1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 02:28:09.48 ID:ViIBlVQ60
カリカリ カリ カタカタカタ
P「……んーっ、そろそろひと段落、かな」
(時計、まだ次の仕事までは余裕があるな、うん)
P「アーニャは…」
アナスタシア「………」ジーーッ
P(テレビ、ニュース番組か…)
キャスター『…次のニュースは……』
アナスタシア「………」
P「…ん?」
(なんだろう…いまなんとなく、アーニャがガッカリしたような)
アナスタシア「…あっ」
P「ん」
アナスタシア「仕事、終わりましたか?…プロデューサー…」
P「とりあえずな」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 02:51:33.11 ID:tW3AGFZc0
P「なあアーニャ」
アナスタシア「…はい?」
P「その、なにか心配ごととか無いか?」
アナスタシア「?…なぜですか?」
P「…まあ、なんとなく…アーニャの背中がしょげてたから聞いてみただけなんだが」
アナスタシア「……ぇ?」
P「…どうだ?」
アナスタシア「…………………」
P「……」
アナスタシア「…………………………………………………」
P「……」
アナスタシア「………いいえ、とくに無い、です」
P「そ、そうか…」
アナスタシア「……」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 03:13:26.24 ID:fnbBlnRw0
アナスタシア「…プロデューサー、次の仕事まで…どれくらいでしょう?」
P「んー、時間にはまだ余裕があるな」
アナスタシア「…そうですか」
P「んーーー、夕飯食いそびれたな…」
アナスタシア「…そうですね」
P「なんだ?アーニャも食べてないのか?」
アナスタシア「あぁ、えっと…待っていたら、その…うっかり?」
P「そっか、じゃああれだ…予定より早いけどもう出発して、どこかで軽く食べてくか?」
アナスタシア「…はい、そうします」
P「んじゃ、支度してくれ」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 03:28:06.00 ID:IpGNO8RM0
ゴソゴソ ゴソ
P「…なあアーニャ」
アナスタシア「?」
P「その、それはどうしたんだ?」
アナスタシア「えっ?…ああこれは、カツラ…ウィッグです」
P「いやそれは分かるんだが…どうした?急に」
アナスタシア「いえ、これはシューコに勧められて…借り物です」
P「シューコ、周子に?」
オナカスイターン♪
アナスタシア「はい、変装にはこれが必要だ、と…やはり髪が白いのは目立つそうなので…」
P「あー、確かに周子もな…あいつのあれは地毛だっけか?
アナスタシア「さあ…どうでしょうか」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 03:38:29.12 ID:uz+C5GNE0
アナスタシア「よいしょ…よいしょ」ゴソゴソ
P「準備いいか?」
アナスタシア「はい、バッチリです」
P「よし、もう鍵かっちゃうから忘れ物ないように」
アナスタシア「分かりました」
ガチャ
P「…つっ、ふぅ…やっぱりまだ夜は冷えるな」
アナスタシア「はい、そうですね」
P「北海道やロシアは、きっとここよりももっと寒いんだろうな…」
アナスタシア「っ…ダー……でもどうでしょう、北海道は広いから…結構まちまちかも」
P「…?」
アナスタシア「どこもかしこも雪だらけ、というわけでもありませんし…夏も、内陸は暑いですよ?」
P「…ん?…そ、そうか」
アナスタシア「はい…そうです」
P「……」
アナスタシア「……」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 03:48:09.42 ID:J4JtWdop0
P「それで、何か食べたいものはあるか?流石にロシア料理の店は知らないけど、それ以外なら大体は」
アナスタシア「そ、そうですね……そう、えとこの後はラジオの収録でしたよね?」
P「ああそうだ」
アナスタシア「それじゃあ、軽い…うどんかソバがいいです」
P「分かった、確かあそこの店ならこの時間でもだいじょぶだったはず…」
アナスタシア「……ふぅ」
P「……?」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 04:13:05.86 ID:MWEyej3u0
~定食屋~
P「……それでな、真相はロシアの航空戦艦が日本の湖に着水したってことなんだよ」
アナスタシア「フフッ…Но、あ…しかしでもそんなこと、あっちの歴史でも…習いませんでしたよ」
P「そっか、まあ当たり前だよな…こんな荒唐無稽な話は」
アナスタシア「ダー、えっと…その、そういう技術的な面ではドイツや、日本のほうが盛んじゃなかったかと…」
P「まあ、戦時中は確かに空飛ぶ戦艦の構想はあったらしいけど、実現したなんてのはどこも聞いたことないしな」
アナスタシア「ダ、ダエータ ター…じゃなくて、そういう話なら聞いたこと、あります…ね」
P「ん?」
アナスタシア「……」
P「…んーー?」
アナスタシア「あ、あはは…は」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 04:18:53.89 ID:f/iWyH/Z0
P「…なあ」
店員「はい、ご注文のきつねうどんお待ちどうさまです」
アナスタシア「はい…こっちです……いただきます」
P「…むぅ」
アナスタシア「ふー…ふー…」チュルル
P「…なんか」
店員「カツ丼のお客様、お待たせしましたー」
P「あ、はいどうも…」
アナスタシア「…」モグモクモグモク
P「……」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 04:21:46.45 ID:4d6JfoXV0
アナスタシア「…プロデューサー、うどん…半分食べませんか?」
P「ん?…じゃあ貰うかな、あんまり腹に入れすぎるのも喋るには差し支えるだろうし」
アナスタシア「はい、あとお揚げも」
P「おお、ありがと」
アナスタシア「…はい」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 04:35:16.99 ID:2Lcgrs9/0
~~
P「ふう、食ったくった…満腹まんぷく」
アナスタシア「はい、それにだいぶ体が温まりました…」
P「ん、んじゃあタクシー呼ぶから…とりあえず通りまで出よう」
アナスタシア「はい、そうですね」
P「……」
アナスタシア「……」
P「…んーーーー」
アナスタシア「なん、でしょう?まだなにか…?」
P「いや、やっぱなにか引っかかるよなーって」
アナスタシア「…そうですか?別に普段通りですけど」
P「…だよなぁ」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 04:46:05.35 ID:3gIZrGrK0
P(タクシー、うどん、カツ丼…幽霊軍艦、ロマノフ朝…は関係ないか)
アナスタシア「…?」
P(かつら、周子、夕御飯…ラジオ、ニュース…う~ん…)
アナスタシア「プロデューサー?…なにか悩みでも、あるのですか?」
P「ん~、いや…なんとも…実はアーニャって」
アナスタシア「……はい?」
P「ロマノフ朝の、生き残りだったり?」
アナスタシア「えっ?あれは名前が同じなだけですよ?」
P「…まあ、だよな…うん」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 05:17:24.19 ID:enspd2MS0
アナスタシア「どうしたんですか?さっきから…なんだか様子が、変ですけど」
P「そ、そうか?…でも変といえばアーニャだってそうじゃないか?」
アナスタシア「…私?」
P「ああ、さっきから明らかにいつもと違うぞ、どうした?」
アナスタシア「……そんなに私、表面にでてましたか?」
P「…まあ、なんとなくだが」
アナスタシア「…クスッ、どっちなんですか、プロデューサー」
P「こっちとしてもハッキリ原因がな…何かあるのか?」
アナスタシア「…………ぇと、ほんの…些細なことなんです、明確に不安とか、そういうのではなくて」
P「……はぁ、それは人には言えないことなのか?」
アナスタシア「…ニェート、相談する必要もないというか、昔の話です」
P「…それは、いつぐらいのことなんだ?」
アーニャ「ダー、…ヤー プリショール …えと、ヤポニヤ…その、日本に来る前のことです…」
P「……」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 05:34:41.58 ID:fnbBlnRw0
アナスタシア「…2008年、8月…私が日本に移り住む少し前のことです…あの頃ロシアでは戦争がありました」
P「…あっ、そうか」
アナスタシア「…ええ、ある日の朝、両親がやけに慌てた様子だったのを、今でも鮮明に思い出せます」
P「…家は、戦火が近かったのか?」
アナスタシア「いいえ、家はロシアの東側の方だったので…でも、両親…とくにパパはやたらに気にしていたようで…」
P「もしかして、それがきっかけで…?」
アナスタシア「……さぁ、それで日本に移り住むかを決めたのかは、まだ聞けていません」
P「…そうか」
アナスタシア「なんとなく、この話題は避けるべきなんだと、思いますから…」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 05:52:16.82 ID:sYJa+EpX0
P「なるほど、最近のウクライナのニュースを見てて、そのことか気にかかる事が増えたと…」
アナスタシア「はい、でも…日本のニュースでは、あまり詳しくは伝えませんね、番組のほんの数分ほど…です」
P「…まあ、どこぞの言葉を借りるなら”この国は平和だにゃ~”ってことなんだろうな、多分」
アナスタシア「フフッ、そんなおかげで…私も、こうしてアイドルをやれているということなのでしょう…ね」
P「むぅ、それは…ちょっとな」
アナスタシア「ごめんなさい、でも…だからこそ、貴方とこうしていられるのも事実だから…」
P「……アーニャ」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 06:08:06.11 ID:3gIZrGrK0
~~
アナスタシア「あっ、タクシー…来ますね…」
P「ああ、だな…帰りはいつものとおりだが、一人で平気か?」
アナスタシア「はい、大丈夫ですよ…気をつけます」
P「そうか…じゃあ頑張ってこい!」
アナスタシア「はい、と………あと、プロデューサー…」
P「ん?なんだ?」
アナスタシア「えと、私…日本に来て…友達や家族、置いてきてしまったものはたくさんあるけど」
P「……」
アナスタシア「今は…みく、のあ、周子や蘭子たちと…アイドルをしていることも、楽しいです
…ありがとうございます、プロデューサー!」
P「そうか、こちらこそ…ありがとう、そういってもらえるとこっちもプロデューサー冥利につきるよ」
ブロロロロロロ ガチャ
アナスタシア「だからプロデューサー、あらためて…闇に飲まれろ!です♪」
P「……」
バタンッ ブロロロロロロロロ
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 06:10:11.50 ID:3gIZrGrK0
P「え~…今それ言う~?」
クックックッ、ヤミニノマレヨ~♪
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 06:22:35.29 ID:Awlz+NwJ0
~~~
アナスタシア『…というわけで今夜の、アナスタシアの乙女*ムジカ…いかがでしたでしょうか』
『すこししんみり?冗長?だったかもしれませんね…反省です』
『けれど、比奈も言ってました…”戦争はいかんです、腹が減るだけです”と……なんちゃって』
『まだまだ、伝えたいことの半分も伝えられてませんが…今夜のお話を聞いて、どこかの誰かの心が少しでも動いたならば…幸いです』
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/14(月) 06:34:39.86 ID:Awlz+NwJ0
アナスタシア『最後に告知の方を…』
『4月30日に私たちの事務所、ならびに日本コロンビアさんのほうから…CDがでます』
『星輝子、神谷奈緒、北条加蓮、小早川紗枝、堀裕子…それぞれが歌うシングルが同時発売』
『…おもとめは、お近くのCDショップ…または書店までどうぞ』
『それでは、今夜のお相手は私…アナスタシアでした…明日も良い一日を、スパコーイナイ ノーチ』
終わり
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アナスタシア「八月の思い出」
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