1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:02:53.31 ID:My0izQOO0
【ある日の夜、響宅】
響「ただいまー」
いぬ美「ばうっ!」
響「おー、いい子にしてたかー?待っててね、すぐご飯の用意するから」
響「さてと……いぬ美達のご飯は――」
――――――――――――――――――――――――――――――
響「ふぅ……自分のご飯も作らなくちゃ」
響「よし、こんな感じかな?」
響「頂きます!」
――――――――――――――――――――――――――――――
響「ごちそうさま。そろそろお風呂に入らないと……」
響「はぁ……もうくたくただぞ……」
――――――――――――――――――――――――――――――
響「あー、髪の毛って梳かすのめんどくさい……でも手入れしないと駄目だし……」
響「もうこんな時間か……早く寝よ。ふぁあ……」
響「おやすみなさい……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396015373
2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:03:25.91 ID:My0izQOO0
【翌日、事務所】
千早「うーん……」
ガチャッ
響「はいさーい!」
千早「あら、我那覇さん。おはよう」
響「おはよ。千早っていつもこんな時間から居るのか?」
千早「いえ、今度の仕事は遠出する必要があるから」
響「そうなの?」
千早「ええ。最悪、どこかに泊まるかもしれないわ」
響「ホントに?じゃあ、体調には気をつけてね」
千早「ふふ、ありがとう」
3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:03:53.32 ID:My0izQOO0
響「そういえば」
千早「何?」
響「さっき、何か悩んでなかった?」
千早「え?ええ、まあ……」
響「自分でよければ話くらいは聞くぞ?」
千早「そうね……じゃあ、少しだけ」
響「うん」
千早「実は、その……」
響「うんうん」
千早「……春香がヤバいのよ」
響「うんうん――うん?」
千早「だから、春香がヤバいのよ」
響「……ごめん、ちょっと意味が分からないぞ」
千早「と言われても、説明すると長くなってしまうし――あら?」
響「どうしたの?」
千早「そろそろ時間みたい。話を聞いてくれてありがとう」
響「どういたしまして。それじゃ、行ってらっしゃい!」
千早「ええ、行ってきます」
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:04:42.35 ID:My0izQOO0
【夜、事務所】
響「ただいまー」
小鳥「あら、響ちゃん。おかえりなさい」
響「みんなは……流石に帰ってるよね」
小鳥「いえ、春香ちゃんがまだ……」
響「え?もう終電なくなっちゃうぞ?」
小鳥「ええ……どうしようかしら」
響「プロデューサーは?」
小鳥「今日は千早ちゃんに付いてるのよ。ほら、かなり遠出してるから」
響「あー……確かにそんな事を言ってたような……」
5: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:05:39.06 ID:My0izQOO0
ガチャッ
春香「た、ただいま戻りました!」
響「おお、春香!おかえり!」
小鳥「おかえりなさい、春香ちゃん。終電は大丈夫?」
春香「えっと……あー、無理ですね……」
小鳥「どうする?春香ちゃんさえよければ泊めましょうか?」
小鳥「あ、でも残業で遅くなっちゃうか……うーん……」
響「そんなに遅くなるの?」
小鳥「ええ。プロデューサーさんの分もあるから、早く帰るのは難しいわね」
春香「あの、私は気にしませんよ?むしろ、泊めて貰えるだけでもありがたいと言いますか……」
6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:06:09.41 ID:My0izQOO0
響「なあ、それって自分の家じゃ駄目か?」
春香・小鳥「え?」
響「もちろん、春香がよければだけど……」
春香「……いいの?」
響「いいよ。自分、今から帰るところだし」
響「春香も疲れてるでしょ?早く休まないと明日が辛いぞ」
小鳥「そうね……響ちゃん、お願いしてもいいかしら?」
響「任せて!春香もいい?」
春香「うん。ありがとね、響ちゃん」
響「どういたしまして!」
7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:06:41.23 ID:My0izQOO0
春香「それじゃ、お先に失礼しますね」
小鳥「ええ。お疲れ様」
響「ぴよ子も頑張ってね!」
小鳥「ありがとう、響ちゃん。二人とも気をつけて帰るのよ」
響「大丈夫だって!じゃあ、また明日!」
春香「お疲れ様でした」
バタン
小鳥「さて……ぱぱっと片付けちゃいますか!」
8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:07:12.45 ID:My0izQOO0
【その後、響宅】
響「ただいま。それといらっしゃい、春香」
春香「お邪魔します。ごめんね、急に」
響「別に気にしなくていいぞ。仕事が長引いたんだから仕方ないって」
春香「うぅ……そう言って貰えると助かるよ……」
響「ちょっと待ってて。先にみんなのご飯を――」
春香「あ、響ちゃん」
響「ん?」
春香「それ、よかったら私にやらせてくれない?」
響「どうして?」
春香「実は前から気になってたんだよね、ペット――じゃなくて、響ちゃんの家族のお世話って」
響「あー、確かにワニとか珍しいもんな。いいよ、ご飯はこっちね」
春香「やったぁ!ありがと響ちゃん!」
9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:08:09.18 ID:My0izQOO0
響「はい。これがワニ子のご飯」
春香「鶏肉なんだ」
響「うん。他には魚とかかな」
響「そうそう。気をつけて欲しいんだけど、口の中に手は入れないでね。噛まれるから」
春香「噛まれるの!?」
響「正確に言うと、口の中に触れたりしたら駄目かな。反射みたいなものだから」
響「まあ、上からゆっくり食べさせる分には安全だぞ」
春香「そうなんだ……それじゃ、そーっと――」
ワニ子「パクッ」
春香「あ、食べた!食べたよ響ちゃん!」
響「あはは、見れば分かるって。春香は大袈裟だなー」
春香「むぅ、響ちゃんの意地悪……でも、これって何だか楽しいね」
響「自分も世話してる時が一番楽しいぞ。さ、他の子にもあげちゃって」
春香「うんっ。よーし、頑張っちゃいますよー!」
10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:09:17.81 ID:My0izQOO0
春香「できたよー!」
響「もうできたの?」
春香「まだ簡単なものしか作れないから……それとごめんね。冷蔵庫の中身、勝手に使っちゃって」
春香「本当はどこかで買い物できればよかったんだけど……」
響「いいって。それより早く食べようよ。自分、もうお腹ペコペコだぞ」
春香「わわ、そうだった!」
響「それじゃ、頂きます!」
春香「はい、召し上がれ♪」
11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:10:00.62 ID:My0izQOO0
響「――ごちそうさま!美味しかったぞ!」
春香「よかった。じゃあ、私は片付けを――」
響「ちょっと待った!それぐらい自分がやるぞ!」
春香「いいよ。これも含めて料理だし」
春香「洗い物はやっておくから、響ちゃんはお風呂入ってきなよ。疲れてるでしょ?」
響「まあ、そうだけど……でも……」
春香「いいからいいから」
響「そ、そうか……?じゃあ、お言葉に甘えて――」
12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:10:30.09 ID:My0izQOO0
チャプン……
響「はぁ~、生き返る……」
響「今日も疲れたな……あ、肩凝ってる……」
春香『響ちゃん、ちょっといい?』
響「なに~?」
春香『さっき、着替え持っていかなかったよね?そこにあるの?』
響「いや、無いけど……」
春香『よかったら私が持ってこようか?』
響「んー……そうだな。お願い」
春香『どこにあるの?』
響「自分の部屋のたんすだぞ」
春香『分かった。すぐ持ってくるからね』
響「ありがと~……」
13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:11:01.60 ID:My0izQOO0
響「上がったぞー。着替え持ってきてくれてありがとね」
春香「どういたしまして」
響「春香も入ってきなよ。自分の後で悪いけど……」
春香「そんな、私は気にしないよ――あ、そうだ」
響「どうしたの?」
春香「ねぇ、響ちゃん。髪の毛、梳かしていい?」
響「へ?」
春香「そんなに長いと手入れも大変でしょ?」
響「まあ、そうだけど……」
春香「それに、響ちゃんの髪って一度触ってみたかったんだ。駄目?」
響「う……いや、駄目じゃない……」
春香「よかった。ブラシは?」
響「そこの鏡台にあるの使って」
春香「えっと……あった、これだね。では――」
14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:11:48.04 ID:My0izQOO0
春香「……響ちゃんの髪ってさ」
響「ん~?」
春香「サラサラだよね」
響「そう?別に普通じゃないか?」
春香「いやいや、そんな事ないよ。羨ましいな~」
響「春香だってサラサラだと思うけど」
春香「私は……まあ、髪自体はそうかもしれないけど……」
響「けど?」
春香「これ、伸ばすと外側にはねるんだよね。だから、綺麗なストレートヘアには結構憧れてたりして……えへへ」
響「あー、そういう事か」
春香「そういう事です……はい、終わったよ」
響「ありがと。ねぇ春香、そろそろお風呂に……」
春香「そうだね。それじゃ、頂きます」
響「うん。ゆっくりしてくるといいさー」
15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:12:17.90 ID:My0izQOO0
春香「――上がったよ~。いやー、気持ちよかった」
響「パジャマのサイズは大丈夫だった?」
春香「うん。でもまあ……ちょっと小さいかも?」
響「それは言わないで……」
春香「ご、ごめんね?そんなつもりは――」
響「あははっ、冗談だぞ。ところで春香」
春香「ん?」
響「今度は自分が梳こうか?さっきのお礼って事で」
春香「あ、もうやっちゃった」
響「えー、何でさ」
春香「ショートだからねー。あんまり手入れに時間は掛からないし」
響「む……じゃあ仕方ないな」
春香「気持ちだけ受け取っておくよ。ありがと」
響「えっと、どういたしまして……?」
16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:12:53.36 ID:My0izQOO0
響「もう寝る?」
春香「そうだね。明日も早いし」
響「それじゃ、春香はベッドを使って。布団は代えてあるから安心していいぞ」
春香「響ちゃんはどこで寝るの?」
響「自分?自分は普通にソファで――」
春香「えぇっ!?そんなの駄目だよ!大体、ここは響ちゃんの家なのに……」
響「でも、布団を敷くスペースないし……まあ、自分は完璧だから大丈夫だぞ!」
春香「それなら私がソファで寝るよ!」
響「いやいやいや!お客さんにそんな事させられる訳ないでしょ!?」
春香「響ちゃんにだってさせられないよ!」
響「とはいえ、他に方法は――」
17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:13:22.10 ID:My0izQOO0
春香「……一緒に寝るとかは?」
響「はい?」
春香「こうなったら、もう一緒に寝ちゃえばいいんじゃないかな。どう?」
響「どうって……」
春香「もちろん、響ちゃんが嫌じゃなければだけど……」
響「うーん……」
春香「……駄目?」
響「分かった……じゃあ、その……そういう事で」
春香「うん。よろしくお願いします」
響「……それおかしくないか?」
春香「そう?」
響「まあいっか。早く寝ちゃおう」
春香「じゃ、お邪魔しまーす……」
18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:13:55.50 ID:My0izQOO0
響「ん……」
響(春香と一緒か……)
響(温かいな……人の体温って、こんなに気持ちいいんだ……)
響(何だか……安心、して……)
春香「……響ちゃん、起きてる?」
響「すぅ……ん……」
春香「寝ちゃった、か……」
春香「……今日はありがとね、響ちゃん」
響「んみゅ……どういたしまして……」
春香「ふふ、寝言だ……」
春香「……私も寝よう」
春香「おやすみなさい……」
19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:14:28.40 ID:My0izQOO0
【翌朝、響宅】
響「ん……ふぁ……」
響「朝か……なんかよく眠れた気がするな……」
響「何でだっけ……?昨日は確か――」
――――――――――――――――――――――――――――――
春香「響ちゃん、ご飯だよ」
春香「私が後片付けしておくね」
春香「あ、先にお風呂入ってきたら?」
春香「そうだ、私が髪の手入れしてあげる」
春香「響ちゃん、おやすみなさい……」
――――――――――――――――――――――――――――――
響「ちょっと待って?もしかして自分……何もしてない……!?」
響「だからこんなに疲れが取れて……そうだ!」
響「せめて、今日の朝ご飯ぐらいは自分が――あれ?」
響「朝ご飯、できてる……」
響「あ、手紙……えっと、なになに……」
――――――――――――――――――――――――――――――
響ちゃんへ
私は早くに仕事があるので先に出ます。
朝ご飯を用意しておいたので、よかったら食べてください。
玄関のカギはポストに入れておきます。
泊めてくれてありがとう。助かりました。
春香より
――――――――――――――――――――――――――――――
響「は――」
響「春香がヤバい……」
20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:15:21.44 ID:My0izQOO0
【翌日の昼、事務所】
ガチャッ
響「ただい――おわっ!?」
美希「ひゃっ!?」
響「ごめん、大丈夫?」
美希「うん、大丈夫。ミキこそ飛び出してごめんね」
響「それはいいけど……急いでるのか?」
美希「あ、そうだったの!もうミキは行くから――っと、響!」
響「何?」
美希「気をつけてね!それじゃ!」
たたっ!
響(気をつけろ……?何にだろ……?)
響(……まあいいか。早く事務所に入ろっと)
21: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:15:48.57 ID:My0izQOO0
響「ただいまー!」
やよい「あ、響さん!おかえりなさい!」
響「あれ?やよいだけ?」
やよい「はい。皆さん忙しいみたいで……」
響「確かに美希も忙しそうだったな……やよいは大丈夫なのか?」
やよい「私、今日はオフなんですよ」
響「なら、どうして事務所に……?」
やよい「何か手伝える事があるかなーって。ご迷惑でしたか……?」
響「いやいや、そんな事ないぞ!やよいはいい子だな!」
やよい「そ、そうですか?えへへ、ありがとうございますっ!」
22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:16:23.00 ID:My0izQOO0
響「にしても、喉渇いちゃったな。何か飲み物でも――」
やよい「あ、それなら私が用意します。響さんは休んでてください」
響「え?でも、やよいに悪いんじゃ……」
やよい「いいんです。今日は皆さんのお手伝いに来てるんですから!」
響「そっか……ありがとね、やよい」
やよい「いえいえ!それじゃ、ソファで待っててください。すぐ持っていきますね」
響「分かったぞ」
やよい「それと、確かこの辺に――あった。はい、響さん」
響「これは?」
やよい「今月号のファッション誌です。待ってる間の暇潰しにと思って」
響「おお、ありがと!これ、まだ読んでなかったんだよね」
やよい「よかった。私は向こうに居ますから、何かあったら呼んでくださいね?」
響「はーい」
23: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:17:52.28 ID:My0izQOO0
ペラ……
響(やよいはいい子だなぁ……自分、こんなにだらけてていいのかな……?)
ペラ……
響(まあ、たまにはいっか……うん、今日ぐらいは――お)
響「ふむふむ……こんな着こなしもあるんだな……」
響「こっちはちょっと露出多めなんだ……美希なら似合うかな?」
やよい「響さん、お茶です」
コトッ
響「お、ありがと」
やよい「お菓子も持ってきたので、よかったらどうぞ」
コトッ
響「わ、お菓子まで……ホントにありがとね、やよい!」
やよい「いえいえ。そうだ、響さんの予定はどうなってますか?」
響「自分?確か……あと1時間ぐらいで出ないと駄目だな」
やよい「なるほど、分かりました」
響「それがどうかしたのか?」
やよい「へ?いえ、別に大した事じゃないですよ」
響「そう?とにかく、お菓子とお茶ありがと」
やよい「えへへ、どういたしまして」
24: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:19:13.21 ID:My0izQOO0
【30分後、事務所】
ペラ……パタン
響「そろそろ準備しないと……って、肩凝っちゃったな」
やよい「響さーん。そろそろ時間が――あれ?どうしました?」
響「あ、やよい。ずっと本を読んでたら、ちょっと肩が……」
やよい「はわっ!それは大変です!」
響「いや、これぐらいなら別に――」
やよい「無理しちゃ駄目ですよ。肩を揉みますから、少し座っててください」
響「いやいや、いくら何でもそこまでして貰うのは――」
やよい「え?これぐらい普通ですよ?」
響「普通……?」
やよい「はいっ!疲れた時は、誰かを頼っていいんです」
やよい「それに、こう見えて肩揉みは得意ですから!任せてくれませんか?」
響「やよいがそう言うなら……その、お願いします」
やよい「はい、任されました!」
響(そっか、これが普通なんだ……)
やよい「んしょ……んしょ……どうですか?」
響「うん、気持ちいい……」
やよい「よかった。それじゃ、もう少し強くしますね?」
響「はーい……」
響(そういえば、春香も色々してくれたっけ……)
響(こんなに楽なら……もう少しだけ甘えても――)
25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:20:04.34 ID:My0izQOO0
【数日後、事務所】
貴音「ただいま戻りました」
響「ん~?あ、貴音ぇ。お帰り~」
貴音「ええ……あの、響?」
響「なぁに……?」
貴音「いえ、いつもと様子が違うように思えたので……」
響「そぉ……?自分、至って普通だぞ~」
貴音「それならばいいのですが……」
響「あ、そうだ。貴音ぇ、何か飲み物ちょうだい」
貴音「飲み物ですか?」
響「うん。あとお菓子もよろしく~……」
貴音「え、ええ……分かりました」
26: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:20:34.27 ID:My0izQOO0
貴音(言われるまま給湯室に来ましたが……やはり、響の様子がおかしいような……)
貴音(こんなに気だるげな雰囲気ではなかった筈です。そう、いつもなら――)
――――――――――――――――――――――――――――――
響「あっ!貴音おかえり!」
響「ねぇ何か飲む?喉渇いてるでしょ?」
響「そうだ、確かこの辺にお菓子が……あった!貴音も食べるよね?」
響「食べ終わったの?じゃあ、自分は洗い物してくるね!」
――――――――――――――――――――――――――――――
貴音(と、元気に接してくれるのに……これは一体……?)
響『貴音ぇ~、まだぁ~?』
貴音「あ、申し訳ありません。すぐそちらに向かいます」
響『はーい』
貴音「もしや疲れているのでしょうか……?ならば、今日ぐらいは……」
28: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:22:12.05 ID:My0izQOO0
貴音「お待たせしました」
コトッ
響「ありがと。それじゃ、頂きます」
貴音「では、わたくしも一つ……はむ」
響「お、これ美味しいな」
貴音「ええ、真に」
響「はぁ、幸せ……そうそう、確かこの辺に雑誌が――あった」
響「…………」
ペラ……
貴音「…………」
響「…………」
ペラ……
貴音(会話がない……いつもの響なら、こんな事は――いえ)
貴音(先程『疲れているのかもしれない』と思ったばかりではありませんか。ここは堪えましょう)
29: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:22:46.06 ID:My0izQOO0
響「――終わりっと」
バサッ
響「はぁ……」
響(あー……なんか眠くなってきたぞ……)
貴音「……あむ」
響(そういえば、貴音が居たっけ……よし)
響「貴音ぇ」
貴音「ふぁい?」
響「ちょっとごめんね――よいしょっ」
ぽすっ
貴音「あの……響?これは一体……」
響「これ?貴音の膝を借りようと思って」
貴音「えっと……」
響「んー、柔らかくて気持ちいいぞ……」
貴音「そ、そうですか?」
響「うん。ちょっと寝かせてね」
貴音「……まあ、少しなら」
響「ん、ありがと」
30: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:23:31.99 ID:My0izQOO0
響「ふあぁ……」
貴音「……今日の響は」
響「ん?」
貴音「どこか変に思えます」
響「そぉ?」
貴音「はい。ここまで甘えてくるのは珍しいかと……」
響「えー、別に甘えてないって。これぐらい普通だぞ」
貴音「普通、ですか……」
響「それとも、自分がこうしちゃ……駄目?」
貴音「……仕方ありませんね。今日だけ、ですよ?」
響「ありがと……すぅ……」
貴音「寝てしまいましたか……」
貴音「…………」
貴音(思えば……これはいつもと立場が違うだけなのかもしれません)
貴音(響がおかしいのではなく、わたくしの認識がずれていただけ……)
貴音(そうだとしたら、わたくしは――)
31: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:24:01.48 ID:My0izQOO0
【数日後、事務所】
P「千早、着いたぞ」
千早「やっとですね」
P「すまないな。遠出させてしまって」
千早「いえ、これも仕事ですから」
P「そう言って貰えると助かる。あ、千早は先に降りていいぞ」
千早「分かりました」
P「じゃあ、また後で」
千早「はい。お先に失礼します」
32: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:24:34.80 ID:My0izQOO0
千早「さてと、事務所に入りましょうか……あら?」
響「あ、千早。帰ってきてたの?」
千早「ええ、ついさっきね」
響「そっか。仕事はどうだった――って、そんな場合じゃないぞ!」
千早「どうしたの?」
響「どうしたもこうしたも……春香がヤバいんだよー!」
千早「それなら注意したじゃない。『春香がヤバい』って」
響「そうじゃなくて――ああもう!見て貰った方が早いぞ!こっち来て!」
ぐいっ!
千早「きゃっ!?あの、我那覇さん!?」
響「いいから!」
千早「もう、一体何なのよ……」
33: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:25:04.29 ID:My0izQOO0
響「……いい?入るぞ?」
千早「ええ」
響「それじゃ――」
ガチャッ
千早「これは……」
――――――――――――――――――――――――――――――
貴音『春香。はい、あーん』
春香『え?いやいや、自分で食べられますって』
貴音『遠慮しなくともいいのですよ。普通の事なのですから』
春香『そ、そうですか……?じゃあ――はむっ』
貴音『いかがですか?』
春香『美味しいです。あ、喉が渇い――』
貴音『お茶です』
コトッ
春香『わぁ、ありがとうございます!』
貴音『ふふ、どういたしまして。おや、口に汚れが……動かないでくださいね』
春香『あ、はい』
ふきふき
貴音『これでよし、と。はい、綺麗になりましたよ』
春香『えへへ……』
――――――――――――――――――――――――――――――
千早「は――」
千早「春香がヤバいわ……」
34: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:25:43.62 ID:My0izQOO0
――END――