岡部「何!?電話レンジ(仮)を使いたい!?」千早「お願いします…」【如月千早SS】

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 13:55:12.94 ID:XEnLvKKk0
岡部「しかしだな…この電話レンジを部外者に使わせるわけにはいかんのだ…」

千早「お願いします!お代はいくらでもお支払いしますから…!」

岡部「ぐぬぬ…!財政事情が厳しい我がラボにその一言は魅力的過ぎるが…」

ダル「オカリン!現役アイドルがこんなに頼み込んでるんだから使わしてあげるべきだろjk」

まゆり「そうだよー。まゆしぃはいじわるは良くないと思うのです。」

岡部「しかしだな…如月さんとやら、このレンジの事を誰から聞いたのだ?」

千早「それは…牧瀬さんから教えてもらって知りました。」

岡部「何!?あなたは助手の知り合いなのか?」

千早「ええ。実は、私の遠い親戚に当たる人で。」

ダル「マジで!?何でそういう事を僕に黙ってるかなぁ…」

まゆり「へぇ~。すごいねクリスちゃん。」

岡部「そう言えば、助手は今日どうしたのだ?」

ダル「さあ?いつもみたく夜にひょっこり現れるんじゃね?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 14:08:25.24 ID:XEnLvKKk0
岡部「助手め…ラボの秘密は絶対に漏らさないと誓ったばかりだというのに…」

まゆり「ねえ、オカリン。千早ちゃんも何か理由があるみたいだし使わせてあげようよ~」

岡部「むぅ…分かった分かった。ただし、条件がある。」

千早「条件?」

岡部「如月千早。お前には我がラボの一員となって貰う。」

千早「ええ?私にこのサークルに入れと?」

岡部「我がラボは、この俺の天才的頭脳が発明したガジェットの数々があるが
いかんせん宣伝がHPのみというお粗末さだ。そこで、現役アイドルであるお前に
未来ガジェットの宣伝担当をしてもらいたいのだ。」

千早(うわぁ…何かとんでもない事になってきたぞ…!)

千早「分かりました。具体的に私は何をすれば?」

岡部「なあに簡単な事だ。おまえ自身のブログやツイッターでガジェットについて
定期的に紹介をしてもらえればいい。」

ダル「今はやりのステルスマーケティングですね!分かります。」

岡部「あと、テレビ番組に出る時にこれを付けて出演してもらいたい。」

千早「これは…?」

岡部「ラボメンピンバッジだ。これを付ける事でラボメンの証明となるのだ。」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 14:22:45.88 ID:XEnLvKKk0
千早「分かりました…どこまでやれるかは分からないけど、私なりに頑張ってみようと思います。」

岡部「決まったな…今日からお前はラボメンナンバー009如月千早だ!」

千早「よろしく…」

岡部「ところで、千早よ。お前の声何か助手に似ているな?」

千早「え?そ、それは親戚だから多少は似ているところもあるかもしれないけど…」

岡部「まあいい。それで、過去に何というメールを送るつもりなのだ?」

千早「それは…どうしてもここで言わないと駄目でしょうか…?」

岡部「一応、これはまだ完成していない実験段階のガジェットだからな。検証のために
内容は公開してもらわんと困る。」

千早「そんな…メールの内容は公開はできません…!」

岡部「何だと?どういう事だ!?」

千早「プライバシーに深く関わる事なので…」

ダル「オカリン…相手は現役のアイドルなんだお!?プライバシーが暴露されたらいろいろ
まずい事になるにきまってんだろjk」

まゆり「そうだよオカリン。そういうのはまゆしぃは良くないと思うのです。」

岡部「まゆりよ、お前そればっかだな」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 14:41:34.66 ID:XEnLvKKk0
岡部「ええい、うるさい連中め。別に他意は無いと言うのに…!
まあ、いいだろう。それでいつの誰に送るのだ?」

千早「7年前の私の携帯に送りたいんです…!」

岡部「ふむ…確認したいんだが、メールの文字数についてとかは助手から
聞いているのだな?」

千早「え!?文字数って何ですか?」

岡部「やはりか…この電話レンジ(仮)は全角文字で18文字、半角では36文字までの
メールしか送信できないのだ。送るとすれば、その文字数内で頼む。」

千早「それは…知りませんでした…では、その条件にあわせてメールの内容を考えておきます。
それでは、私は音楽番組の収録がありますのでまた後ほど…」

岡部「うむ、ガジェットの宣伝よろしく頼むぞ。」

千早「失礼します…」

ダル「さすが765プロの歌姫こと如月千早ちゃんだな。スケジュールの都合を作ってまで
僕に合いに来てくれるとか、マジ天使すぎだろ…」

岡部「黙れ。しかし、本当に助手の声そっくりだったよな…」

まゆり「案外クリスちゃんが変装してたりしてね~。えへへへ」

岡部「それは無いだろ。第一、奴とは胸の大きさが違いすぎる。」

ダル・まゆり「!?」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 14:50:45.73 ID:XEnLvKKk0
岡部「お前達、一体どうしたのだ?顔が真っ青だぞ?」

ダル「オカリン…さっきの一言は聞かなかったことにしておくから…」

まゆり「まゆしぃは何も聞こえなかったのです。」

岡部「何だというのだ?俺は助手と千早の胸の違いをだな…」

まゆり「オカリン!」パシーン!!

岡部「な…!?何をするのだまゆりよ!??」

ダル「止めろオカリン!その事についておおっぴらに言わない方がいいんだお!!」

岡部「は…!?胸の事をか?何で…?」

ダル「ファンに殺されるんだお」

岡部「な…!?なん…だと!?」

ダル「オカリンはアイドルとかに詳しくないから知らないのかもだけど
千早ちゃんのファンは恐ろしいんだよマジで。だから彼女の胸の話は禁止。」

岡部「…分かった。極力その話題には触れないでおこう…」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 15:03:13.96 ID:XEnLvKKk0
数時間後…

紅莉栖「はろー。相変わらず暑苦しいわねここ。」

まゆり「クリスちゃん!トゥットゥルー。」

岡部「重役出勤とはいいご身分だな助手よ。」

紅莉栖「ちょっと研究所の論文をまとめてたから遅れただけよ。大体、ここは
会社じゃないんだから、いつ来てもいいはずだろうが。」

岡部「…ふうむ。」

紅莉栖「何よ?」

岡部「いや…何でもない。やはり俺の思い過ごしだったようだ。」

紅莉栖「人の顔じろじろ見て変な奴ね。元から変だけど」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 15:03:41.33 ID:XEnLvKKk0
岡部「…そうだ!助手よ。貴様ガジェットの秘密を外部の人間にばらしただろ!」

紅莉栖「何よ!?やぶからぼうに」

岡部「如月千早という娘を知っているな…?」

紅莉栖「え…?如月さんが来たの!?」

岡部「ああ。彼女にはラボメンになってもらった。今はラボの宣伝を頼んでいるところだ。
電話レンジの文面も考えてもらってるところだ」

紅莉栖「あの話、本気だったんだ…」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 15:15:41.99 ID:XEnLvKKk0
ダル「そんな事より牧瀬氏。如月千早ちゃんと親戚って話はマジなん?」

紅莉栖「え?ええそうだけど…」

ダル「ktkr!って事は、他の765プロのアイドル達とかも面識あったりしないのかお!?」

紅莉栖「まあ…そういえば一度ライブの楽屋裏に挨拶しに行ったことがあったわね。」

ダル「うひょーい!是非僕もその楽屋裏に行ってみたいでござる!」

岡部「こらこら!話はまだ終わっとらんのだぞ!助手よ。彼女に一体どこまで
電話レンジ(仮)について話したというのだ?」

紅莉栖「おおまかによ。大体タイムマシンを開発したなんて、真面目に説明
出来るわけ無いでしょ。」

岡部「彼女何か、悩んでいたみたいだったが…メールの内容も気になるな。
助手よ、何か心当たりは無いか?」

紅莉栖「さ、さあ…?アイドルの事は私にはよく分からないわ。」

岡部「そうか…」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 15:22:01.71 ID:XEnLvKKk0
翌日…

岡部「メールの文面は考えてきたか?」

千早「ええ…全角で18文字、半角で36文字ですよね?」

岡部「ああ、そうだ。ちなみに昨日言い忘れたが、全角文字数6文字ずつ
3通に分割されて送られる。」

千早「ええ?何で言ってくれなかったんです?」

岡部「すまんすまん。そういう訳だから6文字ずつ意味が通るように分けた方がいいな。」

千早「ちょっと待ってください…」

千早が7年前の自分に送るメール
>>35

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 15:35:09.42 ID:XEnLvKKk0
千早「決まりました…!」

岡部「よし!それでは電話レンジ(仮)、起動!!」

ダル「セットしたお。時間は7年前だからええと…61320秒だったっけかな…」

ボウーン…!ビリビリバチバチッ!!

ダル「放電現象が始まったお!」

岡部「千早よ!メールを送信するのだ!!」

千早「はいっ…!」ポチッ

岡部「うっ…!?」ボワワーン…!!(リーディングシュタイナーが発動)

世界線移動後…

岡部「ううっ…!…はっ…!?」

岡部「ここは…!?」

見るとさっきまでラボにいたはずなのに何故かメイクイーンの前に立っていた…

ダル「オカリン、突っ立ってないで早く入ろうぜ。」

岡部「え…!?」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 15:45:08.40 ID:XEnLvKKk0
俺は訳も分からないまま、ダルとメイクイーンに入った…

フェイリス「ダルにゃん、凶真!おかえりなさいませニャンニャン!」

ダル「あれ?今日って、まゆ氏はお休みなん?」

フェイリス「ごめんなさいニャー。何か家の用事とかで来れなくなってしまったのらしいニャ。」

岡部「…!そうだ、如月千早はどうなったんだ!?」

ダル「急になんだお?」

岡部「如月千早だ!!ラボメンの!さっき実験していただろ!」

ダル「さすがの僕もそう急にオカリンの妄想には対応できないんだお」

岡部「違う!765プロのアイドル如月千早だ!来ていただろさっきまで!!」

ダル「へ…?誰…??」

岡部「何を…!?アイドルの如月千早だぞ!?」

ダル「オカリンの口から765プロのアイドルとか聞くと思わなかったけど、誰ぞ?
僕のデータベースには無い名前だお」

馬鹿な…!?
俺は慌ててラボへと向かった…
ダル「オカリーン!!勘定は!?」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 15:56:24.81 ID:XEnLvKKk0
ラボのPCで、765プロのアイドルのデータベース一覧(ダル製)を何度も見返しても
そこに如月千早の名前は無かった…
それどころか、ネットのどこにも「アイドル如月千早」の項目すら存在しなかった…

岡部「何と言うことだ…俺が…俺が彼女の存在を消してしまったのか…!?」

岡部「そうだ…!助手!彼女に聞けば…!」ピッポッパ

紅莉栖「何よ…?ちょっと今忙しいんだけど?」

岡部「お前の親戚に如月千早って娘はいるか!?」

紅莉栖「はあ…!?急に何なの!?訳が分からないんですけど」

岡部「いいから答えろ!如月千早だ!いるのか!?」

紅莉栖「…何であんたがあたしの親戚の事知ってんのよ…いるわよ。遠縁だけど」

俺は膝に力が入らなくなりくずおれた…

紅莉栖「もしもし!?ちょっと岡部!説明しなさいよ!?」

岡部「紅莉栖…出来るだけ早くラボへ来てくれ…」

紅莉栖「へっ…!?あんた今あたしの名前で…!?」

俺は通話を切りソファーに倒れた…

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 16:07:08.43 ID:XEnLvKKk0
数時間後…

紅莉栖「ちょっと岡部!どういう事か説明しなさいよ!」

岡部「大変な事になった…」

俺は事の顛末を助手に全て話した―

紅莉栖「何でそういう大事な実験をあたしがいない所でやる訳!?
岡部には以前タイムパラドックスの危険性について説明したわよね!?」

岡部「実験の際お前はいなかった。何度連絡しても繋がらなかったのだ…」

岡部「そういえば、お前は何をしていたのだ?」

紅莉栖「知らないわよ!あんたの脳内でしか別の世界線のあたしは存在しないんだし…!」

岡部「そんな事より、確かにお前の親戚に『如月千早』という娘は存在するのだな!?」

紅莉栖「そうよ…もう何年も合って無いけど…」

岡部「今はどこにいる?アイドル活動はしてないのか!?」

紅莉栖「あ、アイドル!?何言ってんのあんた!?彼女は普通の女の子よ!」

岡部「何…!?という事はDメールを送った事によって、アイドルではなくなってしまったのか…!?」

紅莉栖「彼女はなんて言うか…そういう人前に出るのが苦手な子だったから…
そういうのはやらないんじゃないかしら…?」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 16:16:14.30 ID:XEnLvKKk0
俺は、助手から「如月千早」の住所を聞いて、早速彼女の元へ向かった…

岡部「…結局お前も来るわけか…」

紅莉栖「当たり前でしょ!?あたしの親戚なのよ?あんたが失礼な事しない様に
監視していなきゃだし」

岡部「まあいい…おっと、ここのマンションか。でかいな」

それは都内でも一等地と呼ばれる場所にあるマンションだった

ピンポーン!

声「どなたでしょうか…?」
少々やつれた感じの妙齢の女性の声だった

紅莉栖「あの…青森の牧瀬です。急におじゃましてごめんなさい。」

声「ああ…紅莉栖ちゃん。大きくなったわね…いま鍵を開けるから…」

俺達は彼女の部屋へと向かった…

紅莉栖「お久しぶりです…お元気でしたか…?」

女性「ええ…それより紅莉栖ちゃん、聞いたわよ。アメリカの研究室にいるんですって?」

紅莉栖「ええまあ…それより、千早さんはどこに…?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 16:24:58.38 ID:XEnLvKKk0
女性「今呼んでくるわね…千早ちゃん…お客さんよ…。」

そう言って母親は奥の部屋に入っていったが数分後母親だけが戻ってきた。

母親「ごめんなさいね…千早は気分が優れなくて誰ともお話したくないらしいの…」

紅莉栖「そんな…!何かご病気でも…?」

母親「そういう訳ではないんだけれど…」

岡部「ドア越しでも構いません。どうか話だけでもさせてもらえませんか?」

母親「あなたは…?」

岡部「申し遅れましたが、彼女の友人の岡部といいます。」

母親「ええ!?そんな事初めて聞いたけど…」

岡部「お願いします!!」

母親「そうねえ…じゃあ少しだけね。」

俺達は「如月千早」の部屋の前に案内された。

岡部「助手はちょっと席を外してくれ。」

紅莉栖「ええ!?何でよ!??」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 16:33:55.04 ID:XEnLvKKk0
岡部「いいから、事情は後で話す!今は外してくれ」

紅莉栖「絶対に変な事しないって約束してくれる?」

岡部「ああ、だから頼む。」

その場に俺とドア越しの「如月千早」だけになった―

岡部「始めまして、になるのかな…俺は岡部倫太郎という者だ。」

千早「…誰…!?」

岡部「その前に聞かせて欲しい、どうしてお前は部屋に閉じ篭っている!?」

千早「…そんな事…!あんたに関係ないでしょ…!」

岡部「いや、大いにあるのだ。お前がDメールを送った結果、こうなってしまったのだからな。
ちなみに、送る前お前は国民的アイドルグループのメンバーだったんだぞ!?」

千早「…馬鹿じゃないの…早く帰ってよ…」

しまった…!あまりにも唐突過ぎる話の振り方だったかも知れん…!

岡部「唐突に変な話をして済まなかったな。実は、俺はタイムマシンの研究を
しているんだ。」

千早「タイムマシン…!?」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 16:43:42.37 ID:XEnLvKKk0
俺は、事の顛末を助手にそうした様に懇切丁寧に説明した。ドア越しに…

千早「馬鹿げているわ…あたしがそんな胡散臭いメールなんてするはずが無い…」

岡部「しかし、お前は我がラボに訪れた。とても深刻そうな顔をして。
なあ、一つ聞きたいんだがもし、『過去にメールを送れる』としてお前が送りそうな
内容に心当たりはないのか?」

千早「…それは…あると思う…」

岡部「それは何だ!?」

千早「弟を…交通事故で亡くなった、たった一人の弟を救うことよ…!!」

岡部「な…!?なん…だと!?」

千早「もし、そんなメールがあるのなら、あの日弟を外に出したりしなかった…!」

岡部「待ってくれ!という事は弟さんは亡くなってると言う事か!?」

千早「そうよ…!あの日私は一通の『奇妙なメール』を受け取ったの。『外に出るなっ』って
だから、怖くなってあの日は部屋から一歩も出なかったわ…弟をほったらかしにして!!」

岡部「何て事だ…!という事は実験は失敗した…!?」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 16:55:10.21 ID:XEnLvKKk0
千早「もうその事を話すつもりはないから…早く帰って…!」

岡部「済まなかった…お前を苦しめたのは他でもない俺だ…」

俺は、いたたまれなくなり助手と共に彼女の家を後にした…

ラボ―

紅莉栖「つまり、こういう事?元々彼女には交通事故で亡くなった弟がいて
その弟を助けようとDメールを送ったが、文面が悪くて、結局史実通りに亡くなってしまったと。」

岡部「ああ」

紅莉栖「しかも、より彼女を追い詰める結果になってしまい、元々はアイドルだったはずの彼女が
引き篭もりになってしまったと。」

岡部「ああ…」

紅莉栖「これは酷い…」

岡部「いや待て、何で俺が責められる!?彼女は文面を公開しなかったのだぞ!?
今となっては納得してはいるが…」

紅莉栖「彼女は何てメールを送ったのかしら?」

岡部「『外に出掛けるな』というメールを受信していたらしい。」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 16:56:20.40 ID:XEnLvKKk0
>>55
詳しく知らないから話の便宜上7年前にしておいた

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:07:31.88 ID:XEnLvKKk0
紅莉栖「で…これからどうするつもりなのよ?」

岡部「決まっている…元の世界線に戻すつもりだ。彼女がアイドルの!」

紅莉栖「という事は、またDメールを送るって言うの!?止めなさいよ。
バタフライエフェクトで余計にこんがらがって滅茶苦茶な世界線になるわよ!?」

岡部「しかしだな…」

ダル「話は聞かせてもらったお」

まゆり「トゥットゥルー。オカリン、クリスちゃん。」

岡部「お前達…聞いていたのか?」

ダル「オカリンも牧瀬氏も水くさいお。そういう事はラボのみんなで考えるもんだろjk」

まゆり「弟さんが亡くなった悲しい気持ちはまゆしぃにも痛いほど分かるのです…
だから、オカリン。千早さんを救ってあげようよ~。」

紅莉栖「救うって…どうするの?」

ダル「ずばり、文面を考え直して弟さんを死なせない様にするんだお」

紅莉栖「難しいわね…実際にメールを送ったけど失敗したし…」

岡部「それに、おそらく彼女自身の携帯からでないと彼女はメールを
信じないだろう…それでは全く意味が無い。」

まゆり「じゃあ、千早ちゃんを何とかしてラボに連れてこないといけないのかな~?」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:18:52.74 ID:XEnLvKKk0
岡部「分かった…俺が何とかして彼女をここに連れてこよう。」

ダル「さすがオカリン!俺たちに出来ない事を平然と(ry」

岡部「元々、彼女にDメールを送らせたのは他でもないこの俺だからな」

紅莉栖「ねえ、思ったんだけど遠隔機能を使えば、わざわざ来て貰う必要無くない?」(迫真)

ダル「おお、そういえば。ここの携帯に転送してもらえばいい訳だから」

岡部「いや、事情が事情だ。責任を持つという意味で少なくとも俺だけは送信する所を
見ていたい。ここにいようといまいと。メールアドレスだけ教えてってのは考えてない」

紅莉栖「今時、そこまで律儀にならなくてもいいんじゃない!?折角転送機能があるんだから
それを使うべきよ!」

岡部「…?お前やけにそこにこだわるな?」

岡部「…では明日、彼女に事情を話し再度Dメールを送って貰うように説得する。」

紅莉栖「私は付いていったほうがいいの?」

岡部「いや、お前は一応ラボに残り電話レンジの起動にそなえてくれ」

紅莉栖「万が一ってわけね…」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:33:35.97 ID:XEnLvKKk0
翌日、俺は如月千早のマンションに出向いた…

ピンポーン!

母親「はい…あらあなたは昨日の…」

岡部「突然お邪魔して申し訳ない。娘さんと2、3話をさせてもらえますか?」

母親「娘は誰とも話しをする気は無いと言っていますのでどうかお引取りを…」

岡部「ほんの数分でいいんです…!彼女にとっても、そして俺達にとっても
とても大事な事なんです!どうかお願いします!!」

母親「…数分だけですよ…?」

岡部「ありがとうございます!」

そして俺は再び如月千早のドアの前へとやって来た。

岡部「岡部だ。昨日は済まなかったな。今日は折り入って話があるので来た。」

千早「…今度は何…?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:33:52.74 ID:XEnLvKKk0
岡部「如月千早よ。お前を元の世界線に戻したい。」

千早「…どういう事?」

岡部「昨日話したDメールだ。お前の弟が死なない世界線に変えたい。」

千早「そんなこと出来る訳無いでしょ!!」

岡部「いや、出来るぞ。何と言っても今度は我がラボメンナンバー全員がサポートを
するのだからな!」

千早「ラボ…何?」

岡部「ラボメンだ!お前もその一人なのだぞ?」

千早「知らないわ…大体、何てメールを送るつもりなのよ!?」

岡部「そうだな…例えば…」
メールの内容>>72

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:50:48.47 ID:XEnLvKKk0
岡部「もっと直接的な内容だとどうだ?例えば『弟を外へ出すと死ぬ』みたいなやつをだ。」

千早「…それをあたしが信じるとでも!?」

岡部「現にお前は自身のメールを見てそうしているわけだろう!?
お前自身からのメールならば間違いなく実行すると俺は確信している!」

千早「…まあいいわ。送ってあげる。アドレス教えなさいよ。」

岡部「その前に…出来れば我がラボへ来てもらえないだろうか?」

千早「それは…申し訳が無いけども辞退させて貰うわ。ここからでも転送できるんでしょ?」

岡部「それはそうだが…こちらの誠意をだな…」

千早「早く教えて。でないともう送らないわよ。」

岡部「…!分かった!しばし待つがよい!」ピッポッパ

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:51:05.48 ID:XEnLvKKk0
紅莉栖「何よ?」

岡部「作戦変更だ。プランBを実行する!内容は…!」ブツッ!

岡部「!?あいつ電話を切ったぞ!?」ピッポッパ

紅莉栖「はろー。何なのよ?」

岡部「鳳凰院凶真だ。何故切った!?」

紅莉栖「いきなり訳分からん電話きたら切るわよ普通。」

岡部「…まあいい。悪いが電話レンジ(仮)を起動してくれ」

紅莉栖「と、いう事は説得に失敗したのね?」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:57:11.35 ID:XEnLvKKk0
俺は時間と送り先を伝えて電話レンジを起動させた…

紅莉栖「放電現象が始まった…!今よ!」

岡部「千早よ!今だ!送信しろ!!」

ドアの向こうで彼女が息を飲む音が聞こえた気がした…
次の瞬間…!

ボワーーン…!!

世界線は変動した――

岡部「…ッ!!くはッ…!」

リーディングシュタイナー発動…!

そして俺は、目の前で信じられない物を見た…!!

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 17:58:34.56 ID:XEnLvKKk0
メシ食ってくる。残ってたら続き書く

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 18:43:18.16 ID:XEnLvKKk0
ヴォォオオオオオオオオ…!!
ハイハイハイハイ…!!!

地の底から響く怒号のような掛け声…

そこはライブ会場だった…!

俺は、何故かそんな場所に居た――

隣にはダルとまゆりがいる。助手の姿は無い…

そして目の前には燦然と輝くステージとアイドルたちがいた…!

岡部「あ…あれは千早か!?」

ダル「うおーーーっ!!伊織ーッ俺だーーッ!!」

まゆりもダルもサイリウムを振りながらライブを楽しんでいるようだった。

岡部「そうか…実験は成功したのか…」

大型モニターに映った如月千早の表情はとても生き生きしていて、始めにラボを
訪れた時の陰鬱な印象はまるで無かった。

そして舞台は終盤へと流れて行き、エンディングの歌が始まった…

~♪ねぇ… 今までなんとも思わないで 楽しく過ごしてきたのに 最近…

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 18:55:30.76 ID:XEnLvKKk0
ダル「最高のライブだったお!」

まゆり「うん!みんなかわいかったな~。まゆしぃはああいうキラキラしたアイドルとかに
憧れちゃうのです。」

岡部「お前達、ライブに行くなんて話していたか?」

ダル「はあ?オカリン何言ってるん?僕がチケット取るのにどれだけ苦労したと思っているんだお?
さんざんラボでライブの話したっしょ?」

岡部「そう…だったっけかな…。」

俺達は、ラボへと帰ってきた…そこにもやはり助手はいなかった。

岡部「そういえば…助手は誘わなかったのか…?」

ダル「牧瀬氏は何か気分が乗らないとかで来なかったんだお。僕がチケットを取った苦労も知らずに…」

岡部「そうか…」

声「岡部さん…!」

突然名前を呼ばれたので振り向いて見るとそこには…

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 19:04:47.62 ID:XEnLvKKk0
千早「お久しぶりです…」
そこには如月千早本人がいた…

ダル「うおおおお!??マジで本人!?お、オカリン。知り合いだったん!?」

まゆり「うわあああ…本人さんだあ…!」

岡部「千早…か!?俺の事を覚えているのか…!?」

千早「いえ…ついさっきまであなたの事を知らなかったのに、ライブが終わると突然『思い出し』たんです…!」

千早「Dメールの事…そして私が弟の事で塞ぎ込んでいた事も全部!」

岡部「そうか…お前にもリーディングシュタイナーが発動したのかもしれないな…」

千早「それで…どうしてもお礼が言いたくて…」

岡部「俺に…?弟さんが救われた事をか…?」

千早「いえ…弟は、やはり数年前に亡くなりました…病気で。」

岡部「何だって…!?じゃあやはり実験は失敗したのか!?」

千早「そうじゃありません…!」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 19:19:22.73 ID:XEnLvKKk0
千早「あの時、岡部さんがメールを送れって言いましたよね…。『弟を外に出すな』って
でも、私はそうしなかった。別の文面を送ったんです。」

岡部「何故だ?弟さんを救うメールじゃなかったのか…?」

千早「いいえ。今の私は悲しい事ではあるけれど、弟が亡くなった悲しみをばねにして
アイドル…歌姫をやらせて貰っている身にすぎません…」

千早「弟が死んでしまったことはとても悲しい事だったけれど、だからと言って
それを無かった事にしてしまうと、今の『私』はどうなってしまうんです?」

岡部「それは…分からない…Dメール送信後世界線が変動した後の俺以外の世界は観測できないから…」

千早「きっととても、寂しい思いをしたと思うんです…私それを考えたら、メールを送るのを
ためらってしまって…結局送れませんでした…」

千早「だから、私はこうメールを送る事にしたんです…」

「諦めるな 頑張れ お姉ちゃん」

岡部「弟さんの携帯でメールを送信したのか…?」

千早「ええ…最初は訳の分からないメールだと思いました。でも、弟が亡くなった後
これを見たら、涙が溢れてそしてとても暖かい感情が私を包み込んでくれたんです…」

千早「私はそういう歌を歌って生きたいと決意しました。」

岡部「そうだったのか…」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/01/07(土) 19:29:33.64 ID:XEnLvKKk0
まゆり「いいはなしだよぉ~。まゆしぃはね。そういう話にとっても弱いのです…」

ダル「全俺が泣いた!俺は泣いたぞぉおお!!!」

岡部「それで…お前自身は納得したんだよな…!?」

千早「ええ。人は大切な思い出があるからこそ生きて行けると思っています。
もちろんそれが、楽しい事でも悲しい事でもです。」

千早「私はもっと早くその事に気づくべきでした。」

岡部「ふふ…フゥーーッハッハッハ!!見事にこの鳳凰院凶真の策略にはまった様だな助手2号よ!
この俺が敢えて未来の改変という甘い誘惑に乗せようとしたのも全てはこの時の為だったというわけだ!」

千早「はぁ…!?何血迷った事言ってんの!?馬鹿岡部!」

ダル「え…!?」

まゆり「ふぇ…?」

岡部「はぁ…?」

千早「あら…?嫌だ牧瀬さんの口癖が移ったのかしら…?」オホホホ

これも運命石の扉の選択なのだろうか…?

おしまい

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