1:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:32:26.77 :pN0EzqaX0
モバマスSSです。
P「なぁ…友紀」
友紀「うん、なに?」
P「なんで俺達、事務所で野球中継見てるんだろうな」
友紀「野球がやってるからでしょ」
P「俺の記憶だと友紀は休みだと思ったんだが」
友紀「一人で野球見るのは寂しいからね。いいじゃん減るもんじゃないんだし」
P「…巴はどうしたんだ?」
友紀「仕事だってさ」
P「そういや、そうだった」
友紀「だから暇だったんだよね」
P「そういうことか。俺はそろそろ出るからな」
友紀「あれ?どこに行くの?」
P「ちょっと家庭訪問にな」
友紀「あー、そう言えばこの間、巴ちゃんの家に行ってたね」
P「そうそう。あの時は寿命が縮んだなぁ…」
4:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:37:18.22 :pN0EzqaX0
友紀「それで、今日は誰のとこに行くの?」
P「とりあえず、沙紀の所に行く予定だよ。近いから日帰りで済むし」
友紀「沙紀ちゃんってどこの出身なんだっけ?」
P「神奈川県だな。電車で四十分やそこらで着くはずだ」
友紀「神奈川…ってことは浜スタでキャッツ対スターズが見れるんだね」
P「見れなくはないな」
友紀「行かないの?」
P「沙紀次第だな」
沙紀「何がっすか?」
P「お、沙紀お帰り」
沙紀「ただいま帰りましたっす。そういやアタシんちに来るんですよねプロデューサー」
P「その予定だけど、親御さんは平気だって?」
沙紀「はい。問題ないっす」
P「おう。それじゃ行こうか」
沙紀「了解っす!ってあれ、姫川さんも付いてくるんすか?」
P「え?」
5:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:39:24.13 :pN0EzqaX0
友紀「いやー、ほら、Pさん」チョイチョイ
P「あー、そう言えば沙紀は野球とか興味あるか?」
沙紀「野球?それなりに好きっすよ」
P「なんだか友紀が一緒に野球見たいらしんだよ」
沙紀「そうなんすか?それなら別にいいすけど」
友紀「本当?ありがとう沙紀ちゃん」
P「それじゃ、球場で合流でいいな」
友紀「あ、そうだね。巴ちゃんも誘えたら誘うよ」
P「分かった。それじゃ行こうか沙紀」
沙紀「了解っす」
6:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:42:37.66 :pN0EzqaX0
車内
P「ちなみに聞くけど、親御さんはどんな感じの人なんだ?」
沙紀「んーと、普通っすね」
P「そうか、よかったよかった」ホッ
P(実は……とか言われたら、また腹括らなきゃいけないところだった)
沙紀「なんすか、もう。てかあれっすね、なんか照れるすね」
P「照れる?」
沙紀「だって、男の人と一緒に両親に会いに行くってなんか…あれじゃないすか」カァァ
P「確かにそうかもなぁ…」
沙紀「その割には慣れてそうな顔してるっすね」
P「そりゃ、何人もアイドル担当してるからな。いちいち顔に出してたら親御さんに不審に思われるし」
沙紀「大変なんすねプロデューサーも」
P「可愛い子ばっかりだから色々な」
沙紀「そういう話じゃないっすよ。もう…。あ、次の交差点右っす」
P「あいよ」
沙紀「そんで、そこを真っ直ぐ行った所で、あっ!」
P「な、なんだなんだ!?」
沙紀「いや、ウチの家マンションだからどっか駐車場に止めなきゃいけないんすよ」
P「なんだそんなことか。とりあえず、走りながら探すか。もう家近いのか?」
沙紀「そっすね。あそこに見えるマンションなんすよ」
7:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:43:43.42 :pN0EzqaX0
P「あー、あそこか。それじゃ、ここの近くで探すか…」
沙紀「あ、思い出したっす。多分ここをもうちょっと行った先にコインパーキングがあったはずっすよ」
P「お、本当か。そこに止めるか」
沙紀「あードキドキしてきたっ」ソワソワ
P「そんなに緊張するなって。ただ説明しに来ただけだからさ」
8:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:48:43.29 :pN0EzqaX0
沙紀宅
沙紀「ただいまー。ど、どうぞプロデューサーさん」
P「失礼します」
沙紀父「どうもわざわざこんな所に。いつも沙紀がお世話になってます」
P「いえいえ。こちらこそ、沙紀さんの元気にいつも助けられてますよ」
沙紀「…っ!」カァァ
沙紀父「お世辞を真に受けるなって。まぁ。とりあえず中にどうぞ。お茶も用意してあるんで」
P「わざわざ、すみません。あの、これつまらないものなんですがこの間広島に行ってきまして…」
沙紀父「わざわざご丁寧に。今、家内は出かけてますが少ししたら帰ってくると思いますから」
P「はい。それでは」
9:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:50:52.69 :pN0EzqaX0
P「改めまして吉岡沙紀さんのプロデューサーをやっていますPと申します。今回は近況報告にと参りました」
沙紀父「わざわざありがとうございます」
沙紀「アタシも最近テレビとかライブとかで有名になってきたんだよ」
沙紀父「確かに近所歩いてると声掛けられるよ。沙紀ちゃん可愛くなったなって。親の冥利に尽きます」
P「そう言って頂けるとプロデューサー冥利に尽きます。あ、これ今度、沙紀さんが出るライブのチケットです。
今回はステージのデザインを沙紀さんが手伝ったものなんですよ」
沙紀「ちょ、ちょっとプロデューサーってば…うう。恥ずかしいなぁ」カァァ
沙紀父「これはこれはご丁寧に。今度時間が合えば家内と一緒に行きたいと思います」
P「えぇ、是非そうしてやって下さい」
沙紀父「さて、お話も済みましたが、プロデューサーさんはこれから何かご予定が?」
P「そうですねぇ…」
沙紀「これからアタシとアイドルの友達と野球見に行くんだよねプロデューサーさん?」
P「そ、そうだな」
沙紀父「なるほど。そうですか。プロデューサーさんとお酒が飲めないのは残念ですが、沙紀がいい友達にも恵まれてるみたい良かったです」
10:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:53:42.82 :pN0EzqaX0
沙紀「お父さん…」
沙紀母「ただいまー…って誰か来てるんですか?」
P「あ、御無沙汰してます。プロデューサーのPと申します」
沙紀母「あ、そう言えば今日でしたね。すみません会合に出なきゃならなくてですね」
P「いえいえ、お構いなく」
沙紀母「そんなこと言わずに。沙紀も来て貰って嬉しそうですし」
沙紀「な、なに言ってんの」
沙紀母「あら、昨日慌てて掃除してたじゃない」
沙紀「うぅ…」カァァ
P「あはは…」
沙紀母「今お菓子出すんで食べていってくださいな」
P「はい。ありがとうございます」
11:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 15:56:28.93 :pN0EzqaX0
――
―
沙紀「そ、それじゃ、アタシ出掛けてくるから!行くっすよプロデューサーさん!」
P「お、おう。それでは失礼します。これからもプロデュースさせて頂きますのでよろしくお願いします」
沙紀母「少し素直じゃない子かもしれませんがお願いしますね」フフフ
12:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:00:10.19 :pN0EzqaX0
車内
沙紀「全く酷い目にあったっす…」
P「いい親御さんだったじゃないか」
沙紀「そうっすか?どうも…っす。しかし、今から野球っすね」
P「そうだな」
沙紀「アタシ、球場って一回しか行ったことないんすよね。お父さんに連れられて一回だけ。でも、その時すっごい輝いてた記憶があるんすよね」
P「選手が?」
沙紀「んー、なんて言うか球場全体が一体になってる感じで。今思うとライブに似てるって気がするっすね」
P「言われてみればそうかもな」
沙紀「野球選手の名前はあんまり分からないっすけど、プロの仕事ってのを見る良い機会っすよね。自分の表現の幅も広がると思うんだっ!」
P「…そうだな。それじゃ、このまま向かうけど寄りたい所とかあるか?」
沙紀「別にいいっすよ。待たせちゃ悪いっすからね」
P「それじゃ、友紀に電話してくれないか?」
13:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:02:08.15 :pN0EzqaX0
沙紀「了解っす」ピポパ
沙紀「あ、もしもし、姫川さん?そうっす。今どこっすか」
友紀『え?うーんと今ハマスタの前にいるよ』
沙紀「は、早いっすね」
友紀『そうでもないって。あ、どのくらいで着きそうなの?』
沙紀「あ、プロデューサーさん。あとどれくらい着きそうっすか?」
P「そうだなぁ…。あと二十分くらいか」
沙紀「20分くらいだそうっす」
友紀『分かった。巴ちゃんと待ってるから早くきてって言っといて』
沙紀「分かったっす。あ、プロデューサーさん巴ちゃんも来るみたいっすよ」
P「お、巴も来るのか。友紀が先に入ってないか心配だな…」
沙紀「はは…流石にないと思うっすよ」
14:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:05:31.18 :pN0EzqaX0
球場
沙紀「お、いかにもって感じな球場っすね!」
P「だよな。それに駅から近いしここって便がいいよな…。さてと、友紀はどこにいるのかな…」キョロキョロ
友紀「あ、Pさんこっちこっち」
巴「おうP。今日はナマーズのファンじゃなくてもええよ」
友紀「ってことは巴ちゃんと一緒にキャッツファンに…!」
巴「誰がキャッツなんかに。って吉岡さんもいたんじゃったな」
沙紀「うん。こんにちは」
巴「P、今日は、吉岡さんの家に行ったけ?」
P「そうだよ」
巴「なるほど。吉岡さんはスターズファンやけんな…。よし、今日はウチもスターズの応援したるわ!」
沙紀「え?え?」
友紀「えー、折角巴ちゃんの分のユニフォームまで用意したのにー」
巴「…ちなみに誰のユニフォームけ?」
友紀「え?江角だよ」
P(やっぱり、ナマーズから移籍した選手か…)
15:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:12:43.35 :pN0EzqaX0
巴「そ、そんなもん着るわけないじゃろうが!」
沙紀「と、とりあえず皆入ってから話合わないっすか?」
友紀「そうしたいのは山々なんだけどね…」
巴「うちはキャッツ側じゃ見たくないんじゃ」
P「分かった。分かった。今日は俺が奮発するからバックネットな」
友紀「ホント?」
巴「ホントかP?」
沙紀「えーと凄いのそれ?」
友紀「うん。一番いいとこだよ!」
P「まぁ、こんな機会滅多にないだろうしな」
16:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:21:58.58 :pN0EzqaX0
ウグイス嬢「大変長らくお待たせいたしました。ただ今より、スターズ対キャッツ六回戦を始めたいと思います」
巴「お、始まったでP。ウチの予想だと7-5でスターズやな」
P「乱打戦にはなりそうだな」
沙紀「ノーガードってかっこいいすよね!」
友紀「ただ、単にピッチャーがいないんじゃ…」
ウグイス嬢『続きましてー、バッターは二番センター松木』
友紀「さぁ、頑張っちゃってー!いけいけキャッツ!」
17:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:27:16.22 :pN0EzqaX0
*
友紀「いやー、まさか初回から五点も貰えるなんてね。これは余裕かもしれないね。あはは。お姉さんビールお代わり」ツヤツヤ
沙紀「いきなり五点差すか…」ガックシ
巴「ぴ、P。予想を変える必要がありそうじゃ」
P(浦田もなにも古巣相手にホームラン打たなくても…守備の人って言われたの根に持ってたのか…?)
カキーン
P「ん?」
沙紀「やったっすよプロデューサー!バレンコがツーランっす!」
P「お、さす――」
カキーン
沙紀「また行ったー!」
巴「こりゃたまげたもんじゃ…。流石プロじゃのお…」
友紀「あちゃー。三点も取られちゃったかー。でも、まぁ平気だけどね」
P「友紀、唇が引き攣ってるぞ」
友紀「そ、そんなことないって!まだまだこれからだって!」
18:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:29:20.69 :pN0EzqaX0
六回表
友紀「さぁさぁ、フォアボールでランナー出たし、そろそろ点が欲しいなぁキャッツ」
沙紀「ここが正念場っすね。頑張れー!」
巴「ウチもキャッツが打てないように念を送っとくけぇ」
友紀「よっしゃー!頑張って亀兎ー!」
カキーン
友紀「やったー!欲しかった六点目だよ。we are キャッツ! やったよPさん!」ギュウ
P「っていきなり何してくるんだよ友紀!」
友紀「あ、ごめんごめん。つい癖で」
巴「抱き着く癖は直した方がええね」
友紀「なに言ってんのさ。自分だって抱き着いてた癖に」
巴「なっ…」カァァ
沙紀「そうなんすか?巴ちゃん」
巴「そ、そんなことないけぇ。なぁP?」
友紀「いや、Pさんに聞かなくてもこの間ナマーズ勝った時抱き合ってたじゃん」
巴「そ、そうじゃったかのぉ?」
ウグイス嬢「バッター、ムールトンに代わりまして…矢田」
友紀「おー!頑張れ矢田ー!」
巴(助かったけぇ…)フゥ
カキーン
沙紀「あぁ!」
友紀「きたきたきたぁ!」
巴「な、なんじゃなんじゃ!?」
友紀「今、矢田が二点タイムリー打ったんだよ!」
P「8対3かぁ…キツイなぁ」
20:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:32:06.07 :pN0EzqaX0
沙紀「流石にキツイっすかねぇ…。ちょっと気分転換にみかん氷買ってくるっす」
巴「あ、ウチも行くんじゃ」
P「いや、巴が行くなら俺が行くよ。三人分でいいか?」
巴「なんやP、ウチは子供じゃないけ」
P「この人ごみだと万が一があったら困るからな」
巴「そ、そうけ。なら、しょうがないけぇ頼んだP」
沙紀「ってなんで三人分?」
P「友紀は要らなそうじゃないか?さっきからビールばっかり飲んでるし」
沙紀「あ、確かにそっすねぇ。それじゃ急ぎましょ」
23:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:35:04.71 :pN0EzqaX0
P「あ、すみません。みかん氷三つ下さい」
店員「三つね。了解。はいどうもー」
P「どうも。あ、沙紀。一つ持ってくれ」
沙紀「了解っす。…なんかこういうのもいいっすね」
P「そりゃよかった」
沙紀「なんか学園祭とは違ったワクワクがあるっす!」
P「そういや、学園祭は盛況だったな」
沙紀「あれは、Pさんのおかげっすよ!Pさんの言った通りにしたら上手くいったわけですし…」
P「いや、あれは、沙紀の看板のおかげだろ」
沙紀「へへっ、そう言って貰えると嬉しいっす」
P「さて、溶ける前に持っていかなきゃな」
沙紀「そうっすね!」
24:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:38:55.65 :pN0EzqaX0
ワーワーワー
P「一体どうしたんだ?」
巴「七回表に坂上とロータスがホームラン打ったんじゃ」
友紀「あははー。もうこれは勝ったんじゃないかなー」ニコニコ
P「友紀、だらしない恰好はするなよ?」
友紀「平気平気。まだそこまで酔い回ってないから」
巴「しかし、10-3とはワンサイドになってしまったのぉ…」
沙紀「ま、まだ分からないっすよ!」
ウグイス嬢「七回の裏スターズの攻撃、バッターは代打赤崎」
ワーワー
25:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:41:12.71 :pN0EzqaX0
――
―
友紀「……」
巴(さっきまであがぁに煩かった友紀さんが黙っとぉ)
沙紀「ここからいくっすよ!」
P「いけいけ!ここまで来たら逆転だ!」
カキーン
沙紀「来たー!」
友紀「ま、マシンガン打線だ…。これは悪夢だよねPさん?」
P「友紀、現実を見よう」
友紀「ま、まぁ、まだ10-9だし。中里を三振で抑えたからもう平気だもんねっ!」
巴「しかし、この勢いは脅威じゃけぇ…ナマーズの当たる時は勘弁してもらわんと」
沙紀「プロデューサーさん!もしかして勝てるんじゃないかな?」
P「そうかもな」
26:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:49:39.13 :pN0EzqaX0
九回裏
友紀「や、やっとここまで来た…。抑えは北村だから平気だね…」フゥ
P「そうだといいな。おっ、打った、あら、ファールかぁ…え?フェア?」
ドヨドヨ
巴「アピールで判定を変えたのぉ…」
沙紀「あ、監督さんが出てきたっすね!」
友紀「そんなことしてないで、ファールでいいから早く終わらせようよぉ…」
P「結局判定はフェアか。スターズこれで苦しくなったな」
沙紀「それでも、あそこまで出てきてくれた監督を見て奮起しないプロはいないっすよ!」
P「そうだな…」
――
―
巴「吉岡さんの言った通りになったのぉ…」
巴(一打逆転で、今日一軍に登録されたばかりの多田けぇ、さっきもホームラン打っとるし…もしかして)
友紀「抑えて抑えて…北村。神様仏様北村様。お願いだから…」
カキーン
友紀「えっ…」
巴「おー、こりゃ…」
沙紀「入ったー!」
オーオー
オーオーオーオーオ ヨーコハマ ハマスターズー
P「稀に見る逆転劇だったな…」
友紀「うわーん。Pさーん」ダキッ
P「ど、どうした!?」
友紀「キャッツ負けちゃったよー。しかも終身名誉監督がいる前で」シクシク
P「はいはい。よしよし」ナデナデ
友紀「うう…国民栄誉賞授与の時はナマーズだったから勝てたけど…」
巴「さり気なくナマーズを貶すのは止めるけ…」
27:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:53:10.85 :pN0EzqaX0
P「巴。とりあえず、タクシー手配するから友紀と一緒に帰ってくれないか?」
巴「分かったんじゃ」
P「沙紀は俺が家まで送るよ」
沙紀「あ、ありがとうございまっす」
友紀「Pさーん。今日は飲みたいよー」
P「はいはい。寮にきっと飲みたがりがいるだろうからそっちを当たってくれ」
友紀「うう…」メソメソ
P「…分かった。帰りそっち寄るからその時な」
友紀「さっすが、Pさん話が分かるね」
P「とりあえず、ここから出てタクシー捕まえるか。友紀立てるか?」
友紀「勿論。あー、よく考えたらスターズの監督も元キャッツだから、キャッツの勝ちだね!」
巴(なんちゅう理論じゃ…)
P「巴、忘れない内にお金渡しとくな。万が一足りなかったら寮の誰かに借りてくれ」
巴「おう、分かったわいね」
29:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 16:58:17.82 :pN0EzqaX0
球場外
P「それじゃ、巴頼んだぞ」
巴「任せるんじゃ。それじゃあの」
P「さて、沙紀も帰るか」
沙紀「そ、そうだね!」
車内
P「さて、俺達も帰るか」
沙紀「あ、あのちょっとわがまま聞いて貰ってもいいっすか?」
P「ん?どうした?」
沙紀「ちょっと行って貰いたい所があるんすけど」
P「分かった。どこだ」
沙紀「どうもっす。えーとここを右に曲がって――」
30:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 17:01:30.70 :pN0EzqaX0
公園
P「ここでいいのか?」
沙紀「ここでいいんすよ。ちょっと歩かないすか?正直さっきの興奮が冷めてないんすよ。へへっ」
P「そうだな。俺もまだ冷めてない」
沙紀「ここってあれっすよ。夏になると花火を打ち上げるんすよ」
P「あ、ここなのか」
沙紀「そうっす。プロデューサーも機会あれば見てみるといいと思うよ」
P「そうだな。時間があればな…」
沙紀「…一つ質問いいすっか?」
P「ん?いいぞ」
沙紀「なんで、アタシがアイドルに向いてると思ったの?」
P「んー、勘だよ」
沙紀「か、勘すか…」
P「直感だな。後は、自分が好きなことを一生懸命に笑顔でやっている姿がかっこよかったからかな」
沙紀「その、なんて言うんすかねー。あははは」ポリポリ
31:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 17:05:16.51 :pN0EzqaX0
P「逆にどうして沙紀はアイドルをやり始めてくれたんだ?」
沙紀「勘っすよ。へへ」
P「そ、そうか…」
沙紀「あ、冗談っすよ。でも、アタシも直感すね。アートで鍛えた感性にビビってきたんすよ」
P「なるほどなぁ」
沙紀「今思うとアタシの直感も捨てたもんじゃないなって思うっす。だって、その…Pさんといると安心できるんすよね」
P「俺も沙紀をスカウトして良かったと思ってるよ」
沙紀「へへ。どうもっす。あ、Pさん月が綺麗っすよ!」
P「お、そうだな」
沙紀「Pさん、あの、一ついいすか?」
P「なんだ?」
沙紀「い、今は月しか見てないっすからその、もっとPさんに甘え――やっぱなしっす!いやー五月なのに暑いっすねぇ!」
沙紀「それじゃ帰りましょうか!あんまり遅いと親も心配するんで」アハハ
32:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 17:08:11.28 :pN0EzqaX0
車内
P「あ、沙紀。俺も少し寄る所があるんだが」
沙紀「いいすっよー」
P「ありがとな。ちょっと出てくる」バタンッ
沙紀「はーい…はぁ、さっきはヤバかった」ポッ
沙紀(なんでいきなりあんなことを言い出したんだアタシは…)
P「ただいま」
沙紀「は、早いっすね!」アタフタ
P「まぁ、大したもんがなかったし、沙紀も早く帰さないといけないしな」
沙紀「まだ十時半すけどね」
P「もう、大分遅いだろ。はい。これ」
沙紀「はい?これ、ケーキ?」
P「ちょっと遅れたけど誕生日おめでとう。さっき思い出したから大したもの用意出来なくてごめんな」
沙紀「あー、なるほど。祝ってくれて嬉しいっす!これからもよろしくお願いします」
P「今度ちゃんとしたの用意するからな」
沙紀「いや、いいっすよ!もう、アタシは色んなモノを貰ってるんすから…」ニコッ
33:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 17:09:55.61 :pN0EzqaX0
P「それじゃ、ちゃんと寝ろよ」
沙紀「Pさんもっすよ」
P「おう。それじゃあな」
P「さて、巴たちは無事着いたのかな。電話してみるか」
P「あ、巴か?平気だったか?」
巴『問題ないけ。友紀さんはそのまま水木さんとかとお酒飲み始めてしまったんじゃが…』
P「それは放っておいてもいいよ。ありがとな巴」
巴『礼には及ばんよP。それじゃあの』
P「さて、俺は水木さんがなんとかしてくれてるみたいだし帰るかな…」
P(しかし、今日はバックネット裏で見たからテレビ中継に映ってたかもなぁ…。一応アイドルが三人もいたわけだし)
P「ちひろさんに怒られないかな…」
34:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 17:17:34.00 :pN0EzqaX0
女子寮
友紀「それでね。北村が打たれちゃったんだよ」
聖來「あーうん。そうなんだ」
友紀「うん。勝ったと思ったのに…」グビグビ
聖來「あはは…」
聖來(長そうだなぁ…今日は私そこまで野球詳しいわけじゃないんだけど。むしろサッカーなら話せるけどね)ハァ
友紀「聞いてる?」
聖來「はいはい。聞いてます聞いてます」
聖來(Pさんめ…覚えときなさいよっ!)
35:◆RfwyoP3XQY:2013/05/19(日) 17:19:52.44 :pN0EzqaX0
おしまいです。
あの試合は是非球場で見たかったですね。
ちなみに吉岡沙紀は誕生日が5月8日です。
元スレ
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