1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:01:04.97 ID:yEUjTIeM0
千早「~♪」
小鳥「千早ちゃん、ずいぶんご機嫌じゃない。何かあったの?」
千早「……そう見えましたか?」
小鳥「ええ、とっても」
千早「実は……今日、春香がうちに泊まりに来るんです。それで柄にもなくテンションが上がってしまって……」
小鳥「ふふっ……友達と一緒に過ごすのは楽しいでしょ?」
千早「そうですね……以前までの私には考えられません。本当に、765プロにいてよかったと思えます」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:06:42.24 ID:yEUjTIeM0
小鳥「よかった」
千早「何がですか?」
小鳥「ほら、千早ちゃんって大人っぽいって言うか、ちょっと達観したところがあったでしょ?」
千早「それは……そうかもしれません。家庭環境のことがあったので……今となっては言い訳にしかなりませんけれど」
小鳥「そんな千早ちゃんが毎日のように笑顔を見せるようになったのは、やっぱり春香ちゃんのおかげかしら?」
千早「……はい。春香には本当にお世話になりっぱなしです。今日も料理を教えてもらう予定で……」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:11:53.77 ID:yEUjTIeM0
小鳥「いいわねぇ~。やっと千早ちゃんも年相応の女の子って感じが出てきたわ!」
千早「そ、そうでしょうか?」
小鳥「ええ!今のうちに楽しんでおかないと損よ? 年月なんてあっという間に過ぎちゃうものなんだから……」
千早「……肝に銘じておきます」
ガチャッ
P「ただいま帰りましたー!!」
春香「ただいまですっ♪」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:16:34.67 ID:yEUjTIeM0
小鳥「あっ、プロデューサーさんと春香ちゃん、帰ってきたみたいね」
春香「千早ちゃん、お待たせ!」
千早「大丈夫よ。私もさっき収録から帰ってきたところだから」
春香「ちょっと待っててね。すぐに支度するから!」
千早「ええ」
P「春香から聞いたよ。今日はお泊まりなんだって? 春香、ずっとはしゃいでたぞ」
千早「そうなんです。そんなにはしゃいで……私の家には何もないのに」
P「ははは、千早と一緒にいられるのが嬉しいんだろ。千早は嬉しくないのか?」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:22:06.23 ID:yEUjTIeM0
千早「そんな! すごく嬉しいです! 今日だってこの日をすごく楽しみに……!」
P「冗談だよ。楽しみだって顔に書いてあるからな!」
千早「もうっ! プロデューサーはいじわるです……」
P「あっ、それなんか貴音みたいだな」
小鳥「はるちは! はるちは!」
P「音無さんは黙っててください」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:26:42.36 ID:yEUjTIeM0
千早「プロデューサー、少し質問をしてもいいですか?」
P「ああ。歌のことはあんまり的確なアドバイスはできないかもしれないかもしれないけど……」
千早「天使って、存在すると思いますか?」
P「……は?」
千早「お願いします。答えてください」
P「何かの問題か? ……すまん、ヒントをくれ」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:32:14.60 ID:yEUjTIeM0
千早「私はいると思います。それもすぐ近くに」
P「千早、さっきから言ってる意味がよく──」
春香「千早ちゃん! お待たせ!」
千早「ええ。それじゃあ行きましょうか」
P「お、おい千早! さっきの答えは……」
千早「ふふっ……すぐにわかると思います。それじゃあお疲れ様でした」
春香「お疲れ様でしたっ! プロデューサーさん、小鳥さん!明日もがんばりましょうねっ♪」ニコッ
バタン
P「……天使系アイドル…アリかな……」
小鳥「アリだと思います」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:37:04.96 ID:yEUjTIeM0
春香「それでね、プロデューサーさんったら大変だったんだよ! 大慌てでメガネを探しに行って……」
千早「ふふっ、プロデューサーもドジなところあるわね」
春香「ホントにそうだよ~……私がメガネを観付けなかったらどうなってたか……」
千早「でも、ドジなところは春香の方が上だけど」
春香「えーっ!? ひどいよ千早ちゃ~ん!!」
千早「ふふっ……でもそこが春香の魅力なんだけれどね」
春香「はぅっ! そ、そんなこと言われたら恥ずかしいよぉ……」
千早「(可愛い……)」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:42:45.76 ID:yEUjTIeM0
モブA「やっぱ三条ともみだろ! あのスタイルはすごいぞ!」
モブB「いやいや、小早川瑞樹でしょ。あの猫被った感じがたまらないよ」
モブC「アイドルはよく知らないけど、秋月涼って子が可愛いと思った(小並感)」
春香「それでね──」
千早「そうね──」
モブA「ん? おい、あの子は確か……」
モブB「765プロの天海春香と如月千早、だね」
春香「?」チラッ
モブC「こっちに気付いた。はっきりわかんだね」
春香「♪」ニコッ
モブABC「」ズギュゥゥゥン
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:48:23.64 ID:yEUjTIeM0
千早「春香? どうしたの?」
春香「んー? アイドルの話をしてたみたいだから、私のことも知ってくれてるかと思って……」
モブA「ふるえるぞハート! 燃えつきるほどヒート!!」ズギャァァァン
モブB「…天使を見た……」ドキドキ
モブC「やべぇよ……やべぇよ……」
数ヶ月後、この三人が春香のファンクラブに入会し、ライブ時に最前列でバルログ持ちをして迷惑がられることになる
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/09(日) 23:54:09.45 ID:yEUjTIeM0
春香「スーパーで晩ご飯の買い出し~♪ 千早ちゃん、今日は何を食べたい?」
千早「食べるのだけじゃなくて教えてもらわなきゃいけないのだけれど……。とりあえず定番料理がいいわね」
春香「うーん……だったらカレーかな? 家庭によって味が違う定番中の定番だよ!」
千早「だとすると、私が天海家の味を受け継ぐことになるのね」
春香「そうだね~。どうせだから千早ちゃんのお嫁さんになろうかな? な~んてっ」
千早「私はそれでも全然構わないけれど」
春香「えっ」
千早「えっ」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:00:48.60 ID:lbuhyKui0
春香「と、とりあえず買い物だよね! まずはカレールウと……」
千早「へぇ、ルウを何個か買うのね」
春香「うん。ブレンドするとおいしいんだよ! 千早ちゃんは甘い方がいいかな?」
千早「辛いものでも平気だけど……あまり辛いものは苦手ね。喉に負担がかかってしまうから」
春香「あ、そうだね。じゃあ辛口はやめて中辛を……」
『あれ?春香と千早?』
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:05:53.33 ID:lbuhyKui0
千早「その声は……」
春香「勇者ヒビキューン!!」
響「必殺!! ヒビデバビデビィーーーム!!」
春香「うわー! やられたー!」
響「ってちがーう!! それは自分が声を当てたアニメの話! 自分は我那覇響だぞ!」
千早「我那覇さん、ノリがいいのね……それにしても響がヒビデバビデビーム……ぷふっ……!」
響「うぎゃーっ! 笑うな~!! プロデューサーが決めてくれた名前なんだぞ!?」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:10:15.97 ID:lbuhyKui0
春香「あははは……ごめんね響ちゃん」
千早「ごめんなさい、ついおかしくって……」
貴音「私もおりますよ」
春香「あっ、貴音さん! 二人でお買い物ですか?」
貴音「はい。今日は響の家に泊まりなので」
春香「奇遇ですね! 私も千早ちゃんの家にお泊まりなんです!」
貴音「なんと、そうだったのですね」
千早「そういえば我那覇さんの家はこの近くだったわね。前にいぬ美を追い掛けてるのを見たわ」
響「うぅ……なんでそういうのばっかり覚えてるかなあ……」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:16:18.31 ID:lbuhyKui0
春香「響ちゃんは何を作るつもり?」
響「貴音が食べたいって言うから、とびっきりの沖縄料理をごちそうするつもりなんだ! まあ和食中心かな?」
春香「和食かあ……羨ましいなあ。私、和食のレパートリーが少なくて……」
響「そうなの? 自分、和食が得意だから今度教えてあげよっか?」
春香「ホント? ありがとう響ちゃん! じゃあ今度お願いするね!」
響「うんっ! その代わり…ってわけじゃないけど、またケーキ作りとか教えて欲しいなあ……」
春香「それくらいならお安い御用だよ! 春香さんにまかせなさいっ!」ドンッ
響「ホントに大丈夫かな……」
春香「え~っ!? ひどいよ響ちゃ~ん!!」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:21:49.10 ID:lbuhyKui0
貴音「まこと、微笑ましい光景ですね」
千早「そうね。春香も我那覇さんも楽しそう」
貴音「それは千早も、でしょう?」
千早「ふふっ……四条さんこそ」
貴音「……はい。そうですね……」
千早「……?どこか思い詰めた顔をしているようだけど……どうかしたの?」
貴音「いえ、何でもありません。大したことではありませんので……」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:27:51.65 ID:lbuhyKui0
響「あっ! 値引きシールが貼られてる! ほら貴音、急がないと!」ギュッ
春香「手なんか繋いじゃって仲いいなあ~」ニヤニヤ
響「そ、そういうわけじゃないぞ! これは貴音がふらふらしないようにしてるだけだからね!?」
春香「はいはい♪」
貴音「…………♪」ニヘラ
千早「……なるほど、今わかったわ。四条さん、あなた……」
貴音「千早、それ以上はとっぷしーくれっとでお願いします」
千早「……そうね、ごめんなさい。じゃあ、また」
春香「二人とも、またね!」
響「ばいばーい! おやすみー!」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:33:09.12 ID:lbuhyKui0
春香「……さて、と…」
ギュッ
千早「は、春香!?」
春香「えへへ、響ちゃんたちに対抗だよ! 向こうが手を繋ぐなら私たちは腕を組んじゃおう!」
千早「……春香。ここはスーパーの中よ」
春香「……あっ…」カァッ
千早「もうっ……」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:38:46.74 ID:lbuhyKui0
春香「そ、それよりほら! 具はどうする?」
千早「そうね……シンプルな方が作り方がわかりやすいからそっちの方がいいかしら」
春香「じゃあビーフカレーなんてどうかな? これが一番メジャーだと思うよ」
千早「ならそうしようかしら。春香は食べたいものとかあるの?」
春香「その……お菓子を……」
千早「却下」
春香「なんで!?」
千早「アイドルだってことを忘れてるでしょ……」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:44:36.52 ID:lbuhyKui0
春香「ふっ、太らないよ! 甘いものは別腹って言うでしょ!?」
千早「ありえないわ。太って体系が崩れてしまってもいいの?」
春香「ちょっとぐらいなら大丈夫だよ! そんなに食べるわけじゃないし! ねっ?」
千早「……仕方ないわね…少しだけよ?」
春香「やったー!! ありがとう千早ちゃん! 大好きっ!」ニパッ
千早「調子がいいんだから……(かわいい……)」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:50:40.73 ID:lbuhyKui0
千早「春香?」
春香「なーにー?」
千早「私、少しだけって言ったわよね?」
春香「こんなの少しだけだよ~。事務所のみんなで食べるとすぐなくなっちゃうもん!」
千早「……ファミリーパックのお菓子が5つ。これで少しだと言うの?」
春香「うんっ」
千早「返してきなさいっ!!」
春香「ふぇ~ん! 千早ちゃんが怒ったぁ~!!」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 00:57:06.64 ID:lbuhyKui0
千早「まったく……おかげで無駄に時間が掛かったわ……」
春香「まあまあ、これもお泊まりの醍醐味ってやつだよ!」
千早「でもお菓子はほどほどにね」
春香「はぁ~い……」シュン
千早「ふぅ……。さあ、着いたわ」
春香「ただいま~!!」
千早「ここは私の家なのだけれど」
春香「まあまあ! 堅いこと言わずに、ねっ?」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:04:27.70 ID:lbuhyKui0
千早「確かに、もう何回目かわからないものね……」
春香「遅くなっちゃったり朝早いお仕事がある時はお世話になってるもんね。今日は違うけど」
千早「そうね。そういえば今日泊まりに来た理由、聞いてなかったわね。どうして?」
春香「千早ちゃんと一緒にいたい気分だったから! ……なんてのはダメかな?」
千早「本当の理由は?」
春香「本当の理由も何も、それだよ? 千早ちゃんとゆっくりまったりしたかったから!」ニパッ
千早「……それよ……その天使の笑顔はGulltyだわ……」
春香「えっ?」
千早「い、いえ、なんでもない!」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:08:52.55 ID:lbuhyKui0
春香「お腹空いたね~」
千早「そうね。もういい時間だし」
春香「晩ご飯作ろっか?」
千早「ちょっと待ってくれる? ブラームスの楽譜が一ページ見付からないの」
春香「ぶー……どうせ私なんて楽譜以下の女ですよーだ!」
千早「拗ねた顔も可愛いわね」
春香「ふぇっ!?」
千早「あ、楽譜も見付かったわ。それじゃあ準備しましょうか」
春香「う、うん……」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:14:23.49 ID:lbuhyKui0
春香「まずは炊飯器にお米をセットして、次に野菜を切るためのまな板を出してっと……」
千早「まな板……くっ……」ペタペタ
春香「? 千早ちゃん、どうしたの?」
千早「な、なんでもないわ」
春香「そう? 千早ちゃん、野菜の切り方はわかる?」
千早「ええ。こうよね?」ゴトッ
春香「千早ちゃん、それ違う! それじゃ大き過ぎだよ!!」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:19:45.95 ID:lbuhyKui0
千早「意外と難しいのね……小学校のキャンプで習った時はこれで大丈夫だったと思うけれど……」
春香「それは小学校の話! ちゃんと作るならもっとしっかりしないと! あ、小さ過ぎてもダメだからね。野菜が全部溶けちゃうから」
千早「…カレーって簡単だと思ってたけど、思ったより面倒なのね……」
春香「慣れたら簡単なんだけどね。れじゃあ次はお鍋を用意して……」
千早「ここでカレールウを入れるのね」
春香「違うよ! ルウは一番最後だからね!?」
千早「そ、そう……」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:24:08.88 ID:lbuhyKui0
春香「まずはお肉をしっかり炒めて……」
千早「ええ」
春香「次に野菜を入れる……あれ? 千早ちゃん、玉ねぎは?」
千早「皮は剥いたけれど、切り方がわからなくて……」
春香「あちゃ~……」
千早「ごめんなさい……足を引っ張ってしまって……」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:28:54.34 ID:lbuhyKui0
春香「気にしなくていいよ。最初はみんなそんな感じだから!」
千早「でも……」
春香「ほらほら、そんな顔してたら幸せが逃げちゃうよ?」
千早「幸せって逃げるものなのかしら?」
春香「逃げるよ? 『こんなところにいられるか! 俺はもう帰る!!』とか言って」
千早「それは少し違うような気がする」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:32:40.42 ID:lbuhyKui0
春香「いい? まず玉ねぎを半分に切って……」サクッ
春香「それからこうやって切っていくの」サクサク
千早「へぇ……すごくわかりやすいかも」
春香「お母さんの受け売りだけどね。あとはお肉と一緒に炒めて……」
千早「わかったわ! ここでルウを入れて一緒に炒めるのね!?」
春香「千早ちゃん、小学校の時キャンプで作ったんだよね?」
千早「私はにんじんを切る係だったから……」
春香「ごめん、私が悪かったよ」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:37:32.86 ID:lbuhyKui0
千早「お鍋がぐつぐつ……」
春香「ルウはまだだよ?」
千早「も、もうわかったわよ!」
春香「まず野菜の硬さを確認して、あく取りもちゃんとしないと」
千早「これは取った方がいいの?」
春香「うん。生臭さの元になるからね」
千早「なるほど……覚えておかないと」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:44:13.55 ID:lbuhyKui0
春香「……うん! そろそろいいかな?」
千早「ルウね!? ルウを入れるのね!?」ワクワク
春香「何が千早ちゃんをそんなにワクワクさせるんだろう……」
千早「いいから早く!」
春香「う、うん」
ぽちゃん
春香「あとは焦げ付かないように、弱火でじっくり暖めながらかき混ぜるだけだよ!」
千早「いい匂いがする……」クンクン
春香「(千早ちゃんかわいい……)」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:51:48.94 ID:lbuhyKui0
千早「ところで春香。違う種類のルウを入れたのは何か意味があるの?」
春香「単に混ぜたらおいしいからだよ! 家庭によって味が違うのはこれもあるんじゃないかな?」
春香「例えば甘味が欲しかったらバーモント、辛味が欲しかったらジャワカレーって感じにね!」
千早「春香の使ったのはバーモントカレー甘口、こくまろ中辛、ジャワカレー中辛ね」
春香「ちょっとスパイスが入ったのがいいかなって思って。バーモントはリンゴとハチミツのパワーで一味加えるのにいいんだよ!」
千早「少しずつ使ったせいで余ってしまったけれど……」
春香「大丈夫だよ! ちゃんと封をしておけばまた使えるから!」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 01:55:07.89 ID:lbuhyKui0
千早「そろそろかしら?」
春香「うーん、もうちょっとかな? あ、そうそう千早ちゃん、知ってる? カレーとシチューって作り方がほとんど同じなんだよ!」
千早「そうなの? 言われてみれば、具材もよく似てるような気がする」
春香「クリームシチューの場合、カレールウをクリームシチューのルウに変えて、あとは牛乳を加えるだけで出来上がり!」
千早「つまりカレーの作り方を覚えてしまえば、クリームシチューもビーフシチューも自由自在……!!」
春香「ビーフシチューはちょっと難しいかも……本格的にしようとすると赤ワインとか使うからねー」
千早「そ、そう……料理は奥が深いのね……」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:00:43.31 ID:lbuhyKui0
春香「出来たっ! 完成だよ千早ちゃん!!」
千早「やっと完成したのね! カレーの作り方もメモして覚えておかないと……」
春香「それじゃあ食べようよ! いっただっきまーす♪」
千早「いただきます」
春香「はむっ……うん! おいしいね、千早ちゃん!」
千早「ええ。成功してよかったわ」
春香「これなら二回ぐらいおかわりしちゃうかも!」
千早「樽ドル……」
春香「や、やっぱり一回だけにしておこうかな!」
千早「おかわりはするのね」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:04:50.61 ID:lbuhyKui0
春香「ごちそうさまでしたっ!」
千早「ごちそうさまでした。おいしくて私もおかわりしちゃったわ……」
春香「えへへ、これでおあいこだね♪」
千早「そういう問題?」
春香「だって千早ちゃんといっしょで嬉しいんだもん!」
千早「……わ、私も、春香といっしょで……その、嬉しい……かもしれないわ……」
春香「ホント? ありがとう、千早ちゃん!」ニコッ
千早「(この笑顔に弱いのよね……)」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:08:26.63 ID:lbuhyKui0
千早「それじゃあ少し身体を動かしましょうか」
春香「えっ? もしかして今日もやるの……?」
千早「日課だもの。日課は続けないと意味がないでしょう?」
春香「そ、そうだけど……ホントにやるの?」
千早「当然よ。日課だもの」
春香「わ、わかったよぉ……じゃあ準備するね?」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:11:48.51 ID:lbuhyKui0
春香「こ、これでいいかな?」
千早「ええ。じゃあ春香……動くわよ?」
春香「あんまり激しくはダメだよ?」
千早「ふっ……! んっ……!」
春香「あっ、ダメ! ずれちゃう……!」
千早「まだ……始めたばっかりよ…! しっかりして!」
春香「だ、だからダメ! このままだと……ああっ!!」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:15:58.35 ID:lbuhyKui0
千早「……春香」
春香「はい……」
千早「もう少ししっかり持ってくれる?」
春香「だって千早ちゃんが激し過ぎるから……」
千早「もう……ノルマまでまだまだ残ってるのに……」
春香「どう考えても多過ぎだよ! 腹筋250回だなんて!!」
千早「そうかしら?」
春香「絶対多い! 私は間違ってないよ!!」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:19:28.07 ID:lbuhyKui0
千早「ふぅ…これでノルマは達成できたわね」
春香「お、お疲れ様……。私の方が疲れた気がするよ……」
千早「春香はトレーニングパートナーには向いていないのかしら……」
春香「あぅっ……。ごめんなさい……もっと精進します……」
千早「冗談よ。付き合ってくれてありがとう、春香」ニコッ
春香「千早ちゃんの笑顔……!これだけでカレーをあと二杯は食べれそう!!」
千早「やめなさい」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:23:44.84 ID:lbuhyKui0
春香「さーて、食後の運動も終わったしお風呂に入ろっか?」
千早「もうこんな時間……時間が経つのが早く感じてしまうわね」
春香「そうだね~。それじゃあ千早ちゃん、入ろう?」
千早「何故ナチュラルに一緒に入ろうとしてるの?」
春香「え? だっていつも一緒に入ってるでしょ?」
千早「確かにそうだけれど……やっぱり恥ずかしいと言うか……」
春香「えーいっ♪」バサッ
千早「きゃっ!? な、何するの春香!?」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:27:31.02 ID:lbuhyKui0
春香「あ、水色。だってこうでもしないと入ってくれないでしょ?」カチャカチャ
千早「もうわかったから! 一緒に入るからホックを外そうとするのはやめて!!」
春香「えへへ~♪ じゃあ千早ちゃん、準備できたら入ってきてね! 私は湯加減見ておくから!」
千早「え、ええ。後でね」
バタンッ
千早「はぁ……」
千早「まったく、変なところばっかり強引なんだから……」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:33:09.53 ID:lbuhyKui0
春香「千早ちゃーん! 一緒に洗いっこしよっ♪」
千早「……どうせ拒否権はないんでしょう? それにしても……」
春香「?」プルンッ
千早「本当に羨ましいわね……胸は大きいし……」
春香「そ、そうかな? 別に普通だと思うけど……」
千早「ムダ毛が一切無いし……」
春香「こ、これは結構気にしてるんだけどなあ……みんな生えてて私だけずっと生えたことないし……」
千早「(天使にムダ毛は生えないということかしら)」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:37:12.40 ID:lbuhyKui0
春香「私は逆に千早ちゃんが羨ましいなあ……ちゃんと生えてるし……」
千早「いいことなんて全然無いわよ? 水着グラビアの時は処理しなきゃいけないし」
春香「む~……それも私には経験出来ないことだから羨ましいなあ……」ジーッ
千早「は、春香? 女同士とはいえ、あまり見られると恥ずかしいのだけれど……」
春香「……!」ティン!
春香「いいこと思いついた!」
千早「……春香? まさかとは思うけれど……」
春香「ふっふっふ……そのまさかだよ、ち・は・や・ちゃんっ♪」
千早「」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:40:20.62 ID:lbuhyKui0
春香「ふぅ~……結構大変なんだね! でもありがとう、千早ちゃん!」
千早「……スースーする……」ツルーン
春香「これで水着グラビアもバッチリだよっ♪」
千早「夏はもう終わりなのだけれど……」
春香「(のヮの;)」
千早「……さようなら……私の毛……」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:44:53.61 ID:lbuhyKui0
春香「で、でもこれで私といっしょだよ! おそろいですよ、おそろい!」
千早「おそろいなんかじゃないわ……」
春香「えっ?」
千早「……おそろいにしたいのなら、この胸を少し寄越しなさい!!」ガシッ
春香「ちっ、千早ちゃん!?」
千早「なるほど……生だとここまで柔らかいのね」モミモミ
春香「ゃんっ! だ、ダメ! 直接だといろいろ……んんっ!」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:49:05.01 ID:lbuhyKui0
千早「はぁ……こんなことしても空しいだけね……」
春香「あ……ぅ……よ、よかったあ……もうちょっとで……」
千早「春香には立派な胸がある。私には揉めるほどもない……」
千早「もうこれは運命だと思って放っておくしかないのね……」
春香「ほっとけない」
千早「……え?」
春香「ほっとけないよ!」ムギュッ
千早「ひゃっ!? は、春香!?」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:53:23.56 ID:lbuhyKui0
春香「ね、ちゃんと掴めたでしょ? それにほら……」モミモミ
千早「や……な、なにを……」
春香「ちゃんと揉めたよ、千早ちゃんのお○ぱい」モミモミ
千早「あっ……揉めるほどはあったのね……」
春香「そうだよ! もっと自信持って!」モミモミ
千早「自信……確かに一番必要なことかもしれないわね」
春香「うんうん! その意気だよ!」モミモミ
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 02:57:34.93 ID:lbuhyKui0
千早「ところで春香」
春香「なにー?」モミモミ
千早「……どうしてずっと揉んでいるのかしら?」
春香「豊胸マッサージ……なんちゃって……」モミモミ
千早「やめて」
春香「はい……」モミッ
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:02:04.74 ID:lbuhyKui0
春香「スキスキっ 大好きっ まるでジェットコースターみーたいねー♪」
千早「あら、懐かしいわね」
春香「えへへ、千早ちゃんは覚えてる?」
千早「もちろん、忘れるわけがないじゃない。初めての大型ライブで、私たちがデュオ組んで初めてステージで歌ったこの曲を……」
春香「『My Best Friend』……歌詞とはちょっと意味合いが違ってくるけど、私たちも親友だもんね!」
千早「ありがとう、春香。あの時はまだまだ無名で、あまり会場を盛り上げることは出来なかったけれど……次の機会があれば必ず──」
春香「湧かせてみせる、よねっ!」
千早「ええ……必ず!」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:06:21.84 ID:lbuhyKui0
春香「ふぅ…さっぱりしたぁ~♪」
千早「…服を着てもスースーする……」
春香「あとはパジャマパーティだよ、千早ちゃん!」
千早「その前に歯磨きを忘れちゃ駄目よ」
春香「はーい!」
千早「(この赤いコップと赤い歯ブラシもすっかり馴染んでしまったわね)」
千早「……ふふっ♪」
春香「どうしたの?」
千早「なんでもない」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:10:14.63 ID:lbuhyKui0
春香「千早ちゃん! 就寝ですよ、就寝!」
千早「ねぇ春香。本当に布団を買うつもりはないの?」
春香「え? なんで?」
千早「余裕が無いわけじゃないでしょう? お泊まりも多いことだし、私の布団一つだけじゃ不便だと思うのだけれど」
春香「一緒に寝るからいらないよ~。それとも千早ちゃんは……私と一緒に寝るの、イヤ?」
千早「嫌なわけないじゃない。春香のことは好きよ」
春香「えへへ……私も千早ちゃんだーいすきっ♪」ガバッ
千早「ちょっ、ちょっと春香!?」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:14:51.58 ID:lbuhyKui0
春香「んー……千早ちゃん、あったかいね」
千早「肌が暖かい人は心が冷たいらしいわよ」
春香「じゃあ私はどうかな?」
千早「暖かいわね」
春香「それじゃあ私も心が冷たいのかな……」
千早「いいえ、はっきりしたわ。そんなものは迷信だって。春香は本当に優しい人……いいえ、天使のように思えるもの」
春香「じゃあ千早ちゃんもいっしょだよ。千早ちゃんも心があったかい人だもん」ギュッ
千早「……そうだといいわね」ギュッ
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:17:04.17 ID:lbuhyKui0
春香「ねぇ千早ちゃん」
千早「何?」
春香「──したくなっちゃった……。してもいい?」
千早「……ほっぺだけならね」
春香「唇は? 女の子同士だからノーカンってダメかな?」
千早「かまわない……と言いたいところだけど、やっぱりやめておきましょう。そういうのは大事にしないと」
春香「ん……そうだね。あんまり軽々しくするようなものじゃないかも」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:20:50.52 ID:lbuhyKui0
春香「でもね、これだけはちゃんと聞いててほしいんだ」
千早「……言ってみて」
春香「大好き、千早ちゃん」
千早「私も大好きよ、春香」
チュッ
春香「おやすみ、千早ちゃん」
千早「ええ。おやすみ、春香」
おわり
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:23:09.76 ID:lbuhyKui0
─エピローグ─
春香「おっはよーございまーす!」
千早「おはようございます」
小鳥「あら、二人ともおはよう。ゆうべはお楽しみだった?」
千早「お、音無さん! いきなり何を──」
春香「はい! 大満足でしたっ!!」
小鳥「キマシタワー!!」
千早「は、春香ぁっ!」
春香「だって満足だったことには変わらないんだもんっ♪」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:25:19.29 ID:lbuhyKui0
千早「……昨日言ったことを訂正するわ。天使じゃなくて小悪魔な面もあったのね……」
春香「えへへ……」ペロッ
千早「(あざとい……けどかわいい……)」
ガチャッ
貴音「おはようございます!」
響「はいさーい……」
春香「二人ともおはよう!」
千早「…? なんだかいつもの二人とテンションが逆のような……」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:26:38.08 ID:lbuhyKui0
貴音「千早、少しよろしいでしょうか?」
千早「え? わ、わかったわ」
響「春香……ちょっといい? 相談があるんだけど……」
春香「う、うん。わかったよ」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:27:48.69 ID:lbuhyKui0
貴音「実は昨日、寝ている響に口付けをしてしまったのです」
千早「そ、そうなの?」
貴音「はい。寝顔が大変可愛らしく、もう我慢がなりませんでした……」
千早「確かに我那覇さんは可愛いわね……」
貴音「あれから一睡も出来ず、未だ興奮が覚めません。何故だか響も機嫌が悪くて……」
貴音「ああ! 私はどうすれば良いのでしょうか!?」
千早「そうね……とりあえず私に言えることは──」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:28:42.88 ID:lbuhyKui0
響「昨日、寝る前に目を瞑ってうとうとしてたら貴音が寄ってきてさ……そのまま唇にキスされちゃったんだ……」
春香「えぇっ!? た、貴音さんも大胆だね……」
響「貴音、寝ぼけてたのかな……自分にキスした後そのまま寝ちゃって……」
春香「……ホントに寝ぼけてたとは思えないんだけど……」
響「結局あれから全然寝れなくて……貴音が起きてきてもまともに顔も見れないままなんだ……」
響「ねぇ春香……自分はどうすればいいの? 教えてよ!」
春香「ええっと……そうだね……とりあえず私が思ったことは──」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:29:43.89 ID:lbuhyKui0
千早「──もう付き合ってしまえばいいと思うの」
春香「──もう付き合っちゃえばいいんじゃないかな」
小鳥「今日のお前が言うなスレはここですか?」
おわり☆
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/10(月) 03:32:12.51 ID:lbuhyKui0
天使のようでやっぱり天使な春香さん。こんな時間までありがとうございました
どうすればもっと天使っぷりを前面に押し出して書けるのかわかりません