1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 18:50:30.29 ID:55MXMnI0o
泰葉「…………」
P「泰葉ちゃ」
泰葉「ダメです」
P「…………」
泰葉「…………」
P「……あ、そっか聞き間違いか! ごめんごめん!」
泰葉「…………」
P「撫でていい?」
泰葉「ダメです」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 18:51:30.14 ID:55MXMnI0o
P「何で」
泰葉「何でもです」
P「何でもって事」
泰葉「何でもです」
P「…………」
泰葉「…………」
P「……分かった」
泰葉「……ふぅ」
P「とりあえず撫でていい?」
泰葉「ダメです」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 19:01:53.08 ID:55MXMnI0o
P「肇ちゃーん!」
泰葉「…………」
肇「どうかなさいましたか?」
P「アタシ、泰葉ちゃんに嫌われちゃった……」
肇「?」
P「うう、ちっとも撫でさせてくれないんだよー……肇ちゃん、撫でてー」
泰葉「…………」
肇「それは、それは……ええと、こんな感じでしょうか」
P「うん良い感じ……ひどい、ひどいよ…………ちらっ」
泰葉「…………」
P「ぐすっ…………ちらちらっ」
泰葉「…………」
肇「…………」
P「ぐすっ…………撫でていい?」
泰葉「ダメです」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 19:14:15.41 ID:55MXMnI0o
P「ダメだ。作戦会議しよう」
肇「作戦会議」
P「作戦会議」
肇「なるほど」
泰葉「…………」
P「どうすればいいと思う?」
肇「うーん……もっと間接的に言ってみてはどうでしょう?」
P「間接的?」
泰葉「…………」
肇「はい。さり気なく、こう」
P「なるほど」
泰葉「…………」
P「あー、なんかこう、手がとっても寂しいなー。お仕事が進まないなー」
泰葉「…………」
P「ちょうど、こう……ぱっつん頭とか、ちょうどいい具合なんだけどなぁ……」
泰葉「…………」
P「困ったなぁ。キーボードを叩き疲れちゃったんだよなー」
泰葉「…………」
P「いい?」
泰葉「ダメです」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 20:09:58.42 ID:55MXMnI0o
P「ダメかぁ……」
肇「お役に立てずすみません」
P「いやいやかなり良い感じだったよ。ほんのもう一歩だね」
泰葉「えっ」
P「えっ?」
泰葉「いえ」
P「うーん……あ、そっか」
泰葉「?」
P「…………」
泰葉「……!」
P「……っ」
泰葉「…………っ!」
P「何で逃げるの!」
泰葉「何で黙って撫でようとするんですか」
P「いや許可取ろうとするからダメなのかなって」
泰葉「許可があろうと無かろうとダメなものはダメです」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 21:02:06.09 ID:55MXMnI0o
P「どうしろって言うのっ!」
泰葉「いえ、どうしろとも言いませんが」
P「むぅ……」
蘭子「ふむ……甘美なる響きよ」
(このクッキーおいしいなー)
P「……! 蘭子ちゃん、ちょっと」
蘭子「む?」
泰葉「?」
P「じゃ、お願い」
蘭子「ククク……我が腕に抱かれる覚悟は出来たか!?」
(撫でていいですか?)
泰葉「否。我が魂は何物にも靡かぬ」
(ダメです)
P「……!?」
蘭子「…………!?」
泰葉「あ、確かにこのクッキー美味しい」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 21:25:17.00 ID:55MXMnI0o
P「この手も通じなかったかぁ」
蘭子「あの、いまの」
P「むむむ……」
蘭子「あの」
アーニャ「ヴォスヒティーティルニ……おいしいです」
P「…………! アーニャちゃん、ちょっと」
アーニャ「シトー?」
P「じゃ、お願い」
アーニャ「Могу ли я погладить вас?」
泰葉「ニェート」
P「……!」
アーニャ「…………! ロシア語、分かりますか?」
泰葉「いえ、分かりませんけど分かります」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 21:35:51.52 ID:55MXMnI0o
泰葉「…………あの」
P「撫でていい?」
泰葉「ダメです。……何で撫でたがるんですか?」
P「えっ、可愛いから」
泰葉「えっ」
P「可愛いから」
泰葉「そ、そうですか……」
P「照れてる」
泰葉「照れてないです」
P「可愛い」
アーニャ「かわいいです」
蘭子「可憐」
(かわいい!)
肇「可愛らしいですね」
P「撫でていい?」
泰葉「ダメです」
P「あれー?」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 22:01:18.68 ID:55MXMnI0o
P「こんな事もあろうかと助けを呼んでおきました」
泰葉「普段どんな事を考えてるんですか」
楓「どうも、助けです」
泰葉「あ、おはようございます」
P「じゃあお願いします」
楓「はい。蘭子ちゃん、ちょっと」
蘭子「え、また私?」
楓「相変わらず抜群の撫で心地ですね」
蘭子「ふわぁ……」
楓「いいこ、いいこ」
P「さ、泰葉ちゃんもどうぞ」
泰葉「いえ、いいです」
P「だよね」
蘭子「くぅ……すぅ……」
26: >>25 鋭いなぁ:2015/09/20(日) 22:20:06.88 ID:55MXMnI0o
P「泰葉ちゃん、ケーキ好き?」
泰葉「はい」
P「ケーキ食べたくない?」
泰葉「まぁ」
P「じゃーん。何とテーブルの上にケーキが!」
泰葉「ミルクレープですね」
P「まま、どうぞどうぞ」
泰葉「…………」
P「…………」
泰葉「…………」
P「……食べないの?」
泰葉「Pさんが右手を構えていなければ」
P「バレた?」
泰葉「Pさん、最近私を小動物か何かだと思っていませんか?」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 22:37:54.76 ID:55MXMnI0o
P「……そうだ! そういえば最近蘭子ちゃんってさ」
蘭子「む? ふむ……ふむ、よいだろう」
泰葉「?」
仔猫「ニャー」
泰葉「…………!」
楓「おぉ。ふわふわですね。ふかふかです。いいこいいこ」
P「最近飼い始めたんだって? いいこいいこ」
蘭子「如何にも。未だ名も無き魔獣よ」
(はい! 名前はまだないんですけど)
肇「わぁ……ふふ、いいこ、いいこ」
アーニャ「みんなに撫でられて、心地良さそうですね? いいこ、いいこ」
泰葉「…………あ、あの。私も」
P「ダメです」
泰葉「…………!!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 22:47:58.49 ID:55MXMnI0o
P「ほんと可愛いねー。ウチの子にならない?」
蘭子「だ、ダメですっ!」
仔猫「ミィ」
P「ちぇー」
楓「もう眠たそうですよ」
アーニャ「さっきごはんを食べましたから」
肇「寝顔もきっと可愛らしいんでしょうね」
泰葉「…………」
泰葉「…………ぐすっ……」
P「…………!!!!」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 23:20:29.01 ID:55MXMnI0o
P「やっ、や、泰葉ちゃんっ!?」
泰葉「ひくっ……ふぇぇん…………」
P「ごごごごめんね!?私がぜんぶ悪かったの! ごめんなさい!」
泰葉「ひっく……ぐすっ……」
蘭子「は、はわわっ……うんと、えっと、どうしたら……!」
アーニャ「アー……ンー…………はい、泰葉」
仔猫「ニャッ?」
泰葉「わぁっ。ふわふわ!」
P「…………!?」
泰葉「ふふっ、いいこいいこ♪」
仔猫「ミー」
P「……泰葉ちゃん」
泰葉「どうかしましたか、Pさん?」
P「撫でていい?」
泰葉「ダメです」
仔猫「フミィ?」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 23:33:41.21 ID:55MXMnI0o
P「ま、まだ手はあるもん! ケータイ取り出しポパピプペ……」
泰葉「はぁ」
奈緒「で、何でアタシが呼ばれたんだ」
P「何となくこういうの得意かなって思って」
奈緒「こういうのってどういうのだよ」
P「たぶん褒めに褒めれば撫でさせてくれると思うんだけど」
奈緒「……まぁ、いいけどさ」
奈緒「あー……泰葉?」
泰葉「はい?」
奈緒「よく分かんないけどさ、プロデューサーに頭ぐらい撫でさせてやってもいいんじゃないか?」
泰葉「うーん……」
奈緒「それにほら、泰葉って…………す、すごく可愛いし、さ! 撫でたくなる気持ちも分かるよ、まぁ」
泰葉「奈緒さん程ではないと思いますよ?」
奈緒「なッ!? な何言ってっ、アタシが可愛いとかンな……!」
加蓮「私は奈緒ってすごく可愛いと思うよ」
凛「うん」
奈緒「何でお前らが出てくるんだよぉ!」
P「可愛い」
泰葉「可愛いですね」
一同『可愛い』
奈緒「何なんだよもおぉぉぉ!!」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/20(日) 23:49:28.00 ID:55MXMnI0o
P「こうなったら切り札を使うしかない!」
泰葉「……その三色団子がですか?」
P「いやこれは召喚具。という訳で行ってくるね」
泰葉「はぁ」
周子「むぐむぐいやエサに釣られた訳じゃないよもぐもぐ」
P「畏れ多くも四代目シンデレラガールさんを連れて来ました」
周子「よろ周子」
泰葉「すっごい砕けてますね」
P「という訳でお願いシンデレラ」
周子「えーと何だっけ……四代目シンデレラガールの名において、泰葉ちゃんの頭を撫でさせなさーい」
泰葉「…………」
P「ふふふー。さぁ泰葉ちゃん、観念して……」
泰葉「あの」
P「んー?」
泰葉「……シンデレラガールにそんな権限ありましたっけ?」
周子「無いね」
P「ですよね」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:04:37.33 ID:zc4inTB/o
泰葉「ふぅ……Pさん、権限っていうのはこうやって使うんです」
P「へっ?」
泰葉「周子さん、ちょっとお願いがあるんですが」
周子「んー? シューコちゃんはタダじゃ動かないよー?」
泰葉「芸歴」
周子「 」
泰葉「お菓子を買ってきて頂けませんか?」
周子「ラジャー」
P「 」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:10:24.99 ID:zc4inTB/o
周子「行ってきます」
泰葉「あ、ちょっと待ってください周子さん」
周子「?」
泰葉「はい。余ったらお駄賃に取っておいてくださいね」
周子「……え? かなり多くない?」
泰葉「ええ。だって、皆さんの分ですから」
周子「えっ」
泰葉「お茶の時間はまだ先ですから。車に気を付けて、ゆっくり帰って来てくださいね?」
周子「…………」
泰葉「代わりに次は私が知ってるとっておきのお店の、買って来ちゃいますから」
周子「…………」
P「……あの、泰葉さん」
泰葉「どうしました、Pさん?」
P「その、撫でさせてもらっても宜しいでしょうか……?」
泰葉「ダメです」
周子「ダメー」
P「買収されとる」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:22:11.34 ID:zc4inTB/o
P「むー。どうして急に撫でさせてくれなくなったの?」
泰葉「…………」
P「ちょっと、迷惑だった……かな」
泰葉「ち、ちがっ……」
P「えっ?」
泰葉「…………もう18だもん。子供じゃ、ないもん」
P「?」
泰葉「……もう子供じゃないですっ! 身体がちっちゃくたって、一人前の女ですからっ!! 」
P「…………」
泰葉「…………」
P「…………泰葉ちゃん」
泰葉「……?」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:29:28.84 ID:zc4inTB/o
P「もうムリ撫でる」
泰葉「あっ、きゃ! 髪が、わぷっ」
P「めちゃんこ可愛いアンド可愛い」
肇「可愛いですね」
蘭子「可憐」
(かわいー!)
アーニャ「シンパチーチナ」
楓「可愛がりたくなる可愛さですね」
奈緒「……可愛いよなぁ」
加蓮「キュート」
凛「可愛い」
周子「可愛いっす」
泰葉「だれかたすけてー!」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:39:32.65 ID:zc4inTB/o
P「――ひっく、ぐすっ……うえぇん……」
泰葉「……もう、Pさん。何で私の親より泣いてるんですか」
P「だ、だってだって。あの、ひぐっ、あの泰葉ちゃ、泰葉ちゃんが白無垢でぇっ……ぐすっ」
泰葉「そりゃ、結婚式ですから」
P「こんなに、こんな、こんな綺麗な泰葉ちゃんが見られてぇっ、うえぇ、幸せだなぁ、ってぇ!」
泰葉「…………Pさん」
P「泰葉ちゃん、泰葉ちゃんっ…………!」
泰葉「はい。あなたの、泰葉ですよ」
P「ばかぁ……! もう、アタシの泰葉ちゃんなんかじゃ、ないでしょおっ…………」
泰葉「……ふふ。そう、でした、ねっ」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:40:09.66 ID:zc4inTB/o
P「――幸せにっ。いっぱい幸せになってねっ! 結婚おめでとう! 泰葉っ!!」
泰葉「――はいっ! ありがとうございますっ! Pさんっ!!」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:50:59.20 ID:zc4inTB/o
― = ― ≡ ― = ―
「――お久しぶり、泰葉」
「ご無沙汰してます、Pさん」
「おっと。おねむ中かな?」
「ええ。先程ようやく寝付いた所です」
「相変わらず天使みたいな寝顔だねー」
「ふふ。将来はどんな子になるんでしょうか?」
「泰葉の息子だし、俳優とか?」
「それは……どうでしょう。好きにやらせてあげたいとは思いますが」
「楽しみだねー」
「ふふ。ええ、とっても」
「……ね、撫でていい?」
「もちろん。そっとですよ?」
「やったー」
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:51:38.68 ID:zc4inTB/o
「……私じゃなくて、この子の事ですってば!」
「――あははっ!」
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/21(月) 00:52:26.81 ID:zc4inTB/o
おしまい。