1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 21:55:35 ID:Dxd5ndSQ0
「ん……ここは……何処?」
看護婦「せ、先生、搬送された患者さんの意識が戻りました」
「看護婦……病院?……なんで病院にいるの?」
看護婦「落ち着いて。あなたは山で倒れていたのよ……」
「山……」
看護婦「落ち着いて、自分の名前は分かる?」
「…………」
「わ……自分は我那覇 響だぞ」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 21:58:39 ID:Dxd5ndSQ0
医師「こんにちは、気分はどう?」
響「全然大丈夫……だぞ」
医師「気分は悪くないと。怪我もしていないし意識もしっかりしているようだ」
響「はい」
医師「この調子なら、点滴を打てば直ぐに退院できるよ」
響「そっか、良かった」
医師「じゃあ、そこの看護婦に点滴打ってもらったら帰っていいよ」
響「わかりました」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:01:57 ID:Dxd5ndSQ0
看護婦「じゃあ点滴打ちますね~」
響「はい」
看護婦「えっとお名前は、我那覇 響さんね~」
看護婦「あれ?我那覇 響ってアイドルの……」チラッ
響「!!……」
看護婦「って、こんな所にアイドルがいるはずないですよね~」
響「ははは……」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:04:34 ID:Dxd5ndSQ0
看護婦「はい、もう大丈夫ですよ」
響「ありがとうございました」
看護婦「じゃあお大事に~」
響「意外とバレないんだな……」
響「そうだ、事務所に戻らないと」
――――――
――――
――
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:07:24 ID:Dxd5ndSQ0
響「自分、なんで山で倒れてたんだろう……」
響「……まぁいっか」
響「えっと、こっちを右に行って……」
響「ここは確か左で……」
~765プロ事務所~
響「よかった無事についたさー」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:10:23 ID:Dxd5ndSQ0
ガチャ
響「はいさーい」
春香「……こ、こんにちは」
響「どうしたんだ春香? 元気ないぞー?」
春香「へっ? そ、そうですか?」
響「なんかよそよそしいぞ、何かあったのかー?」
春香「えっと、あの……私達って初めて会いますよね?」
響「えっ!?」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:13:25 ID:Dxd5ndSQ0
響「何言ってるんだよ春香、自分だぞ自分!」グイグイ
春香「きゃっ、ひ、引っ張らないで下さい」
響「なんだよー、そんな意地悪するのさー」
春香「だ、誰か助けて―」
響「なんで自分から逃げるのさー」
律子「どうしたの春香? ……ちょっと、誰ですかあなた!?」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:17:00 ID:Dxd5ndSQ0
律子「うちのアイドルに何する気!?」
響「うぅ……なんだよ、春香のバカ―」ダッ
春香「ケホッ……ケホッ……」
律子「大丈夫春香?」
春香「は、はい……い、今の人は?」
律子「走って逃げていったわ。それより直ぐに警察に連絡しなきゃ」
春香「はい……それより今の人なんで──」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:20:33 ID:Dxd5ndSQ0
響「なんなんだよ……春香の奴なんであんな事言うんだよ……」
響「この前のテレビだって仲良くやってたのにさ」
響「うがー、もう春香なんて知らないぞ」
響「けどなんでいきなりあんな事をしたんだろ?」
響「えっと……仲のいい……」
響「貴音! 貴音に今の事を相談してみよう」
響「それなら携帯を」
ピッ
響「……なんだよこれ」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:23:25 ID:Dxd5ndSQ0
響「知らない人しか登録されてないぞ……」
ピッピッピッ
響「765プロの皆のアドレスも一つもないし」
ピッ
響「……けど事務所の奴は電話番号だけ登録してある」
響「誰かにイジワルされたのかな……」
響「……」
響「ど、どうせ悪戯好きの亜美と真美だな」
響「この前のナマスカでも悪戯してたもんな」
響「きっとそうだぞ」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:26:22 ID:Dxd5ndSQ0
響「くそー亜美と真美めー」
響「……はぁ、今日は良い事ないさー」
響「今日はもう家に帰ろう」
響「えっと道は……」
響「……」
響「あっちだ」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:30:38 ID:Dxd5ndSQ0
―――
――
―
響「やっと着いたぞ」
響「はぁ……今日は早く寝よう」
ガチャガチャ……
響「あれっ、鍵が空かない」
響「鍵……こっちだっけ……」
ガチャガチャ……
響「こっちも違う……」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:33:49 ID:Dxd5ndSQ0
響「これじゃあ開かないぞ……」
ワンワン
響「いぬみ!」
響「自分だぞ」
ワン……グルルゥゥ……
響「な、どうしたんだよいぬみ!?」
グルルゥ……ガウガウ!!
響「なっ……」
ガウっ……ガウっ……
響「……いぬみまで自分に意地悪するのかよ」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:36:36 ID:Dxd5ndSQ0
ガウウウウウウ
響「いいよ……いぬみなんてもう知らないさ―」ダッ
―――
――
―
響「なんだよあのバカ犬……」
響「はぁ……鍵もないしどうしよう……」
響「もしかして倒れてた森に家の鍵を落としちゃったのかも……」
響「だったら森の中に鍵があるはずだぞ!!」
響「そうと決まったら早速向かうさー」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:40:02 ID:Dxd5ndSQ0
響「確かこの森で倒れてたんだよな」
響「そういえば自分はなんでこんなところにいたんだっけ……」
響「……」
響「なんだったけな……」
響「まぁいいや鍵さがそー」
ガサガサ
響「どこだー鍵ー」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:43:24 ID:Dxd5ndSQ0
ガサガサ
響「見つからないなー」
ガサガサ
響「これじゃあ事務所の人とかに相談した方がいいかなー? 自分アイドルだしなー」
一般人A「まだやってるかなー?」
一般人B「多分、大丈夫でしょ」
ガサガサ
響「森の中なのに人が多いなー」
響「何かイベントでもやってるのか?」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:46:20 ID:Dxd5ndSQ0
一般人A「見れるといいね」
一般人B「だよねー。765プロのアイドルなんてそう簡単に見れるもんじゃないもんね」
響「765プロのアイドル!!」
響「皆、この森に来てるのか!!」
響「春香には意地悪されちゃったけど、きっと他の皆なら助けてくれるさー」
響「とりあえずあの人たちの後をついて行ってみるぞ」
―――
――
―
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:49:22 ID:Dxd5ndSQ0
ガヤガヤ
一般人A「良かった、まだやってる見たい」
一般人B「はやく始まらないかな―」
響「よかった着いたぞ」
一般人A「えっ、休憩中なんですか?」
一般人C「えぇ、どうも観客の一人が事故を起こしたみたいで」
一般人C「もしかしたらこのまま延期も考えられるそうです」
一般人B「えー、折角来たのにー」
響「休憩中……なら、車の中で休んでるかもしれないぞ」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:52:20 ID:Dxd5ndSQ0
響「えっと……多分これが休憩車かな?」
コソコソ
響「誰かいるかー……?」
響「あれー……誰もいないのか……?」
キョロキョロ
響「……うーん、これじゃあどうしようもないさー」
響「ちょっと、ここで皆を待ってようか――」
?「何者ですか!」
響「!?」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:55:26 ID:Dxd5ndSQ0
貴音「ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」
響「た、貴音ー」ダッ
貴音「な、何をいきなり抱きついてくるのです」バッ
響「えっ」
貴音「初対面の相手に抱きつくなど何を考えているのですか」
響「しょ、初対面って……自分の事忘れちゃったのか?」
貴音「……私はあなたの事など存じません」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 22:59:59 ID:Dxd5ndSQ0
響「……」
貴音「分かったのなら直ぐにここを出ていきなさい」
響「……だよ」
貴音「はい?」
響「なんで貴音まで自分にそんな意地悪するんだよっ!」ガっ
貴音「な、何をするのですか!?」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 23:02:25 ID:Dxd5ndSQ0
響「うわぁー!! なんなんだよ!! なんなんだよ!!」
ガっ ガっ
貴音「……このように暴れられては私も困ります」
貴音「力づくで出て行ってもらうとしましょう」
ガタン
P「どうした貴音? バスの中じゃ暴れるなよ」
貴音「プロデューサー!」
響「プロ……デューサー……?」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 23:05:33 ID:Dxd5ndSQ0
P「なんでこんな散らかって……だ、誰だあの子は?」
貴音「分かりません」
響?「……知らない、知らないよそんなの……プロデューサーなんてTVにも雑誌にも出てないじゃん……」
P「な、何を言ってるんだ、あの子は?」
響?「遠くから見た事くらいあるけど、マネージャーだと思うじゃん……そんな情報私は知らないよ……」
響?「情報?……私、何言ってるんだろ……自分の事なのに……あははは……」
P「……貴音、お前はバスから降りてろ」
貴音「では、スタッフを連れt――」
「さっきから何やってるんだー? 貴音ープロデューサー」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 23:08:56 ID:Dxd5ndSQ0
P「っと、入ってくるな――」
貴音「そうです、ここは危ない――」
響「なんで、自分をのけ者にするのさー」
??「はは……なんで……私が? 私が響ちゃんなのに……」
響「ん? 誰だその娘は?」
P「分からん、とりあえずお前らは外に出てろ」
??「響ちゃんは私なのに私なのに私なのに私なのに私なのに私なのに私なのに私なのに」
響「な、何言ってるんだあいつ……」
??「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ドサッ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 23:11:26 ID:Dxd5ndSQ0
小鳥「えぇー、それでどうなったんですか?」
P「その子はそのまま病院に担ぎ込まれたようです」
小鳥「そうなんですか……」
P「しかもその子は撮影が中止になる事故を起こして怪我した子だったんですよ」
小鳥「そうなんですか!? じゃあ事故で病院に行った後にまた撮影場所まで戻ってきたんですか?」
P「いや……なぜか撮影場所に来る前に事務所、響の家に行っているようなんですよ……」
小鳥「響ちゃんの家にも……」
P「えぇ、響の熱狂的なファンだったみたいで家まで特定してたみたいです。結局は入れなかったようですけど……」
小鳥「……その娘はどうなったんですか?」
P「今もまだ入院中らしいですよ……まだ、自分を響と勘違いしているみたいで」
小鳥「そうなんですか……」
小鳥「その娘はどうして自分を響ちゃんだと思ったんですかね?」
P「分かりません……でもなってみたかったんじゃないですかあこがれの――アイドルに」
おわり
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/14 23:18:19 ID:Dxd5ndSQ0
そう、お前らが臭い臭いいってるのは一般人だったのだwwwwww
これが言いたかっただけの為のss