1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:27:05.36 ID:d3ntFNto0
―――事務所にて―――
千早「もうすぐ誕生日ね、春香」
春香「あ、覚えててくれてるんだ」
千早「当たり前じゃない。四月三日。来週だから、あと七日ね」
春香「うん。って、そんなカウントダウンみたいな言い方しなくていいよー」
千早「大切なことだからよ。誕生日、期待していてね」
春香「ほんと? ふふ、ありがとう千早ちゃん」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428236825
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:27:55.10 ID:d3ntFNto0
春香(最近忙しくて千早ちゃんとも会えてなかったな)
春香(でも私の誕生日には時間とれるって言ってたから、それまで楽しみにしてよっと)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:28:58.45 ID:d3ntFNto0
―――次の日 事務所にて―――
千早「おはよう春香」
春香「おはよう千早ちゃん! 今日もお仕事がんばろうね!」
千早「そうね……あっ、そうだわ。ねえ春香」
春香「ん? どうかした?」
千早「誕生日まで、あと六日ね」
春香「うん、そうだけど……千早ちゃん、昨日も確認しなかったっけ?」
千早「ええ、そうよ。でもいいじゃない。お祝いなんだから、何回確認しても。」
春香「あはは。何回もって、大げさだよー」
千早「そんなことないわよ。ふふ」
春香(千早ちゃんがこんな冗談言うなんて、珍しいかも。ご機嫌だね。ふふ)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:29:52.68 ID:d3ntFNto0
―――次の日 事務所にて―――
春香「うー……今日のレッスン、ハードだったなー……」
千早「あら、春香。おつかれさま」
春香「あ、千早ちゃーん……おつかれー……」
千早「ずいぶん疲れているみたいね。大丈夫?」
春香「うん、少し休めば大丈夫。次のお仕事まで時間あるし」
千早「無理してはダメよ。体調を崩したら、せっかくの誕生日も楽しめないわ」
春香「そうだね……気をつけるよ」
千早「ええ。誕生日まであと五日なんだから。それまで無理せずがんばってね」
春香「うん……」
春香(誕生日、すごい推してるなぁ……ありがとう千早ちゃん)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:31:00.79 ID:d3ntFNto0
―――次の日 事務所にて―――
春香(今日は千早ちゃん、いないか……)
ピッ
春香「ん? メール……あ、千早ちゃんだ」
【差出人】如月千早
【件名】誕生日
———————————-
あと四日ね、春香。
春香「ふふっ。千早ちゃん、メールでもカウントダウンするの?」
春香「えーっと……」ピッピッ
【差出人】天海春香
【件名】Re:誕生日
———————————-
ありがと千早ちゃん☆
でもそんなに丁寧にカウントしてくれなくてもいいよ!
それとも私を祝うのが待ちきれないのかな?
な~んてっ♪
春香「よしっ、と」ピッ
春香(そういえば千早ちゃん、ずっと誕生日までの日にち数えてるなー)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:31:54.39 ID:d3ntFNto0
―――次の日 事務所にて―――
春香「…………」
【差出人】如月千早
【件名】誕生日
———————————-
あと三日ね
春香「……うん。そうなんだけど、ね」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:33:58.92 ID:d3ntFNto0
―――次の日 事務所にて―――
春香「…………」
【差出人】如月千早
【件名】誕生日
———————————-
あと ふつか ね
春香「えっと、これは……あ、あわてて送ったのかな? あはは、千早ちゃんも忙しそうだなー……」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:35:09.14 ID:d3ntFNto0
―――次の日 事務所にて―――
春香「こ、これは……」
【差出人】如月千早
【件名】誕生日
———————————-
イヨイヨ アシタ ネ
春香「こわいっ!? こわいよ千早ちゃん!? なにこのメール!?」
春香「な、なんだろう。千早ちゃんいったいなにを……あっ」
春香(もしかして千早ちゃん……なにかサプライズというか、ドッキリ的なことを計画してる?)
春香(そう考えればこのカウントダウンメールも、前フリなのかも。うん。そうだよ。そういうことだったんだ)
春香(あー、びっくりした。やるなぁ千早ちゃん。こんなに凝ったことしてくるなんて思わなかったよ。誰かのアドバイスかな?)
春香「ふふ。明日が楽しみだなー♪」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:36:19.98 ID:d3ntFNto0
―――次の日 事務所の前にて―――
春香「…………」
春香(昨日は楽しみって思ってたけど……これ、けっこう責任重大かもしれない)
春香(せっかく、あの千早ちゃんが、一週間前から前フリしてくれたんだから……)
春香(私は、最高のリアクションを見せてあげないといけない……!!)
春香(もし……もしも私のリアクションが、千早ちゃんの思ったものじゃなかったら……)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:38:57.10 ID:d3ntFNto0
春香『わ、わ~。こんなサプライズを用意してくれるなんて~。私、びっくり~。ありがと~』
千早『…………』
春香『……ち、千早ちゃん?』
千早『……そう。そうよね。こんなドッキリ、カンタンにばれてしまうわよね』
春香『えっ!? う、ううん! 全然! ぜぇんぜん気づかなかったよ! ほんとに!!』
千早『慰めはやめて!』
春香『!?』
千早『わかってる。春香に喜んでもらおうと思って、慣れないことをしてみたけれど、かえって気を遣わせてしまったわね』
春香『そんな―――』
千早『やっぱり私には歌しかないんだわ。歌を歌うだけ。そう。ただ歌を歌うだけの偶像。それしかできない存在なの。私は。私は……誕生日を……祝うことすら……できない……くっ!』
春香『ちがうよ! そんなこと……』
千早『ごめんなさいっ、春香―――!』ダッ!
春香『あっ、千早ちゃん! 待って! 話を聞いてっ!!』
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:40:06.44 ID:d3ntFNto0
春香「お願いっ、待って! 千早ちゃん! 千早ちゃぁーんっ!!」
響「…………」
春香「あっ」
響「……えっと……あ、あー……今日は目と耳の調子が悪いかなー。なにも見えなかったぞー。聞こえなかったぞー」ゴシゴシ
春香「…………」
響「…………」
春香「……ごめん響ちゃん」
響「うん……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:41:58.54 ID:d3ntFNto0
――――――
響「というか! 事務所のドアの前でブツブツひとりごと言いだしたから、びっくりしたんだぞ! 急に叫ぶし!」
春香「ご、ごめんね。謝るから、あんまりそのことは掘り返さないで……」
響「せっかく誕生日なのに……千早に会えないせいで、おかしくなったんじゃないのか?」
春香「謝るからー!」
小鳥「なにかあったの?」
春香「なんでもないですっ!」
小鳥「そ、そう。ならいいけど」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:44:02.17 ID:d3ntFNto0
――――――
小鳥「誕生日おめでとう、春香ちゃん」
春香「ありがとうございます!」
響「おめでとー春香! はいっ、これプレゼント! 自分、今日はもう仕事だから先に渡しておくぞ!」
小鳥「あ、じゃあ私もいっしょに渡そうかしら……はい、どうぞ」
春香「わぁ、ありがとうございます!」
響「へへー、自分のプレゼントは春香にぴったりの……あ! もうこんな時間! 行かなきゃ! ごめん春香! またあとでね!」
春香「あっ、うん! いってらっしゃい!」
タッタッタッ……
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:46:49.83 ID:d3ntFNto0
春香「響ちゃんも忙しそうだなぁ」
小鳥「本当は、みんないっしょに誕生会できればいいんだけどね」
春香「いえ、忙しいから仕方ないです。それにこうしてプレゼントも用意してくれましたから」
小鳥「ふふ。きっともっとふえるわよ?」
春香「あはは。そうならうれしいですけど……あ、そうだ」
小鳥「ん?」
春香「あの、千早ちゃんは、もう来てます?」
小鳥「千早ちゃん? いえ、まだよ」
春香「そうですか……」
春香(まだ来てないんだ……いや、もしかしてどこかに隠れてるのかも……小鳥さんも仕掛け人なのかもしれないし)
小鳥「なに? やっぱり一番千早ちゃんに祝ってほしいの? はるちはなの? なーんて」
春香(隠れるとしたら、やっぱりあの辺……ならその場合の完璧なリアクションは……)ブツブツ
小鳥「……? 春香ちゃん? どうかしたの?」
春香「…………」ブツブツ
小鳥「?」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:48:29.24 ID:d3ntFNto0
――――――
小鳥「…………」カタカタ
春香「…………」
春香(……こない。なにも起こらない。事務所には、お仕事してる小鳥さんだけ。本当にまだ来てなかっただけみたい)
小鳥「あら? 春香ちゃんそろそろお仕事の時間じゃない?」
春香「え? あっ、ほんとだ。準備しなきゃ……」
小鳥「やよいちゃんと真ちゃんも一緒だったわよね。二人はもうスタジオに向かってるはずだから、いっしょにがんばってね」
春香「はい! いってきます!」
春香(ドッキリはまだみたい。なら今はお仕事に集中しよう!)
春香(……ん? お仕事? スタジオ……まさか今日のお仕事もドッキリ!? ゆ、油断できないかも)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:49:58.08 ID:d3ntFNto0
―――スタジオ お仕事―――
春香「…………」キョロキョロ
やよい「春香さん、さっきからなにか気になるんでしょうか?」
真「確かにずっとキョロキョロしてるよね。もしかして悩みごとかな?」
やよい「悩みごとですか? そんな、せっかく今日は春香さんの誕生日なのに……」
真「そうだよね……よしっ」スクッ
やよい「あっ、私もいきますっ!」タッ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:51:08.99 ID:d3ntFNto0
春香「もうすぐ収録も終わり……なにも起きないな……」ブツブツ
真「はーるかっ!」ガシッ
春香「わっ!! ま、真ちゃん!?」
やよい「春香さんっ、大丈夫ですか?」
春香「やよいも……え? 大丈夫って、なにが?」
真「春香、なんだか落ち着かないみたいだから。なにか悩みごと?」
やよい「あのあのっ! 私じゃ力になれないかもですけどっ! お話を聞くくらいならできますから!」
真「ボクもだよ。誕生日なんだから、笑って過ごさないと! ね?」
春香「やよい……真……」
春香「…………」
春香「あの、ちょっと聞きたいんだけど」
やよい「はい!」
真「なに?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:51:57.47 ID:d3ntFNto0
春香「ここのスタジオ、隠れるとしたらどこかな?」
やよい「……え?」
真「え?」
春香「え?」
やよい「隠れる……ですか?」
真「なんでそんなこと聞く……はっ!! まさか、だれかに追われてるとか!? ストーカー!?」
やよい「ええっ!? そ、そうなんですかぁ!?」
春香「え?」
真「え?」
やよい「え?」
春香「?」キョトン
真「いや、こっちがキョトンなんだけど」
やよい「……?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:54:03.29 ID:d3ntFNto0
―――お仕事終了 事務所にて―――
春香(やよいと真に、すごい勘違いさせちゃったな……)ガチャ
春香「おつかれさまでーす」
小鳥「あ、春香ちゃん。おつかれさま。あー、でも入れ違いになっちゃったわね」
春香「え? だれか来てたんですか?」
小鳥「そうなのよ。さっき美希ちゃんから、もう仕事だからってプレゼント預かってて。直接会えたらよかったわね」
春香「美希? わあ、わざわざ持ってきてくれたんだ! あとで美希にメールしておこうっと」
小鳥「ふふ、そうしてあげたら美希ちゃんも喜ぶとおもうわ。あ、プレゼントの箱、向こうに置いてあるから今持ってくるわね」
春香「あっ、すみません小鳥さん」
小鳥「ちょっと待っててね」スタスタ
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:54:32.81 ID:d3ntFNto0
―――お仕事終了 事務所にて―――
春香(やよいと真に、すごい勘違いさせちゃったな……)ガチャ
春香「おつかれさまでーす」
小鳥「あ、春香ちゃん。おつかれさま。あー、でも入れ違いになっちゃったわね」
春香「え? だれか来てたんですか?」
小鳥「そうなのよ。さっき美希ちゃんから、もう仕事だからってプレゼント預かってて。直接会えたらよかったわね」
春香「美希? わあ、わざわざ持ってきてくれたんだ! あとで美希にメールしておこうっと」
小鳥「ふふ、そうしてあげたら美希ちゃんも喜ぶとおもうわ。あ、プレゼントの箱、向こうに置いてあるから今持ってくるわね」
春香「あっ、すみません小鳥さん」
小鳥「ちょっと待っててね」スタスタ
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:55:34.89 ID:d3ntFNto0
春香(美希のプレゼント、かぁ。プレゼント……ん? プレゼントの……箱? はっ!?)
春香(そうか! きっと美希も仕掛け人なんだ! 今まで千早ちゃんは箱の中でスタンバイしてて、箱のなかから飛び出してくるんだ! 私を驚かせるために!)
春香(よし、そうとわかれば今からリアクションのシミュレーションをしないとね)
春香(ここで外しちゃったら、きっと……)
千早『そう……そうよね。私がプレゼントの箱から飛び出したところで、なにも面白いことなんてないわよね。ええ、わかっているわ。所詮私は、オルゴールの中の眠り姫……この箱の中で、一生歌っているのが似合っているのよ……』
春香『千早ちゃん!? そんなことないよ! なんかこじらせたみたいなこと言ってないで、出てきて! お願いっ!!』
春香(きっとこんなことに―――)
小鳥「春香ちゃん?」
春香「はっ!?」
小鳥「大丈夫?」
春香「だ、大丈夫です! ちょっと覚悟を決めていただけですから!」
小鳥「か、覚悟? よくわからないけど……プレゼント、もってきたわよ?」
春香(きた!)
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:58:06.94 ID:d3ntFNto0
小鳥「はい、これよ」スッ
春香「はいっ! ありがとうございま―――ええっ!?」ガタッ!
小鳥「ひっ!? ど、どうしたの!?」
春香「箱ってこれですか!?」
小鳥「え? ええ、そうだけど」
春香「ち、ちっちゃ過ぎませんか!?」
小鳥「ちょっ!? ちょっとダメよ春香ちゃん!! そんなこと言ったら!!」
春香「だってこんなの人が入れる大きさじゃありませんよ!! 大丈夫なんですか!?」
小鳥「なんの話!?」
春香「あっ、でもこれなら関節をはずせばなんとか……」
小鳥「だからなんの話なの春香ちゃん!? しっかりして!! 春香ちゃん!!」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:01:29.82 ID:d3ntFNto0
―――数時間後 事務所にて―――
「「「「ハッピーバースデーッ!!」」」」パーンッ!
響「朝も言ったけどあらためて! 誕生日おめでとう春香!」
真「おめでとう!」
やよい「おめでとーございまーすっ!」
春香「ありがとうっ、みんな! 小鳥さんも!」
小鳥「ふふ。よかったわね春香ちゃん」
春香「はいっ! 他のみんなも、ホワイトボードにメッセージ残してくれましたし、すごくうれしいです!」
小鳥「そうねー。みんな春香ちゃんのこと思って―――」
響「ぴよ子っ! はやくはやく! アレ、忘れてるぞ!」
小鳥「え? ……ああ! いけない! すぐ持ってくるわね!」タッタッタッ
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:02:48.76 ID:d3ntFNto0
春香「? アレって?」
響「それはもちろん! バースデーケーキだぞ!」
真「春香みたいに手作りとはいかなかったけどね。あはは」
春香「ううん、うれしいよ! ありがとう!」
やよい「よろこんでもらえたら私もうれしいですっ! あっ、でも、もう大丈夫なんですか? なんだかお仕事中は落ち着かないみたいでしたけど」
真「ああ、そうだったよね。結局なんなのかわからなかったけど」
響「そういえば朝もなんだか変だったなー。どうかしたの?」
春香「あ、あれは……そのー……」
真「あっ、わかった! もしかして、千早を探してたんじゃない?」
春香「えっ!?」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:04:11.26 ID:d3ntFNto0
響「ああ、そういうことか! 確かに千早がどうとか叫んでたし!」
春香「ちょ、ちょっと」
やよい「春香さん、千早さんに会いたかったんですね? 仲良しですっ!」
春香「ちょっと三人とも―――」
真「大丈夫! ちょっと遅れてるみたいだけど、誕生会には必ず来るってさ」
響「そうそう! だからそんなに熱心に千早を探さなくてもムグッ!?」ガシッ
春香「ちょっと静かに! 千早ちゃんに聞こえちゃうから!」
真「え? だから千早はちょっと遅れてるって……」
春香「そうなんだけど、そーじゃなくてー!」
真「? よくわからないんだけど」
春香「だーかーらーっ!」
やよい「あ、あの、春香さん、離してあげないと」
響「んー! むー!」モガモガ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:05:26.24 ID:d3ntFNto0
小鳥「おまたせっ!!」バーン!
春香「うわぁっ!?」バッ!
真「小鳥さんっ!」
やよい「び、びっくりしました」
響「……や、やっと離してもらえた」
小鳥「みんながお話に夢中なスキに、準備完了よ!」
春香「あっ、ケーキ! いつの間に!」
やよい「全然気づかなかったですー!」
真「やるなぁ小鳥さん……あっ、でもローソク忘れてますよ?」
小鳥「え? あら、ごめんなさい。ぜんぜん準備完了じゃなかったわね。ちょっと待っててね……」ゴソゴソ
春香「あはは。いいですよそんな―――はっ!?」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:06:26.24 ID:d3ntFNto0
春香(このケーキ、今は机に置いてあるけど、いつの間に持ってきたんだろう。もしかして最初から机に置いてあったのかもしれない)
春香(ホールケーキに隠れることは無理だけど……机! 頭はケーキで、体は机の中かもしれない!)
春香(千早ちゃん今だよ! 今が出てくる絶好のタイミングだよ! はやく!)
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:07:58.95 ID:d3ntFNto0
やよい「は、春香さん落ち着いてください!」
響「そ、そうだぞ! ローソクがダメっていうなら挿さないから!」
春香「―――はっ!? ご、ごめんみんな、そういうつもりじゃなくて……って、ええっ!? 響ちゃんなにもってるの!?」
響「えっ!? た、ただのナイフだけど……」
春香「千早ちゃん死んじゃう!?」
響「そんな物騒なことしないぞ!?」
やよい「こ、小鳥さん! どうしましょうっ!?」
小鳥「わ、私にもなにがなんだか……さっきも箱のなかに誰かいるとか言ってたし……」
真「は、春香がこわれた……」
春香「おねがい! 千早ちゃんを殺さないで!」
響「わかってるぞ! 当たり前でしょ!?」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:08:53.92 ID:d3ntFNto0
「な、なんの騒ぎかしら?」
小鳥「え? あっ」
やよい「あっ!」
真「千早!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:09:41.72 ID:d3ntFNto0
千早「なんだかケンカみたいな声がしたんだけれど……大丈夫?」
響「あっ、千早!! お願い春香をなんとかしてー!!」
春香「千早ちゃんならケーキの中に―――え? 千早ちゃん?」
千早「なんとかって……どうかしたの春香? 我那覇さんとなにかあったの?」
春香「え……あれ? 千早ちゃん……あれ、なんで?」
千早「ごめんなさい。お仕事が長引いて、遅くなってしまったわね」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:10:23.45 ID:d3ntFNto0
春香「え? ずっと、今までお仕事だったの?」
千早「ええ。そうよ。春香もスケジュール知ってたわよね?」
春香「う、うん。そうなんだけど……この前のメール、なに?」
千早「メール? メールって……ああ、誕生日の前日ね。すぐにお仕事だったからあわてて送ってしまったの。変なメールでごめんなさい」
春香「そ……そうだったんだ……なるほど……そうか……」
千早「……? まあ、いいわ。遅くなってしまったけれど、誕生日おめでとう。春香。あとでプレゼントも受け取ってくれる?」
春香「うん……もちろんだよ……ありがとう、千早ちゃん……」
千早「よろこんでもらえたら、うれしいわ」
春香「…………」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:13:08.19 ID:d3ntFNto0
春香「……千早ちゃん」
千早「なに?」
春香「…………」
千早「……?」
春香「なんかごめん」
千早「……なにが?」
このあと滅茶苦茶みんなに謝った
プロデューサーさんにもこの事を話したら滅茶苦茶笑われた
あと、千早ちゃんに対するイメージもあらためようと思った
おわり
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:14:12.80 ID:STotlEb9o
乙
勢いでワロタ
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:16:49.07 ID:JEPLf0eU0
おもしろかった、乙です。
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 22:17:15.31 ID:d3ntFNto0
二日遅れですけど、春香さんお誕生日おめでとうございます。
ありがとうございました。
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/06(月) 02:01:12.98 ID:zm+tYQAso
乙
ナイフで笑った