やよい「春香さんは光属性、千早さんは氷属性」【高槻やよいSS】

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 01:24:09.04 ID:OizgKUkT0
やよい「響さんは暗黒の太陽の使いで、月に属する貴音さんと対になってるんです!」

伊織「……そう」

伊織(やよいが厨二病になった)

伊織(それは恥ずかしいことなのよと注意することも出来るけど、
   かわいいからもう少し様子を見ましょう……)

伊織「ねぇやよい、それなら私は? 私には何か特別な属性があったりするの?」

やよい「伊織ちゃん? 伊織ちゃんは、えーっと……」

やよい「……」

やよい「毒?」

伊織「納得いかない!!!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 01:26:30.05 ID:0r6Uu/n00
響は草

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 01:35:48.81 ID:OizgKUkT0
伊織「なんで毒なのよ……やよいは私にそんなジメジメしたイメージを持ってるの?」

やよい「ち、ちがうよ! なんかパって思いつかなかったから、その……ピンクだから毒かなーって」

伊織「ピンク? ああ、イメージカラーのことね。でも毒ってピンク色かしら……」

やよい「チョウスケのランドセルの中に入っていたパンに、伊織ちゃん色のカビが生えてたんだ。
    それを食べたチョウスケが」

伊織「ちょっと待って」

やよい「え?」

伊織「色々と言いたいことあるんだけど、あんた、さっきからちょっと発言がトゲトゲしくない?
   何よ伊織ちゃん色のカビって、普通にピンク色って言いなさいよ」

伊織「っていうかピンク色のカビですって!? 高槻家はどんな環境なのよ!!」

やよい「最近、よく雨振ってるからかなーって」

伊織「雨が関係してるの?」

やよい「雨が降ると湿気でジメジメするから、カビさんがウワーって増えちゃうんだよ!
    あ、でも、伊織ちゃんはお金持ちだからそんなこと知ってるはずないよね」

伊織「毒があるのはやよいのほうなんじゃないかしら」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 01:39:20.58 ID:YU0tJ7WuO
春香さんはノーマルタイプ

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 01:47:35.85 ID:OizgKUkT0
伊織「……で、そのパンを食べたやよいの弟はどうなったのよ」

やよい「……」

伊織「……」

やよい「千早さんはこの世界に残された最後のクリスタル──氷のクリスタルの巫女なんです!
    普段は眠ってるんだけど、刻限(とき)がきたら目を覚まして、クリスタルに呼びかける歌を」

伊織(聞かないほうがよかったのかしらね)

伊織「千早が氷に属するのはわかったわ。まぁ私も、千早は氷ってイメージがあるし」

やよい「イメージカラーも青だもんね」

伊織「水か氷かって言ったら氷よね。でも、ならなんで春香が光なの?
   春香のイメージカラーは赤だし、炎とかじゃない?」

やよい「えへへ……春香さんはいつでもピカピカーって光ってるからだよ。
    春香さんの笑顔を見てると、なんだか心がポカポカしてきて、私まで元気になっちゃいますっ!」

伊織「あら、素敵じゃない」

やよい「あとあと、私も光属性なんだよ。私と春香さんは元気しか取り得がないから……」

伊織「あら、黒いじゃない」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 01:56:04.81 ID:OizgKUkT0
伊織「光属性が聞いてあきれるわ……」

やよい「雪歩さんは何がいいかな……」

伊織「地面とかじゃない?」

やよい「穴を掘るから?」

伊織「うん」

やよい「……伊織ちゃん、そんな簡単な理由で、
    運命に立ち向かう十三人の属性を決めるのはよくないかなーって」

伊織「かわいそうな人を見る目で見ないでよ!
   かわいそうなのはどっちかと言えばやよいじゃない!」

やよい「え、私、かわいそう……?」

伊織(しまった! もうしばらく泳がせておくつもりだったのに!)

やよい「……そっか、そうだよね!」

伊織「え?」

やよい「私はシンデレラ……確かに、ちょっとかわいそうかもしれないです!」

伊織「ちょっと何言ってるかわかんない」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:01:23.51 ID:FEawLrt+0
あずさはヒーラー

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:10:27.19 ID:OizgKUkT0
やよい「私は、お酒とギャンブルにおぼれる父親の元に生まれた、ごく普通の女の子……
    私はいつも、大好きな家族のためにモヤシを育てて売っているんです」

やよい「そんなある日……」

伊織(なんか語り始めたわ)

伊織(明らかに普通の女の子の環境じゃないけど、聞いてあげましょう)

やよい「ある日、私の目の前に花の妖精小鳥さんが現れるんです!
    小鳥さんは私に言いました……」

小鳥『やよいちゃん、落ち着いて聞いてね。この世界はもうすぐ、魔王サイレントの手によって滅びるわ。
   魔王の力によって人々は声を失い、音を失い、歌を失ってしまうの』

小鳥『でも、まだ希望は残されている。それが、十三人の選ばれし者──円卓の聖騎士達。略してアイドルなのよ』

小鳥『そして、あなたもその騎士達の一人。これから旅に出て、
   前世から魂の根底に受け継がれている聖騎士のチカラを呼び起こし、世界を救ってちょうだい!』

やよい「……って。私に与えられたそのチカラの名は、『シンデレラ』……どん底から這い上がるモノという意味です」

伊織「う、うん」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:22:39.02 ID:OizgKUkT0
やよい「……でもね、伊織ちゃん。これは小鳥さんの罠だったんです!」

伊織「あ、そう……」

やよい「伊織ちゃん?」

伊織「是非聞かせてちょうだい。興味しんしんだわ」

やよい「えへへ」

やよい「実はね、魔王サイレントの正体、それこそが小鳥さんだったんだ!」

伊織「へー。でも、小鳥がやよいの運命を教えたんでしょ?
   世界を滅ぼすつもりなら、そんなこと教えなければよかったんじゃないの」

やよい「あぅ、それは……」

伊織「……」

やよい「……あ、そうだ! 実は実は、小鳥さんは今、力がバラバラになっちゃってるんです!」

やよい「この世界に広がる悪の力は、ひとつひとつは小さいけど、その全体のパワーはゼッタイに減ることはありません。
    私達は小鳥さんのメイレイで魔王の子分達を倒していくんだけど……」

伊織「全体のパワー……つまり総エネルギーが変わらないということは、子分を倒せば倒すほど、
   悪の力はひとつに集結され、結果として小鳥が強くなるということね?」

やよい「そうなんです!」

伊織(なんという後付設定。これがライブ感か……)

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:36:50.64 ID:OizgKUkT0
伊織「それなら、私達がピンチのときに、小鳥が不思議な力を使って助けてくれるのもいいんじゃない?」

やよい「え? なんで?」

伊織「小鳥の力を封じてる子分を倒せるのはアイドルだけだから、私達に死なれては小鳥が困るもの。
   でも、小鳥がそんな不思議な力を持っていることに不審感を覚えるアイドルがいる……
   それが、暗黒の太陽の使いである響なのよ」

やよい「そ、そっか! 響さんはひとりだけ闇のチカラを正義のために使うアイドルだから、
    小鳥さんのチカラが自分のチカラに似てるって気付くんだね!」

伊織「そうよ。そういうのを、伏線っていうの。物語に奥深さを与えるわ」

伊織(なんだか楽しくなってきたわ。去年の私を思い出すわね)

やよい「それでそれで……」

小鳥「伊織ちゃん、やよいちゃん」

伊織「出たわね魔王サイレント」

やよい「世界を滅ぼすなんてダメかなーって!」

小鳥「なんの話?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:44:44.77 ID:ZaOJPTP+0
ミキは毛虫属性

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:48:26.19 ID:OizgKUkT0
小鳥「なるほど……つまり私の企みによって、あなた達アイドルは魔王を復活させてしまうということね。
   なかなか良い役どころじゃない、サポート役が真の黒幕だなんてアツいわ!」

伊織「小鳥もそういうの、好きみたいね」

小鳥「うふふ、いくら年齢を重ねようとも、心はいつだってJCのままですから」

やよい「あの、それで小鳥さん、どうしたんですか?」

小鳥「ああそうだ、話に夢中ですっかり忘れてたわ。
   えーっと、今プロデューサーさんからメールがあって……
   はい、これ。プリントアウトしたから目を通しておいてちょうだい」

ペラッ

伊織「これって……新しい仕事の話?」

小鳥「そうよ! なんとなんと、舞台が決まったの!」

伊織・やよい「舞台!?」

小鳥「それも765プロ全員が出演できるんですって!
   確保できた会場も大きいし、これは素敵なお仕事になりそうねぇ」

伊織「……やよい」

やよい「……うん!」

小鳥「え? どうしたのふたりとも、意味ありげな目配せをしちゃって……
   何かあったのかなって気になって、ドキドキしちゃうじゃない」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:52:55.09 ID:OizgKUkT0
伊織「小鳥、私とやよいは今日、もうスケジュールは全部済んでるのよね?」

小鳥「ええ、そうね」

やよい「それじゃあ、今からちょっと、プロデューサーのところにいってきまーっす!」

小鳥「プロデューサーさんのところ? 何をしにいくの?」

伊織「にひひっ♪ それはね……」

やよい「舞台を、もっともっと素敵にさせようかなーって!」

小鳥「……?」

──────
────
──

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 02:54:09.63 ID:74thxNcl0
やよいは可愛いなー

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 03:01:01.76 ID:OizgKUkT0
 

~数ヶ月後、舞台初公演~

ブー……

『……皆様、大変長らくお待たせいたしました』

『ただいまより、765プロオールスターズによる舞台、
「円卓のアイドル達」を開演いたします』

ワァァ……! パチパチパチ……!

高木「いやぁ、ついにこの日が来たねぇ。何事も無く終わるといいが……」

P「みんなこの日の為に練習を重ねてきたんです。絶対、大丈夫ですよ!」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 03:10:02.88 ID:OizgKUkT0
高木「ところでこの舞台、当初とは大幅に内容が変わったと聞くが?」

P「ええ、実は、この舞台が決まったその日に、伊織とやよいから話を持ちかけられて──……」

~舞台袖~

伊織「さあみんな、いくわよ! 私達全員による初の舞台、絶対に成功させましょう!」

春香「あの……」ピカピカ

伊織「なによ」

春香「ここまで来てこんなこと言うのもなんだけど、本当にやるの、これ……?」ピカピカ

伊織「トーゼンじゃない。春香、その衣装似合ってるわよ。とっても輝いてる」

春香「輝いてるって物理的にだよね、オーラとかそういう話じゃないわよね。
   ビジュアル衣装もビックリするくらいチカチカ光ってるんだけど……光属性ってこういうことだっけ?」

やよい「春香さん、まぶしいですーっ! なんだか私まで心がメラメラーってなって、
    うっうー! って気持ちになっちゃいます!」

春香「あはは……あ、ありがと……」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 03:18:18.77 ID:OizgKUkT0
伊織「うだうだ言うんじゃないわよ。私なんて毒よ、毒」

春香「伊織はそれでも可愛い衣装だからいいじゃない! 自分でデザインしたとかズルいよ!」

伊織「それくらいの権利があって当然でしょ、この企画は私とやよいが中心になって決めたんだから」

春香(プロデューサーさん……なんでOKしちゃったんですか……)

伊織「……それに、文句を言うなら、アレを見てから言いなさいよね」

春香「アレ?」クルッ

小鳥「へっくち! さ、さむい……」プルプル

律子「小鳥さん、大丈夫ですか?」

小鳥「え、ええ……どうしてこうなっちゃったのかしらね……」

春香「……」

伊織「……あの年になって、あの露出よ。さすがね」

春香「ティン○ーベルの衣装を参考にしたんだっけ……」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 03:26:59.29 ID:OizgKUkT0
伊織「プロデューサーのはずの律子も、なんだかんだ言って、
   あらゆる魔法を操る賢者役として参加してくれてる。
   練習中は案外ノリノリだったから、元々こういうのが好きだったのかもしれないけど……」

伊織「とにかく、この舞台は、私達にとってとても大きな仕事なのよ!
   なにより、私とやよいのアイデアがたっぷり詰まってるんだから!」

春香「……うん、そうだね」

伊織(……そう)

伊織(これは、私達が作り上げた、手作りの舞台──……)

スタッフ「皆さん、そろそろ時間ですので、お願いします!」

みんな「はい!」

伊織(ほんのささいな出来事がきっかけだった)

伊織(それでも私達は、あの日思い描いた夢の世界を現実にするために、
   今日まで一生懸命走ってきたのよ……!)

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 03:36:28.91 ID:OizgKUkT0
伊織「……やよい!」

やよい「うん!」

伊織(私達はこの舞台で、想像を現実にする……)

伊織(出演者も観ている人も、みんなみんなまとめて、
   夢の世界に連れてっちゃうんだから!)

やよい「うっうー! みんなで、がんばっちゃいましょーうっ!」

伊織「それじゃあ、行くわよ! 765プロ──……」

   「「「「……ファイト──!!!」」」」

──これから、少しだけ未来の話。
この舞台が評判を呼び、さらになんやかんやでみんな自分のキャラが気に入って、
765プロは『かわいくてちょっぴり痛い厨ニ病アイドル集団』であると世間から認識されるようになるのであった。

でもそれは、また別のお話……。

おわり

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 03:38:09.72 ID:qfKSJ9HxO
おつ

結局、雪歩真あずさ亜美真美美希あたりの属性やいかに

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/17(月) 03:48:14.01 ID:YU0tJ7WuO
乙でござった!!!

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