1: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 00:41:26.15 ID:UefD66RJO
―――事務所
李衣菜「…………」
泰葉「…………」
加蓮「…………」
李衣菜「……おかしくない?」
泰葉「うん、おかしいと思う」
加蓮「な、なっなにが? お、おかしいところなんてひとつもないと思うけど?」
李衣菜「……泰葉、まずはトークバトルショーお疲れさま!」
泰葉「ふふ、李衣菜も職業体験のお仕事お疲れさま。衣装も相まってかっこよかった……♪」
李衣菜「へへ、さんきゅ♪ ……で、そこの北条さんは?」
泰葉「そうね、北条さんはどんなお仕事してきたの? 教えてほしいな……ふふっ」
加蓮(あわわわわわわ……!)ガクブル
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2: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 00:44:49.60 ID:UefD66RJO
李衣菜「なんだっけ、デート? ……あぁそっか、デート企画ってやつ?」
泰葉「映像がそのまま恋人の視点になって、アイドルとのデート気分を味わえるアレね」
李衣菜「なるほどー、撮影のお仕事だったんだね北条さん?」
加蓮「え、えと、そのぉ……」
泰葉「ロケーションは……遊園地だったかな?」
李衣菜「そうそう、遊園地。ジェットコースターとか、コーヒーカップとか……LINEでたくさん写真が送られてきたよ」
泰葉「北条さん、どれもとっても楽しそう。……あれ? どうして映像じゃなくて写真なの?」
李衣菜「なんでだろうね?」
加蓮「う、うぅぅぅ……!」
3: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 00:48:13.34 ID:UefD66RJO
泰葉「それに、隣に写ってる男性……私、どこかで見たことがあるんだけど」
李衣菜「奇遇だね、私も見たことあるんだ。うーん、誰だっけ?」
泰葉「たしか……私たちのプロデューサーじゃなかった?」
李衣菜「あー、そういえばそうだね! よく見たらPさんだ」
泰葉「ふふっ、変なの。どうしてPさんがデート企画のお仕事で顔出ししてるのかな」
李衣菜「手まで繋いじゃって。これじゃまるで、ほんとのデートみたい。ねぇ泰葉?」
泰葉「そうね李衣菜、これじゃデートよね」
「「ねぇ加蓮?」」ニコー
加蓮「ひぃぃぃぃ……!」
4: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 00:51:08.99 ID:UefD66RJO
李衣菜「いや別に、Pさんとデートするのは構わないよ? 私たちも了解してたから」
加蓮「はい……」
泰葉「でもね加蓮、実況したり5分置きにツーショット写真を送ってきたりするのは困っちゃうかな」
李衣菜「ちょっと目を離した隙に40、50も未読溜まってたときはさすがにイラッとしたね」
加蓮「すみませんでした……」
李衣菜「あはは……気持ちは分かるけどさ。初めてだったんでしょ? こういうふうに遊んだのって」
加蓮「う、うん……だから舞い上がっちゃって。……ごめんね、2人はお仕事だったのに私だけ……」
5: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 00:53:25.57 ID:UefD66RJO
泰葉「ふふ、気にしないで。いっぱい楽しめたみたいでよかった」
李衣菜「うん、そだね。加蓮が楽しんだのならそれでよし!」
加蓮「え、あの……お、怒ってないの……?」
李衣菜「えへへ、そんなわけないでしょ。ちょっとからかってみただけっ」
泰葉「加蓮が本当に幸せそうだったから、意地悪したくなっちゃったの。ふふっ!」
加蓮「な、……なにそれぇ!? あんまりいじめると泣くよ私……!?」
6: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 00:56:31.09 ID:UefD66RJO
李衣菜「へへ、泣いちゃったときは甘ーいカフェモカでも淹れて、慰めてあげるよ」
加蓮「……ふーんだ。泣かせる側がそんなこと言ったって説得力ないんだからっ」ツーン
泰葉「そんな顔しないで、加蓮。ほら、私の笑顔で元気になって♪」ニパッ
李衣菜「お、じゃあ私も! へへっ♪」ニカッ
加蓮「たかが笑顔で……もー、ふふ♪」
加蓮「まったくぅ、かわいいから許しちゃうー!」ムギューッ
李衣菜「うひょー♪ ってどこ触って、んにゃあっ!?」
泰葉「ふふっ、ぎゅー……♪」
―――
――
―
7: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 00:58:44.39 ID:UefD66RJO
加蓮「――今度は一緒にお出かけしようね、2人ともっ」
李衣菜「うん! どこ行こっか? 泰葉は行きたいところある?」
泰葉「んー、水族館とかいいかな……イルカショーとかも面白そうだし。李衣菜は?」
李衣菜「おー、いいね。私は……あ、そうだ! ちょうどホワイトデーだしさ、スイーツ巡りとかどう?」
泰葉「あっ、私もそれがいいっ。Pさんに甘いもの、プレゼントしてもらいたいな……♪」
加蓮「……あっ」
泰葉「え?」
李衣菜「ん?」
8: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 01:00:37.28 ID:UefD66RJO
加蓮「…………」
泰葉「…………」
李衣菜「…………」
泰葉「…………」
李衣菜「……加蓮?」
加蓮「は、はひ」
泰葉「……もしかして、遊園地で」
李衣菜「もうバレンタインのお返し、もらってた……とか?」
加蓮「……あ、あはっ♪」
9: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 01:03:08.73 ID:UefD66RJO
李衣菜「おっかしーなぁ? LINEにもそんな写真上がってなかったけど?」グニー
泰葉「まさか、黙ってたの? そうなの加蓮? ねぇ加蓮?」ムニムニ
加蓮「うゅゅゅゅ! いひゃいいひゃいごめんにゃひゃい!」
李衣菜「そうだよねデートだもんね、プレゼントのひとつやふたつ、思い出に買ってもらえるよね」
泰葉「羨ましいな加蓮、どんな素敵な贈り物だったのかな? 私たちにも話せないくらい大切なものなのかな?」
加蓮「いう、いうからぁ! はなひてぇぇ!」
10: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 01:05:52.21 ID:UefD66RJO
李衣菜「――なんだ、普通のココアか……つまんないの」
泰葉「もっと指輪とか、直接的なものかと思ったのに……残念」
加蓮「うぅぅ、ほっぺた千切れるかと思ったぁ……!」ヒリヒリ…
泰葉「それで? どうして内緒にしてたの?」
加蓮「だ、だって恥ずかしかったの! 不意打ち食らったから顔真っ赤になっちゃって、Pさんにも笑われたし……!」
李衣菜「よく言うよ、散々いちゃついてる写真送りつけてきたくせに……」
11: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 01:10:12.92 ID:UefD66RJO
泰葉「そうだ、もらったときの写真はないの?」
加蓮「あ、あるわけないでしょ! 私とPさんだけの秘密――」
李衣菜「『Pさん、加蓮にプレゼントしたときのリアクション写真ありますか?』……っと」
泰葉「李衣菜、素敵!」
加蓮「ちょっ……!?」
ぴろんっ
プロデューサー
『あるぞ。こっそり撮ったから』
李衣菜「――ぶふっ! あは、あはははははは! と、トマトかなこれ? あっははははは!!」
泰葉「ふ、ふふふっ! 顔ってこんなに赤くなるんだ……デレデレしちゃって、ふふっ、うふふふふ♪♪」
加蓮「なんであるのPさんのばかぁぁぁぁあああああッ!!!」
12: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 01:12:15.92 ID:UefD66RJO
加蓮「」
李衣菜「いやー、面白いの見れた♪」
泰葉「ホワイトデーのプレゼント、これでもう充分かも……♪」
加蓮「」
李衣菜「……おーい? 生きてるー?」
加蓮「…コロシテ。コロシナサイ」
泰葉「元気出して、加蓮。生きてればきっといいことあるから♪」
13: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 01:16:08.39 ID:UefD66RJO
加蓮「もうやだぁ」グスン
李衣菜「あ、泣いた。じゃあ約束通り、カフェモカでも飲もっか!」
泰葉「ふふ。カフェの店長さん、よろしくね?」
加蓮「今のこの気持ちを忘れさせるくらい甘いのお願いぃ……」メソメソ…
李衣菜「えへへ、任せてよ! ちょっと待っててねっ」
泰葉「加蓮、泣かないの……よしよし」
加蓮「うぅ~……!」
14: ◆5F5enKB7wjS6 2016/03/14(月) 01:19:36.64 ID:UefD66RJO
加蓮「――もう、Pさんのばかぁ。隠し撮りなんて……!」
李衣菜「ずずっ……あはは、まだ言ってる――甘っ。チョコシロップ入れすぎたかな」
加蓮「あぁ、甘い……Pさんのくれたココアよりずっと美味しい……あんな人知らないっ」
泰葉「ふふ、独り占めするとこうなるのね。うん、いい香り……♪」
加蓮「だいたいさ、Pさんはいつもいつも――!」グチグチ…!
李衣菜「はいはい、そうだね――♪」ケラケラ
泰葉「ふふふ……楽しい♪」ニコニコ
おわり