1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:13:34.24 ID:dIVCQJ7T0
春香「さて、最初のコーナーは響チャレンジです」
千早「さっそく我那覇さんを呼んでみましょう」
美希「響~」
響「はいさーい。自分、頑張っちゃうからね!」
春香「ところで、響ちゃんは今何処にいるの?」
響「それが目隠しされて連れてこられたから、自分でも何処にいるかわかってないんだ…」
千早「港町のようだけど、見た限り日本じゃないわね」
美希「外人さんがたくさんなの~」
響「何をするかも知らされてないし、ちょっと心配だぞ…ん?えっ!ここでスペシャルゲストの登場?」
『四条貴音のラーメン探訪』
響「!?」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:14:31.55 ID:dIVCQJ7T0
貴音「日本の皆様、如何お過ごしでしょうか?四条貴音です。今週はここ、“たい”からお送りしております」
響「え!?貴音?なんでここのいるんだ?ていうかここはタイだったのー!?」
貴音「あらゆるらぁめんをこれまでに紹介してきましたが、本日は一際珍しい味を探求したいと思っております」
響「貴音ー、無視しないでよー…」
貴音「響、あなたはつばめの巣なるものを知っていますか?」
響「つばめの巣?ってあれでしょ、軒先とかにあるツバメの家のことさー」
貴音「そのつばめの巣ではありません。食材としてのつばめの巣のことです」
貴音「あなつばめ類の巣で、中華料理において高級食材として有名なのですが、聞いたことがありませんか?」
響「も、もちろん知ってたぞ、自分完璧だから当然さー(初めて知ったなんて言えない…)」
貴音「でしたら、話は早いですね。すたじおの春香、たいとるこーるをお願いします」
春香「はーい、それではいってみましょう、本日の響チャレンジはこちら!」
『響チャレンジ×四条貴音のラーメン探訪~南の島で幻のツバメの巣ラーメンをゲッチュ☆~』
響「ど、どういうこと?」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:19:22.19 ID:dIVCQJ7T0
貴音「つまり響がらぁめんの食材を確保して、私が食すという企画ですよ」
響「なるほど。それはすごい企画さー(つばめの巣を取るのってそんなに難しいのかな?)
貴音「では、参りましょう。さあ、乗ってください」
響「えっ!船で移動するの?」
貴音「ええ。目的地はあの島です」
響(なんだろうあの島?周囲が切り立った崖で、とてもじゃないけど上陸出来そうじゃないぞ…)
貴音「さあ、出発です。いざらぁめんのために」
響「お、おー…(大丈夫かなー…)」
~~島まで接近~~
響「ねぇ、貴音、この島どうやって上がるの?」
貴音「この洞窟の先に船を進めると登るところがありますよ」
響「あ、そうなんだ」
響(船で洞窟になんて入る初めてだ)
響(あ、奥までたどり着いたみたい…だけどただの行き止まりだ)
響「貴音、登るところなんてないぞ?」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:23:11.64 ID:dIVCQJ7T0
貴音「?そこにろーぷがあるではないですか」
響「えっ、うん、確かにロープはあるけど…ここただの壁だぞ?」
貴音「そうですよ?つばめの巣はこの壁の上にあります」
響「えええぇぇぇ!!ってことは、自分この壁をよじ登って行かないといけないのか!?」
貴音「はい」
響(壁っていうか、垂直に伸びる穴みたいな感じだけど、てっぺんが見えない。こんなの登れるのかな…?)
響「えーと、どのくらいの高さまで登ればいいんだ?」
貴音「わかりません。つばめのみぞ知る、というところでしょうか」
響「なんだかすごく不安だぞ…」
貴音「さあ、早く登ってください。生放送が終わってしまいます」
響「うぅ…こうなったらヤケ○ソさー!こんな崖くらいなんくるないさー!」
貴音「それでは、この目線かめらを装着してください。わたくしは送られてくる映像を見て適宜助言をします」
貴音「それでは、響ちゃれんじ、すたーとです」ピピーッ
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:28:06.94 ID:dIVCQJ7T0
響「よいしょ、よいしょ」ヨジヨジ
響(まさかロッククライミングをやらされるとは思わなかったさー)
貴音「響、聞こえますか?」
響「はいさーい、感度良好さー」
貴音「こちらも響の目線がよく見えますよ。頑張ってつばめの巣を回収してくださいね」
響「ふふん、完璧な自分にかかればこれくらい朝飯前さー。にしてもこんな所につばめって巣を作るんだね」
貴音「ええ。天敵を寄せ付けないようにこのような断崖絶壁や洞窟の奥深くに巣を作るようですよ。そのため、死ぬ人間も少なくないとか。響も気をつけてくださいね」
響「わ、わかったさー…」
響(自分アイドルなのになんでお笑い芸人みたいなことやってるんだr…ん?あれは)
響「み、見つけたー!」
貴音「!?」
響「手のひらくらいの白い塊が岩壁に張り付いてる。これに間違いないさー」バリッ
響「とったゲロー!って今日はゲロゲロキッチンは関係ないさー」アッハッハ
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:34:12.99 ID:dIVCQJ7T0
貴音「あの、響」
響「いやー、流石自分、まさかこんな簡単に見つけられるなんて自分の完璧さが恐ろしいさー」
貴音「それは恐らくつばめの巣ではありません」
響「へ?」
貴音「もう少しかめらに寄せてください。……やはり違うようですね」
響「じゃあ、これは一体何なの?」
貴音「非常に申し上げにくいのですが、おそらくはつばめの○ソの塊ではないかと…」
響「うぎゃあああぁぁぁ!!」
………………
響「うぅ…酷い目にあったぞ…気を取り直して登るさー」
響「……」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:37:47.79 ID:dIVCQJ7T0
響「ねぇ、貴音」
貴音「なんでしょう?」
響「一人で昇ってるだけだと退屈だから、何か話をしてよ」
貴音「ふふ、響は相変わらず寂しがり屋ですね」
響「べ、別にそんなんじゃないさー!貴音が待ってるだけじゃつまらないと思ったから自分は」
貴音「ではそういう事にしておきましょう、ふふ。話ですか…そうですね、そういえば先日、雪歩とわたくしが接吻をしました」
響「」
貴音「という夢を雪歩が見たという話を聞きまして、なんとも面妖な夢でs」
ザッパーン
貴音「響?」
………………
貴音「気をつけてくださいね、響。まだ崖の低い地点から落ちたので無事でしたが、万が一と言うこともありますよ」
響「貴音はもうちょっと話を選んで欲しかったさ…」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:42:11.32 ID:dIVCQJ7T0
貴音「はて?何かまずい話だったでしょうか?」
響「なんでもないさー!なんだか自分やる気がなくなってきたさー!」プンスカ
貴音「そ、それは、困ります!お願いです、響!どうかわたくしのためにつばめの巣を採ってきてください!そうすれば、響の言うことを何でも聞きますから」
響(な、何でも!?)ピクッ
響「し、仕方ないさー。貴音のためにしょうがな~く、採ってきてあげるさー」
貴音「流石は響、わたくしの親友ですね」ナデリナデリ
響「えへへ…じゃあ、張り切って行ってくるさー!」
響「なんくるないさー!!!」ヨジヨジヨジヨジ
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:47:13.44 ID:dIVCQJ7T0
響(おっと…勢い任せに登ったらいつの間にか、かなり高い位置にいるみたいだ。ここからは少し慎重にいこう)
響「でも、巣を採るってことはつばめと戦わなくちゃいけないじゃないの?」
貴音「いえ、あおつばめは昼に活動しているので、その心配はありません」
響「だとしても、家を奪うのは可哀想だぞ…」
貴音「その心配もありません。採取するのはすでに巣としての役目を終えた物なので、つばめに被害が出ることはないでしょう。あおつばめは巣を再利用することはないのです」
響「へー、貴音はものしr」
ハム蔵「チュ!」
響「ん?どうしたんだハム蔵?」
ハム蔵「チュチュ!」
響「あそこを見ろって…あっ!あった!」
響「こんどこそ本物さー、どう?貴音」
貴音「確かに…本物のつばめの巣です…」
響「やったー!響チャレンジ成功だー!」
貴音「……おめでとうございます、響」
響「やっぱり自分は完璧さー。貴音もそう思うでしょ?」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:49:57.87 ID:dIVCQJ7T0
貴音「…ええ…そうですね」
響(あれ?貴音のリアクションが薄いぞ)
響「貴音?」
貴音「…何でしょう?」
響「なんかあんまり喜んでない気がするんだけど…」
貴音「…そんなことありませんよ」
響(明らかに声のトーンが落ちてる…じ、自分もしかして何か気に障るようなことしちゃったのかな…ど、どーしよ~…)
響「貴音…自分何かしちゃった?」
貴音「…いえ、響は何も悪くはありません」
響「じゃあ、どうして…」
貴音「つばめの巣は羽毛などの不純物がないほど美味なものなのです。残念ながら響が発見したそれは…」
響「確かに羽が結構混じってて、あんまり綺麗じゃないさー」
貴音「ですが、私の我儘でこれ以上、響を危険な目に合わせるわけにはいきません」
響「貴音…」
貴音「お疲れ様です、響。さあ、戻りましょう」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:52:47.17 ID:dIVCQJ7T0
響「ねぇ、貴音。もっと上に登ったらもっと良いつばめの巣があるの?」
貴音「ええ、おそらくは。しかし…」
ヨジヨジ
貴音「響、あの…」
響「せっかくここまで来たんだから一番良いのを持って帰りたいさー」
貴音「けれど…」
響「自分にかかればこれくらいの高さどうってことないから任せておいてよ!」ヨジヨジ
響(……って言ってみたけど、まだ登らないといけないのかな?もう事務所三個分くらいの高さだぞ…)
ヒュー
響(この高さだと落ちたら氏ねる…)
貴音「響、もう戻ってください。わたくし、心配でおかしくなりそうです」
響「だ、大丈夫さー!やっと調子が出てきたところだよ!」
響(うぅ、ハム蔵…早く見つけて…)
ハム蔵「チュ!」
響「見つけたか、ハム蔵!って…嘘でしょ…」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:55:24.22 ID:dIVCQJ7T0
響(確かにあった。あったけど…ロープからかなり離れた位置にある。だからもしバランスを崩したら、その時は…)
ヒュー…ゴクリ
貴音「響、本当にもう」
響「な、なんくるないさー!」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:57:01.39 ID:dIVCQJ7T0
ヨジ
貴音「…」
ヨジ
ハム蔵「…」
ヨジ
響「…」
ヨジ
響(あともう少し…)
ヨジ
響(とっ……た!)
響「やったぞ、貴音!これならおいs」
ズル
貴音「!?」
響(あっ…)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 02:59:42.87 ID:dIVCQJ7T0
響(最後にドジちゃった…こんなところで死ぬのかぁ、まだトップアイドルに全然近づいてないのになぁ)
響(いぬ美たちどうなるのかなぁ。ちゃんとご飯食べられるか心配だぞ)
響(事務所のみんな、自分のために泣いてくれるかなぁ……ああでもきっと、ううん絶対に、たk)
貴音「響!!!」
響「…っ!うぎゃあー!こんなところでなんて氏ねないさーっ!!!ハム蔵!!」ブオン
貴音(海に向かって…いえ、ろーぷに向かって投げた!?)
響(頼むハム蔵、自分が落ちるより先にロープを手渡してくれっ!)
ハム蔵「チューーーッ!!!」
貴音(どうか)
響「間に合えええぇぇぇっっっ!!!!」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 03:02:41.99 ID:dIVCQJ7T0
………………
千早「あ、調理が終わったみたいです。それでは四条さんを呼んでみましょう。四条さーん」
貴音「はい。こちらが今回採取したつばめの巣を入れたらぁめんとなります」
美希「わぁ~とっても美味しそうなの。ねぇねぇ貴音、早く食べてみてよ」
貴音「はい。では早速」モグモグ
貴音「この味は実に~~」ウンヌンカンヌン
響(うぅ…助かったのは良かったけど、腰が抜けて立てないなんて情けない…)グデー
響(まあ、でも)
貴音「~♪」
響(貴音が幸せそうだから、どうでもいいさー)
………………
スタッフ「お疲れ様でしたー」
響「やっと終わったさー、今日は一段と疲れたぞ」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 03:05:13.28 ID:dIVCQJ7T0
貴音「お疲れ様でした、響。まだ立てませんか?」
響「貴音こそお疲れ様さー。うん、まだちょっと…」
貴音「そうですか。ですがせっかくのつばめの巣らぁめんがのびてしまいますよ」
貴音「せっかく響が最高級のつばめの巣を採ってきたのですから、美味しい内に食すのが良いかと」
響「そんなこと言われても起き上がれないし…はっ!そうだ!」ティン
響「ね、ねぇ、貴音。さっき何でも言うこと聞いてくれるっていったよね?」
貴音「ええ、言いましたが」
響「じゃ、じゃあ…た、貴音に食べさせて欲しいかなーなんて…」
貴音「まあ」パチクリ
響「だ、だめかな…?」
貴音「ふふ…構いませんよ」
響「ほ、ホントに!?あ、あ~ん」
貴音「あーん」
響「熱っ!ごほっ!くるしっ!は、鼻にっ!」
貴音「寝ながら食せばそうなるに決まってます」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 03:09:04.45 ID:dIVCQJ7T0
響「うぅ…酷いぞ、貴音…」
貴音「仕様がありませんね」スッ、ヒョイ、ダキ
響「えっ!?」
響(上半身を起こされたと思ったら、貴音に後ろから抱きすくめられた!!!)
貴音「これなら、わたくしが響を支えながら、口に運ぶことが出来ます」
響(こ、この格好はかなり恥ずかしいぞ…で、でも、せっかくだから…)
響「あ、あーん」
貴音「あーん」
響「うっ…」
貴音「どうしました?響」
響「まだちょっと熱い…」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 03:12:26.35 ID:dIVCQJ7T0
貴音「仕方ありませんね。ふぅーふぅー」
響(…麺を吹く度に貴音の髪の毛が頬をくすぐる)
響「貴音の髪、サラサラで気持ちいいさー」
貴音「響の頬も暖かくて心地良いですよ。はい冷めましたよ、あーん」
響「あーん」モグモグ
貴音「どうですか?」
響「今まで食べたどのラーメンより美味しいさー」
貴音「大げさですね、響は」
響「貴音…」
貴音「はい?」
響「あーん…」
貴音「ふふ、響は甘えん坊ですね」
響「えへへ」モグモグ
貴音「ふふ」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 03:15:32.44 ID:dIVCQJ7T0
………………
響(貴音に食べさせてもらったラーメンは頭がクラクラするくらい美味しくて出来ることならまた食べたいと思ったさー)
響(けど…)
~~数ヶ月後~~
響「うぎゃああ!なんで自分がまたつばめの巣を採らないといけないのー!?」
貴音「つばめの巣を採るのは一年に三回と規制されているのです。今日を逃すとまた数ヶ月待たねばならないのですよ」
響「そうじゃなくて、買えばいいでしょー!」
貴音「わたくしは響が採ったつばめの巣だから食べたいのです」
響「!!」
貴音「親友がわたくしのために一生懸命になって採ってくれたものこそ最高の食材です」
貴音「また食べさせてあげますから、お願いします、響」
響「そ、そこまで言われたら仕方ないさー」
響「それじゃ張り切って行くからね!」
響「なんくるないさー!」
~~END~~
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/10(火) 03:17:50.55 ID:dIVCQJ7T0
終了です
深夜なのに見てくれた方、ありがとうございました