【アイマスSS】P「傷つきお姫ちん」

1: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 06:41:57.76 ID:vXfVvbe1O
スタジオ

監督「撮影開始、1時間前か……」

スタッフ「監督!来ましたよ!四条貴音さんっす!」

監督「おっ、来たか」

貴音「皆様、おはようございます」ペコっ

監督「あ、あぁ、おはよう四条さん。今日はよろしくね」

貴音「はい、よろしくお願いいたします。」ペコり

貴音「それでは、後ほど……」スタスタ

監督(何て艶やかで、美しいんだ……そして、礼儀もわきまえている……)

スタッフ「噂通り、超綺麗っすね!四条すん!オーラ出まくりっすよ!」

監督「あぁ…本当にウチの番組に出てもらって大丈夫何だろうか……」

スタッフ「自信持ってくださいよ。」

スタッフ「あんなにオーラ放出してる人なんだ。何でも出来て完璧そうだよなー。」

監督「あぁ……そうだな」

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3: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 06:55:05.42 ID:vXfVvbe1O
真美「あっ、お姫ちん!こっちこっち!」

亜美「打ち合わせしよー!」

貴音「こちらにいましたか」

真美「お姫ちんが、真美達の教育番組に出てくれるとは思わなかったYO!」

貴音「せっかくいただいた『おふぁあ』なのですから」

亜美「お姫ちんなら、もっと高いレベルの妄想な仕事があるんじゃない?」

貴音「相応な仕事、と言いたいのでしょうか……?」

貴音「亜美、仕事はひとつひとつ大切なものなのですよ?」

貴音「比較しては、いけませんよ」

亜美「それもそうだね!」

真美「じゃあ早速、今日の撮影の流れを説明するね!」

貴音「はい、よろしくお願いします」

4: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 07:04:22.36 ID:Svrn5AKA0
真美「えっとね……最初は真美達の挨拶でー」

亜美「それで、ゲストのお姫ちんを紹介してー」

真美「で、次にメインのお絵描きタイム!」

貴音「………は、はて?」

貴音「お、お絵描き……たいむ……ですか?」

真美「うん!歌に合わせてイラストを描くんだYO!」

亜美「この番組のイメージキャラの、『ヌプー』を!」

貴音「は、はぁ……そう、ですか……」

真美「じゃあ、お絵描きの練習を……」

亜美「いやいや、お姫ちんならお絵描きの練習は要らないっしょ!」

貴音「!?」

真美「……そうだね!お姫ちんならササッと描いてくれそうだよね!」

5: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 07:16:34.38 ID:Svrn5AKA0
亜美「それより、この後に出て来る子供達の位置の把握とか……」

真美「そだね、絵は本番ぶっつけでやってもらって……」

貴音「し、しかし、私は絵描き歌の歌を知らなくて……」

真美「あ、大丈夫大丈夫!」

亜美「お姫ちんは絵を描いて貰うだけだYO!」

貴音「し、しかし、『ぬぷぅ』殿の標本が無ければ、描くのは困難かと……」

亜美「お手本のヌプーのイラストが、ホワイトボードの近くにあるYO!」

真美「それ見て、あとは絵描き歌の通りに描いてくれればいいYO!」

亜美「お姫ちんなら、何でもちゃんと出来るから大丈夫だYO!」

真美「それより、このお絵描きタイムの後の流れが大事でね……」

貴音「は、はぁ……」

貴音(………………)

7: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 07:24:08.85 ID:Svrn5AKA0
監督「じゃあ始めよっか!亜美ちゃん!真美ちゃん!」

亜美・真美「ラジャー!」

監督「四条さんも、よろしくお願いしますね!」

貴音「は、はい……」

貴音「………………」

真美(……あれ?)

亜美(なんかお姫ちん、テンション低いなぁ……)

監督「本番10秒前!…………5……4……」

監督(3……2……1……)

監督(スタート!)

真美「双海真美と~!?」

亜美「双海亜美の~!?」

亜美・真美「『双子といっしょ!』」

亜美・真美「はっじまっるよーーーん!!」

8: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 07:30:57.41 ID:Svrn5AKA0
真美「さぁ!テレビの前の(大人も含む)みんな!!」

亜美「今日も一緒に楽しい事しようね!」

真美「早速始める……前に!」

亜美「今日は超超超!スペシャルゲストが来てるんだYO!」

亜美・真美「では、登場してもらいましょー!お姫ちん事、超人気アイドル!『四条貴音』さんでーす!」

貴音「どうも、はじめまして。四条貴音と申します。」

真美「さぁ!お姫ちんに来てもらった記念に早速!」

亜美「お絵描きタイム!行ってみYOーーー!」

貴音「も、もう始めるのですか……」

9: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 07:38:30.55 ID:Svrn5AKA0
真美「さぁ!お姫ちん!ホワイトボードの前に立って!」

亜美「ほら!もうすぐ曲が始まるYO!」

貴音「は、はぁ……」

貴音(………………)

貴音(大丈夫……なはず、です)

貴音(今までの苦難を考えれば、この様な事……)

貴音(それに、標本もある上、絵描き歌もあるのです……)

貴音(これくらいの事……容易いはずです!!)

貴音「では!!参ります!!」

真美「さぁ!準備も整った様なので……!」

亜美「ミュージック!スタ→トスタ→!!」

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10: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 07:47:34.52 ID:Svrn5AKA0
事務所

P「もう俺だけか……」カタカタ

P「もう遅いから、帰らないとな」カタカタ

P「座りっぱなしのデスクワークも、楽じゃないな……」カタカタ

ガチャッ

P「ん?ドアの音が……」クルッ

貴音「……………」

P「貴音?」

P「どうした?こんな遅くに?」

貴音「……………」スタスタ

ボフッ

貴音「……………」ギュウッ

P「……………」

P「そうか……また、何か失敗したな?」なでなで

貴音「……………」

P「そうやって、黙って抱きついて俺のお腹に顔をうずめる時はいつもそうだ」

P「今日は、何を失敗しちゃったんだ?」なでなで

11: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 07:54:39.74 ID:Svrn5AKA0
貴音「………………」

貴音「絵描き歌……です」ギュウッ

P「ん?」なでなで

貴音「絵描き歌での……ぬぷぅ殿を……」グスッ

貴音「新しい……未確認生物へと……」ヒック

貴音「うぅぅ………」///ギュウッ

P「……………」

P「よく分からないが、一つ分かったことがあるよ」

P「苦手な絵の事で、批評されたな?」

P「………悪い方に」

貴音「っ!!」///

貴音「…………」///ギュウウウウ

P「当たったようだな……腕の力が強くなった」

12: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 08:09:19.45 ID:Svrn5AKA0
貴音「………現場の皆が、私の絵を見て……」

貴音「釣り上げられた魚の様な顔に……」

P(1度貴音の絵を見たことあるが……あれじゃあな……)

P(ましてや、貴音みたいな秀才そうな奴が描いたらな……)

貴音「その後の撮影は、双海亜美・真美の手助けにより進行しましたが……」

貴音「撮影後、関係者の方々が奇妙な物を見る様な目つきで私を……」

貴音「うぅ……ぐすっ……」グスッ

P「……………」

P「仕方ないさ、人には得意不得意があるからな」なでなで

P「貴音は一生懸命したんだ。誰も責めないよ。」

P「むしろ、俺は貴音を褒めたいよ。よく頑張ったな」なでなで

貴音「…………あなた様…」///ギュウッ

貴音「今日は……どうか、甘えるのをお許しください、あなた様」///ギュウウウウ

P「あぁ。甘えたい時は、甘えてくれ」

P「いつも気丈に振舞っているけど、1人の女の子なんだ」なでなで

P「時々は、甘えてくれ」

貴音「………はい」ギュウッ

15: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 08:27:29.63 ID:Svrn5AKA0
別の日 森付近

響「貴音!すごいな!緑がいっぱいだぞ!」

貴音「えぇ……素晴らしい景色ですね、響」

響「へへへっ、今日の貴音との撮影、楽しみだなぁ!」

貴音「ときに響、今日の撮影では何についてレポートするのでしょうか?」

響「実は、自分も教えてもらってないんだ……」

響「まぁ、多分何かの動物だろうね。森だから、熊だったりしてな!」

貴音「熊ですか……意思疎通が出来なければ、少々経験のある合気道で……」

響「だ、ダメだぞぉ!」

貴音「ふふ、冗談です」

響「ほ、本当にしそうで怖い……」

16: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 08:43:58.32 ID:Svrn5AKA0
スタッフ「四条さん、我那覇さん、撮影始めまーす」

響「あっ、はーい!行こう、貴音!」

貴音「えぇ」

響「へぇ~、森の中にこんなに綺麗な川があったんだね」

貴音「心が洗い流されますね……」

響「それで、今日の撮影でレポートする動物は何なんだ?」

貴音「愛らしい生き物と、触れ合いたいものですね」

スタッフ「あっ、お二人さん、こちらになります」ガラガラ

響「………あっ!蛇だ!」

スタッフ「ちゃんと籠に入れてありますので、危険は無いと思います」

響「でも、何でこの森の中で蛇のレポートを……?」

スタッフ「何か、監督が蛇といえばジャングルだとか言って……」

スタッフ「あと、この蛇なんと、世界一の長さを誇る蛇なんですよ」

響「へぇ~…凄いな!うちのヘビ香より長いぞ!」

響「蛇……ヘビ?なんか忘れてる様な……」

17: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 08:55:55.24 ID:Svrn5AKA0
貴音「」

響「………あっ」

貴音「」

貴音「」

響「た、貴音ぇ!」

スタッフ「この後、世界一デカイ大蛇も来ますからね」

貴音「」

貴音「」

響「た、貴音ぇ!!」

響「よ、よく見たら小刻みに震えてる!」

響「だ、大丈夫か!?貴音ぇ!?」

貴音「」

18: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 09:10:05.73 ID:Svrn5AKA0
5分後

監督「はい、じゃあ本番30秒前!」

響「………ほ、本当に大丈夫か?」

貴音「………え、えぇ。大丈夫です。」

貴音「いままでの苦難の壁と比べれば、このような事……」

貴音「苦手な蛇くらい、なんくるない!ですよ、響」

響「貴音……」

貴音「それに、籠にちゃんと仕舞われているのです。平気ですよ。」

響「そうだな!触るわけじゃないし!」

監督「………あ!ちょっと待った!」

響・貴音「?」

監督「せっかくだから、2人とも2匹を1匹ずつ持ってレポートしてみない!?」

貴音「」

響「た、貴音ぇ!」

監督「蛇に毒性は?」

スタッフ「ありません。しかも、噛まないように育成されてますし、一時口を開かない仕様にしてます」

蛇使い「ワタシモイルカラ、ダイジョブヨ」

監督「よし!GO!!」

貴音「」ブルブル

響「こ、小刻みじゃなくて、めちゃくちゃ震えてるぞ……」

貴音「……あなた様ぁ…」ブルブル

20: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 09:20:00.25 ID:Svrn5AKA0
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事務所

P「ソファに座ると眠りそうだ……」

P「それにもうこんな遅い時間か……帰るか」

ガチャッ

P「ん?誰か入って来たのか?」

貴音「……………」

P「貴音?何してんだ?こんな遅くに」

貴音「……………」スタスタ

ボフッ

貴音「……………」

P(……………俺の膝を枕に、ソファで寝だした…)

P「膝枕って事は……また、甘えたくなったのか?」

P「それで、貴音が甘えるってことは、何かまた嫌なことがあったな?」

貴音「……………」

貴音「蛇が……首に……」

貴音「長い方のを選び……首に巻きついて……」

貴音「気絶……してしまい……」

貴音「………うぅ」///

P(……顔を俺の腹にうずめて来たな……)

P(顔をうづめたくなるほど、恥ずかしかったか……)なでなで

22: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 09:32:29.93 ID:Svrn5AKA0
P「とにかく、蛇と関わる仕事があったんだな?」

貴音「………は、い」///

P「そうか……ごめんな、側にいてやれなくて」なでなで

貴音「……いえ、大丈夫でした……」

貴音「……などと言える程、余裕はありませんでした……」

貴音「……正直とても、側にいて欲しかったです……」///

貴音「寒心に堪えない時……あなた様の事ばかり、考えてしまいました……」///

貴音「何処でもいいので……体の一部をあなた様に密着させ、心を安堵させたかったです……」///

P「ごめんな……今日は、いっぱい甘えていいからな」なでなで

貴音「……はい、では有難く……」///

貴音「……あなた様ぁ」///

24: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 10:18:11.72 ID:Svrn5AKA0
別の日 待合室

伊織「あんたと同じ番組だなんて、珍しいわね」

貴音「そうですね…久々に同じ仕事が出来、嬉しく思いますよ」

伊織「ま、まぁね……わ、私もよ」///

貴音「ふふ……」

伊織「ところで、今日の番組の対策は大丈夫?」

伊織「小学校、中学校の基礎知識をクイズにした番組だけど……」

伊織「ちゃんと勉強した?」

貴音「はい、問題ありませんよ」

貴音「じいやに勉学を叩き込まれていたので、知識には少し自信があります」

貴音「ちゃんと予習もして来ました」

伊織「そう……なら、大丈夫ね」

伊織「あんたの世間でのイメージは、才色兼備な所なんだから」

伊織「基礎知識がダメなら、イメージガタ落ちよ?」

貴音「心得ておきます」

27: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 10:28:44.95 ID:Svrn5AKA0
コンコン

スタッフ「水瀬さーん、四条さーん、そろそろ始めまーす」

伊織「あっ、はーい!」

貴音「いよいよですね…」

伊織「さっ、行くわよ。」

伊織「全問正解の勢いで行くわよ!」

貴音「はい!」

スタッフ「えー、では、名前が書かれている所がお席になります」

貴音「ここ……ですね」

スタッフ「では、今日の学力テストの内容を発表しますね」

貴音「内容……?小、中学の勉強内容では?」

スタッフ「そうなんですが、一つのカテゴリーに絞ることになりまして」

貴音「はぁ…」

スタッフ「で、内容はこちらです」ピッ

『英語』

貴音「!!」

スタッフ「モニターに映っているものになります」

スタッフ「問題は撮影中に出しますからね。では、撮影始めまーす」

貴音「……………」

伊織(まずいわね……貴音って確か横文字が……)

28: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 10:42:30.18 ID:Svrn5AKA0
カメラマン「では、本番はじめまーす」

伊織「貴音……あんた……」

貴音「し、支障はありません。」

貴音「私、四条貴音は、今までも幾多の困難を乗り越えたのです…」

貴音「今更これしきの事で、へこたれたりなど致しません!」

伊織「………そう」

伊織「無理は、しないのよ?」

貴音「はい。心遣い、感謝いたします」

カメラマン「本番5秒前……4……」

カメラマン(3……2……1……)

司会「えー、やって参りました!学力クイズの番組です!」

司会「世の芸能人達は、どれくらい頭が良いのか今日、解明されます!」

司会「さぁ、早速はじめ……たい所ですが」

司会「その前に、今日のゲストを紹介いたします!」

司会「今日は、あの超有名アイドル!水瀬伊織ちゃん、四条貴音ちゃんがゲストに来ております!」

伊織「どうもー♪水瀬伊織でーす♪今日はよろしくお願いしまーす!」

貴音「四条貴音と申します。よろしくお願いいたします。」

29: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 10:52:27.07 ID:Svrn5AKA0
司会「いやー、しかし、2人とも可愛いねー!」

司会「四条貴音ちゃんなんか、凄く勉強出来そうだね!」

貴音「い、いえ、そのような事は……」

司会「またまたー、謙遜しちゃってぇ!」

司会「さぁ!では、早速問題の方に行きましょう!」

司会「まずは、こちらの問題です!モニターをご覧ください!」

『この単語の意味は?「important」』

司会「では、回答は……早速、四条貴音ちゃん!」

貴音「あ、あぅ………」

伊織(この様子じゃ……)

司会「では、回答を!」

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30: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 11:07:06.75 ID:Svrn5AKA0
事務所

P「最近は書類整理ばっかだな……」

P「ソファーに座ってやるのが一番やりやすいな」

P「……あぁ、もうこんな時間か…帰らないとな」

ガチャッ

P「ん?こんな時間に事務所に誰だ?」

貴音「……………」

P「貴音か……忘れ物か?」

貴音「……………」スタスタ

貴音「……………」ストン

貴音「……………」スリスリ

P「……………」

P(そばに来て、顔をすり寄せて来た……)

P「……どうした?甘えて来て?」

P「辛いことでもあったか?」

貴音「……………」スリスリ

貴音「英単語の意味を……答えられなくて……」スリスリ

貴音「横文字は苦手で………」スリスリ

貴音「しかし……伊織は沢山答え……」

貴音「私は……何も出来ず……」グスッ

貴音「自分が……情けなくて……」

貴音「……うぅぅ」ギュッ

P(抱きついて来た……凄く辛かったんだな……)

33: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 11:21:00.29 ID:Svrn5AKA0
P「……貴音は、情けなくなんかない」なでなで

P「誰にだって、苦手な事はあるんだ」なでなで

P「貴音がどうしても克服したいなら、今から努力すればいいだけの事だよ」なでなで

P「伊織だって現役の中学生だし、貴音とハンデはあったんだよ。仕方ないよ。」

貴音「……あなた様……」///

貴音「……もう少し、このまま甘えてもよいでしょうか……」///

P「あぁ、大丈夫だよ。心を癒す時は、誰にだって必要だ」

貴音「ありがとうございます……あなた様」///スリスリ

貴音「……出来れば、あなた様に抱擁をして頂きたく……」///スリスリ

P「………これで、いいかな?」ギュッ

貴音「はい……心地良い感触です」///スリスリ

貴音「私は……果報者です……あなた様と巡り会え、この様にしてもらえるなど」///スリスリ

P「俺も、同じ気持ちだよ」ギュウウウ

貴音「ふふふ……気持ちを共有する事程
、幸せな事はありませんね」///スリスリ

34: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 11:22:39.64 ID:Svrn5AKA0
23時まで放置

40: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 22:28:03.05 ID:jx0jtzuwO
別の日 旅館

雪歩「今日の四条さんとのお仕事、楽しみですぅ」

貴音「私もですよ」

雪歩「でも、旅館で有名な温泉のレポートだなんて……」

雪歩「うぅ……私、ひんそーでひんにゅーでちんちくりんな体なのにぃ……」

貴音「その様なことはありませんよ、雪歩」

貴音「自分の体の均整に自信を持つのです」

貴音「私が、保証いたしますよ」

雪歩「四条さん……ありがとうございます!」

貴音「さて……そろそろ撮影時間ですね」

雪歩「確か、撮影前に流れの説明をスタッフさんから聞くんですよね……」

貴音「私達は既に流れを事前に聞いているので、最後の確認のようなものでしょう」

スタッフ「あっ、四条さん、萩原さん、こっちですよー」

42: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 23:07:23.88 ID:Svrn5AKA0
スタッフ「では、流れの確認をしますね」

スタッフ「最初は温泉のレポート。まぁ、ここがメインですね」

スタッフ「それで、次はこの旅館の料理のレポートを」

スタッフ「料理もなかなか美味しいと評判らしいですからね」

貴音「……ふふふ」

雪歩(し、四条さん、何だか嬉しそう……)

貴音「そして、最後にまとめに入り、終わるのですよね?」

スタッフ「そう……だったんですが」

雪歩「?」

スタッフ「実は、この旅館のあるサービスを監督が気に入っちゃって」

スタッフ「ぜひ、この番組で紹介したいと言い出しまして……」

スタッフ「まとめに入る前に、そのサービスを紹介して欲しいんですよ」

貴音「はて……その紹介して欲しい物とは、何でしょうか?」

スタッフ「この旅館が行っている、マッサージのサービスです」

雪歩「ま……マッサージ、ですかぁ?」

43: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 23:23:56.08 ID:Svrn5AKA0
スタッフ「えぇ、マッサージを体験してそのレポートを」

スタッフ「あっ、そんな凄い本格的なマッサージではないですよ」

スタッフ「安いホテルにもよくある感じのマッサージサービスみたいなもんですよ」

雪歩「は、はぁ……」

スタッフ「マッサージ師も女性ですし、何よりツボをよく知ってるらしいですよ」

スタッフ「監督も気に入ってましたよ。とても、気持ちいいって」

雪歩「そうなんですか……よかったですね、四条さん」

貴音「……………」

雪歩「……四条さん?」

貴音「……はっ!あ、いえ、その……」

貴音「た、楽しみですね、『まっさあじ』……」

貴音「…………」

雪歩「……………?」

スタッフ「あっ、一応マッサージ師の紹介を……」

44: ◆p3yuNM37DY 2014/08/10(日) 23:38:07.69 ID:Svrn5AKA0
温泉レポート 撮影中

雪歩「……以上!この旅館のグルメレポートでしたぁ!」

雪歩「では、次にこの旅館で行っているマッサージサービスのご紹介ですぅ」

貴音「……………」もぐもぐ

雪歩「はい、準備が整いました」

雪歩「では、早速マッサージをしてもらいますぅ」

女性マッサージ師「では、始めますね」ギュッギュッ

雪歩「………んっ…くふふ……」///

雪歩「す、少しくすぐったいです……けど、気持ちいいですぅ……」//

貴音「…………」ごっくん

雪歩「んっ……ゆぅ……んふふ……」///

貴音「……………」

貴音(あんなにも……体に触れられて……)パクッ

貴音(………他者に体を触れられるのは苦手ですが……)もぐもぐ

貴音(しかし、これも仕事の一環……)ごっくん

貴音(全力で、視聴者の方々に、『まっさあじ』のご報告をせねば……!)

貴音(あと、ごちそうさまでした)ペコっ

46: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 00:06:34.20 ID:GQZxO4Zb0
雪歩「すっごく、気持ちよかったですぅ!」

雪歩「四条さんも、いつまでもご飯を食べていないで、マッサージ受けましょうよ!」

貴音「そうですね……では」

女性マッサージ師「布団の上で、楽な格好になって下さいね」

貴音「はい…それでは」ストンッ

女性マッサージ師「うつ伏せになりましたね…」

女性マッサージ師「では、はじめに背中のツボを押しますねー」

貴音「は……はい」ドキドキ

貴音(ついにこの時が…)

貴音(今まで体に触れられるのが苦手で、あまり他者に体を触れさせてなかったのですが……)ドキドキ

貴音(ついに、このような形で、長い時間体を触られるとは……)ドキドキ

貴音(長い時間体を触れられる事、そしてツボを押される事は、どのような感じなのでしょうか……)ドキドキ

貴音(初めてなので……緊張……しますね……)ドキドキ

女性マッサージ師「では、押しますね」

貴音「は、はい……」ドキドキ

女性マッサージ師「では……」ギュウッ

貴音「!!!??」///

貴音「あぁんっ!!やっ!!」///

雪歩「!!??!?」

現場スタッフ一同「!!??!?」

女性マッサージ師「えっ……えっ?あ、あの……?」

貴音「す、すみません……何でもありません……」///

貴音「お、お気になさらないで下さいぃ……」///

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48: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 00:50:59.72 ID:GQZxO4Zb0
事務所

P「………………」

P「ん……あ、しまった。ソファーで寝てた……」

P「はぁ……起きたくないな……」ゴロゴロ

ガチャッ

P「ん……ドアが開いた……誰だ?」

貴音「……………」

P「あぁ……貴音か。よかった、社長じゃなくて……」ゴロゴロ

貴音「……………」スタスタ

貴音「……………」ボフッ

貴音「……………」ギュウッ

P「……………」

P(寝てる俺に抱きついて来た……腹に顔をうずめてる……)

P(この甘えん坊っぷりは……)

P「……どうした、貴音?何か嫌なことでもあったのか?」なでなで

貴音「………………」ギュッ

貴音「仕事にて……『まっさあじ』を受けまして……」

貴音「しかし……私は……体に触れられるのは慣れておらず……」

貴音「ツボを押された時……その……」

貴音「つい……恥ずかしい声を漏らしてしまい……」///

貴音「周りから……奇妙な目つきで見られ……」///

貴音「ううぅ……恥ずかしい……です」///ギュッ

P「なるほど……仕事でマッサージを受けたのか」

P「で、つい甘い声を出してしまって周りから変な目つきで見られたのか…」

P(まぁ、貴音の喘ぎ声を聞いたら、男共は普通に見れないよな……)

49: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 01:19:45.99 ID:GQZxO4Zb0
P「……なぁに、気にするなよ」

P「誰も特には気にしてないよ、きっと」

貴音「そう……でしょうか?」

P「あぁ、大丈夫だよ」なでなで

貴音「……ふふふ、あなた様にそのように撫でて頂くと……」

貴音「あなた様の言う事を本当に信じてしまい……」

貴音「それと共に……安らぎを感じます……」///

貴音「このまま……ずっと、こうしていたいです……」///ギュウウ

P「しかし……俺も貴音のその声、聞きたかったな」

貴音「!!」///

貴音「……あ、あなた様!」///

貴音「こんなにも、恥じいているというのに……いけずです!」///

P「ごめんごめん、冗談だよ」なでなで

貴音「……………で、ですが……」

貴音「あなた様にならば……」///

貴音「今、その声を聞いて貰っても……私は……」///

P「こらこら、この状況でそんな事言うんじゃない」ポンポン

貴音「んっ………何故、ですか?」

P「……声を出させたく、なっちゃうだろ?」なでなで

貴音「………あなた様が望むなら、私は……」///ギュウウ

P「今日は、貴音が甘える日だ」

P「貴音が俺にお願いをしたりして、甘えなきゃダメだろ?」

貴音「………ふふふ、そう……ですね」///

貴音「では、もっと顔を近づけて……」スリスリ

貴音「しばらく、このまま甘えさせて下さいね……あなた様」///スリスリ

51: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 02:15:39.34 ID:GQZxO4Zb0
別の日 遊園地

美希「あっ!貴音ー!こっちこっちー!」

貴音「そこにいましたか……美希」スタスタ

美希「貴音と一緒にお仕事なんて、珍しいね」

貴音「そうですね。稀にあるくらいですからね」

美希「ミキ、今日の遊園地レポート、結構楽しみなんだ!」

貴音「美希は、このような娯楽施設が好きなのですか?」

美希「うん!結構好きなの」

美希「友達と行ったら、とっても楽しいの!」

貴音「それはそれは……」

美希「あ……でもでも……」

美希「ハニーと一緒に行ったら、もっと楽しくなると思うな!」

美希「2人で一緒に色んなアトラクションに乗ったりして……」

美希「色々見て回って………」

美希「最後には……観覧車に乗って、キス何かしちゃったりして!」///

貴音「……………」

貴音「……そう、ですか」

美希「………貴音?」

スタッフ「あ、四条さん、星井さん、現場に向かいますよー」

美希「あっ、はーい」スタスタ

貴音「………………」

52: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 02:32:38.68 ID:GQZxO4Zb0
スタッフ「はい、では最初にこちらの撮影を……」

美希「ここは……お化け屋敷?」

スタッフ「はい、正式名称はホーンデッ……」

スタッフ「まぁ、いいや、覚えてもらわなくて。カンペありますし」

スタッフ「なかなか怖いと、有名ですよ」

美希「ふーん、面白そうなの」

美希「ねっ、貴音?」

美希「…………あれ?貴音?」

貴音「……………」ブルブル

美希「……………」

美希「着ぐるみの後ろに隠れて何してるの?」

貴音「い、いえ、これはその……」ブルブル

貴音「む、武者震いというもので……」ブルブル

美希「ミキ、別に震えてることについては聞いてないの」

美希「とにかく、着ぐるみさんを引っ張らない方がいいの」

貴音「はっ……!!」バッ

貴音「す、すみません、えっと……ネズミ殿!」

ミッ○ー「……………」

53: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 02:42:52.64 ID:GQZxO4Zb0
スタッフ「では、撮影はじめますねー」

美希「貴音、お化け屋敷苦手なんだね」

貴音「………み、美希は、平気なのですか?」

美希「うーん、ちょっとドキドキはするけど……」

美希「貴音程、怖がってはないの」

貴音「あぅ………」///

美希「ほら、撮影始まるよ?」

貴音「あの……手を握って貰っても……」

美希「撮影中はダメなの」

貴音「……そう、ですよね」シュン

スタッフ「本番30秒前ー!」

美希「ほら、始まっちゃうよ?」

貴音「………ううぅ」ブルブル

貴音「……あなた様ぁ…」ブルブル

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ーーーーーーー
ーーーー

54: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 02:54:15.82 ID:GQZxO4Zb0
事務所入り口前

貴音「……………」

貴音「また……失敗してしまいました……」

貴音「………はぁ……」シュン

貴音「……このような気持ちの時、あの方の側にいたくなってしまいます……」

貴音「しかし……今日もあの方に甘えてしまっても、良いのでしょうか……」

貴音「…………駄目なはず、ですよね……」

貴音「………しかし……」

貴音「この胸の高まり、甘えてしまいたいという衝動は…」

貴音「抑え切れません……」///

貴音「あなた様……」///

貴音「……………」

貴音「どうか、お許しを………」

ガチャッ

美希「ねぇ!ハニー!」ギュッ

美希「今度、その遊園地に一緒に行こ?」ギュウウ

P「こら、アイドルが無闇に男に抱きついちゃダメだろ」

貴音「…………」

貴音「………………」

P「おっ、貴音。仕事お疲れ」

美希「あっ、貴音。さっき振りなの」

55: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 03:13:12.38 ID:GQZxO4Zb0
貴音「………………」

P「ほら美希、今日はもう遅いぞ。帰りなさい」

美希「むぅー……また、はぐらかしてぇ……」

P「とにかく、帰った帰った」グイグイ

美希「わかったの……あ、貴音、バイバーイ」

貴音「…………えぇ、お疲れ様、です」

ガチャッ

P「まったく……世話のかかるやつだ」

貴音「……………」

P「子供っぽいというか、なんというか……なぁ?貴音?」

貴音「……………」

P「………貴音?」

貴音「……………」ススッ

貴音「……………」ギュウッ

P(………俺の胸に寄り添って、抱きついて来た……)

P(そうか……また、ショックな事があって甘えに来たんだな……もう分かるぞ)

P(でもまぁ……形だけでも、一応理由は聞いとくか)

P「どうした?貴音?また、何か失敗したか?」ギュッ

P「また、甘えたくなっちゃったのか?」

貴音「……………」

貴音「始めはその通り、傷を癒してもらうために甘えようとしました……」

貴音「………しかし、今は違う理由で抱きついております」ギュッ

P「えっ?じゃあ何で……?」

56: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 03:55:08.15 ID:GQZxO4Zb0
貴音「………あなた様が…」

貴音「私以外の方と……睦み合う姿を見るのが耐えきれなく……」

貴音「あなた様を……奪われるのではないかと思ってしまい……」

貴音「不安になり……つい、このように甘えてしまい……」ギュッ

P「……………」

貴音「とても醜い嫉妬心だと承知しております……」

貴音「ですが……」

貴音「私も……あなた様の側に、ずっと居たいのです……」

貴音「我儘ばかりで……申し訳ありません……」ギュウウ

P「貴音……」

P「………ワガママなんかじゃないさ」ギュッ

P「俺だって、貴音の側にずっと、死ぬまで一緒に居たいよ」ギュウウ

貴音「あなた……様……」///

P「貴音……」

P「そんな風に俺を想ってくれてるけど……」

P「貴音は……俺の事、どう思ってるんだ?」

P「ハッキリと、貴音の口から聞きたい」

貴音「………私は……」

貴音「四条貴音は……」ギュッ

P「………うん」

貴音「あなた様を……以前から、常々」///

貴音「……………」///

P「…………?」

貴音「…………ふふっ」///

貴音「ここから先は、トップシークレット、です」

P「えっ、えぇ!?」

57: ◆p3yuNM37DY 2014/08/11(月) 04:17:10.16 ID:GQZxO4Zb0
P「そ、そりゃあ、ないだろ……」

貴音「ふふふ……乙女心は、そう簡単に教えるものではないと心得てますので」

P「ははは……まぁ、貴音らしいな」

貴音「ふふふ……私、口は堅い方と言われております」

P「そうか……聞きたかったなぁ」

貴音「しかし、あなた様……一つだけ、私の堅い口を緩める方法があります」

P「えっ?どうするん…………」

P「…………………」

P「なるほどな……こりゃあ、緩みそうだな」

P「準備が早いな……目なんかつぶっちゃって……」

P「……じゃあ、いくぞ。息、吸っとけよ?」

貴音「ふふふ、あなた様は見事、私の口を緩めることが出来ましたね」///

貴音「あなた様……トップシークレットを聞く前に……」

貴音「窓から見える、月をご覧ください」

貴音「見事な、満月ですね……」

貴音「…………あなた様」

貴音「月が……綺麗ですね」

貴音「…………これが、私の」

貴音「トップシークレット、です」

貴音「………ふふふ」///

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