1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:17:29 ID:pn5lnbrF0
伊織「あわわわ……どうしよう、貴音を意識不明の重体にしてしまったわ」
貴音「」ピクピク
伊織「こんなことになるなんて……。でも、何かしら、この気持ち」
伊織(貴音のお尻。ピクピクしている)
サワッ……
貴音「」ビクン
伊織「!」ドッキーン
伊織「意識を失っても、この感度……やだ、ドキドキしちゃうじゃない」
伊織「あわわわ……」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:22:16 ID:pn5lnbrF0
伊織「あわわ……じゃなくて、落ち着くのよいおりん。冷静になって状況を整理しましょう」
伊織「ここは誰もいない、765プロ事務所。小鳥が買出しに行く間、私はお留守番を頼まれていた」
伊織「目の前には、or2←こんな体勢になった貴音。意識はないみたいね」
伊織「……」
伊織(今なら、逃げてしまえばバレないんじゃないかしら?)
伊織(でも……)
貴音「」ピクピク
伊織「……」チョン
貴音「」ビビクンッ
伊織(このお尻を目の前にして、この場を去るなんて……私にはできない)
伊織(もっともっと、さわっていたい……あわわわわ)
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:28:07 ID:pn5lnbrF0
ガチャ
伊織「!」ドッキーン
伊織(誰か帰ってきてしまったわ! 急いでこの貴音を隠さないと――)
やよい「うっうー! おっはようございまーすっ!」
伊織「やよいじゃないっ! もう、遅いわよっ! もっと早く来るって約束したでしょう」
伊織「小鳥の写真を見ながら、その小皺を三回数えきるくらい待ってたんだから」
やよい「えへへ……ごめんね、ちょっとスーパーの特売シールを眺めてたら、遅くなっちゃった」
やよい「……あれー?」
伊織「はっ!」
伊織(あわわわわ……なんてことなの! 貴音のことなど忘れて、やよいに飛びついてしまったわ)
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:33:45 ID:pn5lnbrF0
やよい「伊織ちゃん、それ……」
伊織「な、なあに? 私たち以外に何かあるっていうの?」
やよい「えっ、でもー……そこに、貴音さんみたいな物体がある気がするよー?」
伊織「何言ってるのよ、ここには私たち以外……」
貴音「」
伊織「ホンマや」
やよい「でしょーっ!?」
伊織「いまのいままで まったく きづかなったわ」
やよい「伊織ちゃんも今気付いたんだっ! 私と一緒だねっ」
伊織「そうね、私たちはいつも一緒……フフ」
伊織(にひひっ。どうやら私の演技力の高さのおかげで、やよいはうまく騙されてしまったみたいね)
伊織(自らの才能がこわいわ……あわわあわっ)
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:42:49 ID:pn5lnbrF0
やよい「どうしてこんなところに、貴音さんがいるんでしょーう?」ポフポフ
伊織「まま全く、皆目見当も付かないわねねね」
やよい「伊織ちゃん 本当に 何も知らない?」
伊織「ええ……」
やよい「あれれー? でも、それならおかしいなー」
伊織「な、何がおかしいっていうの?」
やよい「今ちょっと、貴音さんのお尻にアルミニェゥムの粉末を振りかけてみたんだけどね」
伊織「!」ドッキーン
伊織(そうだった……やよいは近頃、学校の自由研究ということで指紋鑑定に凝っているんだったわ)
伊織(今のやよいは、見るものすべてに白い粉末をかけて、指紋をチェックしないと気が付かない状態……)
やよい「伊織ちゃん……」
伊織「……」
やよい「 貴 音 さ ん の お 尻 に 、 さ わ ら な か っ た ? 」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:43:51 ID:pn5lnbrF0
×気が付かない
○気が済まない
でお願いします
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:47:12 ID:pn5lnbrF0
伊織「やよい……」
やよい「ねえねえ」
伊織(私は……なんてことをしてしまったのかしら)
やよい「ねえねえねえ」
伊織(やよいは、私にとってかけがえのない親友。いや、それ以上の存在だって言うのに、嘘をつくなんて)
やよい「ねえ」
伊織(やよい……ごめんね、私……いえ、私たちは!)
伊織(ふたりでひとつ! 地元じゃ負け知らずだもんげ!)
やよい「ね」
伊織「やよい! ごめんなさいっ! 私、あなたに嘘をついてしまっていたわ!」
やよい「へえ?」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:53:25 ID:pn5lnbrF0
伊織「まったく、やよいには敵わないわね……」
やよい「うっうー! やっぱり、ほんとは何か知ってるんだねーっ」
伊織「ええ。こうなってしまったのは、すべて私の罪(ギルティ)……」
伊織「こんな私を、あなたは許してくれるかしら」
やよい「えへへ……もっちろん! だって私!」
やよい「最初からぜんぶ知ってたんだもん」ボソボソ
伊織「え?」
やよい「だって私! 伊織ちゃんと大大……だーい親友だもんねっ」
伊織「そ、そうね」
伊織(あわわわ……一瞬、やよいが何か不穏なことを呟いた気がするけど、それは気のせいよね)
伊織(なんといっても、やよいは純粋だもの)
やよい「それでね、伊織ちゃん。気になるんだけど、ここで何があったんですかーっ?」
伊織「あ、うん。実はね――」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 03:58:49 ID:pn5lnbrF0
― 回想 ―
貴音「……真、このぷりんは美味ですね……」モグモグ ペロペロ
伊織「あら? 貴音、何を食べているの?」
貴音「水瀬伊織……これです」
『新発売! ミンゴスのプリン(D)』
伊織「そっ、それは……!」
貴音「地元では幻だと噂されている、とある有名人とのこらぼ商品らしいのです」
貴音「なぜか事務所の冷蔵庫にしまってあったので、これ幸いと……はて、伊織?」
伊織「……」
貴音「なぜそのように、怒り狂った表情をしているのでしょう……」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:04:19 ID:pn5lnbrF0
伊織「そ、それは……――が……」
貴音「……?」
伊織「私が、大事に大事に取っておいたプリンよっ!!」
伊織「幻なんだから! 超超……ちょーウルトラスーパーレアなプリンなんだからぁっ! ばかぁっ!」
貴音「そ、そうだったのですか……それは真に、申し訳ないことを……」
伊織「ごめんで済んだら、警察はいらないわよっ」
ヒュンッ
貴音「! 低空タックル……!?」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:08:13 ID:pn5lnbrF0
貴音「逃げなくては……」トタタ
伊織「逃がさないわよ……フッ!」
貴音「んあっ」ポヨン
伊織(あ。貴音のお尻……柔らかい)
伊織(でもそんなんじゃダーメ。許してあげないんだから)
伊織「……んごごごっ……低空タックルからの……ていやっ!! バックドロップっ!!」
ドゴゴゴッバキ ポキ
貴音「あぴぴ」
伊織「フィニッシュよ……ロビンマスク直伝、逆タワーブリッジを……って、あら?」
貴音「ぽわぽぽぽぽ」
伊織「……」
伊織「あわわわ……どうしよう、貴音を意識不明の重体にしてしまったわ」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:18:44 ID:pn5lnbrF0
― 回想おわり ―
伊織「……ってなことがあったのよ。ちょっと頭の打ち所が悪かったみたいで……」
やよい「そーなんだー……貴音さん、大丈夫かなあ?」
伊織「まったく、バックドロップごときで意識を失うなんて、正義アイドルの風上にも置けないわね」
やよい「伊織ちゃんっ!」
伊織「!」
やよい「そんなこと言ったら、メッ、ですよっ!」
やよい「元961プロの悪魔アイドルとはいえ、貴音さんは今は……、私たちの仲間なんだからっ」
伊織「やよい……」
伊織(そうね……私は、本当になんてことを……)
伊織(こんなんじゃ、私こそが悪魔超人じゃない……)
伊織「あわわわ……ぐすあわわん……ひぐっあわわん……」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:27:08 ID:pn5lnbrF0
やよい「……伊織ちゃん、泣かないで?」
伊織「やよい……で、でも私、とんでもないことを……」
やよい「ちかたないよ。こうなっちゃったのは、貴音さんにも原因はあるんだから」
伊織「……」
やよい「今はそれより、これからどうしたらいいか考えましょーっう!」
伊織「やよい……」
伊織(あなたは本当に、天使みたいな子)
ミーンミンミン…… ミーンミンミン……
伊織(――それはとても暑い、夏だった。私たちは、まだまだ何も知らない、子どもだった)
伊織(私は、自分の犯してしまった罪(ギルティ)を目の前にして、何も出来ずに手をこまねいていた)
伊織(それなのに、あなたは……前だけを見据えていると言うのね。やよい、それでこそ私のしんゆ
やよい「いおたかってのは邪道だもんね。やよいおり以外は私認めないよ」ボソボソ
伊織「え?」
やよい「ううん、なんでもないですーっ! うっうー!」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:32:44 ID:pn5lnbrF0
ガチャ
小鳥「ただいま戻りましたー……ふう、今日も暑いわねえ」
伊織「!」ドッキーン
伊織(あわわわ……やよいとのやり取りに夢中で、他の誰かが帰ってくるという可能性を忘れていたわ)
伊織(貴音をこんなにしちゃったことがバレたら、また律子に殺されてしまうじゃない!)
やよい「小鳥さーん! お帰りなさーっい! はいたーっち! はい、はいはい! たーっち!」
小鳥「あひゃっ、そ、そんなに求めないでちょうだいやよいちゃんっ。私の体は一つしかないのよ」
伊織「やよい……!」
伊織(ファインプレイよ、やよい。うまく小鳥の意識をそらしてくれたわね)
伊織(その隙に私は……あれを……)
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:39:59 ID:pn5lnbrF0
やよい「はい、たっー……」
小鳥「も、もう勘弁して……体中が痛いわ」
やよい「はーいっ!」
小鳥「やよいちゃん、体の芯にクる、重いハイタッチを撃てるようになったわね」
やよい「えへへっ! プロデューサーの特訓のおかげですーっ!」
伊織(……これを、こうして……)サッサッ
やよい「小鳥さん、何を買いにいってたんですかーっ?」ガサゴソ
小鳥「ふふ、ちょっと有明まで本を買いにね……ああっダメよ、紙袋の中を見ちゃ」
やよい「うわー、これっ! スグル×ロビンマスク本ですーっ」
小鳥「あちゃあ……って、あら? 伊織ちゃん、そこで何を」
伊織「!」ドッキーン
伊織(あわわわ……完全に仕上がる前に、見つかってしまったわ)
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:47:32 ID:pn5lnbrF0
伊織「お帰りなさい、小鳥。買出しご苦労様」
小鳥「え、ええ。それより伊織ちゃん、私ちょっと気になるものがあるんだけど……」
伊織「なあに?」
小鳥「あ、あのね……」
伊織「もうっ、いい年なんだからはっきりしなさいよ。それだから旦那さんが……」
小鳥「やっ、やめてちょうだい! 今は関係ないでしょっ! ……じゃあ、言うわね」
伊織「……」
小鳥「その、おぞましい色の塊はなあに? 朝はそんなの、なかったと思うんだけど」
伊織(あわわわ……やっぱり、気付かれてしまったわ)
伊織(苦肉の策で、春香が着れなくなった様々な衣装をやぶいて、貴音にかけたはいいけど……)
伊織(なんて言い訳したら、納得してもらえるかしら……あああわわああわ)
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 04:54:22 ID:pn5lnbrF0
伊織「これは……」
小鳥「これは?」
伊織「……か」
やよい「蚊?」
伊織「いいえ、蚊じゃないわ。これは……花瓶よ」
小鳥「花瓶……えっ、そんな大きさの花瓶があるの? そんな材質の?」
伊織「ええ。今日ちょうどパリから届いたから、ここに置かせてもらおうと思って」
小鳥「……!」
伊織「モダンでしょう? あ、でも……このセンスがわからないで、ジャマになるというなら、撤去するけど」
小鳥「よく見たらとっても素敵なデザインじゃない。いいわね、この事務所にも飾り気がなかったとこだし、置きましょう!」
伊織「あら、ありがと♪」
伊織(あわわ♪ うまくいったわ)
伊織(やっぱり、二十代女子に『パリ』『モダン』『センス』という言葉を使えば、大抵のものが気に入ってもらえるわね)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:01:24 ID:pn5lnbrF0
小鳥「これは、どんな著名な方がデザインした花瓶なのかしら?」
伊織「たしか、ハラミー・ハヤーという近代派女性アーティストがうんぬん……」
伊織(とりあえず、適当なことを言ってこの場をしのぎましょう)
伊織(……あら? そういえばやよいは、どこに行ったのかしら?)
やよい「……」
貴音「」ピクピク
伊織(やよいが布が被さった貴音に近づいていく)
やよい「うっうー!」
プスプス
貴音「あひぃっ」
伊織「!」
伊織(なんてこと! やよいが純粋さをこじらせて、一輪の薔薇を貴音のお尻の穴に突き刺し始めてしまったわ)
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:08:22 ID:pn5lnbrF0
伊織「……」
小鳥「伊織ちゃん、汗がドバドバ出てるけど、どうしたの?」
伊織「あ、いえ、なんでもないわ。ちょっとこの部屋、冷房効いてる? また壊れたりしてないでしょうね」
小鳥「この夏になってからは、一回も壊れてないと思うけど……」
伊織「そ、それならいいんだけど……あわわわわ」
やよい「あれー?」
プスプス
貴音「あっ、もっとっ、高めて果てなくっ」
伊織(やよい、ダメよ! 布が被さっている上に、貴音はちゃんとスカートを穿いていたんだから)
伊織(いくら突いても、その花瓶には薔薇は刺さらないのよっ)
貴音「心の奥までっ、ああっ」
やよい「! ティンときましたっ! あれを使えばー……」
伊織「!」
伊織(やよいが、その小さなお手てにハサミを持って、再び貴音に近づいていく……)
伊織(あわわあわあわ……やよいの天性のセンスがこわいわ……あわわあっわわわ)
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:14:50 ID:pn5lnbrF0
ジョリジョリ…… ジャキジャキ……
伊織(あわわわわわわわわわ)
伊織「……」
小鳥「ちょっと伊織ちゃんっ、本当にすごい汗よ!? 熱でもあるんじゃ」
伊織「大丈夫、大丈夫だから」
小鳥「さっきから何を見て……」
伊織「おっと、後ろは振り向かないでくださいよお嬢さん。このまま私のことだけ見ていてください」
小鳥「えっ」キュン…
やよい「うっうー! 上手にでーきましたぁーっ!」
伊織「!」
伊織(なんてことなの……、ついに完成してしまったわ)
伊織(貴音花瓶……略してたかびん)
貴音「」ヒクヒク
プスー プスー
伊織(……お尻の穴付近だけが、露出している……。まるで生きているかのように、ひくついているわね)
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:22:57 ID:pn5lnbrF0
やよい「キラメキラリ ずっとチュッと♪」
プス
貴音「オアアッ」
やよい「キラメキラリ もっとMOREっと♪」
ズブブ……
貴音「ひぎぃっあっあっ」
伊織(あわわわわわわ)
伊織(薔薇の茎が、みるみる貴音のお尻の穴の奥に)
小鳥「あの、伊織ちゃん、さっきの言葉ってどういう……いおぴよはアリなの?」ドキドキ
伊織「……」
小鳥「黙ってないで、何か言ってちょうだい……」ドキドキ
伊織「……フレーフレーガンバレ さあ行こう」ボソ
小鳥「え?」
伊織「フレーフレーガンバレ 最高……」
伊織(あわわわわ……私には、こうやって貴音を応援することしか、できないわ……)
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:31:45 ID:pn5lnbrF0
貴音「」
やよい「……」グリグリ
貴音「あぴっ」
伊織「……美しいわ」
小鳥「そっ、そんなっ、美しいだなんて言いすぎよぅ」モジモジ
伊織「本当に美しい……これほどとは、思わなかったわね」
小鳥「もうっ、褒め過ぎですっ!」
伊織(貴音のアスホールの上に咲き誇る、一輪の薔薇の花……)
伊織(かすかに見える、あわわに実った、お尻の肉が……その存在をこれでもかと主張しているけど)
伊織(決して、主役である薔薇の存在を、邪魔することなく……)
伊織「……」
ほろり
伊織(やよい……あなたは、天才ね……)
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:39:22 ID:pn5lnbrF0
やよい「えーい!」パチンッ
貴音「エンッ」プルルン
やよい「えへへっ! やっぱり、いおたかよりっ、やよいおりだよねっ」
パチン パパチン
貴音「あっ、そのとおりですっやよいっ だからもっとっ」
伊織(ここからじゃ、やよいが何を言っているか全くわからないけど)
伊織(貴音も、意識を失っているから、何も言っていないんだろうけど)
伊織(見ているだけで、意識が吸い込まれる光景だわ……やよいの創作活動に、終わりはないのね)
小鳥「あ、でも……私には、ロビンマスクという思い人が……3次に現を抜かすなんて、許されるのかしら……」
伊織「えっ」
伊織(あわわわ……気が付いたら、小鳥が何かブツブツ呟いてる……こわい)
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:44:41 ID:pn5lnbrF0
ガチャ
律子「お疲れ様でーす!」
伊織「!」ドッキーン
律子「あら? 伊織、今回はちゃんと事務所で待っててくれたのね。感心感心!」
伊織(あわわわ……鬼軍曹が帰ってきてしまったわ)
伊織(よく考えたら、根本的なことはまだ何ひとつ解ケツしていないと言うのに!)
律子「……どうしたんです、小鳥さん? 顔が赤いですよ」
小鳥「ぴよっ!? り、りり律子さん!」
やよい「えへへ! はいたーっち!」パチンパチン
貴音「もっもっ、はやーっ」プルルン プルルン
伊織「……」
伊織(あわわわわ……もう、何をどうしたらいいのよっ)
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:50:35 ID:pn5lnbrF0
小鳥「あの……、律子さん。アイドルと事務員がお付き合いするのは、どうなのかしら」
律子「はあ? 何言ってるんですか」
小鳥「あ、いやね、私だってそんなの、イケないとは思うけれど」
律子「妄想もそのへんに……って、あら、この音は……」
バチコーン…… バチコーン……
ゴゴゴゴ…… パラパラ……
律子「天井から埃も……ああ、なーんだ、やよいもいたのね」
伊織「!」ドッキーン
伊織(なんてことなの! やよいの尻タッチがあまりにも重かったせいで、事務所が揺れてしまったわ)
伊織(そのせいで、律子に存在がバレた……)
やよい「うっうー! 律子さーん、おは……ようございまーっすッ!!」
ドチコン
貴音「おふんっ」
伊織(これじゃあ、やよいの創作活動が邪魔されてしまうじゃない!)
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 05:57:42 ID:pn5lnbrF0
律子「やよい、さっきから何を叩いてるの? 新しいサンドバック?」
やよい「えへへっ、これは花瓶でーっす!」
律子「花瓶? そうは見えないけど……」
伊織「あっ、あれよ! パリから輸入したモダンデザインの花瓶で、センスが……そういうアレよっ!」
律子「ああん? 何言ってんのよ。あんな大きな花瓶があるわけないじゃない」
伊織(あわわわ……律子はまだ十代だから、この魔法の言葉は通じないんだったわ……)
伊織(この言葉で騙されるのは、独身をこじらせた二十代女子だけ……あわわあっわっわわ)
小鳥「な、なかなか良いデザインでしょ?」
律子「感性まで腐ってしまったんですか、小鳥さん」
小鳥「ぴよ……」ズーン
伊織(イケない、小鳥が完全に沈黙してしまったわ……これで律子をさえぎるものは、何もない)
律子「……」ズンズン
伊織(律子が、貴音のケツ穴に近づいていく)
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 06:01:18 ID:pn5lnbrF0
律子「……」ジッ
やよい「……」
律子「へえ、なるほどね……」チラ
貴音「……」プスー プスー
律子「ふんふん……そういうことか」
律子「伊織?」
伊織「!」ドッキーン
律子「これは、花瓶なのね?」
伊織「そ、そうよ」
律子「嘘はついてないわね?」
伊織「あ、あったりまえじゃない! この宇宙一の美少女アイドル、水瀬伊織ちゃんが――
律子「もう一度聞く。嘘はついてないわね?」
伊織(あわわああわ……)
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 06:04:30 ID:pn5lnbrF0
律子「じゃあ、これはなんなのかし……らっ!」
バッ!
貴音「ああっ!」
ブチブチ ズルル……
貴音「――!!!! おっおっ、おおっ」
スポン
貴音「」
伊織(あわわっわっわ……律子がついに、そのベールをはいでしまった)
伊織(奥の奥まで突き刺さっていた、薔薇の花は……無理矢理引き抜かれ……)
貴音「あ……う、あ……」ピクピク タラー
伊織(貴音のお尻から、春香のイメージカラーが……)
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 06:09:56 ID:pn5lnbrF0
伊織(その傷ついた姿も、また美しい……)
律子「伊織」
伊織「!」ドッキーン
律子「……花瓶?」
伊織「……たかびん」
やよい「はわわ! た、貴音さんっ!? どうしてこんなところに……」
伊織「やよい!? あんた、また私を……っ」
律子「へえ。またやよいに、同じ罪をかぶせようとするんだ?」
伊織「やよいは関係ないわ。これ全て、私がやったことよ」
伊織(そう、これは元々、私が貴音をバックドロップして意識不明の重体にしてしまったことが原因)
伊織(やよいはただ、その純粋さゆえに、その溢れ出る創作意欲を貴音のお尻にぶつけただけだわ)
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 06:15:08 ID:pn5lnbrF0
律子「伊織」
伊織「……」
律子「またやってくれたな」
伊織「……フンッ、だったらなんだっていうの?」
律子「最後まで、誇りを貫き通そうというその心粋……私は嫌いじゃないわ。だけど……」
やよい「あ、あのっ! 律子さん、伊織ちゃんを怒らないで……わ、悪いのは私なんですっ」
律子「やよい……、かばわなくてもいいのよ。あなたは本当に優しい子ね……」
伊織「やっと気付いたの? やよいは天使なんだかフゴォ」
律子「減らず口はこれか? 今度という今度は 許さねえ」メリメリ…
プラーン
伊織(あわわわ……これが、元殺し屋の腕力……ヘッドを捕まれて、体が持ち上がるなんて)
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/11 06:23:22 ID:pn5lnbrF0
ミーンミンミン…… ミーンミンミン……
伊織(――それはとても暑い、夏だった。私たちは、まだまだ何も知らない、子どもだった)
伊織(だけど私たちは、少し純粋すぎたのだ……貴音の尻肉、貴音のアス・ホール……そして薔薇)
伊織(それは禁忌……それに触れることが、こんなにも罪なことだったなんて、誰も教えてくれなかった)
やよい「伊織ちゃん」
伊織「やひょい……」メリメリメリ
やよい「私、待ってるから……伊織ちゃんが、帰ってくるのを」
伊織「……」コクコク
やよい「貴音さんのお尻の穴のシワを数えながら、ずっとずっと待ってる……」
伊織(やよい……こんな私に、そんな言葉をかけてくれるなんて、なんて優しい子なの……)
やよい「えへへ……だって、私と伊織ちゃんは……」
伊織(やよいが言った言葉は、私にはまだ早すぎて、実はよくわからなかったけど……、これだけは言える)
伊織(そう、私たちはふたりでひとつ。地元じゃ負け知らず……だから、私とやよいは、これからも―――)
やよい「 ず ー っ と 、 い っ し ょ だ か ら ね 」ニコォ…
おわり