1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/01(木) 17:03:48.93 ID:Bo4LPugP0
貴音「どうぞ」コト
響「貴音」
貴音「なにか」
響「肉じゃが、だけ?」
貴音「はい」
響「他には?」
貴音「四条家に伝わる単品という美学云々」
響「なんか焦げてる」
貴音「響」
貴音「召し上がれ」
響「はい」
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:05:16.79 ID:Bo4LPugP0
貴音「自分で料理を作るというのも乙なものです」
響「あむ」パク
貴音「素材を活かすにはどの調理法が一番か、また、その時その時のいんすぴれぇしょんを頼りに」
響「貴音」
貴音「お礼はいいのですよ、『ごちそうさま』という言葉が料理人にとって最高の」
響「まずい」
貴音「おかわりはいくらでも用意して」
貴音「えっ」
響「まずいぞ、これ」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:05:59.99 ID:Bo4LPugP0
貴音「響?」
響「びっくりした」
貴音「箸が止まっておりますが」
響「自分、これ嫌い」
貴音「えっ」
貴音「……肉じゃがは苦手でしたか?」
響「ううん、好き」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:07:38.52 ID:Bo4LPugP0
貴音「良かった、喜んでもらえたようで」
響「喜んでないぞ」
貴音「ふふっ、照れ隠しは伊織だけで十分ですよ?」
響「貴音これ味見した?」
貴音「実は響もつんでれだと話題で」
響「正直肉じゃがって呼びたくな」
貴音「はやああああ!!」ムギュ
響「いひゃあああ!!」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:08:36.15 ID:Bo4LPugP0
貴音「黙って聞いていれば!!」
響「だって」
貴音「面と向かって『まずい』などと言うばかものがどこにいますか!!」
響「ホントなんだもん」
貴音「第一、いきなり『焦げ』の指摘をするなんて!!」
響「身体に良くないって聞くし」
貴音「これだから……、これだからこのごぉや娘は……!!」
響「なんでこんな言われよう」
貴音「この味音痴が!!」
響「」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:10:21.78 ID:Bo4LPugP0
響「味音痴違う!!」
貴音「違くない!!」
響「絶対違う!!」
貴音「まったく、悪ふざけにも程があります」
響「我那覇さんは大真面目ですよ」
貴音「響」
響「はい」
貴音「わたくしは本音を聞きたいのです」
響「まずいかなー、って」
貴音「きーっ!!」バリバリ
響「うぎゃああああ!!」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:11:09.90 ID:Bo4LPugP0
貴音「いい加減にしなさい!!」
響「こんなの理不尽だ!!」
貴音「わたくしは四条貴音ですよ!? 『銀色の王女』なのですよ!?」
響「貴音はこれ味見したのか!?」
貴音「……はい」
響「嘘だ」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:11:39.06 ID:Bo4LPugP0
貴音「本当だぞ」
響「おだまり」
貴音「一口どころか一皿分」
響「はい、あーん」
貴音「あ、あーん」パク
貴音「」
響「ほら」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:12:23.65 ID:Bo4LPugP0
貴音「響、お茶を」
響「はい」コポポ
貴音「んぐんぐ」
貴音「ふぅ」
響「もう一杯のむ?」
貴音「失礼な!!」ギュ
響「いだだだだ!!」
貴音「この際、味のことは置いときます」
響「えっ」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:13:32.91 ID:Bo4LPugP0
響『いただきまーす』パク
響(ま、まずい……!! 貴音失敗しちゃったのかな……)
貴音『いかがですか?』
響『お、美味しいぞ!!』
貴音『では、わたくしも』パク
響『あっ』
貴音『っ!?』
貴音『ひ、響……、あなたはわたくしに気を使って……』
響『……ごめん』
貴音『いいのです……、友情というものはかくあるべき云々……!!』ポロポロ
響『貴音はやっぱり天才さー……!!』ギュッ
貴音「こうでしょうが!!」
響「」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:14:42.65 ID:Bo4LPugP0
貴音「ちっ」
響「おかしい」
貴音「本来ならば悲しみなどなかったのです」
響「いや貴音の料理が美味しかったら」
貴音「うるさい!!」ペチ
響「うぎゃあ!!」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:15:14.92 ID:Bo4LPugP0
貴音「……これを見なさい」サッ
響「手?」
貴音「わたくしのぼろぼろの手が、この肉じゃがへの思いを物語って」ドヤ
響「絆創膏小指だけじゃん」
貴音「数が問題なのではありません!!」
響「血とか入ってないよね?」クンクン
貴音「」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:16:23.52 ID:Bo4LPugP0
貴音「この小娘……!!」フルフル
響「衛生面はしっかりしなきゃダメだぞ?」
貴音「うがああああ!!」ギュギュ
響「いひゃいいひゃい!!」
響『っ!? 貴音どうしたのその手!!』
貴音『い、いえ、なんでも……』
響『嘘!! こんなにボロボロじゃないか!!』
貴音『わたくしの腕が未熟だった故』
響『貴音……、頑張ったんだね……』
貴音『ひ、響……!!』グス
響『やっぱり貴音は天才さー……!!』ギュッ
貴音「どうして分からないのですか!!」
響「茶番だ!!」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:17:10.10 ID:Bo4LPugP0
貴音「あぁ我那覇殿、おたくの娘はなんと悪い女に」
響「むきーっ!!」ポコッ
貴音「きゃああああ」
響「大体、人を呼んどいて肉じゃが一品って!!」
貴音「」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:17:45.71 ID:Bo4LPugP0
響「どういうことだ」
貴音「いや、その」
響「うぅん?」ズイ
貴音「で、ですから」
貴音「月の民は朝が弱く」
響「ただの寝坊でしょ」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:18:35.86 ID:Bo4LPugP0
響「どうして夜更かしなんかしたんだ」
貴音「べ、勉学に励んでおりました」
響「なんの」
貴音「……いんぐりっしゅ」
響「ほぅ」
響「Question」
貴音「お、おぅらい」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:19:10.70 ID:Bo4LPugP0
響「Is this Haruka Amami?」m9
貴音「の、のぅ、あいむはるかあまみ」
響「lol」
貴音「だぶりゅだぶりゅだぶりゅ」
響「答えは『No, it is a table.』でした」グイィ
貴音「いたたたた!!」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:20:37.32 ID:Bo4LPugP0
響「どうして嘘ついた」
貴音「申し訳ありません」
響「ホントは」
貴音「夜中の通販番組を……」
響「……まさか貴音」
貴音「い、いえ、観ていただけです」
貴音「包丁研ぎましぃんなるものが」
響「絶対買っちゃダメだからな」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:21:36.17 ID:Bo4LPugP0
響「結局、きちんと時間に余裕を持たないから料理も失敗したんでしょ」
貴音「返す言葉もございません」
響「それを人のせいにするなんて云々」
貴音「ここはどうか四条の名に免じてお見逃しを」
響「いいえ」
貴音「えっ」
響「じいやに報告します」
貴音「」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:22:24.19 ID:Bo4LPugP0
貴音「それだけは、それだけはぁ!!」ダキッ
響「ダメじゃ、自らの過ちを悔い改めるがよい」ポパピ
貴音「どうか……!!」
響「では師匠と呼べ」
貴音「」
響「出来ぬのか」
貴音「し、師匠……」
響「うむ」ニヤァ
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:23:45.22 ID:Bo4LPugP0
貴音「ぐぬぬ」
響「良い響じゃ、自分だけに」
貴音「はい?」
響「い、いや」
貴音「あっ」
響「んん?」
貴音「どうしてじいやの番号を?」
響「」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:24:52.86 ID:Bo4LPugP0
貴音「響」
響「師匠と呼び」
貴音「答えなさい」ズイ
響「はい」
響「ホントは知らないです」
貴音「よろしい」ニコッ
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:25:39.14 ID:Bo4LPugP0
貴音「出かける準備をしなさい」ムギュ
響「ひゃい」
貴音「765の友情とはどんなものか、思い知らせてあげましょう」
貴音「いざ、765へ!!」ガチャン
響「タッパー忘れてるぞ」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:26:49.31 ID:Bo4LPugP0
貴音「皆、遠慮せず感想をば」
美希「まずいの」
真「ボクこれ嫌いだな」
小鳥「えっこれ肉じゃがなの!?」
貴音「」
貴音「うわあん、あうあうあう!!」ポロポロ
響「はかない友情さー」ナデナデ
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:27:58.96 ID:Bo4LPugP0
貴音「もうけむこぷろに移籍します!」
響「なんと紛らわしい」
美希「どうしようもなくまずいの」
真「お茶ありません?」
小鳥「今入れるわね」
伊織「なんで私まで……」パク
伊織「っ!?」
伊織(めちゃくちゃ美味しいじゃないの……!!)パク
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:28:45.35 ID:Bo4LPugP0
美希「貴音には失望したの」
真「ちょっと意外だったなぁ」
貴音「」
伊織(えっ、本当に美味しいんですけど)パクパク
美希「あれ、デコちゃん?」
伊織「っ!?」パク
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:30:04.51 ID:Bo4LPugP0
伊織「な、なによ」
響「まずくないのか?」
貴音「えっ」クルッ
伊織「」
伊織「ま、まずいに決まってるでしょ!!」パクパク
貴音「」
真「もうなにがなんだか」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:30:56.09 ID:Bo4LPugP0
伊織「……えぇそうよ、めちゃくちゃ美味しいわよ!!」バクバク
貴音「い、伊織……」ギュッ
伊織「アンタも自分の料理に自信持ちなさい!!」
貴音「いおりいずぷれいすおぶまいらいふ」ポロポロ
響「Good」
真「伊織が味オンチだったなんて」
美希「デコちゃんには失望したの」
ガチャン
小鳥「あっ」
やよい「伊織ちゃんが……、味オンチ……?」
伊織「えっ」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:31:41.73 ID:Bo4LPugP0
伊織「や、やよい?」
やよい「そ、そんな……」
伊織「違う、違うのよ」フルフル
やよい「私のなかの伊織ちゃんががらがらー、って」ポロポロ
伊織「お願い、違うの!!」
やよい「ばいばい、伊織ちゃん」タタタッ
伊織「いやああああああああ」
響「あーあ」
美希「デコちゃんサイテーなの」
真「追いかけてくる」ダッ
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:32:28.01 ID:Bo4LPugP0
伊織「……あはっ」
貴音「やよいのことなど今は忘れてください」クイッ
伊織「貴音……」
貴音「わたくし達が765ぷろを美食の道へと導くのです」
伊織「……そうね」
伊織「今は貴音の料理が美味しければ良いのよ!!」パクパク
貴音「えぇ、たんとおあがりください……!!」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:33:23.60 ID:Bo4LPugP0
伊織「貴音、アンタの料理は最高ね!!」
貴音「気高き貴族の味……、とでも言いましょうか」ドヤ
響「なにがだ」
美希「そんなの全然うらやましくないってカンジ」
伊織「ほら、貴音も食べなさいよ!!」グイッ
貴音「えっ」
小鳥「んふっ」
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:34:00.62 ID:Bo4LPugP0
貴音「い、いや、わたくしはその」
伊織「一人寂しく食べろって言うの!?」
貴音「と、とんでもない」
伊織「トクベツなんだから、あーん」
貴音「あ、あーん」パク
貴音「……うぐっ」
伊織「このコクと深みのハーモニーが、あーん」
貴音「むぐっ!?」
貴音「だ、誰か……、移籍届を……!!」
響「lol」
伊織「ほら、あーん」
終
35: おまけ 2014/05/01(木) 17:35:17.88 ID:Bo4LPugP0
伊織『ジャンバルジャンの家より小さい……』
やよい「私の家を見て、そういったんです」
やよい「伊織ちゃんだから、我慢できたのに」
やよい「そんな伊織ちゃんが……、ただのバカ舌だったなんて……!!」
やよい「許さない……、伊織ちゃんなんて許さない……!!」ギュッ
真「よしよし」
やよい「もうなにも信じられない……」ポロポロ
真(やよいの闇は深い)
今度こそ終
36: 訂正 2014/05/01(木) 17:36:06.14 ID:Bo4LPugP0
伊織『ジャンバルジャンの家より小さい……』
やよい「私の家を見て、そういったんです」
やよい「伊織ちゃんだから、我慢できたのに」
やよい「そんな伊織ちゃんが……、ただのバカ舌だったなんて……!!」
やよい「許さない……、伊織ちゃんなんて許さない……!!」ギュッ
真「よしよし」
やよい「もうなにも信じられない……」ポロポロ
真(やよいの闇は深い)
今度こそ終
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/01(木) 17:37:39.68 ID:Bo4LPugP0
ありがとう、お姫ちん
そしてごめんなさい、いおりん