1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 22:55:19.17 ID:T0PFOIqlo
P「はぁ……」
P「どうするかなぁ……どうすればいいんだ……」
P「どんなふうにプロデュースしたら、李衣菜をロックなアイドルにしてやれるんだろう……」
P「そもそもロックってなんだ……? 一体、なにをもってしてロックと言うんだ?」
P「うーん……分からない」
P「ロック……ロックンロール……ロックロック……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377870919
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 22:57:46.28 ID:T0PFOIqlo
P「あ、そういえば」ティン
P「ロックンロールってスラングで性交の意味だったな……」
P「性交……性欲……性癖……」ブツブツ
P「…………俺の性癖は太もも萌え」
P「……よし」ガタッ
P「か た ぐ る ま だ !」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:01:04.70 ID:T0PFOIqlo
次の日、事務所―――
がちゃっ
李衣菜「おはよーございまーす!」
P「おう、おはよう李衣菜!」
李衣菜「あ、プロデューサー。はい、おはようごz……って」
李衣菜「なんで背中向けて屈んでるんですか?」
P「肩車だ」
李衣菜「え?」
李衣菜「……え?」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:02:49.66 ID:T0PFOIqlo
P「もう一度言う、肩車だ!」
李衣菜「え、いや……肩車ですか? なんで――」
P「俺はな、李衣菜」
李衣菜「へ? は、はいっ」
P「……俺は、李衣菜をトップアイドルにしてやりたいんだ。どんなことをしても!」
P「だから、たくさん考えた。たくさんたくさん……李衣菜にしてやれることを」
李衣菜「プロデューサー……」ジーン
P「だから、李衣菜を肩車したい」
李衣菜「ごめんなさい、意味分かんないです」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:06:14.71 ID:T0PFOIqlo
―――
ちひろ(おはようございます。千川ちひろです)
ちひろ(朝出社したら、プロデューサーさんが担当アイドルに背を向けて懇願していました)
ちひろ(……肩車させてくれ、と)
ちひろ(訳が分かりませんでした)
ちひろ(押しに押された李衣菜ちゃん。結局プロデューサーさんにまたがってしまいました)
ちひろ(そして、そのまま……)
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:09:21.71 ID:T0PFOIqlo
―――
P『おおお、おおおおお! 李衣菜、李衣菜の太もも! おほほおおおおおっ!』スリスリスリスリ
李衣菜『あああそんなすりすりしないでっ、あ、あはははくしゅぐったははははは!』
P『うおおおおお! 李衣菜ぁ! このまま営業行くぞおおおおお!!』
李衣菜『えっちょ、えええ!? ま、待って待って! はず、恥ずかしいですってぇ!』
P『いや、この羞恥心を耐えればきっとロックになれる! 俺のプロデューサー魂がそう言ってる!』
李衣菜『行きます!!』キリッ
P『いい返事だ! 行くぞっ、しっかり掴まってろ!』
李衣菜『はいっ!』ギュッ
P『うほおおおおん李衣菜のすべすべ内ももおおおん!! じゃあちひろさん、行ってきまーす!』
李衣菜『まーす!』
ちひろ『あ、はい』
だだだだっ がちゃっばたーんっ
―――
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:10:11.88 ID:T0PFOIqlo
ちひろ(……というわけです)
ちひろ「はぁ……どうしましょ、今日の打ち合わせ……」
―――
――
―
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:11:56.40 ID:T0PFOIqlo
駅前通り―――
がやがや……
ざわざわ……
「うわ……なんだあれ、見てみろよ」
「女の子を肩車して……変な人」
「わからないわ」
李衣菜「……あの、プロデューサープロデューサー?」
P「どうした李衣菜。高いところから見る街は、また違って見えるだろう?」テクテク
李衣菜「や、そうじゃなくて……やっぱり恥ずかしいですよぅ……」モジモジ
P「はふぅん、もちもち太ももぉ……おぉん……」
李衣菜「き、聞いてます?」
P「……はっ!? 聞いてる聞いてる、大丈夫だ」
李衣菜「ならいいですけど……」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:13:39.08 ID:T0PFOIqlo
P「それで、恥ずかしいって?」
李衣菜「あ、当たり前ですよ! こんな公衆の面前で肩車なんて……」
P「はっ、そんなんじゃロックなアイドルになんてなれっこないな」
李衣菜「なっ!?」
P「当然だ。こんなことで恥ずかしがって、なにがロックだよ。まったく……」
李衣菜「う、うぅ……でも、でもぉ……!」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:15:04.34 ID:T0PFOIqlo
P「李衣菜、根性見せろ。顔を上げて、周りを見渡してみるんだ」
李衣菜「周りを……?」
P「そうだ。今、李衣菜は世界の中心にいる。ここならお前の声はどこまでも届く」
P「私はここにいるんだーって、叫んでみろ! 大丈夫、俺もついてるから」
P「お前を信じてるよ、李衣菜!」
李衣菜「プロデューサー……!」
ちひろ(でも街なかで女の子を肩車してる変態なんですよね……)←心配でついてきた
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:16:53.41 ID:T0PFOIqlo
李衣菜「……分かりました! 私、やります!」
ちひろ(やっちゃうんだ……)
P「いい返事だ!」
李衣菜「ここで、プロデューサーの頭の上で! やってやりますよ!!」
P「おう! 一発かませ、李衣菜!!」
ちひろ(あーあーあー……私どうなっても知りませんよ……)ハラハラ
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:18:24.33 ID:T0PFOIqlo
わいわい……
がやがや……
「なんだなんだ?」
「あの人たち、なんかやるみたいだけど……」
「つか、なんで肩車?」
李衣菜「――皆さんッ! 聞いてください!!」
李衣菜「私の名前は! 多田李衣菜ですッ!!」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:19:59.26 ID:T0PFOIqlo
「りーな? 聞いたことあるような、ないような」
「あー……あのアイドルの?」
「え、アイドル!? ……アイドルがなんでおっさんにまたがってんの?」
「いや知らねーけど」
李衣菜「私はいずれ、すっっっごくロックなアイドルになってみせます!」
李衣菜「見ててください! 退屈なんてさせません!!」
李衣菜「どんなふうに思われてもいい!」
李衣菜「どんなに笑われても! どんなに貶されても!」
李衣菜「私はッ!!」
李衣菜「夢を!! 諦めませんッ!!!」
P(あっやべ、李衣菜が叫ぶたびに太ももに挟まれて幸せだわ……ちょっと汗に濡れてしっとり……ぬふぅ)
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:21:30.99 ID:T0PFOIqlo
李衣菜「はぁっ……はぁ……っ」
……ぱち
ぱち ぱち
ぱち
ぱちぱち……
李衣菜「……!」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:23:36.33 ID:T0PFOIqlo
「……すげぇ」
ぱちぱちぱち!
「多田李衣菜ちゃんか……覚えとこ」
「いい声だったなー」
ぱちぱちぱちぱち!
「頑張れよー! 応援するぞー!」
「あんたのロック感じたぞ!」
「だからなんで肩車なの?」
わぁぁぁああああ……!
李衣菜「あ……!」
李衣菜「ありがとう、ございますっ!!」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:25:44.75 ID:T0PFOIqlo
李衣菜「プロデューサー! 私、私っ! やりました!」ムギュッ
P「うっ。……ふぅ」
P「……ああ、よくやった李衣菜。これでお前も、トップアイドルの階段を登り始めたんだ」
李衣菜「はいっ! プロデューサーのおかげです、ありがとうございます!」
P「はは、まだまだ感謝するには早いぞ。もっともっと精進しなきゃな。ついてこれるか?」
李衣菜「もちろんです! プロデューサーに一生ついていきますからっ」
P「おー、言ったなこいつめー」
李衣菜「えへへー♪」
ちひろ(なんでちょっといい話ふうになってるのかしら)
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:26:45.03 ID:T0PFOIqlo
―――
――
―
ちひろ(これが後に、『ロックアイドル誕生秘話』として語られる出来事です)
ちひろ(当時は無名に毛が生えた程度の知名度だった李衣菜ちゃん……)
ちひろ(しかしその名は、またたく間に日本中に轟いたのです)
ちひろ(そして……)
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:28:16.83 ID:T0PFOIqlo
―――
P「李衣菜! 新しい仕事がきたぞ!」
李衣菜「ホントですかっ? へへ、じゃあさっそく行きましょう、Pさん!」
P「よしきた!」スッ
李衣菜「んしょ、んしょ」ヨジヨジ
P・李衣菜「よしっ!」ガシーン
ちひろ(なぜかプロデューサーさん込みで仕事がくるようになりました)
ちひろ(……ひとつ訂正です。『ロックアイドル誕生秘話』ではなく……)
ちひろ(『肩車アイドル誕生秘話』、でした)
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/30(金) 23:30:02.77 ID:T0PFOIqlo
P「それじゃ、ちひろさん。俺たち仕事に行ってきますね!」
李衣菜「行ってきまーすっ」
ちひろ「はいはい、いってらっしゃーい」
がちゃ ばたんっ
ちひろ「……どうしてこうなったんでしょう……」
P「でゅひょひょひょ、李衣菜の太もも気持ちいいなーうへへへ」グリグリペロペロ
李衣菜「もーっ、くすぐったいって言ってるじゃないですかぁ♪」
P「あれ、そういえばロック……ま、いっか!」
おわり