1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 15:54:42.38 ID:jdg4igKso
P「いえいえいえ! そういう訳ではなくてですね……」
楓「じゃあ、好き?」
P「っ、いえ、その」
楓「やっぱり、嫌い、で……」
P「ああ、いえ、違うんです! 俺が言ってるのは男女としてという意味で」
楓「アイドルとしてなら?」
P「大ファンです。大好きです。結婚してください」
楓「…………」
P「……最後のは、忘れてください」
楓「……はい。でも」
P「?」
楓「最初の二つは、忘れませんからね?」
P「…………」
楓「ふふっ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420354482
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 16:03:40.10 ID:jdg4igKso
P「…………」
楓「~♪」
P「楓さん」
楓「はい」
P「何で俺に抱き着いてるんですか?」
楓「ダメでしたか?」
P「そりゃ駄目ですよ」
楓「どうして、ですか?」
P「どうしてって、俺は男ですから」
楓「なら、心配ありませんよ」
P「?」
楓「プロデューサーは私を、男女の関係の意味で、好きでも何でもないんですから」
P「……それ、は」
楓「好きなんですか?」
P「…………」
楓「事務所に居る間の私は、アイドルじゃありませんから」
P「楓さん」
楓「だから、私はプロデューサーを好きにしていいんです。好きにしちゃいます」
P「…………」
楓「あ、今の駄洒落なんですけど、気付きました?」
P「いいえ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 16:16:42.88 ID:jdg4igKso
楓「プロデューサーが、私を好きじゃないのは分かりました」
P「ようやく分かってもらえましたか」
楓「でも、私はプロデューサーが大好きですからね」
P「…………」
楓「…………」
P「アイドルとプロデューサーという意味で、ですよね?」
楓「教えてほしいんですか?」
P「…………」
楓「…………」
P「俺も、楓さんが大好きですよ」
楓「やっぱり」
P「…………」
楓「…………」
P「聞かないんですか? どういう意味で、なのか」
楓「聞かなくても、分かりますよ?」
P「…………」
楓「ふふっ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 16:33:05.45 ID:jdg4igKso
P「…………」
楓「……ふーっ」
P「っ……!」
楓「♪」
P「楓さん」
楓「何ですか?」
P「耳に、息を吹きかけないでください」
楓「えー」
P「えーじゃありません」
楓「しょうがないですね……」
P「どうも」
楓「ところで」
P「はい」
楓「抱き着いてるのはいいんですか?」
P「…………」
楓「プロデューサーのそういう所、好きですよ」
P「どうも」
楓「ふーっ……」
P「楓さん」
楓「はーい」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 16:43:06.05 ID:jdg4igKso
楓「ほんとに私の事、好きじゃないんですか?」
P「えーと、まぁ」
楓「むーっ」
肇「おはようございます」
P「ああ、おはよう藤原さん」
楓「肇ちゃん」
肇「どうしました?」
楓「プロデューサーが私の事、嫌いだって……」
P「えっ」
肇「…………プロデューサーさん」
P「いや、違うんだ。好きかって訊かれ」
肇「そこに直ってください」
P「はい」
肇「プロデューサーさん。私もそういった事にあまり詳しい訳ではありませんが、そんな事を言っては駄目ですよ」
P「はい」
肇「それも、楓さんになんて。あなたのこ……いえ、何でもありません。もうしないでくださいね?」
P「はい」
楓「肇ちゃん、お饅頭食べる?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 17:00:30.77 ID:jdg4igKso
P「…………」
楓「~♪」
蘭子「~♪」
楓「蘭子ちゃん、相変わらず髪さらさらね」
蘭子「髪は魔力の源なればこそよ」
(髪は女の子の命ですからっ!)
楓「撫でるの、癖になっちゃった」
P「…………」
蘭子「我こそ、既に歌姫の虜よ……」
(私も楓さんに抱っこされてると、何だかほっとします)
楓「ウチの子になっちゃう?」
蘭子「玉座を離れる訳にはいかぬ」
(それは困っちゃいますねー)
P「…………」
楓「あ、蘭子ちゃん。プロデューサーも撫でてほしいみたい」
P「違います」
蘭子「是非も無しか……」
(プロデューサーさん、どうぞ!)
P「いや、ぽんぽんと叩かれても座らないから」
楓「私の太もも、柔らかいですよ?」
P「……………………いや、座りませんってば」
蘭子「悩んだ」
楓「悩みましたね」
P「悩んでない」
蘭子「えっち」
楓「えっちですね」
P「えっちじゃない」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 17:17:51.99 ID:jdg4igKso
楓「逆に訊きますけど」
P「はぁ」
楓「プロデューサー、どんな女性が好きなんですか?」
P「……えぇと」
楓「じゃあ、お洒落な女の人は好きですか?」
P「まぁ、そうですね」
楓「スタイルの良い人とか」
P「男ならみんな好きでしょうね」
楓「小粋なジョークを飛ばせちゃうお茶目な女性なんて」
P「魅力的ではあります」
楓「ほら」
P「何がほらなんですか」
楓「目の前にとっても素敵な女性が居ますよ?」
P「…………」
楓「…………」
P「小粋……?」
楓「泣いちゃいますよ?」
P「すみません」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 17:33:05.35 ID:jdg4igKso
アーニャ「プロデューサー」
P「ん?」
アーニャ「楓が、泣いています」
P「えっ」
楓「くすん、くすん」
アーニャ「とっても、スパスィーチェ……悲しそうです」
P「えー……」
アーニャ「慰めないと、ダメですね?」
P「そうかなぁ?」
楓「くすん……ちらっ」
P「ちらっ、とか呟いてるけど」
アーニャ「んんと……最近お仕事がうまくいっても褒めてくれなくて悲しい、らしいです」
P「さっきからアナスタシアさんがちらちら見てるメモ、俺にも見せてくれない?」
アーニャ「ニェート、ダメです。えっちです」
P「えっちじゃない」
楓「えっちですね」
P「楓さん」
楓「くすんくすん」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 17:47:17.55 ID:jdg4igKso
P「全く、もう」
楓「……グスッ……ヒクッ」
P「……え、ちょ、ちょっと、楓さん? なんでマジ泣きして」
楓「グスッ……」
アーニャ「……プロデューサー。泣かせるのは、ひどいです」
P「いや、泣かせようとした訳じゃ」
アーニャ「言い訳は、ダメです」
P「はい」
楓「……ヒクッ、グス」
P「……楓さん、すみませんでした。俺に至らない所があったなら、改めます」
楓「グス……も、もっと……グスッ……褒めて、ください」
P「ええ。楓さんは、頑張ってますよ。貴女の笑顔を見ていると、俺も楽しくなります」
楓「……グスッ……撫でてくだ、さい……」
P「こう、ですかね……これからは、ちゃんと言葉でも示します。もっと、お酒とかも飲みましょう」
楓「…………」
P「許して、もらえませんか?」
楓「……まだ、ヒクッ……だめです」
P「……温泉旅館。楓さんが行きたがっていたあそこ、予約しておきますよ」
楓「やったー。ありがとうございます、プロデューサー」
P「えっ」
楓「アーニャちゃん、演技って言うのはこれぐらい本気でやると効果的なの」
アーニャ「ダー。参考になります」
P「えっ」
楓「あ。予約は2名ですからね。プロデューサーも一緒に行きましょう」
P「…………えー……?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 17:58:52.17 ID:jdg4igKso
楓「プロデューサー」
P「何です?」
楓「私、酔っちゃいました」
P「そう言いながらコップにウィスキーを豪快に注いでも説得力に欠けますね」
楓「酔っちゃってますから、オオカミさんになるなら今の内ですよ?」
P「なりませんよ」
楓「好きじゃないからですか?」
P「好きじゃないからです」
楓「私はプロデューサーの事、大好きですよ。男女の意味で、愛しています」
P「…………」
楓「…………」
P「楓さん、酔ってるでしょう?」
楓「プロデューサー、さっきと言ってる事が違いますよ」
P「…………」
楓「…………」
P「楓さん」
楓「はい」
P「大好きです。男女の意味で、愛しています」
楓「はい」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 18:14:03.70 ID:jdg4igKso
P「俺も、酔っているのかもしれませんね」
楓「大丈夫です。私は絶対覚えておきますから」
P「プロデューサー失格かな」
楓「私の部屋で酒盛りしてる時点で、言い訳出来ませんね」
P「全くです」
楓「でも、大丈夫ですよ」
P「?」
楓「今の私は、アイドルじゃなくて、女。今のあなたは、プロデューサーじゃなくて、男」
P「…………」
楓「ほら、何も問題ありま、んぅっ」
P「…………」
楓「んっ……ふ…………はぁっ……」
P「……お酒くさい、ですね」
楓「マッカラン味でしたね」
P「……楓さん、やっぱり酔ってませんか?」
楓「どうしてですか?」
P「顔が、真っ赤ですよ」
楓「……あら。お上手ですね、プロデューサー」
P「…………あ。いや、今のはそういうのんむっ」
楓「んっ…………」
P「…………ぷはっ。あの、楓さん」
楓「悔しかったから、お返しです。真っ赤なプロデューサー」
P「お返しって」
楓「それと、もう一つお返しです」
P「?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 18:14:41.49 ID:jdg4igKso
楓「――キス、好きになっちゃいそうです、きっと」