2:2014/03/08(土) 23:09:06.25 :B4lWUAEr0
杏「ふぃー、まだ外は寒いなぁ…」
杏「早く事務所に戻って温まろうっと…」
杏「…おや、事務所のドアに見慣れない掛け看板が」
杏「…メイドカフェ黒猫?」
杏「ウチの事務所はいつからメイドカフェになったんだ…」
杏「中で何やってんのかな…面倒なことに巻き込まれないといいけど…」
杏「…とりあえず、中の様子を見てみるか…」カチャ
杏「そーっと……」
3:2014/03/08(土) 23:09:54.28 :B4lWUAEr0
雪美「おかえりなさい……ませ……」
杏「あれっ、雪美じゃん。しかもメイド服…」
雪美「うん……私……」
杏「ドアに掛けてあった看板も、雪美が?」
雪美「うん………」
杏「なんでまた急にメイドカフェなんて」
雪美「これ………」
杏「んー、なになに…『あなたにご奉仕!メイドセレクション』…?」
雪美「今度……イベントが……ある………」
杏「ははぁ、なるほど。その練習ってわけか」
雪美「……そう………」
杏「…ずっと、扉の前に立って待ってたの?」
雪美「………」コクリ
杏「そ、そっか」
4:2014/03/08(土) 23:11:03.69 :B4lWUAEr0
杏「今、お客さんは誰かいるの?」
雪美「……ううん……」
杏「まだ誰もいないんだ」
雪美「……そう……」
杏「……杏?」
雪美「……お客さん……」
杏「…まぁ、それぐらいなら」
杏(お客さんなら何もしなくていいはずだし…)
雪美「よかった……じゃあ……ここ……座って……」
杏「はいよー。あ、上着だけちょっと掛けてくるね」
雪美「私が……やる……」
杏「ん、そう?じゃあ、お願いしようかな」
雪美「任せて………」
杏(徹底してるなぁ)
5:2014/03/08(土) 23:12:08.60 :B4lWUAEr0
雪美「これ……メニュー……」
杏「おぉ、メニュー表まであるんだ。どれどれ」
――――――――――――――――――――――――――――――――
オレンジジュース…0円
お茶…0円
コーヒー…0円
クッキー…0円
チョコ…0円
やきそば…0円
うどん…0円
ラーメン…0円
――――――――――――――――――――――――――――――――
杏(全部タダ…。まぁ、そりゃそうか…)
杏(焼きそばとかうどんってのはカップ麺の事だろうな…多分)
杏(雪美、お湯沸かせるのかな)
7:2014/03/08(土) 23:13:32.08 :B4lWUAEr0
杏(…ん、あれ、隅っこに小さくなんか書いてる)
――――――――――――――――――――――――――――――――
スタミナドリンク…100モバコイン
エナジードリンク…100モバコイン
――――――――――――――――――――――――――――――――
杏「…雪美、ここの部分書いたの、誰?」
雪美「……ちひろさん………」
杏「やっぱり……」
雪美「……何に……する……?」
杏「ん、じゃあ、オレンジジュースとクッキーにしようかな」
雪美「分かった……待ってて……」
杏「はいよー」
8:2014/03/08(土) 23:16:10.47 :B4lWUAEr0
杏「にしても、雪美がメイドかぁ…。他には誰がいるのかな」
杏「ええと、千秋に、みさきちに、雅に…愛梨、紗枝……奈緒!?」
杏「奈緒のメイド服姿……」
奈緒『ご主人様~オムライスに好きな文字を書いてあげますね~☆』
奈緒『L・O・V・E…わぁ~、上手に書けた~♪』
奈緒『最後に、オムライスがもっと美味しくなる魔法をかけますね☆』
奈緒『美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えキュン☆』
杏「ぶふーっ!」
杏「こ、これは可愛い…今度奈緒を見かけたら弄らなきゃ」
小梅「お、お疲れ様です…」ガチャ
輝子「お疲れ様です…フヒ」ガチャ
杏「おっ、おかえりー」
小梅「あ、杏さん…ただいま…」
輝子「フヒ…ただいま……」
小梅「あ、あの…ドアに…看板が…」
杏「待ってたら分かるよ」
輝子・小梅「……?」
9:2014/03/08(土) 23:18:38.53 :B4lWUAEr0
雪美「……お客さん……増えてる……」
小梅「あ…ゆ、雪美ちゃん…?」
輝子「フヒ…メイド服……」
杏「今度、メイドのイベントがあるから、それの練習なんだってさ」
小梅「そ、そうだったんだ…」
輝子「フヒ…杏さんはお客さんだったんだね…」
杏「そゆこと」
雪美「……小梅と……輝子も……お客さん……」
小梅「わ、私達も…?」
雪美「……そう……ここ……座って……」
小梅「あ、う、うん……じゃあ……」
雪美「これ……メニュー……」
輝子「フヒ…メニューもあるのか…」
小梅「ほ、本格的かも…えへへ」
雪美「何に……する………?」
小梅「え、えっと…じゃあ、オレンジジュースと…クッキーで…」
輝子「フヒ…私もそれで…」
杏「杏と同じだ」
雪美「分かった……待ってて………」
11:2014/03/08(土) 23:21:29.30 :B4lWUAEr0
小梅「メイド服の雪美ちゃん…か、かわいいね…」
輝子「フヒ…そうだね…」
杏「これが今度やるメイドのイベントなんだってさ」
小梅「あ、あなたに…ご奉仕……」
輝子「メイドセレクション……」
杏「凄い名前だよね」
小梅「う、うん……」
杏「個人的に、奈緒が一番気になる」
輝子「あ…ホ、ホントだ…奈緒さんもいる…」
杏「メイド服の奈緒みたいなぁ」
小梅「き、きっと…可愛い……」
杏「本人は可愛いなんて言われたら悶えそうだけどね」
輝子「フヒヒ……」
13:2014/03/08(土) 23:22:41.88 :B4lWUAEr0
雪美「おまたせ……しました………」プルプル
杏「お、来た来た……って、大丈夫?」
小梅「ふ、震えてる……」
雪美「大丈夫……落とさないように……ゆっくり………」
杏「慎重になりすぎて逆に危なく見えるけど…」
輝子「フヒ…も、もう少し…頑張れ……」
雪美「ジュースと……クッキー……どうぞ………」
杏「ありがとー」
小梅「えへへ…ありがとう…雪美ちゃん…」
輝子「フヒヒ…ありがとう……」
雪美「……」ムフー
杏(満足そうだ)
杏「雪美も、休憩してジュースでも飲んだら?」
雪美「次は……お掃除………」
杏「おぉ…随分働き者のメイドだねぇ」
雪美「メイドさんは……いそがしい………」
杏「まぁ、そうかもね」
14:2014/03/08(土) 23:24:09.80 :B4lWUAEr0
珠美「珠美、ただいま戻りました!」
光「ただいまー!」
麗奈「帰ったわよ!」
杏「おかえりー」
小梅「お、おかりなさい…」
輝子「フヒ…おかえり…」
雪美「おかえりなさい……ませ………」
珠美「おぉっ、雪美ちゃんがメイド服を!」
光「かわいい!」
麗奈「もしかして、扉に掛かってた看板は雪美がやったの?」
雪美「……そう………」
杏「今度、メイドのイベントがあるからその練習なんだってさ」
珠美「なるほど。予習とはえらいですね、雪美ちゃん!」
雪美「私……えらい………」
麗奈「ふーん…で、メイドカフェってことは何か注文できるわけ?」
雪美「メニュー……あるから……座って……」
光「おぉ、何があるんだろう!」
珠美「レッスンが終わってお腹が空いてるので、何か食べたいところですね!」
麗奈「ちょっと、アタシにも見せなさいよ」
15:2014/03/08(土) 23:25:42.17 :B4lWUAEr0
光「あっ、食べ物もあるよ!」
珠美「おぉ、嬉しいですね!では、珠美はお茶とうどんでお願いします!」
光「アタシはお茶と焼きそば!」
麗奈「…じゃあ、お茶とラーメン」
雪美「……わかった……待ってて……」
小梅「ゆ、雪美ちゃん…一人で大丈夫…?」
雪美「大丈夫……任せて……」
小梅「う、うん……」
麗奈「メイドカフェって、ラーメンとかうどんとか置いてるの?普通」
輝子「フヒ…さ、さぁ……」
光「それにしても、メイドかぁ…」
麗奈「光には絶対似合わないわね」
光「何をーっ!麗奈だってメイドって柄じゃないだろっ!」
麗奈「あったりまえよ!何でこのレイナサマが誰かに仕えなきゃいけないのよ!」
雪美「お店の……中で……ケンカ……ダメ………」
光「あっ…ご、ごめんなさい」
麗奈「ア、アタシは悪くないわよッ」
16:2014/03/08(土) 23:26:37.58 :B4lWUAEr0
雪美「うどん……やきそば……ラーメン………」
雪美「お湯を……わかさないと………」
雪美「……やかん……水………」
雪美「火……点ける………」
雪美「………火………」
小梅「ゆ、雪美ちゃん…大丈夫……?」
雪美「お客さん……入ってきたら……ダメ……」
小梅「お、お湯…大丈夫か…心配で……」
小梅「わ、私も…メイドのお仕事…した事あるから……」
雪美「小梅も……メイド………?」
小梅「う、うん…だから…お手伝い…どう、かな……?」
雪美「……うん……メイド……一緒……教えて……?」
小梅「うん…じゃあ、一緒にやろうね…えへへ」
小梅「お湯は…私が沸かすから…珠美ちゃん達に…お、お茶…運んで…?」
雪美「……うん……お茶……」
17:2014/03/08(土) 23:27:58.96 :B4lWUAEr0
小梅「う、うどんとかは…どこに…あるの……?」
雪美「……ここ……戸棚……中……」
小梅「え…あっ…カップ麺…?」
雪美「……そう………」
小梅「そ、そっか…じゃ、じゃあ…お湯が沸いたら…一緒に、作ろうね…」
雪美「………」コクリ
小梅(メニューのうどんとかって…カップ麺の事だったんだ…)
杏「雪美ー、追加のお客さんだよー」
雪美「……お客さん……たくさん……」
小梅「お、お茶を運んで…そのまま、新しいお客さんの注文を…き、聞いてきてね…」
雪美「……分かった………」
小梅「ふふ…雪美ちゃん…頑張ってる……」
小梅「カ、カップ麺…どうしよう……」
小梅「このままだと…体に良くないし…何か、入れた方がいいかな……」
18:2014/03/08(土) 23:29:08.15 :B4lWUAEr0
雪美「お茶……運んだ………」
小梅「あ、新しい…お客さん…誰だった…?」
雪美「茜と……飛鳥………」
小梅「あ、茜さんと…飛鳥さんかぁ…ちゅ、注文は……?」
雪美「茜が……お茶……飛鳥が……コーヒー……」
小梅「お茶と…コーヒー…うん、分かった……」
雪美「お茶は……冷たいの……コーヒーは……熱いの……」
小梅「冷たいお茶と…ホットコーヒー…」
雪美「……そう……」
小梅「お、お湯が沸くまで…もう少しかかるから…」
小梅「茜さんのお茶だけ…先に持って行って欲しいな……」
雪美「……うん……」
19:2014/03/08(土) 23:30:09.07 :B4lWUAEr0
雪美「おまたせ……しました………」
茜「おぉっ、ありがとうございます、雪美ちゃん!」
雪美「コーヒーは……待って……お湯……まだ……」
飛鳥「構わないよ。ゆっくりでいいからね」
雪美「……うん………」
茜「私、メイドカフェなんて初めてでワクワクしますよ!!」
光「アタシも!」
珠美「テレビで見た事ありますけど…確か、オムライスにケチャップでハートとか書くんですよね」
杏「お客さんに出す料理に、美味しくなる魔法をかけたりするんだよ」
麗奈「何それ…」
杏「多分、イベントで奈緒がやってくれると思うから楽しみにしてよう」
輝子「フヒ…そ、そうなの…?」
杏「奈緒は期待を裏切らない」
飛鳥「つまり、杏さんがまた無茶ぶりをするということだね」
杏「そうとも言う」
20:2014/03/08(土) 23:31:17.14 :B4lWUAEr0
雪美「おまたせ……しました……」
小梅「ご、ごめんね…遅くなっちゃった…」
光「あっ、きた!」
珠美「待ってました!」
麗奈「ラーメンとかうどんって、そういう事だったのね…」
杏(やっぱりカップ麺だった)
雪美「コーヒーも……どうぞ……」
飛鳥「ありがとう」
珠美「おやっ、このうどん、カップ麺なのに中身が豪華ですな…」
光「焼きそばも、野菜が沢山入ってる!」
麗奈「アタシのラーメンも、卵とか色々入ってるわね…」
茜「おぉぉ、美味しそうです!」
雪美「小梅が……アレンジ……した……」
杏「なるほど、カップ麺そのままじゃ体に良くないからって事かな」
輝子「フヒ…やるね、小梅……」
小梅「えへへ……」
21:2014/03/08(土) 23:32:13.36 :B4lWUAEr0
光・珠美「いただきまーす!」
麗奈「……いただきます」ボソッ
ズルズルズルズル
光「おいしいっ!」
珠美「これはいけますね!」
麗奈「…ふ、ふーん…なるほどね」
小梅「よ、よかった……」
杏「カップ麺でもアレンジすればそれなりのものになるんだ」
輝子「フヒヒ…だ、だからって、カップ麺ばかり食べるのは…ダメだよ…」
杏「分かってるよー」
杏「それに、自分じゃ面倒だからアレンジなんて絶対にしないし」キリッ
飛鳥「誇らしげに言う事ではないと思うよ」
茜「雪美ちゃんのメイドカフェ、大盛況ですね!」
雪美「……ふふ………」
小梅「雪美ちゃんも…う、嬉しそう……」
22:2014/03/08(土) 23:33:11.08 :B4lWUAEr0
珠美「ごちそうさまでした!」
光「美味しかった!」
麗奈「ま、まぁまぁだったわね」
飛鳥「ふふ、素直じゃないね」
麗奈「ちょ、アンタがそれを言うの?」
飛鳥「ボクはいつだって自分に正直さ」
雪美「片付け……する………」
茜「あっ、片付けぐらいなら私が!」
雪美「片付けも……メイドさんの……仕事……」
茜「分かりました!私、雪美ちゃんの仕事熱心さに感動しました!!」
杏「じゃあ、お言葉に甘えて杏は一眠りさせてもらうよ……ぐうぐう」
輝子「い、一瞬で寝たね…」
珠美「なんという早業…」
小梅「み、みんなに…喜んでもらえて…よかったね…」
雪美「うん……小梅……ありがとう………」
小梅「えへへ…どういたしまして……」
小梅「今日、練習したから…き、きっと、お仕事の方も…大丈夫……」
小梅「本番…頑張ってね……」
雪美「……うん……頑張る……」
23:2014/03/08(土) 23:35:25.43 :B4lWUAEr0
―別の日―
奈緒「はぁー…アタシがメイド服着る事になるとは…ホントに似合ってんのかな、これ…」
杏「似合ってる似合ってる」
奈緒「げっ!?杏、いつの間に!?」
杏「いいよー、可愛いよー奈緒のメイド服」
奈緒「や、やめろよー!弄る気満々かよ!」
杏「いやいや、真面目に似合ってるって。イケるイケる」
奈緒「ほ、本当に…?アタシのキャラじゃないと思うんだけど…」
杏「そんな事ないって」
奈緒「うー…」
杏「折角だからアレやってよ、アレ」
奈緒「アレ?」
杏「萌え萌えキュンって」
奈緒「バッ…!?んな事できるかー!!」
杏「えー?でも、メイドのイベントなんだし、似たような事やらされるかもよ?」
奈緒「なっ…マジか…」
25:2014/03/08(土) 23:36:54.62 :B4lWUAEr0
杏「だから、もしお仕事本番で言われても大丈夫なように、練習練習」
奈緒「……わ、分かったよ。1回だけだからな!」
奈緒「も……萌え萌えキュン☆」キャピルーン
カシャッ
奈緒「……え?」
杏「あー、いいねー」
奈緒「おぃぃー!?何撮ってんだー!?」
杏「凛と加蓮に送ろう」
奈緒「やめろー!?それだけはマジでやめろ!?」
杏「えー、じゃあ待ち受けにする」
奈緒「それもやめろ!!」
杏「えー」
奈緒「いーいーかーらー消ーせー!」ムニムニ
杏「ひーやーはー(いーやーだー)」
おしり
26:2014/03/08(土) 23:37:40.50 :B4lWUAEr0
メイド雪美ちゃんと奈緒坊がかわいかったので
見てくれた人ありがとう
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