1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 01:48:19.17 ID:3ZzC6KE10
翔太「ねえ冬馬くん」
冬馬「なんだ?」
翔太「冬馬くんが子供の頃なりたかったのって何なの?」
北斗「お、俺も気になるな。それ」
冬馬「なんだよ急に」
翔太「いいじゃん。教えてよー」
北斗「まさか特になりたいものもなかったのにあの歌を歌っていたのか!?」
冬馬「作詞も作曲も俺じゃねぇ!」
冬馬「で…なりたかったものだって…?」
冬馬「ヒーロー…かな…」
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2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 01:51:53.25 ID:3ZzC6KE10
翔太「ヒーロー?それって日曜の朝のみたいな?」
冬馬「悪いかよ」
北斗「いいんじゃないか?冬馬らしい」
翔太「へぇー、冬馬くんにもそんな時期があったんだねー」
冬馬「誰だってあっただろ!?」
翔太「いや、ボクはない」
北斗「俺もないな」
冬馬「お前ら本当に男かよ…」
3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 01:57:31.20 ID:3ZzC6KE10
北斗「ヒーローってどんな?」
冬馬「そりゃあヒーローだもんよ。悪と闘うんだよ」
翔太「正義の鉄槌を…?」
冬馬「ああ。あとはピンチな人を助けたりだな」
翔太「へぇ。でも冬馬くんがヒーローだったらあんまり頼りないかもねー」
冬馬「どういう意味だよ!?」
翔太「そのまんまの意味だよー」
冬馬「てめ…翔太!この野郎!」
翔太「うわー、ヒーローが乱暴するよー」
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:03:27.42 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
学生「あの…僕…持ってません…!」
男「持ってんだろ!?ジャンプしてみろよ!」
冬馬「(チッ…今時カツアゲかよ…さっさと止めて…)おい、」
冬馬(待てよ…バレたらまずいな…)
冬馬(すまねぇが…俺にはどうもできねぇ…)
冬馬(俺は…ヒーローになりたかったのか…?)
冬馬(じゃあヒーローってなんだ…?)
冬馬(ただ悪と闘って、それだけじゃダメだ…)
冬馬(困ってる人も助ける…でもそれじゃまだ足りない…)
冬馬(○ソ…わかんねぇ…!)
6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:07:33.76 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
冬馬(あれは目の前で起きてたんだ!止められたはずなんだ!なのに俺は…)
冬馬(この世界には悪が多すぎる…)
冬馬(すぐに止められるはずの小さな悪も…)
冬馬「こうなったら…徹底的に悪と闘ってやる…!」
北斗「冬馬…この前のことまだ言ってるのか…?」
翔太「燃えてるねー」
7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:13:39.65 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
冬馬「これだけ変装すればもはや変態だな…。でも…」
冬馬「これで堂々と悪と闘えるぜ!」
―コンビニ―
男「……」スッ
冬馬(ん…?あいつ今…)
冬馬「おいアンタ、待てよ」
男「な、なんだお前は!そんな格好して!」
冬馬「今ポケットに入れたの出しな」
男「は?何を言ってるんだ君は!警察を呼ぶぞ!」
冬馬「いいから出せって言ってんだよ!」
男「ひ、ひぃぃぃぃぃ!出します出します!」
冬馬「店員さん、コイツ万引き犯だ。警察呼んでおきな」
店員「は、はあ…」
8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:20:23.30 ID:3ZzC6KE10
冬馬(ちげぇ…俺の知ってるヒーローってのは…もっと…でっかい悪と…)
冬馬(でも現実にあんな怪獣や怪人がいるわけがない…)
冬馬(やっぱり俺には…このくらいしかできないのか…)
女「助けて!」
冬馬「!」
冬馬「どこだ!?あっちか…!」
冬馬「おいアンタら!何やってんだ!」
男「あぁ!?なんだおめーは!」
男「オラァ!」ボゴォ
冬馬「痛ぇ…!(○ソ…俺も…!でも…殴ったら…ダメだ!)」
9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:24:56.98 ID:3ZzC6KE10
冬馬(結局あの後、警察が来て事件は解決した)
冬馬(俺は現場から逃げたので、正体はなんとかばれずに済んだ)
冬馬(しかし…)
[謎の覆面男、女性の危機救う]
冬馬(なんて記事がちらほら…)
冬馬(どうやら盗撮もされていたらしく、俺の無様な姿もネットにアップされてしまった)
10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:27:20.01 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
真「これって…もしかして…」
12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:31:32.80 ID:3ZzC6KE10
冬馬(それからも俺は世直しを続けた)
冬馬(何度か正体がばれそうになったが未だばれずに済んでる)
翔太「ねえ、冬馬くん。最近話題の覆面男、知ってる?」
冬馬「ああ、もちろんだぜ。まあ、あんなのはただの自己満足だと思うけどな」
冬馬(自己満足…それは俺が本当に思っていることなのかもしれない…)
冬馬(そんなことを考えながらうっかりしていた。その油断が命取りになるなんてな…)
13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:36:45.53 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
冬馬「○ソ!放せ!」
男「ぐへへ。お前の正体暴いてやるぜ!賞金がかかってんだよ!」
冬馬「賞金首ってわけかよ…!いいぜ…ばらしてみろよ」
冬馬「金に釣られて…カッコ悪いぜ…!アンタ!」
男「う、うるせぇ!正体暴いたら裸にひん剥いてネットに晒してやろうかぁ!?」
?「やめろ!!」
14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:40:50.33 ID:3ZzC6KE10
男「誰だテメェは!?」
?「フン…貴様に名乗る名などない…」
?「人呼んで…キューティエンジェルマッコ!」
冬馬「思いっきり名乗ってんじゃねぇか!」
男「邪魔をするなぁ!」
?「やぁっ!」ドカッ
男「グホっ!」バタッ
冬馬「な、殴っちまった…!」
?「さ、逃げよう」
冬馬「お、おう…」
15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:48:21.08 ID:3ZzC6KE10
?「ここまでくれば大丈夫かな?」
冬馬「ああ…助かったぜ…」
?「まあ、961プロに手を貸すのはイヤだけど、せめてこっちでは仲良くしよう?」
冬馬「おま…!菊地!?」
真「へっへーん!可愛いでしょ?」
冬馬「似合わねぇ…」
真「なんだとー!!」
冬馬「って…お前もやるのか!?」
16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:52:25.76 ID:3ZzC6KE10
冬馬(そんなこんなで俺は菊地と組むことになった)
冬馬(二人がかりだと作業も少しは楽になるが…どうも合わねぇ…)
冬馬「おい菊地!」
真「何さ!」
冬馬「解散だ!解散!」
真「なんで!?」
冬馬「お前とは合わないんだよ!」
真「こっちだって!だけど仕方なく…」
冬馬「こっちから頼んだ覚えはないぞ…」
17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 02:56:31.19 ID:3ZzC6KE10
冬馬(菊地と別れた後も俺は世直しを続けた)
冬馬(しかし芸能活動も更に忙しくなり、覆面男の出没率は減少していた…)
北斗「最近、この辺り平和じゃない?」
翔太「覆面男効果じゃない?」
冬馬「ま、まああいつもなかなか頑張ってるんじゃねぇか?」
冬馬(自画自賛とか…カッコ悪ぃ…)
冬馬(でも平和になっているのは事実だし…少しくらい自分のことを褒めてやってもいいか)
19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:01:51.16 ID:3ZzC6KE10
黒井「ライブだ」
冬馬「ライブ!?」
黒井「アイドルジャムのステージで歌うだけだがな」
冬馬「すげぇ!アイドルジャムっていったらあの!」
北斗「実力派アイドルが終結するというあの!?」
翔太「すごい!やったね!」
黒井「フン、当然のことだ」
冬馬(ライブが控えてる…しばらくは世直しも休まないといけなくなるかもな…)
20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:07:08.67 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
冬馬「もうすぐだな…俺たちのステージ…緊張してきたぜ…!ちょっと体動かしてくる」
翔太「行ってらっしゃーい」
北斗「あんまり無理はするなよ」
女の子「キャア!放して!」
男「大人しくしろ!」
冬馬「嘘だろ…」
冬馬「誘拐…?」
冬馬「○ソ…!覆面は家だし…ってそんなこと言ってられるかよ!」
冬馬「待て!!待ちやがれ!!」
22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:15:23.46 ID:3ZzC6KE10
冬馬「○ソ!どっち行った…」
アレトウマクン…? ナンデコンナトコロニ? キョウッテステージガアッタンジャ…?
「あっちです!」
「そこを右に!」
冬馬「アンタら…一体…」
「私はあなたに助けられました」
「今度は僕たちがあなたを助けます!」
冬馬「バレてた…ってわけかよ!」
「その右手…私を助けたときの…」
冬馬「チッ…ありがとな!」
23: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:19:39.86 ID:3ZzC6KE10
冬馬「おいアンタら!何やってんだ!」
男A「アァン?誰だテメェは!?」
男B「おい、コイツ!天ケ瀬冬馬じゃねーか?」
男C「マwwwwジwwwwだwwww写メ撮ろうwwwww」
冬馬「誘拐なんてして…何になるってんだよ!」
男A「金にするんだよ!お分かりいただけただろうかぁ!?」
冬馬「分っかんねぇよ!何だってみんな金だ金だって言うんだよ!」
冬馬「釣り合わねぇんだよ!」
24: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:25:31.68 ID:3ZzC6KE10
冬馬「俺が正義のヒーローならアンタらは悪だ!」
冬馬「でも悪ってのはもう一つの正義でもあるんだよ!」
冬馬「俺が俺の正義の為に闘うっていうなら、アンタらにもアンタらなりの正義があるだろ!」
冬馬「俺の正義は金じゃ釣り合わない!だから…!その手を放せ!」
男B「何訳分かんねぇこと言ってんだよ!」
男C「冬馬くーんwwwwwwカメラ回ってまーすwwwww」
男A「もういい!やっちまおうぜ!」
真「ここにいた!961プロ!」
25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:28:42.07 ID:3ZzC6KE10
男A「お、あれ菊地真ちゃんじゃね?」
男B「俺ファンっす」
男C「すげwwwwwwお宝映像だわこれwwwwwww」
真「え?何この人たちは?」
冬馬「危ねぇから下がってろ!」
真「なるほど…そういうことなら!」
冬馬「待て!まだ手は出すな!」
冬馬「俺が…話し合ってみる!」
26: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:33:33.05 ID:3ZzC6KE10
冬馬「アンタら…ここは冷静に話し合って…」
男A「オラ!」ドガッ
男B「どりゃ!」バキッ
男C「エンッ!」ポコ
冬馬(痛ぇ……だけど…!)
冬馬「アンタら!何があったのかは知らねぇけど…」
ミツケタゾー!トリオサエロー!
冬馬「は…?警察…?」
27: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:38:50.49 ID:3ZzC6KE10
冬馬(その後俺と菊地は警察の事情聴取を受け、その流れで覆面男の正体も明かした…)
冬馬(それは後に報道されることだろう…)
冬馬(ひとまず事情聴取を終え、俺はボロボロの体のままアイドルジャムの会場へ戻った)
黒井「どういうことだ…?」
冬馬「すまねぇオッサン…」
黒井「フン…ジュピターはもう解散した。どのみち貴様もクビだ」
冬馬「え…?ジュピターが解散ってどういうことだよ!」
翔太「僕たちがね」
北斗「正直、ついて行けなかったからね」
28: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:42:41.60 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
冬馬「765の曲を…?オッサンがそんなことを?」
翔太「うん。流石に…僕たちも限界って感じ」
冬馬「今までもそんなことあったのか…?」
北斗「え?まさか冬馬気づいてなかった…?」
冬馬「何の話だよ」
翔太「そっかー。まあ冬馬くんは鈍感だしね」
北斗「俺たちが冬馬の秘密を知っていたのも知らなそうだね」
冬馬「お、俺の秘密!?」
翔太「お疲れ様。頑張ったね…覆面男くん」
冬馬「!」
冬馬「知ってたのかよ…」
29: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:48:18.84 ID:3ZzC6KE10
―――――――――――
――――――
冬馬(俺はオッサンの悪事に気付いていなかった)
冬馬(正義の味方が悪を見逃すなんて笑えねぇな)
冬馬(それでも俺は正義のヒーローを続けたい。今度は絶対見逃さないぜ)
冬馬(そういえば…あの時、悪に伝えたいこと…伝えられなかったな…)
ドサッ
冬馬「悪い」
?「こちらこそ…」
冬馬「お、お前…765プロがこんなところで何やってるんだ…?」
30: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 03:58:21.73 ID:3ZzC6KE10
春香「…」
冬馬「何か悩みか…?」
春香「私…今…迷ってて…」
冬馬「ふーん…俺は相談相手にはなってやれないけど、一つだけ伝えておくぜ」
冬馬「悩み、迷いなんて誰だってある。本気で頑張れよ…!」
春香「え…?」
冬馬「何て言うか…うまく言えないけどよ…」
冬馬「お前には…俺がついてるぜ…!」
春香「ふふ…ありがとう。覆面男さん」
冬馬「うるせぇ!昔の話だ!」
31: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 04:02:01.37 ID:3ZzC6KE10
冬馬(これから俺自身も、いろいろなピンチに遭遇するだろう)
冬馬(どんな時でもヒーローの心を忘れないで、悲しみなんてぶっ飛ばしていこうと思う)
冬馬(そうやって他人のことも助けていくんだ)
冬馬(やっぱり正義のヒーローやるんだったら…)
冬馬(カッコつけたいだろ?)
完
32: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 04:03:58.41 ID:3ZzC6KE10
終わりです、途中でレスありましたが元ネタはサムライフラメンコですね。
冬馬がヒーローだったら徹底的にアツい男だろうなと思いながら書いてました。
36: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 17:43:57.84 ID:jNs1Ry220
乙
いい冬馬君が見れた