1 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 21:45:25.74 :sAEWiqgtO
切った蓋で指切るとめっちゃ痛いしなかなか治らないしそもそも缶詰に血が入っちゃうから他の人には出せないし災難ですよね。
最近は蓋の開け方知らない人も多いらしいですし。
2 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 21:46:06.26 :sAEWiqgtO
友紀「三時三時はおやつの時間ー♪ 今日のおやつはなんじゃらほい!」
友紀「…………あれ?」
友紀「空っぽ……。プロデューサー!!」
P「うるせーなー……。なんだよ?」
友紀「おやつの戸棚になんにも入ってないよ!」
P「あー、補充してなかったか。我慢しな」
友紀「やだー! なんか甘いのたーべーたーいー!」
P「指でもしゃぶってな」
3 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 21:52:16.87 :sAEWiqgtO
友紀「うーん……。なんか、なんかないかなぁ……」
友紀「いつもここにちひろさんが隠してるおやつが……」
友紀「ん? なんか紙が……」
『仏の顔も3度まで』
友紀「え、何このメモ? こわっ……」
友紀「うーん…、あと何かありそうな場所……。あっ!」
4 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 21:59:09.11 :sAEWiqgtO
友紀「車輪の付いてる椅子だけど、これがないと届かないしー」
友紀「よいしょ! うわ、すごい揺れる……」
友紀「んで、ここの高い所の戸に……、あった! 桃の缶詰みーっけ! ん……?」
友紀「あめ…、あとの月? 何このお酒、誰が隠してるやつだろ……」
友紀「まいっか! よーし、食べるぞ……」グラッ
5 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:08:40.87 :H2T1j0x/0
友紀「きゃあぁぁーー!?」ドスン!
P「な、なんだ今の!?」
友紀「うわぁぁーん! 背中うったぁー!」
P「何やってるんだ、ばか」ベシッ
友紀「いだっ! ちょっとくらい心配してよー!?」
P「まったく、それもしもの時の缶詰だろ? 今食うなよ」
友紀「ふーんだ! おやつ用意してくれてないプロデューサーが悪いんだもんね」プイッ
P「お前今いくつだよ……」
6 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:11:44.84 :H2T1j0x/0
友紀「さーて、缶切りは……。あっちにあったかなー?」
薫「ただいまー!」
友紀「おー薫ちゃん! おかえりー」
薫「あ! 友紀ちゃん缶詰持ってるー! いいないいなー!」
友紀「薫ちゃんも一緒に食べる? ちょうどおやつの時間だしね」
薫「うんっ! 貸して貸して! かおるがあけるね!」
友紀「はい、あたしはお皿とか取ってくるねー」
7 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:14:02.29 :H2T1j0x/0
薫「これ、なんて漢字かな……。『木』に、ちょんちょんが沢山付いた、……変なの!」
薫「この絵は……。あ、ももかな! わぁー、綺麗な絵だなぁー……」
薫「よーし、あけるよー……!」
薫「…………」キョロキョロ
薫「…………?」ツンツン
薫「あれ? 指引っ掛ける所がないよ?」
8 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:18:33.12 :H2T1j0x/0
友紀「もー……、なんで缶切りがプロデューサーの机の引き出しに入ってるのさ……」
友紀「食器の引き出しひっくり返してまで探したのに……」ブツブツ
薫「友紀ちゃぁん……」
友紀「ど、どうしたの薫ちゃん。泣きそうな顔して……」
薫「これ、あけらんないよぉ……」
友紀「……あっ」
友紀(もしかして、缶詰の開け方知らない……?)
薫「シーチキンはね、カリカリってやって、ぱかって出来るんだよ?」
薫「でもこれ、あの学校で集めてるあの所がないよぉ……?」
友紀(あれから車椅子作るんだっけ? あたしも集めたなぁ……)
9 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:25:13.59 :H2T1j0x/0
友紀「……よし」
友紀「えー? あの部分が付いてないのー? どーしよー、あけらんないよー!」モゾモゾ
薫「たいへん! おやつ食べらんないよ!」
友紀「ねー! どうしよー?」
薫「……友紀ちゃん、さっきなにかポッケにいれた?」
友紀「い、いれてない! よっ!」ギクッ
10 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:31:25.80 :H2T1j0x/0
友紀「さ、どうやって開けようか、これ」
薫「うーん……。あ! 横の紙を剥がせば開くかなぁ?」
友紀「え? ラベル剥がすの? ま、まあやってみようか」
薫「……このシール、凄いくっついてるね」カリカリ…
友紀「うん……」カリカリ…
薫「でもでも、これぐらいしっかりくっついてないと、中身出ちゃうよね!」
友紀「うん……」カリカリ…
11 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:37:46.19 :H2T1j0x/0
薫「えいっ! えいっ!」コンッ!コンッ!
友紀「い、痛くない……?」
薫「いたい……」
友紀「や、やめようか。女の子だしね……」
薫「うん。赤くなっちゃった……」
友紀(さて、そろそろなにかヒントをあげようかなー?)
友紀「これさ、なにか道具を使って開けるんじゃない?」
薫「道具……? あ、ハサミとか!」
友紀「うんうん! 試してみようか!」
12 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:45:56.38 :H2T1j0x/0
薫「ハサミ!」
友紀「切れないよー」
薫「コンパス!」
友紀「3.14!」
薫「ステープラー!」
友紀「え! なにそれ!?」
薫「リコーダーに付いてるなんか穴の空いた棒!」
友紀「あれ中を掃除する奴だって」
珠美「ただいま戻りましたー」
薫「たまちゃん!」
友紀「珠ちゃん!」
珠美「うぇっ? な、なんですか……?」
13 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:49:59.38 :H2T1j0x/0
薫「ねー、たまちゃん。これが開かないの……」
珠美「お、缶詰! いいですなぁ……。珠美は缶詰と言えば鯖の煮付け缶を白ご飯と一緒に……」
友紀「いいねぇ……。鰹フレークの缶詰もビールのアテにして、くいっと……」
薫「そんなことより、たまちゃん。これあけられるー?」
珠美「ええ、開けられます。えーっと、缶切りは……」
友紀「……珠ちゃんはねー、剣の達人だから、スパーンッ! って斬ってくれるよ!」
薫「剣でー? すごーい!」
珠美「ゆ、友紀殿!?」
14 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:55:57.48 :sAEWiqgtO
友紀「いーや、珠ちゃんならもう刀なんていらないね。手をこう、シュッ! ってやるだけで斬ってくれるよ!」
珠美「手刀!? な、さっきから何を言っているのですか!」
薫「わぁー……! たまちゃん、やってやってー!」
珠美(うう……。子供の無邪気に輝く視線が突き刺さる……)
珠美「……で、できるかどうかわかりませんからな!」
友紀(あ、簡単に乗せられた)
16 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 22:58:52.97 :sAEWiqgtO
珠美「はぁー……!」
薫「集中してる……。すごいなぁ……!」
珠美「すぅー……!」
友紀「…………」
珠美「ーーーーッ!」
珠美「てぇああぁぁぁぁーーッ!!」シュッ
コンッ
17 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:02:53.46 :sAEWiqgtO
コロコロコロ…
珠美「ぅぅ……、いた、痛い……」
友紀「大丈夫ー?」
薫「あちゃー。やっぱりだめだったねー……」
珠美(やっぱり!?)
友紀「珠ちゃんでもダメとなると、結構強い道具が必要だね」
珠美「そもそも缶切りを使えばすむ話じゃ……」
18 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:08:26.52 :sAEWiqgtO
薫「うーん……。じゃあ、トンカチかなぁ?」
珠美「い、いや、それは止めといた方が……」
ガチャ
P「ほら、なんかこっちでおやつ食べるらしいからさ。混ざっておいで」
芳乃「ほー……、わたくし、甘露はきんつばが良いのでしてー」
友紀「おー! 芳乃ちゃんいらっしゃい! 桃缶食べる?」
芳乃「桃……、よいですねー」
P「というか、まだ開けてなかったのか」
19 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:16:05.40 :sAEWiqgtO
友紀「プロデューサー、かもんかもん」
P「なんだなんだ?」
友紀「あのね、薫ちゃん缶詰の開け方知らないみたい」
P「え? ほんと?」
友紀「ほら、最近缶ジュースみたいにプシュッて開ける奴が多いから」
P「確かに、缶切り使う機会なんて滅多になくなったよなぁ……」
友紀「で、あたしのポッケに缶切りが入ってるわけだけど……」
P「なんで隠してんだよ……」
21 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:24:53.09 :sAEWiqgtO
友紀「……なんでだったっけ」
P「ほら、寄越せ」
友紀「ひゃわっ!? ちょ、どこに手ぇ突っ込んでるのさ!?」
P「ほら、これ使いな」
薫「あ、せんせぇ。……これ、なぁに?」
P「缶切り、缶詰を開けるやつ」
薫「……どう使うの?」
P「はい。とりあえず自分が思うように使ってみな」
薫「うぅん……? ここが尖ってるね?」
友紀「うん! そうそう!」
22 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:36:08.61 :sAEWiqgtO
薫「……えいっ!えいっ!」ガンッ!ガンッ!
珠美「あ、ちょ、ちょっと危ない……」
芳乃「ふむ、わたくしに貸してくださいませー」
薫「よしのちゃん、できるー?」
芳乃「この形を見るにー、この部分を引っ掛けてー」
友紀「おお……!」
芳乃「押す、のでしてー?」ググッ
P「おしい……」
友紀「押してダメならー?」
芳乃「引こうぞー」グッ
珠美「おお! これなら……!」
25 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:40:39.38 :sAEWiqgtO
芳乃「……ん?」グッ グッ
P「……!」
友紀「……!」
珠美「…………?」
芳乃「あかないのでしてー」
友紀「いや、使い方はあってるよ?」
薫「えー? じゃあなんでー?」
P「もっと力を込めないと」
芳乃「これが全力でしてー……」
P「ええー……」
27 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:46:32.61 :sAEWiqgtO
友紀「ほらプロデューサー、開けてあげたら?」
友紀「はいはい……。ほら、芳乃、貸してごらん」
芳乃「むー……。でも、どうにかわたくしの力をしるしてー……」グッグッ
友紀「ふむ、じゃあここは……。ゴニョゴニョ……」
芳乃「ほーほー……。なるほど……」
友紀「いけー! よしのんの魅力パワーで、いけー!」
珠美(あ、ネタバレ……)
P(どんな手でくるのやら……)
29 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:51:04.84 :sAEWiqgtO
友紀「ほらプロデューサー、開けてあげたら?」
友紀「はいはい……。ほら、芳乃、貸してごらん」
芳乃「むー……。でも、どうにかわたくしの力をしるしてー……」グッグッ
友紀「ふむ、じゃあここは……。ゴニョゴニョ……」
芳乃「ほーほー……。なるほど……」
友紀「いけー! よしのんの魅力パワーで、いけー!」
珠美(あ、ネタバレ……)
P(どんな手でくるのやら……)
30 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/14(木) 23:56:23.46 :sAEWiqgtO
芳乃「ねーねー、そなたー」
P「お、おう」
スッ…
芳乃「あけてー?」
P「」キュンッ
珠美「」キュンキュンッ
友紀(うまい! 両手で持った缶詰を突き出して、小首を傾げながら幼く振舞う……!プロデューサーに開けてっておねだりするように指示しただけなのに、こうも自分のものにするとは……!)
薫「わぁー! よしのちゃん! いまの、とーっても可愛かったよ!」
P「よ、よし! じゃあ俺に任せてみろな!」
31 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/15(金) 00:01:35.57 :g7sDfVVKO
P「……で、芳乃は右利きだろ? 左手で持つ時は引いて切るけど、危ないからちゃんと利き手で持とうな?」
芳乃「ふむ、そなたの仰ることはもっともでー」
友紀「プロデューサー左利きだったっけ?」
P「いや、右利きだけど……。さて、ほら、開いたぞ」
薫「やったー! やっとおやつだねー!」
P「ついでにもう一個開けてみんなで食うか! 友紀、取ってきてくれ」
友紀「りょーかい!」
32 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/15(金) 00:04:37.12 :g7sDfVVKO
P「缶詰は中に入ってるシロップも美味いよなー……。飲み過ぎたら絶対病気になるけど」
珠美「珠美はシロップ多めでお願いしますぞ!」
P「あいよ、つゆだくね」
珠美「言いかた……」
芳乃「そなたー、もう少し欲しいのでしてー」
薫「かおるも! かおるも!」
P「はいはい。やっぱ女の子は甘いの好きだなあ」
33 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/15(金) 00:13:06.28 :g7sDfVVKO
P「あ、友紀ー。今度は気を付け……」
ドスンッ!
P「ろ、って……。言わんこっちゃない……」
< うわあぁぁぁん……! 頭打ったあぁぁ……!
薫「んー! 甘くて美味しい!」
珠美「この濃い甘さに、普段の疲れが吹き飛ぶようで……」
芳乃「んむ……。甘露は乙女の燃料ぞー」
P「さ、俺も食うぞー。何年振りだろうなぁ、フルーツの缶詰食うの!」
< 誰か心配してよぉー! うわあぁーーん!
完
34 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/15(金) 00:20:49.59 :g7sDfVVKO
お付き合いありがとうございました。
さっきも言ったけど、右利きの人は押して使うんだったね……。一つ賢くなりました。
またネタが浮かべば、いつか。
ちなみに作者は右利きです。
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【SS速報VIP】姫川友紀「桃の缶詰」
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