歌の途中で歌詞が飛んじゃったみたいなんです」コソコソ
真「その番組が、この前初めてオーディションに、それもトップで受かったあの有名番組で」
真「せっかくのチャンスを不意にしたって……それで落ち込んでるんです」
小鳥「なるほど。そういうことかぁ……」
真「うちにあのオーディションのオファーが来ること自体が奇跡的で……プロデューサーが頑張ってとってきたものらしいです」
小鳥「それは、辛いでしょうね……」
真「早く立ち直ってくれるといいんですけど……さっきから泣きやんでくれなくて。自分で抱え込んじゃうのが、雪歩ですから……」
小鳥「そうね……」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:50:59.12 ID:/T6GfDfs0
P「…………よし!」
雪歩「ぐすっ……ふぇ?」
P「雪歩、ちょっとドライブに行かないか?」
雪歩「ううっ……ひっく……ど、ドライブ……ですか?……ぐすん」
P「そうだ。というわけで音無さん、後の仕事頼みますね!」
小鳥「ピヨッ!?」
P「よし、いくぞ!」ダッ
雪歩「ふぁあ!ま、待ってくださいぃ……」トテトテガチャ、バタン
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:53:10.65 ID:/T6GfDfs0
真「…………」
小鳥「…………」
真「プロデューサーって、時々大胆なところありますよね……」
小鳥「ピヨォ……終わんないよぉ」ズーン
真「……整理くらいなら手伝いますよ」
小鳥「ありがとう……。お願いするわね……」
ブロロロロ……
P「9時半か。まだあいてると良いんだけどな」
雪歩「ぐす……あの、どこへ行くんですか?」
P「まあドライブだから。俺に任せてくれ」
雪歩「は、はい……」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:55:08.34 ID:/T6GfDfs0
■レッスンスタジオ――
P「なんとか使えたか」
雪歩「も、もしかして……いまからレッスンですかあ……?」
雪歩(きっと私がダメダメだから……臨時レッスンするんだ……)
P「いやいやまさか。せっかくドライブで来たんだから、そんなことしないよ」
雪歩「?」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:57:01.04 ID:/T6GfDfs0
ガチャリ、バタン
P「よし、ここなら誰も来ないな」
雪歩「あの……何をするんですか?」
P「…………」ダキッ
雪歩「!!」
雪歩「ぷ、プロデューサー……?」
P「ここが閉まるまでしか時間ないけど……な」
雪歩「…………ぐすっ」ギュッ
P「ここ、防音だからな。いくらでも泣いていいぞ。気が済むまでな」
P「それまで、ずっとこうしておいてやるから」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 01:59:15.19 ID:/T6GfDfs0
雪歩「さ、3分じゃなくていいんですか?」
P「今日だけ、特別だ」
雪歩「……ぷろ…でゅーさぁ……」グスッ
雪歩「っ……ひっく……うう……うええっうっ……うええええん」
P「…………」ナデナデ
P「よく頑張ったな。雪歩」
雪歩「いいえっ……せっかくプロデューサーがとってきてくれたお仕事だったのに……私……ダメダメで……っ」
雪歩「ごめんなさいっ……」
P「そんなことないぞ?俺には雪歩が1番輝いて見えたけどな」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:01:12.77 ID:/T6GfDfs0
雪歩「でもっ……うう……ぐすっ」
P「まあでも、悔しいものは、仕方ない。だからいっぱい泣いていいよ。今だけは好きなだけ泣くといい」
雪歩「ぐずっ……ううう」
P「でっかい仕事だって、いくらでも獲ってきてやるって。だから心配するな」
雪歩「……ふぁい……っ」ギューッ
■数分後――
P「落ちついたか?」
雪歩「…………」コクッ
P「そっか。ならよかった」
雪歩「で、でもっ……その、もう少しだけ……こうしててもらってもいいですか?」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:03:21.15 ID:/T6GfDfs0
P「ああ、もちろん」
雪歩「……ありがとう……ございます……」ギュッ
P「…………」ナデナデ
雪歩「…………」
雪歩「ほ、ほんとは……」
P「ん?何か言ったか?」
雪歩「本当は……抱きしめてほしかったのは……安心できるからじゃないんです」
P「どういうこと?」
雪歩「いえ、あのっ……もちろん落ちついていられるのは本当の事なので、違うわけじゃないんですけど……もう一つ、理由があるんですぅ……」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:05:15.57 ID:/T6GfDfs0
P「そうなのか?」
雪歩「はい……」
P「できれば、聞かせてくれるか?」
雪歩「……私、みんなが羨ましかったんです……」
P「羨ましかった?」
雪歩「……私は美希ちゃんみたいに、度胸がないです……。だから、いつもプロデューサーに抱きついているのを見て……とっても楽しそうで……嬉しそうで……」
P「…………」
雪歩「私は春香ちゃんみたいに、上手にお菓子を作ったりできません……。だから、楽しそうにお菓子を二人で食べているのを見て、私にもできたらいいのにって……」
雪歩「そういうのを見ていて、とってもうらやましかったんです……」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:07:59.57 ID:/T6GfDfs0
雪歩「それに、真ちゃんや響ちゃんみたいに運動神経も良くないし……あずささんや千早ちゃんや、四条さんみたいにみたいに綺麗じゃないし、歌も上手じゃないです」
雪歩「亜美ちゃんと真美ちゃんのそばでは、プロデューサーはいつも笑ってましたし、伊織ちゃんや、やよいちゃんみたいに私は可愛くもありません……」
雪歩「私はというと……いつも穴ばかり掘って……迷惑をかけて」
雪歩「みんなみたいに……プロデューサーと接する時間がないのが……嫌だったんです」
雪歩「私だけ……取り残されたような気がして……」
雪歩「でも、そんなとき、プロデューサーの胸に受け止めてもらった時に……」
雪歩「こんな私でも……優しくしてもらえるんだって……そう思うと、私……」ギュッ
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:09:49.99 ID:/T6GfDfs0
P「そうか……そんな風に考えてたのか……」
雪歩「私は……こんなに泣き虫で、ダメダメでちんちくりんですけど……っ」
雪歩「プロデューサーと……一緒にいたいです……」
雪歩「大好きな……プロデューサーに」
雪歩「私の全部を受け止めてほしいから……っ///」ギューッ!
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:12:01.10 ID:/T6GfDfs0
P「雪歩……」
P「…………ははっ、まったく……お前ってやつは……」
P「雪歩は確かに、ちょっとだけ泣き虫だけど、ダメダメでもちんちくりんでもないぞ」
雪歩「…………」
P「雪歩のいいところ、俺はいっぱい知ってるんだからな」
P「雪歩はだれよりも努力家で、人一倍頑張り屋で、どんな時でも諦めたりしない、とてもいい子だ」
P「弱音を吐くことはあっても、無理だと言って投げ出したりはしない」
P「必死に弱点を克服しようと頑張ってるのも知ってる。もう犬にも、少しなら触れるようになったしな」
P「それに、事務所にいるといつも美味しいお茶を淹れてくれるし、素直だし、とっても優しい」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:14:28.01 ID:/T6GfDfs0
P「そして、雪歩。お前は可愛いぞ」
雪歩「そ、そんなことっ……ないですよぉ」
P「いいや。俺が言うんだから間違いなんかあるわけないだろう?」
P「お前は笑ってる時の顔が、一番かわいいよ」
P「雪歩の笑顔を見ると、疲れなんか吹っ飛んで、すぐに元気になれるんだ」
雪歩「……ほんと、ですか……?」
P「ああ。俺は、1日の中で雪歩と一緒にいる時間が一番楽しいぞ」
P「……だって俺も……雪歩のことが好きだから」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:16:20.81 ID:/T6GfDfs0
雪歩「! ぷ、プロデューサー……っ!」
P「正直、最初に雪歩に、抱きしめてほしいって言われた時は、どうしようかと思ったぞ。幻聴でも聞こえたのかってな。ははっ」
雪歩「い、今のは、げ、幻聴じゃないですよね……?」
P「なんならもう一度言おうか?俺は雪歩が大好きだ」
雪歩「はうぅっ……!」ギュッ
P「お、おいおい苦しいって。そんなにきつく抱きつかなくたってどこにも行かないよ」
雪歩「……嬉しくて……つい力が入っちゃいました……えへへ」
雪歩「だから、その……プロデューサーも、もっとつよく、抱きしめてほしいですぅ」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:18:50.75 ID:/T6GfDfs0
P「しょうがないな」ギュッ
雪歩「……」スリスリ
P「…………」ナデナデ
雪歩「どうしてでしょう……いつもしてもらってるのに……いつもより、暖かいですぅ」
P「きっと、辛かったことが消えたんじゃないのか?」
雪歩「そうですね。テレビの失敗なんか、もう気にならなくなっちゃいました」
雪歩「プロデューサーに抱きしめてもらえば、辛いことなんか全部なくなっちゃいますぅ」
雪歩「だから、これからもずっと……私を抱きしめてください……」ドキドキ
P「わかってるよ。でもまあ、雪歩がアイドルをやってるうちは、1回3分な?」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:20:52.07 ID:/T6GfDfs0
雪歩「はいっ。でも、回数制限をなくしてください。朝の一回だけじゃ、もう物足りないです」
P「ははっ。欲張りなヤツだな」
雪歩「えへへ。だって、やっと好きって言えましたから」ニコッ
雪歩「もう、遠慮したくないんです」
雪歩「プロデューサーにもっと抱きしめてほしい……もっと頭をなでてほしい……もっと、好きだって言ってほしいんです」
P「…………しょうがない。じゃあ好きな時に何度でも1回5分だ」
雪歩「うふふっ。はいですぅ!」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:22:16.97 ID:/T6GfDfs0
度々ミススイマセン。
×P「…………しょうがない。じゃあ好きな時に何度でも1回5分だ」
○P「…………しょうがない。じゃあ好きな時に何度でも1回3分だ」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:24:44.07 ID:/T6GfDfs0
■さらに数日後
P「あーつかれた。ちょっと一休みするかな」ギィ
春香「おつかれさまです、プロデューサーさん」
P「ははは。体がきしむなぁ。っと、もう3時か」
雪歩「プロデューサー、お茶が入りましたぁ」
P「おう、ありがとう雪歩」スクッ
真美「ね→ね→兄ちゃん!ゲームやろ→!昨日のリベンジだYO!」トテテ
P「んーもう少ししたらな。今はゆっくり茶が飲みたいんだ」ノビー
真美「わかったYO!ぜったいだかんね!」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:26:27.99 ID:/T6GfDfs0
P「ま、どうせ俺が勝つけどな」
真美「んっふっふー、昨日と同じ手は食わんよ、兄ちゃん!」
P「よかろう!ひねり潰してくれるわ!」
美希「ハニー悪役っぽいの」
P「気にするな」
雪歩「うふふっ」
P「とりあえずソファーに座るか。雪歩、隣いいか?」
雪歩「もちろんですぅ。おいしいお茶菓子も用意してますから、一緒に食べましょう」ニコニコ
P「んー、やっぱ雪歩の淹れてくれたお茶は最高だ」ズズー
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:28:55.13 ID:/T6GfDfs0
雪歩「えへへ。ありがとうございますぅ」ギュッ……
美希「あーっ!雪歩がハニーの腕に抱きついてるの!」
真美「」
春香「!?」バッ
小鳥「あらまあ」ニヤニヤ
真「あはは。それにしても、雪歩、前より元気になってますよね」
小鳥「そうね。プロデューサーさんのおかげかしら。雪歩ちゃん大胆になったわね。プロデューサーさんにだけ、だけど」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:30:21.39 ID:/T6GfDfs0
真「どうしてもあのときのドライブの事を教えてくれないんですよねー雪歩ったら」
小鳥「秘密ってことかしらね」
小鳥(妄想が膨らむわぁ!……真夜中の車の中で、プロデューサーさんと雪歩ちゃんが……)ピヨピヨ
真「仕事してくださいよ小鳥さん。ボクもう手伝いたくありませんよ」ヤレヤレ
小鳥「わ、分かってるわよぉ。大丈夫!」
小鳥(危ない危ない……また一人の世界に入るとこだったわ)
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:32:49.53 ID:/T6GfDfs0
美希「雪歩!いい加減ハニーから離れるの~!」
雪歩「ぷ、プロデューサーから解かない限り、離れませんっ!」
P「まあまあ美希。たまにはいいじゃないか。お、この菓子もなかなかイケるな」モグモグ
美希「食べてないでハニーも腕を解くの!」
春香「今度はクッキーじゃなくて和菓子に挑戦しなくちゃ……」ゴゴゴゴゴゴ
真美「はるるん顔が怖いよ」
P「ほーら、美希。レッスンの時間だぞ。行って来い!」
美希「ヤなの!」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:34:48.50 ID:/T6GfDfs0
P「言うこと聞いたら今度どこか連れて行ってやるぞ」
美希「魅力的な等価交換だけど、今はそれどころじゃないの!死活問題なの!」
P「なぜだ……いつもの美希なら今のですたこらとレッスンに向かうのに……ん?」
雪歩「すぅ……すぅ……」
P「……寝てるのか?」
美希「……ハニーの隣で寝ていいのはミキだけなのに~っ……!」
P「さ、諦めてレッスン行け」
美希「ぶー……帰ってきたらハニーはミキが独り占めするんだからね!」ガチャバタン
P「……しかし、急に寝ちゃったな。疲れてたのか?」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:37:42.32 ID:/T6GfDfs0
P「……しかし、急に寝ちゃったな。疲れてたのか?」
P(まああれ以来、サクサク仕事をこなしていくようになったしな)
雪歩「んぅ……すぅ……すぅ……」
P(幸せそうに寝てるなぁ)
P「しょうがない、このまま寝かせておいてやるか」
春香「なるほど……こんな和菓子もあるのね」モグモグ
P「何やってんだ春香」
春香「美味しい和菓子を目指して研究ですよ、研究!」グッ!
P「……まあ、期待してるよ」
春香「任せてください!」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:39:39.96 ID:/T6GfDfs0
真美「兄ちゃん、ゲームは!」
P「雪歩が起きてからな」
真美「え~待てないYO!早く!」
P「雪歩を起こすわけにもいかないだろう。もうちょっと待てって」
真美「もー仕方ないな。あとで何か奢ってよね!」
P「アイスでいいか?」
真美「晩ゴハン!みんなで食べようYO!」
P「……わかったよ」
真美「わ→い!や→りぃ!」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:41:34.77 ID:/T6GfDfs0
真「こらこら、そうやってプロデューサーに迷惑かけちゃだめじゃないか真美。あと、ボクの台詞だからね」
P「はぁ……」
P「…………」ズズー
P「美味い……平和だなあ……」
雪歩「…………」ギュウッ
雪歩(えへへ。寝たフリだけど……これなら3分以上でも大丈夫ですぅ!)
雪歩(プロデューサー、……大好きっ!)
Fin
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:45:05.67 ID:/T6GfDfs0
はい、ここまでです。雪歩書くの初めてでした。難しいですね。
ここまで読んで下さった方、支援して下さった方、一度でもここを開いてくださった方、どうもありがとうございました。
楽しんでいただけたら幸いです。それでは~
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:49:27.43 ID:/T6GfDfs0
因みに以前、『美希「ただいま戻りましたなのー!」』というSSも書いてます。
Pの為に美希がいろいろ頑張るお話です。もしよろしければ、是非読んでくださいませ
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/14(水) 02:50:02.17 ID:q3Mo3XIV0
乙
雪歩かわいいよ雪歩