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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:39:04.67 ID:UZDtDnLLo
ザァァァ……
杏「うえぇ、すごい雨だったね……」
まゆ「ぬれちゃいましたねぇ」
杏「ぬれたね」
まゆ「こう……どうでしょうか」
杏「そんなポーズとられても……何が?」
まゆ「濡れますか?」
杏「何が?」
まゆ「Pさんを誘惑する練習を」
杏「プロデューサーのことだと直球過ぎるよね……踏み台になんで杏を選んだ」
まゆ「だって杏ちゃんは信頼できますし……」
杏「うわぁいうれしくない。まったくもー、びしょびしょだしさぁ」
まゆ「びしょびしょですか……女の子への誘惑はばっちりですねぇ」
杏「そっちにとるの? 正気? 大丈夫? 風邪ひいてない?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:44:32.85 ID:UZDtDnLLo
まゆ「まゆは元気もりもりですよぉ」
杏「プロデューサーにもそれくらいぐいぐいいけばいいのに」
まゆ「出来ることといえば家屋に浸入することぐらいで……」
杏「足跡とか残してけば?」
まゆ「そんな、凛ちゃんでもないしなかなか……」
杏「結構ひどいこと言うよね」
まゆ「だから料理を作ってまゆ参上とメモを残しておきました」
杏「変わらないよね? いや、プロデューサーのこととなると頭悪いよね……」
まゆ「今朝はちゃんとプロデューサーさん食べてくれたかしら……」
杏「もう恋人のアプローチっていうか母親みたいになってるし」
まゆ「まぁ!杏ちゃんったら」
杏「え、なんか変なこと言った?」
まゆ「そんな、まるで夫婦みたいって」
杏「いってないいってない」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:45:58.34 ID:UZDtDnLLo
まゆ「さしずめ杏ちゃんは娘ですね」
杏「厄介なのに組み込まないで」
まゆ「反抗期なんですか」
杏「……案外プロデューサーとお似合いかもね」
まゆ「本当ですかぁ……!」
杏「話聞かないとことか、似てるし」
まゆ「杏ちゃんはどっちに似たんですかね」
杏「話聞いて」
まゆ「うふふ、大丈夫よ……お母さんがなんでも聞いてあげる」
杏「まず普通の会話をしてほしいな」
まゆ「家族の普通の会話……杏ちゃん、学校はどうかしら?」
杏「家族から離れよう」
まゆ「そんな、一人暮らしを……?」
杏「そうじゃなくて」
まゆ「離婚……!?」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:47:49.34 ID:UZDtDnLLo
まゆ「捨てないで、杏ちゃん……」
杏「おかーさんなんておとーさんと乳繰りあってればいいじゃん!」
まゆ「それもそうですねぇ」
杏「絶対これ娘要素いらなかったよね」
まゆ「女の子が乳繰り合うなんて使うのは感心しませんよ……?」
杏(既にお母さん目線だ……)
杏「実際、プロデューサーとの間に子供ができてもさぁ」
まゆ「子供……」
杏「まゆもプロデューサーもあんまり子守はうまくなさそうだし大丈夫なわけ?」
まゆ「子供……」
杏「ねぇ?」
まゆ「子供……つまり××が○○でズキューンバキューンアハーン……?」
杏「だめだこりゃ」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:50:27.80 ID:UZDtDnLLo
まゆ「それで、まゆが床上手になるためにはどうしたらいいんでしょう」
杏「そっちに行くんだ」
まゆ「以前Pさんの家でえっちな本を見つけちゃいまして……」
杏「まぁ男だもんね」
まゆ「気が動転して持ち帰ったのがこれです」
杏「あっちも動転してるんじゃないかな……」
まゆ「見てください、これ」
杏「杏が言うのもなんだけどまだ18歳になってないよね」
まゆ「愛があれば関係ないです」
杏「一理ない」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:51:09.20 ID:UZDtDnLLo
まゆ「それでこの本なんですけど、緊縛大全って」
杏「うわぁ」
まゆ「うまく縛れるかしら……」
杏「縛る側なんだ」
まゆ「……杏ちゃん」
杏「断る」
まゆ「ちゃんとなめしましたから」
杏「そこじゃない」
まゆ「飴あげますから!」
杏「ボールギャグだよねそれ、どこで用意したの」
まゆ「あっ、見てくださいこれ、亀甲縛りって……うふふ、可愛い」
杏「杏そんなにバカじゃないぞ!?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:56:14.22 ID:UZDtDnLLo
まゆ「じゃあこれ!これならいいでしょう!」
杏「またボールギャグか!だからダメだってば」
まゆ「口のところがアメですよぉ!」
杏「ベッタベタになるだけでしょ!」
まゆ「……!!」
杏「今気づいたの……?」
まゆ「うふふ、一筋縄ではいかないんですね……緊縛だけに」
杏「まゆってたまに絶望的だよね……というかそのアプローチはやめなよ」
まゆ「難しいですか?」
杏「好きな人を豚呼ばわりして嬉しいなら止めないけど」
まゆ「……ギリギリ、なしです、かな……なしかな……?」
杏「ホントにギリギリじゃんか……」
まゆ「まゆはPさんのためなら何にでもなれますから」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:56:48.74 ID:UZDtDnLLo
まゆ「……まゆが豚って言われるならいいかもしれませんねぇ」
杏「そっちも考えの中にはあったんだ」
まゆ「まゆには可能性があるって、Pさんが教えてくれたから……」
杏「そういう方向性ではないと思うな」
まゆ「試して見なきゃわかりませんよぉ?」
杏「キメ顔しないで」
まゆ「ほら、試してみましょう、杏ちゃんっ、ほらぁ」
杏「今日はアグレッシブだね、というか杏でいいの」
まゆ「杏さんがいいんです」
杏「……」
まゆ「濡れましたか」
杏「もっと淑女じゃなかったっけ」
まゆ「情欲だって愛です、まゆには否定できません」
杏「いつもなら節操はあったよ」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 20:59:55.86 ID:UZDtDnLLo
まゆ「それは……」
杏「……」
まゆ「……このままじゃダメだと思ったんですもの……」
杏「なんかあったの?」
まゆ「何もないんです……」
杏「まゆ……」
まゆ「まゆには何もない……何も……」
杏「……」
まゆ「尾行なんて誰でもできるもん!!」
杏「まゆ、やめよう。やめて」
まゆ「ぐすっ……」
杏「尾行だって誰にでも出来ることじゃ……いや、尾行はだめだよね」
まゆ「杏ちゃんの好きな飴は百円ショップで買ってました……」
杏「あのヤロー……というか安いなぁ杏」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:03:44.07 ID:UZDtDnLLo
まゆ「どうしたらPさんが振り向いてくれるかなぁ、夜道で」
杏「夜道はやめといたら」
まゆ「じゃあ昼間ですか……?見つからないのが難しく……」
杏「まず尾行をやめよう」
まゆ「つまり……となりを歩けようになれってことですかぁ……」
杏「すさまじいポジティブシンキングだね」
まゆ「アイドルは前を向くものなんですよ」
杏「わぁかっこいい……杏には真似できないなー」
まゆ「簡単ですよ? まずは気配の消し方から……」
杏「アイドルとして前を向く方ね」
まゆ「杏さんは立派にアイドルじゃないですか」
杏「そうかな」
まゆ「そして一流のニートです」
杏「あれ……なんか毒ない?」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:05:52.54 ID:UZDtDnLLo
まゆ「だってまゆが『帰りたい』って言ったらPさん、すごく心配してくださって……」
杏「まぁそりゃそうでしょ……まゆが言ったら杏だってびっくりするもん」
まゆ「ずるいですよぉ……まゆだって抱っこされたいのに……」
杏「肩に担がれたことを抱っこっていうの? あれお姫様っていうかお米様だよ? 豊作祝う?」
まゆ「抱っこですよぉ……まゆだって、ああやって……ひょいってされたいです」
杏「そんなにお米様抱っこに憧れてるの?」
まゆ「Pさんの力強さを感じたくて」
杏「今度頼んでみなよ」
まゆ「……実は一度頼んでみたことはあります」
杏「あー、ダメだったんだ?」
まゆ「いえ、お姫様抱っこされちゃいましたぁ……」
杏「じゃあお米様抱っこされなくても」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:12:32.29 ID:UZDtDnLLo
まゆ「で、でも、まゆも全身を任せたりとか、普段よりも近い距離と触れられない肩への接触とか……」
杏「ようするに『あててんのよ』ってこと?」
まゆ「あててんのよ……そう、それです」
杏「あの姿勢でそれするの難しいよ?」
まゆ「やったんですか」
杏「あたったところで素知らぬ顔してたけどね」
まゆ「う、うぅ……ま、まゆのなら……」
杏「失礼なこと言うよね……いや、いってもまゆのもそう変わんなくない?」
まゆ「それは……愛で膨らみますから……」
杏「そんなパン生地みたいな……」
まゆ「し、信じればなんでもできるって……Pさんがぁ……」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:13:02.95 ID:UZDtDnLLo
杏「だいたい、当てたいだけなら抱きつくなりすればいいじゃん」
まゆ「それはなんだか……恥ずかしくて……」
杏「そのラインがまったくわかんない」
まゆ「そうですかぁ……?」
杏「もっとすごいことしてるじゃん」
まゆ「すごいこと……?」
杏「プロデューサーの部屋のお風呂に乱入したとか」
まゆ「……あぁ、そっちですかぁ」
杏「あっちとかもあるのか」
まゆ「杏ちゃんもきらりさんと入るじゃないですか」
杏「そんなノリで入ってこられると多分プロデューサーやばいよ」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:15:46.45 ID:UZDtDnLLo
まゆ「ヤバいんですかぁ」
杏「やばい」
まゆ「……にょわー、まゆだにぃ。Pちゃんとはぴはぴすぅー……」
杏「何シミュレーションしてるの」
まゆ「イケますか」
杏「やめときなって」
まゆ「理性をまゆまゆしちゃうにぃ☆」
杏「やめて!」
まゆ「……ククク、まゆ達は愛の絆で結ばれし双星! 見えますか、あの死兆星が!」
杏「蘭子ちゃんでもダ……蘭子ちゃんじゃないよそれ、死ぬやつ」
まゆ「天に滅すにょわ!」
杏「混ざってる上に雑ッ!」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:20:31.49 ID:UZDtDnLLo
まゆ「うう、それならまゆはどうすれば……Pさんから、Pさんからもアプローチが欲しいだけなんです」
杏「……おせおせじゃなくするとか?」
まゆ「どうすればいいんですか?」
杏「ちょっと距離を取ってみるとか」
まゆ「……まゆに近づかないでくださいねぇ?」
杏「あ、いい感じかも」
まゆ「これを……Pさんに……」
杏「まゆ?」
まゆ「む、むりですよぉ……嫌われちゃう……」
杏「おせおせは大丈夫なの? そっちは想定しない感じ?」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:23:35.90 ID:UZDtDnLLo
まゆ「まゆから離れないで……離れたら死んでしまいます」
杏「重すぎるでしょ」
まゆ「けれど近づかないでくださいねぇ」
杏「うん?」
まゆ「そう、近すぎずしかし離れてない、その距離感です」
杏「うん……」
まゆ「つんでれです」
杏「違うよ」
まゆ「まゆはあなたに近づきません……」
杏「うん」
まゆ「けど決して離れません……」
杏「うん……」
まゆ「ひっとあんどあうぇーのアウトボクサーですよぉ」
杏「まゆはボクサーじゃなくない?」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:26:26.48 ID:UZDtDnLLo
まゆ「ボクサー……なりますか……」
杏「ならなくていいから」
まゆ「もう、どうすればいいって言うんですか……!」
杏「だから、離れるだけでいいんだって」
まゆ「はーとぶれいくしょっとですか」
杏「ボクシングから離れて」
まゆ「でもまゆはPさんから半日離れたら衰弱死します……」
杏「それ、休日とかどうしてるのさ」
まゆ「休日は遠くからずっと見つめてます」
杏「よくやるなぁ……出かけてない日とかは?」
まゆ「マンションを眺めてるだけでも幸せなの……」
杏「うわぁ……とてもじゃないけど真似する気にもなんないや」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:35:39.29 ID:UZDtDnLLo
まゆ「オススメのカフェもあって」
杏「監視用の?」
まゆ「監視って言い方は嫌です」
杏「じゃあ何してるの」
まゆ「Pさんのいつも注文するコーヒーがあるんですよ」
杏(監視してるんだろうなぁ)
まゆ「飲むのに1時間以上かかってしまいます」
杏「砂糖入れなよ」
まゆ「その間にPさんは裏口から出かけてましたし」
杏「……ん?裏口からって」
まゆ「気分転換でやってるそうですよ」
杏「直接聞いたの?」
まゆ「はい」
杏「バレてない? いや、バレてるよね」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 21:59:52.11 ID:UZDtDnLLo
まゆ「迷惑かけないならいいぞって言われてますよぉ、合鍵だって持ってます」
杏「合鍵あるの……というかついてこられたり監視されたりは迷惑じゃないのか……」
まゆ「でも、最近流石に迷惑だと怒られてしまって……」
杏「そりゃ、ねぇ」
まゆ「お風呂に入るのはやり過ぎだって」
杏「さっきその下りなかったっけ」
まゆ「それじゃ痴女だ、そそるものもそそらないって」
杏「なんであんなやつのことが好きなの?」
まゆ「恋に理由はきっとないんですよねぇ」
杏「いや……止めないけどさ……」
まゆ「うふふ……じゃあ協力してくださるんですね?」
杏「あー、お米様抱っこしてあげてって言っておけばいい?」
まゆ「それから、まゆのことを襲ってくださいって」
杏「そうだね」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:01:22.67 ID:UZDtDnLLo
杏「他には?」
まゆ「他には、えーと……ええと……」
杏「ないなら送るね、はい送信」
まゆ「えっ」
杏「えっ」
まゆ「何してるんですか」
杏「伝えろっていうから」
まゆ「……ほ、本当に?」
杏「あ、いや……冗談だったの?」
まゆ「だって……だってぇ……積極的になれってアドバイスを杏ちゃんがくれてたからぁ……」
杏「もともとやってたんでしょ……」
まゆ「そうですけど……」
杏「まぁ、メールぐらいで変わるんだったら最初からやってるよねーって話か」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:04:19.69 ID:UZDtDnLLo
まゆ「あとメールアドレスって……」
杏「え、なに、持ってないの?」
まゆ「お仕事用だからと、教えてくれなくて」
杏「それ、まゆはパートナーなんだから聞く権利あるじゃん……騙されてるよ……」
まゆ「パートナー……♪」
杏「どうやって連絡とってたの?」
まゆ「ポケベルです」
杏「ポケベル」
まゆ「たとえばこれとか」
杏「なんて読むの?」
まゆ「あ・い・し・て・る。ですよ」
杏「違うよね」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:05:03.55 ID:UZDtDnLLo
まゆ「……明日のお仕事は10時からだそうです」
杏「よくぱっと読めるね。感心した」
まゆ「うふふ……」
杏「でもアドレス知らないよね」
まゆ「うふぅ……」
杏(目に見えてしぼんだ。面白いなー)
まゆ「……教えてください」
杏「杏はいいけど……」
まゆ「Pさんは勘違いしてます、まゆはPさんの嫌がることはしないのに」
杏「というか合鍵はOKだったのにアドレス知らないって」
まゆ「とんだシャイボーイですよね、ステキ……♪」
杏「合鍵それ大丈夫? 使える?」
まゆ「大丈夫です、先週は使えました」
杏「何度か変えられたことあるんじゃん……」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:09:37.46 ID:UZDtDnLLo
まゆ「これも愛の試練ですよねぇ」
杏「いや、止めないけどね……」
まゆ「うふふ、なんてメールしようかしら……」
杏「……」
まゆ「うふ、うふふ、うふふふ……」
杏「教えないでおくね」
まゆ「なんでですかぁ……!」
杏「いや、ちょっと申し訳ない気が」
まゆ「それなら杏ちゃん経由でまゆのメール送ってくださいよぉ……!」
杏「絶対やだよ」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:11:46.34 ID:UZDtDnLLo
まゆ「うぅ……Pさん、大好き……他に色んなメッセージも送りたいです……」ポチポチ
杏「それに、ポケベルで送れてるなら大丈夫じゃない?」
まゆ「足りないんですよぉ……壊れるほど送っても三分の一も伝わりません……」
杏「送信容量とポケベル自身の耐久性の問題だよね」
まゆ「うふぅ……Pさぁん……」
杏「……なんだか可哀相になってきたよ」
まゆ「うっ、うっ……」
杏「杏はこんなにも簡単にやり取りしてるって言うのに……ん」
まゆ「! 返信来たんですか!」
杏「ん、来たよ」
まゆ「まゆのポケベルにはまだ返ってきてないのに……!」
杏「プロデューサーもポケベルはそんなすぐには見ないんじゃないかな」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:16:24.35 ID:UZDtDnLLo
まゆ「う、うぅ……あっ!」
杏「ん。返事来た?」
まゆ「はい。ほら、愛してるって」
杏「書いてないよね」
まゆ「……文脈を読み取るのが大切なんですよぉ」
杏「まゆがそう思うなら、まぁいいんじゃないかなぁ……」
まゆ「はい……うふ、なんて返事しようかしら」
杏「なんなら杏の携帯使う? まゆからって書いてたらいいよ、はい」
まゆ「いいんですかぁ……!」ババッ
杏(確認取られながら携帯奪われた)
まゆ「うふ、うふふ、Pさんになんて……いえ、その前にさっきのメールは……」
杏「さっきのやつはえーと、これかな」
まゆ「えっと……今度はいつ来る気なの……ついでにラーメンとポテチも買ってきて……」
杏「どうしたの?」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:27:12.46 ID:UZDtDnLLo
まゆ「ど、どうしたのって……杏ちゃん、こ、これって……」
杏「いやぁ、ご飯とか買いだめすると重いからさ」
まゆ「ず、ずるいですよぉ!まゆも、まゆだってぇ!」
まゆ「こ、こんど、いつ行っていいですか……足りないものはありますか……」ポチポチ
杏「結局そっちからなんだね」
まゆ「……これ、夫婦みたい……」ほわほわ
杏「別居中なのかな」
まゆ「今日はお父さんに会えますよ杏ちゃん」
杏「まだその設定生きてた!」
まゆ「うふふ、お父さんは照れ屋さんだから……」
杏「照れで別居してるの……?」
まゆ「それに、単身赴任で……」
杏「職場は一緒なのに……?」
まゆ「う、うぅーっ」
杏「あ、ごめんごめん。意地悪言い過ぎたってば」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:28:41.45 ID:UZDtDnLLo
まゆ「うぅ…あっ、メール」
杏「はやいね、なんて?」
まゆ「アイドルが家に来ちゃダメだと……」
杏(普通に怒られてる)
まゆ「来るならメイドさんに変装してやってこいと……後で入金するって」
杏「なんだかんだ仲良いよね、生々しいしアウトだけど」
まゆ「メイド服用意しておきます……と……」ポチポチ
杏「 ……献身的だなー」
まゆ「そうですかぁ?これぐらい、普通だと思ってました……」
杏「いやいや、普通はできないよ。よくやるなぁって思う」
まゆ「うふふ……愛のなせること、でしょうねぇ…」
杏「まあ本人たちが楽しいならいいんだけどね、メイドねぇ」
まゆ「杏ちゃんも着たいのかしら…?」
杏「えー、杏がメイド? ご主人様の方が似合うよ」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:30:58.75 ID:UZDtDnLLo
まゆ「その自信はどこから……」
杏「伝説の養われし者とは杏のことだからね! どや!」
まゆ「飴欲しいですか」
杏「わぁい」
まゆ「欲しければまゆをご主人様と言ってみてください」
杏「こいつ……!」
まゆ「うふふ、どうしたんですかぁ……?」
杏「……お母さん、アメちょうだい♪」
まゆ「うっ…!」
杏「お父さんにも分けてあげたいから、いっぱいほしいなぁ♪」
まゆ「ううっ…!」
杏「ねっ、いいでしょ~?」
まゆ「ま、まゆは負けません」
杏「言いながら出すんだ」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:34:08.20 ID:UZDtDnLLo
まゆ「お父さんには秘密ですよ……?」
杏「大丈夫、お父さんもちょろいから」
まゆ(……今度から飴を買っておきましょう)
杏「くふふ、いーなぁこれ、まゆとプロデューサーの娘も悪くないね」
まゆ「! ……そ、それならまゆに協力してくれますか……!?」
杏「んー、考えてあげなくなくなくなくないよ?」
まゆ「それは、えっと…どっち…?」
杏「えーっと、ん…ふわぁ…あー、だんだん眠くなってきちゃった…」
まゆ「えっ、あ、杏ちゃん」
杏「そろそろ寝ようよー。雨にうたれたし杏は疲れたの」
まゆ「……そうですかぁ」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:40:47.01 ID:UZDtDnLLo
まゆ「……杏ちゃん」
杏「……」
まゆ「好きですよ」
杏「ごほっ、ごほっ」
まゆ「もちろん、この気持ちはPさんとは違いますけど」
杏「……ぐー、ぐー」
まゆ「……いつかPさんに、まゆも構ってもら……くしゅん!」
まゆ(……タオルだけじゃなくて、お風呂にも入っておけばよかったかな)
杏「……ぐう、ぐう」
まゆ「……うふ、私も」ゴソゴソ
まゆ「お布団、あったかいですねぇ……いつか、家族みんなで川の字で……」
杏「……すう、すう」
まゆ「なぁんて……おやすみ、なさい……」
杏「……ん。おやすみ、まゆ」
まゆ「……Pさぁん……だめれすぅ……」
杏「寝つき良すぎない?」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:41:21.46 ID:UZDtDnLLo
杏「……もー」
まゆ「……すー、すー」
杏「……」
杏「……」カチカチ
To P
まゆが風邪ひいてるよ
杏「……」ピロリロリン
from P
すぐ行く、どこだ
杏「……」カチカチ
杏「……んー」
杏「そんじゃ杏は、きらりの部屋にでも行ってお昼寝でもしようかなー」
杏「あ。雨やんでる……よい、しょっと」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 22:42:19.51 ID:UZDtDnLLo
おわり。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 01:50:55.44 ID:81YPBg0eo
乙
まだ東京近辺と沖縄だとポケベル使えるんだったっけ
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 08:31:00.60 ID:ulVpZoWCo
ポケベルって受信しか出来なくない?
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 10:04:39.25 ID:qBKUo6P9O
家電からも送信はできるはず
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/12(日) 21:26:16.86 ID:gXIM2x6uo
まゆと杏いいよね
おつ