1 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:30:45.74 :5ws2K5UEO
―――事務所
加蓮「!?」
泰葉「そうなの?」
李衣菜「『ヤン』ってあれでしょ、病的な、って意味」
泰葉「ああ、『病ん』?」
李衣菜「病的と言えば?」
泰葉「なるほど、加蓮」
李衣菜「うん、そういうこと!」
加蓮「なんだか色々と失礼なんだけど」
2 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:33:51.93 :5ws2K5UEO
李衣菜「あれ? 違った?」
加蓮「全然違うでしょーが。病的ってなによ」
泰葉「病的、とは?」
李衣菜「すごくなにかに執着してる、とかそんな感じ?」
加蓮「私がなにに執着してるって言うの?」
泰葉「うーん、ファストフード……?」
李衣菜「それだ!」
加蓮「…………それだ」ガクッ
3 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:36:11.68 :5ws2K5UEO
李衣菜「って認めるんだ?」
加蓮「た、確かにそれは認めざるを得ないというか……」
泰葉「まぁ、控えめに言って食べ過ぎかな……。隙あらば、だもの」
李衣菜「なんで太らないのか不思議すぎる……」ツンツン
泰葉「ね」プニプニ
加蓮「やんっ! つ、つつかないでよっ」
泰葉「あ、その『やんっ』?」
李衣菜「それか!」
加蓮「そこに戻るの?」
4 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:39:07.22 :5ws2K5UEO
李衣菜「その『やんっ』だとして、じゃあ『デレ』ってなんだろう」
泰葉「順当に『デレデレ』?」
李衣菜「それじゃつまんないよ。もっと面白いのないかな」
泰葉「デレ、デレ……シンデレラ?」
李衣菜「『やんっ! シンデレラガール』?」
泰葉「ガッとやってちゅっと吸いそう」
李衣菜「きっとこれだよ!」
加蓮「分かった、暇なんだ。ねぇ暇なんでしょ?」
5 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:44:11.86 :5ws2K5UEO
李衣菜「バレたかー」
泰葉「バレたところで加蓮はどう思う? 『ヤンデレ』とは」
加蓮「……付き合わなきゃダメ?」
泰葉「うん、ダメ」
李衣菜「加蓮も暇でしょ?」
加蓮「暇なのになんで事務所来ちゃうんだろ」
泰葉「だって……」
李衣菜「来れば二人ともいると思ったから」
「「ねー」」
加蓮「仲が良いのはいいこと、だよね。いいことなんだけどなぁ、はぁ……」
6 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:46:21.73 :5ws2K5UEO
加蓮「で、ヤンデレだっけ? とりあえず面白いこと言えばいいの?」
李衣菜「とびきり面白いこと、だよ?」
加蓮「どうしてハードルをあげるの?」
泰葉「困難に立ち向かう。それこそ芸能界で生きていくために必要なこと……」
李衣菜「高い壁を乗り越えていく! まさにロックの精神そのままっ!」
泰葉「そう、つまりアイドルとしてヤンデレを超えていかなければならないの……!」
加蓮「お願い助けてPさん」
P「俺に振らないでくれ、仕事中だ。なんだよヤンデレを超えるって」カタカタ…
7 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:48:51.33 :5ws2K5UEO
泰葉「Pさんはヤンデレ、好きですか?」
李衣菜「Pさん的にはどのくらい病んでたほうがいいんですかね?」
P「ほら見ろこっちに流れ弾が……」
加蓮「だ、だって!」
泰葉「レベル1、『暗い部屋で想い人の名前を付けたドールと独り会話している』」
李衣菜「レベル2、『ヘッドホンで音楽聴いてると思ったら盗聴だった』」
P「」
加蓮「それ二人のことじゃないよね? ねぇ?」
8 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:54:33.32 :5ws2K5UEO
李衣菜「あっはっは、やだなぁ。そんなこと……」
泰葉「あるわけないじゃない。ふふっ……」
李衣菜「あはっ……♪」
泰葉「ふふふ……♪」
P「ひぃぃいいい」
加蓮「Pさん逃げてー!」
9 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 12:58:00.64 :5ws2K5UEO
李衣菜「えへへ、まぁそれは冗談として」
P「ほ、ほんとに冗談か……!? 俺が昨日食べた夕飯は!?」
李衣菜「もちろん知りませんけど。ロールキャベツですか?」
P「良かったラーメンと餃子だ! 嘘だったー!」
加蓮「……ていうか泰葉、ドール持ってたっけ?」
泰葉「ううん。だって高いし、うちも狭いもの……ミニチュア作るくらいしか出来ないよ」
加蓮「シルバニアは持ってるのに?」
泰葉「あ、あれは小さいしかわいいから……!」カァ
P「泰葉かわいい」
李衣菜「かわいい」
10 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 13:00:38.62 :5ws2K5UEO
泰葉「と、ともかく! 新しいヤンデレ、考えてみましょう!」
李衣菜「お、てさぐってるね!」
加蓮「新しいって……」
P「俺も巻き込まれるやつなの?」
泰葉「一緒にやってくれないと……病みます」
P「お、脅し方が新しいな……ちょっとだけだぞ?」
李衣菜「へへっ、さっすがPさん! ノリがいいですねー♪」
P「不本意だからなっ、不本意!」
泰葉「ふふ♪」
11 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 13:03:35.90 :5ws2K5UEO
P「まずは李衣菜から、新しいヤンデレ言ってみろっ」
李衣菜「ふむっ。えーっと、ヤンキーがデレる! とか?」
泰葉「……うーん普通……」
加蓮「割りとメジャーじゃない?」
李衣菜「えっ、だって前一緒にお仕事した藤本さんが向井さんのことを――!」
泰葉「また他の女の子の話してる……!」ギリッ
加蓮「李衣菜には私がいるのに……なんで……!?」ギリッ
李衣菜「ちょ、病むの!? ここで!?」
P「ふふ、面白いなぁお前ら」
12 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 13:05:15.06 :5ws2K5UEO
李衣菜「へ、ヘルプですPさーん!」
泰葉「待ちなさい李衣菜。二度と出歩けないように手足を……ふふふ」
李衣菜「目が! 泰葉目が死んでるよ!? ノリノリじゃん!」
P「おう、モテる女はつらいな李衣菜」ニヤニヤ
加蓮「あははっ♪」
14 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 13:07:41.26 :5ws2K5UEO
加蓮(……ま、確かに。病院のベッドでいつまでも『病んでる』より――)
李衣菜「Pさんの役立たずー! 加蓮でもいいから助けてよぉ!」
加蓮「じゃあ私は、ベッドの下でおはようからおやすみまで監視してあげる。ふふっ!」
李衣菜「」
泰葉「つ、か、ま、え、たっ♪」ギュッ
P「はいバッドエンド~」
加蓮「李衣菜先生の次回作にご期待くださーい」
李衣菜「いやだああああ!」
加蓮(今のほうが、ずっとずっと楽しいかな♪)
おわり
15 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 13:08:23.57 :5ws2K5UEO
というお話だったのさ
安心してください、病んでませんよ
16 :◆5F5enKB7wjS6 :2015/12/13(日) 13:10:47.00 :5ws2K5UEO
(なんとか年内に通算50作超えたかったけど無理だろなこれ)
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【SS速報VIP】泰葉「ヤンデレって?」李衣菜「加蓮のことだよ」
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