1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 22:15:05.20 ID:qz6+89AN0
東郷さん「随分と騒がしいのだな、人も多い……変装は十分とは思うが」
モバP「すいません、東郷さん、つき合わせてしまって」
東郷さん「なに、コレが職務中ならば叱責もしたろうが、終わった後だからね、それに……」
モバP「それに?」
東郷さん「仕事帰りに二人きり……まるで、デートみたいじゃないか」
モバP「え?……えぇえええ!? い、いや、ダメですよ東郷さん!! だって俺達は」
東郷さん「ふふふふ、冗談だ、君はすぐ本気になるな」
モバP「んぐ……わ、解ってましたよ、ついですよ! わざとですよ!!」
東郷さん「どっちだ? まぁ良い……で? 君の目的は?」
モバP「ああ、すみません、コッチです、コッチ」
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 22:23:13.44 ID:qz6+89AN0
東郷さん「これは……」
モバP「どうしてもほしいフィギュアがあったんですよ~~!!」
東郷さん「ふむ、UFOキャッチャーと言う奴か?」
モバP「そうです!! うっし!! ぽちゃ子~~!! 取ったるぞー!!」
東郷さん「……こう言う体格、見たことあるな、たしか三村君と言ったか」
モバP「箱物だから200円は当然か、でも今日は給料日後で資金も潤沢にあるし!! さっそく!!」
東郷さん「君は……こういった体格の女性が好きなのかい?」
モバP「え!? あ、いや、嫌いでは無いというか、こういうのもたまにはツマミたくなると言うか、腹とか、二の腕とか」
東郷さん「そうか」ムスッ
モバP「何か、怒ってます?」
東郷さん「早く始めたら良いんじゃないか?」
モバP「怒ってます?」
東郷さん「始めたまえ!!」
モバP「はいぃっ!!!!」
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 22:36:23.66 ID:qz6+89AN0
モバP「縁に引っ掛けるか、それとも……うむむ」
東郷さん「……」
モバP「よし、とりあえず、アームの力も見つつ様子みだ」
東郷さん「ふむ、単純そうに見えて意外と奥が深いのだな」
モバP「……ここっ!! んで~~こっちは~~」
東郷さん「横から覗き込んで……Pくん、顔がひどく間抜けだぞ?」
モバP「コレは必要な顔なんです!! ……っし!!」
東郷さん「なるほど、位置を合わせて」
モバP「最後は落ちる位置をこのボタンで~~…………ここだぁ~~!!」
デッデッデッデッ♪ デードデードデー♪
東郷さん「……っ」
モバP「し!! 縁つかんだ!!」
ヒョロロロロロロロロ
モバP「よし!! 行け!! 行け!! ぽちゃ子ぉ!!!!」
ポロッ
モバP「ぐわぁあああああああ!!!!!!」
東郷さん「こ、公衆の面前だぞ、たPくん、少し声を抑えてだな」
モバP「あぁ……すみません」
東郷「凄い落胆だな、君のそう言う姿を見るのは初めてかもしれん」
モバP「あーー……惜しかったなぁ……」
東郷「……」
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 22:47:58.36 ID:qz6+89AN0
モバP「コレは店員さん呼ばないと取れない位置にいっちゃったなぁ」
東郷さん「そうなのかい?」
モバP「箱物は倒れたり角度が変わっちゃうと取れなくなるんですよ、あ、すいません」
店員「はい」
モバP「景品、元の位置に戻してくれます?」
店員「あ、はい、これでよろしいですか? 少しサービスしときますね」
モバP「あ、すみません、助かります!!」
店員「ぽっちゃり好きに悪い人はいないですからね、頑張って下さい!」
モバP「あざっす!!」
東郷さん「……」
モバP「500円で3ゲームの方が良いかな……両替してこようかな」
東郷さん「世の男性は皆、こういう体系が好きなのか?」
モバP「ん~~、昔に比べれば人気あると思いますよ? 包み込んでくれそうな感じと言うか」
東郷さん「なるほど……」
モバP「……東郷さんは太っちゃダメですからね?」
東郷さん「な!? 私が太るわけないだろう!? こんな、みっともない」
モバP「東郷さんは細い方が似合いますからね」
東郷さん「自分の体格くらい維持できない程、未熟では無いつもりだからね」
モバP「流石です!! さ、続き続き!! ぽちゃ子~~!!」
東郷さん「……」ムスッッ!!
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 23:01:04.36 ID:qz6+89AN0
モバP「ぐわぁああああああああああ!!!!!!」
東郷さん「6回目と」
モバP「くそ!! 何故だ!? プライズでもズッシリだと言うのか!? ぽちゃ子よ!!」
東郷さん「……どれ?」
モバP「あ、すみません!! もう少し!! もう少しだけ」
東郷さん「このボタンで横軸を、このボタンで縦軸を、それで……これで高さ、それで良いかな?」
モバP「あ、はい……って、え?」
東郷さん「私がやろう、後ろから見てて仕組みは覚えたからね」
モバP「え? 東郷さんが……ですか?」
東郷さん「もちろん私の財布から出す、何か問題でも?」
モバP「いや……東郷さん、欲しい……んですか? ぽちゃ子」
東郷さん「コレを取って私はコレをどうすると言うのかね」
モバP「え? じゃあ何で?」
東郷さん「取れたら君にあげよう、なに、戯れだよ200円で良かったかな?」
モバP「あ、はい!! じゃあかかった資金は俺が出しますんで」
東郷さん「いいよ、そもそも、そんなに手間取らないつもりだからねっ!!」
モバP「おぉ……っ!!」
東郷さん「では、行くよ!!」
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 23:11:54.26 ID:qz6+89AN0
東郷さん「先ずは横軸……見たところボタンを離してから0.12秒程度位置がズレる……と、すると……ココだ!!」
モバP「お! 良い位置」
東郷さん「続いては縦軸……滑る距離は横と変わらない……バランスを考え、箱の中心……ココだ!!」
モバP「おぉ!! 流石東郷さん!! 狙いバッチリですね!!」
東郷さん「ふぅ……しかしここからだ、一番大事とも言える高さ……縁に上手く引っ掛けて…………ココぉ!!!!」
デッデッデッデッ♪ デードデードデー♪
モバP「お! お!! これはマジで良いぞ!!!!」
東郷さん「フッ、実に簡単な遊びだったよ」
ヒョロロロロロロロロ
ガシッ
モバP「ガッツリだ!!」
東郷さん「運びたまえ、U・F・Oよ、必要な仕事はこなしたつもりだ」
ピロロロロロロロ、ガッ! コロコロコロ……
モバP「あ」
東郷さん「え!!??」
モバP「え?」
ピロロロロロロロ ジャーンジャジャーンジャジャーン……♪
モバP「東郷さん、今、大声で……「え!?」って」
東郷さん「…………」
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 23:21:16.23 ID:qz6+89AN0
東郷さん「Pくん」
モバP「あ、はい」
東郷さん「今のは……どういうことだい?」
モバP「あの……クレーンが上がり切った衝撃で落ちるのは良くある事なんですよ、どうしても衝撃が」
東郷さん「ふむ……」
モバP「で、でも!! ほら!! 後少しでしたね!! 惜しかったぁ!!」
東郷さん「0か1かのゲームで惜しいと言う言葉を出すのは私の主義に反する、Pくん、両替機はどこかね?」
モバP「え? まだやるんですか?」
東郷さん「負けっぱなしで我慢できるほどこの東郷あい、人間が出来ているわけではなくてね、三村くん、私に歯向かった罪、償わせてあげよう!!」
モバP「いや、かな子さんじゃなくてぽちゃ子です」
東郷さん「同じ事だろう!!」
モバP「いやぁ……違うかなぁって……」
東郷さん「次で決める!! 決めてみせるぞ!!」
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 23:32:05.42 ID:qz6+89AN0
東郷さん「正直、先ほどは少し急いた……慎重に行こう」
モバP「そうですね、時間は結構ありますし」
東郷さん「ではまず、横軸だな」
モバP「がんばれ!! 東郷さん!!」
チャリーンチャリーン♪
東郷さん「思えば、先ほどは少し、ほんの僅かだが右に位置がズレたように思える」
モバP「はい」
東郷さん「アームの力が左右均等にかかっていれば、先ほどのような事は無かったはずだ」
モバP「はい」
東郷さん「では、最初からここで指を離す、その一点を決めておく必要があるだろう」
モバP「あの、東郷さん」
東郷さん「進む速度、滑る時間、それら全てを計算し、止める位置……慎重に計算すべきだろう」
モバP「あの」
東郷さん「先ほどの教訓をふまえ」
モバP「あの!」
東郷さん「何かね? 今大事な」
モバP「あの、アーム落ちますよ?」
東郷さん「え?」
デッデッデッデッ♪ デードデードデー♪
東郷ちゃん「みゃっ!!??」
モバP「時間切れで……」
東郷ちゃん「何で!?」
モバP「いや、その……時間切れです」
東郷ちゃん「そんな説明あったかい!!??」
モバP「お、遅すぎです東郷さん、このゲームも無限に時間が使えるわけじゃないですから」
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 23:40:29.25 ID:qz6+89AN0
東郷ちゃん「なるほど……時間との戦いでもあるわけだな」
モバP「考える場合は台から離れた方が良いですよ、ほかの人もやるし」
東郷ちゃん「解ってる!!」
モバP「あ、すんません」
東郷ちゃん「横軸の感覚は掴んだ……あとは縦軸……そして高さ」ブツブツ
モバP「……あの」
東郷ちゃん「刹那の勝負……良いだろう、嫌いでは無いよ、ギリギリの駆け引きは」ブツブツ
モバP「あの、東郷さん」
東郷ちゃん「はい!?」
モバP「はいって……」
東郷ちゃん「何かね?」
モバP「500円なら3ゲーム出来るんですよ、100円お得で」
東郷ちゃん「必要ない、次で決めるさ!!」
モバP「あ、その、俺、出しますから、500円で」
東郷ちゃん「Pくん」
モバP「あ、はい」
東郷ちゃん「私は、次で、決める、って言ったぞ?」
モバP「あ……はい……」
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 23:46:12.12 ID:qz6+89AN0
デッデッデッデッ♪ デードデードデー♪
コロ……コロコロコロコロ……
モバP「じゅ……18回目……」
東郷たん「……」
モバP「あ、あの、東郷さん」
東郷たん「……」
モバP「み、店側の設定で、あの、アームの強さが、ね? もしかしたら、あの、赤子の頭を撫でる程度になってた可能性もありますし」
東郷たん「……」
チャリーンチャリーン♪
モバP「あぁ……」
東郷たん「……」
デッデッデッデッ♪ デードデードデー♪
コロ……コロコロコロコロ……
モバP「……19回目」
東郷たん「……」
モバP「東郷……さん?」
東郷たん「もーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
モバP「!!!!????」
東郷たん「もーーーー!!!!もーーーーーー!!!!!!!!」
モバP「こう言う時もありますって! ね!? 東郷さん、落ち着いて!!」
東郷たん「もーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」ジタバタ!!
エーナニアレー? アレッテアイドルノ…… クスクスクスクス
モバP「ほ、ほら!! 東郷さん!! 周りの目もあるから、ね? 立ちましょう!?」
東郷たん「もーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」ジタバタ!!
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 23:53:54.93 ID:qz6+89AN0
モバP「落ち着きました?」
あい「……」ブッスーーーー
モバP「あの、初心者に箱物は少し早すぎたんですよ、コツもいりますし」
あい「……」ブッスーーーー
モバP「じゃあ、きょ、協力してやりましょう! 少しずつ位置をずらして落とす作戦で行きましょう?」
あい「……」
モバP「ど、どうですか?」
あい「……どゆこと?」
モバP「アームで押す要領で少しずつ箱の位置を移動させるんです、そうすればいずれ」
あい「……」
モバP「資金はかかるんですが、確実ではあります!!」
東郷「……なるほど」
モバP「て、手伝って、下さいますか?」
東郷さん「もちろんだ!! 二人でこの三村くんを手に入れて見せようじゃないか!!」
モバP「ぽちゃ……あ、もう、かな子さんで良いです、はい」
東郷さん「共同作業だな!! さぁ!! やるぞ!!」
モバP「はい!!」
16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 00:05:33.23 ID:PQc1ZBGH0
モバP「ついに、ついにあと一歩までこぎつけましたね」
東郷さん「ああ、手こずらせてくれたな……三村くん!!」
モバP「もはや後一押し、あとワンクレジットで取れますよ!!」
東郷さん「それでは最後の一押は……私が横軸を、君が縦軸を担当してくれ」
モバP「……東郷さん」
東郷さん「こんな時くらい……あい、って言ってくれても良いんじゃないかい?」
モバP「え?」
東郷さん「いや! なんでもない!! もちろん高さのボタンは二人で!! Pくん!! やろう!!」
モバP「はい!!」
東郷さん「っと、100円が切れたな、君は?」
モバP「あ、ボクもです」
東郷さん「では、私の1000円を出そうではないか、受け取りたまえ」
モバP[……あざっす!!!!」
東郷さん「なに、気にすることは無いさ、さぁ、両替しよう」
モバP「はい!!」
17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 00:08:46.98 ID:PQc1ZBGH0
ジャラジャラジャラジャラ
東郷さん「こんな事言うと……笑われてしまうかもしれないのだが」
モバP「はい?」
東郷さん「200円のうち、100円を私が、もう100円を君が入れると言うのはどうだ?」
モバP「……東郷さん」
東郷さん「……や、やはりおかしいな、いや、すまなかった、運命共同体とはいえ」
モバP「東郷さん!!」
東郷さん「む?」
モバP「もちろんですよ!! ふたりで取る、かな子です!!」
東郷さん「Pくん……」
モバP「さぁ!! 最後の引導を渡してやりましょう!! 東郷さん!!!!」
東郷さん「君って奴は……ふふ、もちろんだとも!! 行こう!! Pくん!!!!」
未央「あ、コレ、凄く取れそうじゃん、よっと、あ、取れた」
卯月「わぁ!! 凄い未央ちゃん!!」
凛「最初から取れそうだったから……良いの? 誰か狙ってたんじゃないの?」
未央「勢いでとっちゃったけど、これ、どうしよ?」
卯月「立派な体系の方ですね~」
凛「少し、かな子みたいだね」
モバP「……あの」
ダッ
モバP「あ!! 東郷さん!!」
あいたん「もーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」ポカポカポカポカ!!!!
未央「え!? な!? なに!?」
あいたん「もーーーーー!!!!!! もーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ポカポカポカポカポカポカ
卯月「ちょ、あの、やめて下さいあの!!」
凛「え? って言うか、この人、東郷さんじゃない?」
あいたん「それは~~!!!! Pくんと私のなのぉおおおおおおお!!!!!!!!!!」
18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 00:10:27.57 ID:PQc1ZBGH0
何だこれ……
あ、終わりです。
初めてモバマスのSS書きましたが楽しかったです。
ここまで見て頂き、ありがとうございました。
あいたん可愛い。
転載元
東郷さん「ふむ、ココがゲームセンターか」 モバP「うっす!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422882904/