1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/03(日) 05:37:57.68 ID:AMQMh/0I0
冬馬「ああ、起こしちまったか?」
P「いや、自然に目が覚めただけだよ」
冬馬「それならいいけどよ」
P「……疲れてるのか」
冬馬「心配するほどじゃねえよ」
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:40:21.54 ID:AMQMh/0I0
P「待ってろ、確か、睡眠薬がまだ少し残ってたはずだから」ムクッ
冬馬「いや、いい」
P「……そうか?」
冬馬「……今何時だ?」
P「5時ちょっと過ぎだな」
冬馬「そんなら、寝られなくても1日くらい持つさ」
P「そうか」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:42:48.56 ID:AMQMh/0I0
冬馬「それより、水一杯もらえるか?」
P「ああ」ガチャ
P「ほら」
冬馬「ああ、サンキュ」
冬馬「……」ゴク
冬馬「……飲むか?」
P「もらおうかな」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:45:24.71 ID:AMQMh/0I0
P「……」
冬馬「……」
P「……」
冬馬「……」
P「なあ、やっぱり珍しいじゃないか」
冬馬「何がだよ」
P「お前がこんな時間に起きてるなんて」
冬馬「……」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:47:55.76 ID:AMQMh/0I0
冬馬「あんまり詮索するんじゃねえよ」
冬馬「そういう約束だろ?」
P「でもさ」
冬馬「……話せることなら話してるって」
P「……」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:50:24.49 ID:AMQMh/0I0
冬馬「俺なんかより、アンタこそ大丈夫なのか?」
P「え?」
冬馬「アンタだってあんまり寝れてないみてえじゃねえか」
P「……」
P「……俺も、別に」
冬馬「な?言えないもんだろ?」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:53:25.37 ID:AMQMh/0I0
冬馬「それに、言葉で言えなくたって何となくは分かってるはずだ」
冬馬「お互い、似たようなことに悩んでるんだってな」
P「……」
冬馬「さ、ほら、時間も時間だ」
冬馬「寝るのか起きるのか、さっさと決めちまおうぜ」
P「……」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:55:38.59 ID:AMQMh/0I0
P「……なあ冬馬」
冬馬「何だよ」
P「……やっぱり俺、もう少しお前と話をするべきだと思う」
冬馬「……今か?」
P「そう、今だ」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 05:58:13.76 ID:AMQMh/0I0
冬馬「何の話だよ」
P「だから、これから俺とお前がどうして行くべきなのかって話をだよ」
冬馬「そんなもん、前にも……」
P「そりゃ、気持ちの確認はしたさ!」
P「でも、それだけじゃやっていけないだろ?」
冬馬「……」
P「なあ、冬馬」
冬馬「……ああ、そうだな
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:00:20.12 ID:AMQMh/0I0
冬馬「……で?」
P「え?」
冬馬「それで、何の話をしたいんだ?」
P「……まず、俺が何を不安に思ってるか」
P「そこから話そうと思う」
冬馬「……ああ」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:03:38.01 ID:AMQMh/0I0
P「……俺、実はさ」
P「春香に好かれてるかもしれない」
冬馬「……天海に?」
P「ああ」
P「なんて言うか、分かるんだよ」
P「あの子の目、本当に俺のことを好きでいてくれてる目なんだ」
冬馬「……」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:06:39.72 ID:AMQMh/0I0
P「俺もあの事務所で結構長いことやってきたからさ」
P「だから、そういうこともあるだろうし」
P「それに、他の子たちだって心底俺のことを信頼してくれてる」
P「あの事務所は、俺にとって本当に大切な場所になってる」
冬馬「……」
P「だから、余計に怖いんだ」
P「もしお前との関係があの子たちに知れたら、あの子たちにどう思われるだろうってな」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:11:45.12 ID:AMQMh/0I0
冬馬「軽蔑されるかもってか?」
P「ああ」
P「今の関係が崩れたらって思うと、本当に恐ろしいんだ」
冬馬「でもよ、アンタの事務所はそんな浅い絆じゃ……」
P「浅い絆じゃないからなんだよ!」
冬馬「」ビクッ
P「それこそ俺とあの子たちの絆は、そんな安い物じゃない」
P「でも、その絆をあの子たちと育んだのは」
P「……本当の俺じゃないじゃないか」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:15:09.35 ID:AMQMh/0I0
P「あの子たちは全力でぶつかってきてくれたのに」
P「俺にはずっと隠してたことがあった」
P「……それを今更暴露しようだなんて」
冬馬「……」
P「どれくらいあの子たちを傷つけるか」
P「まして、俺を特別想ってくれてる子なんて……」
冬馬「……」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:18:35.10 ID:AMQMh/0I0
P「……」
P「なあ、冬馬、やっぱり俺……!」
冬馬「……」
ギュ
P「!」
冬馬「……」
P「……」
冬馬「……」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:21:24.35 ID:AMQMh/0I0
P「……ゴメンな」
冬馬「別に、これくらい大したことねーよ」
P「はは、言っちゃいけないことを言うところだった」
冬馬「ああ」
P「……分かってるよ、ちゃんと向き合わなきゃって」
冬馬「……ああ」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:24:19.20 ID:AMQMh/0I0
P「なあ、冬馬」
冬馬「何だ?」
P「冬馬はさ、不安じゃないのか?」
冬馬「不安じゃないわけねーよ」
冬馬「俺たちのことが秘密なのは、アンタの為だけじゃない」
冬馬「俺だっていつも怖くてしょうがねーよ」
P「……そうだよな」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:27:37.52 ID:AMQMh/0I0
P「俺さ、お前って本当にすごいと思うよ」
冬馬「え?」
P「その年で、もう自分と向き合おうって頑張ってるんだもんな」
P「俺なんて、しばらくは酒に逃げたりしてたのにさ」
冬馬「……」
冬馬「……そりゃ、まあ」
冬馬「……それは、アンタがいたからっていうか……」
P「俺?」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:31:29.16 ID:AMQMh/0I0
冬馬「俺だって、アンタにあってなけりゃ、気づくのはもっと遅かったさ」
冬馬「でも、アンタにあって、まあ色々あるうちに」
冬馬「自然と思えてたんだよ」
冬馬「俺にとって、これからの人生、何を選ぶべきなのかってな」
P「……冬馬」
P「はは、それじゃあ、言葉を換えれば俺のせいってことかもな」
冬馬「へへ、まあな」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:35:09.06 ID:AMQMh/0I0
P「……冬馬」ゴソ
冬馬「あ、おいこら」
P「……」ゴソゴソ
冬馬「待てよ、もう朝だぜ?」
冬馬「汚れちまうだろうがよ」
P「……大丈夫、全部飲んでやるよ」
冬馬「う……」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:37:37.61 ID:AMQMh/0I0
P「ほら、遠慮するなよ」
冬馬「ま、待てって」
P「嫌か?」
冬馬「……気分じゃねえな」
P「でも、俺は」
チュ
P「!」
冬馬「……楽しみは、今度の休みにとっとこうぜ?」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:39:51.53 ID:AMQMh/0I0
P「はは、照れちゃうな」
冬馬「やめろよ、俺も恥ずかしくなっちまう」
P「あ、あのさ、冬馬」
冬馬「何だよ?」
P「……もう一回」
冬馬「なんだ、しょうがねえな」
冬馬「ほら、目瞑れよ」
P「……」スッ
冬馬「ったく」
チュ
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:42:20.47 ID:AMQMh/0I0
P「……んっ」
冬馬「……へへっ」
P「ははっ」
冬馬「……」
P「……」
PiPiPiPiPiPiPi!
冬馬「」ビクッ
P「あ、アラーム……」
冬馬「……もうそんな時間か」
P「しょうがない、起きようか」
冬馬「だな」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:44:55.32 ID:AMQMh/0I0
冬馬「朝飯、出来たぞー!」
P「ああ、今行く!」
冬馬「遅かったな」
P「バスタオルが見当たらなくてな」
冬馬「ああ、そういやストックがそろそろ無かったな」
P「買っておくよ」
冬馬「ああ、頼む」
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:47:03.18 ID:AMQMh/0I0
P「……うまい」モグモグ
冬馬「……なあ」
P「ん、なんだ?」
冬馬「さっき言いそびれたんだけど」
P「うん」
冬馬「俺はさ、アンタが最高のパートナーだと思ってるからな」
P「!」
冬馬「ちょっと恥ずかしいけどよ、あんまりいう機会もないからな」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:49:22.70 ID:AMQMh/0I0
P「うん、俺もそう思ってる」
冬馬「へへ、知ってる」
P「はは」
P「……そのうちさ、表で堂々とデートでも出来るようになればいいな」
冬馬「……そうだな」
冬馬「ま、そのためにはお互い色々あるけどよ」
冬馬「きっと大丈夫だ」
P「ああ」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:50:50.53 ID:AMQMh/0I0
冬馬「それじゃ、俺は先に出るぜ」
P「うん、いってらっしゃい」
冬馬「戸締り忘れんなよ」
P「分かってるよ」
冬馬「そんじゃな」
バタン
P「……」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:52:18.10 ID:AMQMh/0I0
P「……はは、パートナーか」
P「俺も、お前となら大丈夫だって思ってるよ」
P「何せ、お前といると退屈しないからな」
P「……」
P「……冬馬」
完
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:53:00.11 ID:AMQMh/0I0
はい、ありがとうございました
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 06:55:56.81 ID:AMQMh/0I0
ついでに
P「昨日さ、夜中に突然目が覚めてさ」
P「雪歩、今日の夕飯は俺が作るよ」
P「美希に愛してるって言ってみる」
P「貴音のことを考えると時々不安になるよ」
この辺りと併せて読んでくれると嬉しいです
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/03(日) 07:58:09.39 ID:v9tg2CBM0
乙!
ホモなのにいい話とは…