1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:19:38.36 ID:V6YQchjD0
~事務所~
春香「うん。今月入ってからもう12回目だって・・・」
千早「それは酷いわね。私たちに何か出来ることがあればいいのだけれど・・・」
春香「そうだね・・・被害は私物がいくつか無くなってるみたいよ。お金は取られてないんだって」
千早「そうなの?不幸中の幸いね」
春香「本当にね。ところで千早ちゃん」
千早「何かしら?」
春香「何で昨日からずっと歯ブラシ咥えてるの?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362896378
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:20:31.23 ID:V6YQchjD0
千早「歯を磨いているのよ」
春香「うん、いやそうじゃなくて」
千早「アイドルは歯が命だもの」
春香「そうだね。でも一日中歯磨きしてなくてもいいんじゃないかな」
千早「そんなことないわよ。歯は大事にしないと」
春香「磨きすぎると歯を痛めるよ」
千早「大丈夫よ。今朝からは舐めてるだけだから」
春香「なんで?」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:21:49.65 ID:V6YQchjD0
春香「それなら歯ブラシ置けばいいんじゃない?」
千早「ダメよ」
春香「・・・まぁいいんじゃないかな」
春香「そういえば、今日はなんで男物の服着てるの?」
千早「イメチェンよ」
春香「そうなんだ。でもサイズおっきくない?」
千早「最近は大きいサイズが流行りなのよ。春香知らないの?」
春香「いや知ってるけどさ。ちょっと大きすぎない?可愛いけどさ」
千早「こういうものなのよ」
春香「そっか・・・じゃあどうしてずっと服の匂い嗅いでるの?」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:22:29.35 ID:V6YQchjD0
千早「変な匂いがしないか、確認してるの」クンクン
春香「大丈夫だと思うよ?いい匂いだよ」
千早「確かにいい匂いがするわね。でも外に出たら色んな匂いが付くし、常に気にしておかないと」クンカクンカ
千早「アイドルたるもの、その辺りも気を配るべきだわ」スーハースーハー
春香「そうだね。でも千早ちゃんは大丈夫だと思うよ」
千早「ありがとう春香」
千早「話が逸れてしまったわね。プロデューサーが空き巣の被害にあったのでしょう?」
春香「逸れてないよ」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:23:34.64 ID:V6YQchjD0
千早「プロデューサーは今営業に行っているわね。もしかしたらこの瞬間に空き巣が・・・」
春香「千早ちゃんと話してる限りは心配要らないよ」
千早「どういう意味?」
春香「そのままの意味だよ」
千早「・・・?おかしな春香ね」
春香「私がおかしいのかなぁ」
千早「ねぇ、やっぱりプロデューサーの部屋が心配だわ」
春香「今は平気だよ」
千早「そんなのわからないじゃない。仕事中は空き巣のチャンスよ」
千早「今日、プロデューサーは7時30分の新幹線で大阪まで出張に行っているわ」
千早「帰ってくるのは明日の13時ごろ。それまでプロデューサーの部屋は完全に無防備になるわ」
千早「犯人が狙うとしたら今よ。これ以上被害を広げるわけにはいかないわ」
春香「被害を広げない為に千早ちゃんを事務所に呼んだんだけどなぁ」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:24:28.82 ID:V6YQchjD0
~Pのアパート前~
春香「結局来ちゃったし・・・まぁ私もいるから平気だと思うけど」
千早「やっぱり鍵がかかっているわね」
春香「そりゃそうでしょ。っていうかどうしてプロデューサーさんの家知ってるの?部屋番号まで」
千早「プロデューサーがここに入っていくのを見たから」
春香「ここって千早ちゃんの家とは正反対だよね?」
千早「たまたまよ」
春香「たまたまって・・・あれ、千早ちゃん何してるの?」
千早「開いたわ。入りましょう」
春香「え?え?鍵かかってたよね?」
千早「細かいことはいいじゃない。ほら行くわよ」
春香「え?いつ鍵あいたの?え?」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:25:41.39 ID:V6YQchjD0
千早「鍵は開けたままにしておいたから、隠れて犯人を待ち伏せしましょう」
春香「はぁ・・・お邪魔しまーす・・・・・・」
千早「結構散らかってるわね・・・」
春香「プロデューサーさん、忙しいからね。掃除する時間も無いんじゃないかな」
千早「そうね。ちょうどいいわ、ついでに片付けておきましょう」
春香「そんな勝手に・・・」
千早「もう、食べたお皿もゴミもそのままじゃない。いつもこうなんだから・・・」
春香「いつも?何で知ってるの?」
千早「最近、よく掃除しに来るの」
春香「え?家にあげてもらったの?プロデューサーさんに?」
春香「プロデューサーさん、アイドルを家に上げるわけにはいかないっていつも言ってたのに」
千早「そうね。だから居ない間に掃除してるわ」
春香「プロデューサーさんは知ってるの?」
千早「そんな・・・恥ずかしくて言えるわけないじゃない」
春香「恥ずかしいってなんだろう」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:26:27.50 ID:V6YQchjD0
千早「私は部屋を掃除するから、悪いんだけど春香、ゴミ袋持ってきてくれないかしら」
春香「いいけど・・・私持ってきてないよ?」
千早「冷蔵庫の右側にある棚の、下から2番目に入っているわ」
春香「え?・・・うん、わかった。ちょっとまっててね」
千早「お願いね」
春香「冷蔵庫の右・・・下から2番目・・・これかぁ」ガラッ
春香「・・・本当に入ってた」
春香「千早ちゃん、持って来たよ。ゴミ袋」
千早「あぁ、ありがとう春香」
春香「ううん・・・って片付けるのはやっ!もうほとんど綺麗になってるじゃん!」
千早「慣れているもの」
春香「あぁ・・・うん・・・そうだね」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:26:59.87 ID:V6YQchjD0
千早「ゴミは分別して一箇所にまとめておいたから、ゴミ袋に入れましょう」
春香「本当に手際いいね・・・あれ?あんなに散らかってたのに、ほとんどゴミ出てないね」
千早「えぇ、ほとんどが必要なものだったわ」
春香「そっかぁ・・・千早ちゃん、バッグがはち切れんばかりに膨らんでるけど、何が入ってるの?」
千早「大切なものよ」
春香「ちょっと見せてね」ガサゴソ
千早「春香っ!」
春香「ヒッ・・・はい」ビクッ
千早「春香、いくら親友といえども、人の私物を漁るなんて最低だわ」
春香「ブーメランだよ千早ちゃん・・・」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:27:41.93 ID:V6YQchjD0
千早「水場の掃除もしちゃいましょう」
春香「じゃあ私はゴミをまとめておくね」
千早「ええ、お願いするわ」
春香「プロデューサーさんのお部屋、結構物が少ないんだ」
春香「・・・あ、空き巣に持っていかれたのか」
春香「・・・・・・エッチな本とか、無いのかな・・・」
春香「いやいや、だめだよ勝手に漁っちゃ・・・さっき千早ちゃんにも怒られたし」
春香「でもちょっとくらい・・・そう、これはお掃除。私はお掃除してるだけ・・・」
春香「定番のベッド周りから・・・」
春香「ベッドの下とか・・・」ガサゴソ
春香「あっ!」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:28:29.07 ID:V6YQchjD0
春香「何かある・・・これは千早ちゃんのプロマイド?」
春香「物凄い束が・・・こんなにたくさん」ドッサリ
春香「・・・プロデューサーさんって千早ちゃんが好きなのかな・・・」
春香「うぅ・・・やめておけばよかった」シュン
春香「あれ、なんかこの枕すごい膨らんでる・・・」
春香「・・・?枕カバーの中に何か・・・・・・」モゾモゾ
春香「青い髪の束と・・・爪!?」
春香「なんでこんな物が・・・枕の綿はところどころ赤く滲んでるし・・・」
春香「誰のなんだろう・・・」
春香「青い髪・・・」
春香「・・・まさかさっきの写真も・・・」
春香「ん、まだ何か見える・・・真空パック?・・・・・・これは」ゴソ
経血ゼリー「やぁ」
春香「」
春香「・・・見なかったことにしよう」スッ
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:29:16.49 ID:V6YQchjD0
千早「ふぅ、こっちは一通り終わったわ。春香?」
春香「わっ!おおおお疲れ様!そっちはどうだった?」サッ
千早「春香、大丈夫?綺麗なったわよ。我ながら完璧だわ」
春香「それはよかったね。―――って千早ちゃんなんでトランクス被ってるの?」
千早「犯人を捕まえる時に顔を隠す為よ」
春香「なんでトランクス?」
千早「犯人に顔を知られるわけにはいかないわ。ましては私たちはアイドルなのよ」
春香「私の知ってるアイドルはトランクスを被って息を荒くしないよ」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:29:51.67 ID:V6YQchjD0
春香「あれ?千早ちゃん歯ブラシ変えた?それに洋服も」
千早「えぇ、掃除で汚れちゃったから新しくしたの」
春香「・・・ふぅん」
千早「外が暗くなってきたわね。そろそろ犯人を待ち伏せする為に隠れましょう」
春香「本当にやるんだ・・・どこに隠れるつもりなの?」
千早「春香はクローゼットの中。私はこの押入れよ」ガラッ
春香「うわぁ・・・お布団と洗ってない洋服でいっぱい・・・」グチャア
千早「ここなら開けられてもすぐにはばれないわ。それに・・・」
春香「あっ押入れの奥に穴が開いてる」
千早「こんなこともあろうかと事前に開けておいたの。隣の部屋に繋がっているわ」
春香「隣って・・・他人の部屋だよね?」
千早「いいえ、私の部屋よ」
春香「えっ?」
千早「この前借りたの」
春香「私、鳥肌立ってきたよ」
千早「これなら仮に犯人が凶器を持っていたとしても、隣の部屋に逃げてから通報すればいいわ」
春香「じゃあ早速そうさせてもらうね」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:30:45.78 ID:V6YQchjD0
カンカンカン・・・
千早「!? いけない!きっと犯人だわ!早く隠れましょう!」イソイソ
春香「えぇ!?まさか本当に・・・」
千早「春香、早く隠れて!」クンクンスーハースーハー
春香「う、うんわかった!(すっごい匂い嗅いでる・・・)」
春香「クローゼットクローゼット・・・ここかな」カチャ
春香「ほ、本当に大丈夫かなぁ・・・」
スタスタスタ ガチャッ
春香「あっドアが開いた・・・まさか本当に空き巣が・・・・・・?」
春香「そういえば押入れには穴があって逃げられるけど、クローゼットは逃げられないんじゃ」
春香「それらしいのも見当たらないし、もし犯人がここにきたら・・・」
春香「・・・・・・だ、大丈夫だよねきっと」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:31:29.75 ID:V6YQchjD0
スタスタスタ
春香(えっこっちにきてる!?)
スタスタ・・・
春香(クローゼットの前で止まった・・・)
春香(い、いや・・・助けて千早ちゃん!)
キィ・・・
春香(いやぁあああ!!)
警察「先輩!いました!犯人です!」
春香「・・・・・・えっ?」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:32:18.44 ID:V6YQchjD0
警察「アイドルの天海春香だな。どうしてこんなことを・・・まぁそれは署で詳しく聞こう」
春香「えっ?なにこれドッキリ?あれ?」
警察「空き巣の現行犯で逮捕する」ガチャン
春香「え?手錠?なんで?どういうこと?千早ちゃん?」
警察「ほら歩け!部屋を出るぞ!」
春香「痛っ・・・ちょっとまってください!私は何も・・・」
警察「犯人は皆そういうんだよ!おら行くぞ!」
春香「いやぁっ!千早ちゃん!千早ちゃん助けてっ!」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 15:32:47.91 ID:V6YQchjD0
~後日 事務所~
P「まさか春香が空き巣だったなんて・・・くぅっ・・・・・」
千早「落ち着いてくださいプロデューサー。お水、どうぞ」
P「あぁ、ありがとう千早・・・」
千早「春香のことは残念でした・・・親友である私が、もっと話を聞いておけば・・・」
P「いや、千早は悪くないよ・・・俺が忙しくてまともに話も出来なかったから・・・」
千早「そんな・・・あまり自分を責めないで下さい」
P「うぅ・・・でも春香が・・・・・・ううぅっ・・・」
千早「泣かないでください・・・私が、ついてますから」ギュッ
P「千早・・・千早ぁ・・・」
千早「大丈夫ですよ、これからは私が守ります」
千早「一生、ね・・・ふふっ」ニコッ
おわり
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/10(日) 17:07:47.56 ID:QyLdR+QS0
お、おう……