12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:03:23 ID:RbPKRt81P
―3日前―
千早「あー……あー……」
P「お、やってるな」
千早「プロデューサー」
P「いや、いいんだ続けてくれ」
千早「あ、はい、すみません」
P「……」
P(しかしいつも本当に集中してるよな)
P(下手につついても反応しないんじゃないか、ってくらい)
P(んーなんかイタズラしたい……だが下手に何か触るとセクハラになりかねんし……)
P(おぉ、そうだ!)
ススッ
千早「あー、あー」
P「……好きだよ千早」
千早「あー……え?」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:06:22 ID:RbPKRt81P
P「ん?」
千早「あ、あの今……」
P「いや、すまん続けてくれ」
千早「……は、はい」
P「……」
千早「あー……」
P「……そのままでいいから聞いてくれ」
千早「あ……あ、あー……」
P「……好きなんだ」
千早「っ……」
P(おっと、意外とすんなり……)
P「……千早?」
千早「……なんですか」
P「ん?」
千早「さっきからその……プロデューサーが何か言ってるようでしたので」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:08:32 ID:RbPKRt81P
P「……いや、気にしないでくれ」
千早「気にするなと言われましても、音を合わせてる最中に耳元で話かけられると……」
P「あ、あぁ、すまなかったな」
千早「それも……」
P「なんだ?」
千早「なんでもありません! 何もしないのなら、そこに居てもらっても結構ですが」
P「あぁ、うん」
千早「……ふぅ、あ、あ」
P「……」
P(もう一回くらい……行けるかな?)
千早「あー……あー……」
P「……千早」
千早「……あー」
P「……ごめん、こんな時にしか言えなくて」
千早「……あ、あー!」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:10:19 ID:RbPKRt81P
P「面と言うのが恥ずかしいくて、つい」
千早「あ……」
P「……千早」
千早「……もういいです」
P「え?」
千早「……帰ります」
P「え、ち、千早? ちょ、ちょっと!」
バタン
P「うわっちゃー……やりすぎた」
P「……そりゃ、怒るよなぁ」
千早「……はぁはぁ」
千早「プロデューサー……一体どういうつもりで……」
千早「……」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:15:38 ID:RbPKRt81P
―おととい―
P「……謝りに行くか」
千早「……あー」
P「……千早」
千早「……なんですか」
P「いや、その、昨日は……」
千早「いいです別に、そんなに気にしてませんから」
千早「ただ、今日は辞めてください」
P「あ、あぁ、もちろんだ」
千早「あー……あ~!」
P「……」
P(冗談とは言え、結構デリカシーのないことをしたな……)
P(危うくこの千早の生歌が聞けなくなるところだった)
P(もう少し考えて行動しないとな……)
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:18:05 ID:RbPKRt81P
千早「……ふぅ」
パチパチ
千早「あっ……」
P「……」
千早「……ありがとう、ございます」
P「俺に構わず続けてくれ」
千早「は、はい」
千早(……今日は静かに聞いてくれるのね)
千早(だったら昨日のは何……)
千早(……いえ、いいのよ集中しなきゃ)
千早「あー……あー」
千早「あ……」
P「ん?」
千早「……」チラッ
P「え?」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:20:44 ID:RbPKRt81P
千早「……あー」
千早(何もしてこないのね……)
千早(いえ、それならそれでいいのだけれど……だったら昨日なんで……)
(P『……好きだ』)
千早「あー……」
P「ん?どうした千早?」
千早「……」
P「千早?」
千早「……やっぱり、今日はこれくらいにしておきます」
P「え?いいのか、まだまだ時間はあるのに」
千早「……」
P「お、俺?」
千早「い、いえ……失礼します」
P「……なんだ?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:23:22 ID:RbPKRt81P
―昨日―
P「さてと、今日は……」
千早「プロデューサー」
P「ん? 千早か」
千早「あの、お時間空いてたらその……歌の方を見てもらいたいのですが」
P「あ、うん、この仕事がもう終わるからその後でいいか?」
千早「はい、大丈夫です」
P「それじゃ」
千早「はい、~♪」
P(……流石の歌声だな)
P(しかし……昨日はてっきり俺のことで怒って帰ったものと思ったのに)
P(まあ、千早なら仕事との分別くらいつけるだろう)
千早「……どうでしたか、プロデューサー」
P「ん? まあ、いいんじゃないか?」
千早「……そう、でしょうか」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:25:20 ID:RbPKRt81P
P「どうして?」
千早「……プロデューサー」
P「うん?」
千早「前におっしゃった、その……」
P「うん」
千早「……私の」
P「千早?」
千早「…・…い、いえなんでもないです。忘れてください」
P「あ、うん」
千早「……あー」
P「……えっと、千早?」
千早「あー……あー……」
P「俺は、まだ居た方がいいか?」
千早「あー……」
P「……」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:27:47 ID:RbPKRt81P
P(なんだ?千早は何を考えてるんだ……?)
P(……私の、ってまさかおとといのこと、引きずってる……とか?)
P(でも、千早に限って……いや、まさか)
P(そうだとしたら俺はとんでもないことを……しかし、今更冗談でした、などと言ったらそれこそ口をきいてくれなさそうだ)
P(……なら、賭けに出るしかない、か)
千早「……あー」
P「……千早」
千早「あ! ……あ、あー」ビクッ
P「……ごめん」
千早「……あー」
P「……好きなのは本当だ、でも昨日のことがあったから」
千早「……」
P「いいんだ、続けて……」
千早「プロデューサー」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:29:41 ID:RbPKRt81P
P「ち、千早」
千早「……それは、どういう意味ですか?」
P「あ、いや……」
千早「私は……その、愛の告白を受けてるんですか?」
P「……」
千早「……どうして、私が歌っているときしか話してくれないんですか」
P「……すまん」
千早「……謝られても、困ります」
P「そうだよな……ごめん」
千早「……嘘じゃないですよね」
P「え?」
千早「……あー」
P「ち、千早?」
千早「あー……」
P「……う、嘘じゃないさ! 俺の本当の気持ちだ!」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:31:11 ID:RbPKRt81P
千早「あー!!」
P「俺は、千早のことが好きだから……それだけだから」
千早「あ、あー!!!」
P「……その、俺は先に事務所に戻ってる」
バタン
千早「あー……あ、あぁ……」
千早「……」
千早「……プロデューサー」
千早「……」
千早「……私のことが?」
千早「……私は」
――
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:33:29 ID:RbPKRt81P
P「そして今日だ」
P「さてと、仕事……」
千早「プロデューサー!」
P「ん?」
千早「あ、いえなんでも」
P「そ、そうか……千早?」
千早「はい?」
P「その、どうしたんだ?」
千早「何がですか?」
P「……ずっと、後ろにいるけどさ、レッスンはしなくていいのか?」
千早「プロデューサーの仕事が終わるまで待ちますよ?」
P「あ、そういうことか……なら、大丈夫だ行こうか」
千早「いいんですか?」
P「うん、大丈夫だ」
千早「……ふふっ」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:35:37 ID:RbPKRt81P
P「よし、それじゃ」
千早「プロデューサー」
P「うん?」
千早「後ろからじゃなくて、前から見ててください」
P「あ、わかった」
千早「あー……!」
P「よしよし、よかったぞ」
千早「……ありがとう、ございます」
P「よし、それじゃ俺は戻るな」
P「……ん?」
千早「どうかしましたか?」
P「いや……千早、レッスンは?」
千早「もうさっきので十分です」
P「……そう、か」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 00:39:18 ID:RbPKRt81P
P(……なんだろう、今日は体が重い)
P(何が……あぁ、なるほど)
P(今日はなぜか、一日中千早が近くに居る気がする……)チラッ
千早「プロデューサー、どうかしましたか?」
P「あぁいや、これと言ったことはないんだが……千早」
千早「はい」
P「その、何かしらしなくていいのか?」
千早「明日までは自主練習でその後が収録なので、大丈夫ですよ?」
P「……そうか」
千早「それより、その……何かしませんか?」
P「何か?」
千早「その、買い物とか」
P「え?」
千早「あ、いえ! そのプロデューサーが嫌なら全然……」
P「んー……まあ仕事が片づけばいけないこともないが」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 01:10:34 ID:RbPKRt81P
この前書いたのと被るんだよ
甘々書こうとしたらどうして病むんだよ誰か頼んだ
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 01:30:35 ID:RbPKRt81P
千早「本当ですか!」
P「あ、う、うん」
千早「……」
P「どうかしたか?」
千早「あ、い、いえ! その、私もちょっと用事済ませて来ますね!」
タタッ
P「あ、うん……千早、どうしたんだ?」
—
千早「……」
キョロキョロ
千早「……ここなら、誰もいないわよね?」
ゴロッ
千早「あぁ、ぷろでゅーさぁ……」ゴロゴロ
千早「……プロデューサーのせいですよ」
千早「私も、好きです……んぅ……」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 01:37:11 ID:RbPKRt81P
P「さてと……千早は」
千早「ここです」
P「おっ……と、いたのか」
千早「はい!」
P「それで、どこに行くんだ?」
千早「私は、どこでも」
P「……千早が行きたいところがあるんじゃないのか?」
千早「いえ、まあその……私は……プロデューサーとなら」
P「……! ちょ、ちょっと待ってくれるか?」
千早「は、はい」
P(……これってもしかして、もしかすると)
P(千早が、俺の告白に対して意識してる? いやいや、その範疇はとっくに超えてるだろ……)
P(……千早としては、もう付き合ってるくらいの意識なのかもしれんな)
P(まだ確定ではないにしろ、この後どうするのがベストだろうか……)
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 01:42:20 ID:RbPKRt81P
P(一つしかないよなぁ……)
P「よし待たせたな!」
千早「い、いえこちらこそ無理を言って……」
P「いいっていいって、それで行きたいところは?」
千早「い、いえそのですから……」
P「俺は千早の行きたい場所に連れてってあげたいな、なんて思うんだ」
千早「プ、プロ……」
P「ダメか?」
千早「い、いえ! あ、いえ、でもその……あぁ……」カアァ
P「千早?」
千早「……と、とりあえず外を歩きませんか?」
P「いや、でも車使わないか?」
千早「あっ、そ、そうでした! すみません……」
P「千早が歩きたいっていうならそれは構わないが」
千早「い、いえ! あぁ、私……どうしてこんな……」
65: >>62 そんな感じで 2013/01/12 01:54:01 ID:RbPKRt81P
P「まあ、気にするな、特にないならそれじゃ……俺が適当に選んでもいいか?」
千早「は、はい!」
P「よし、それじゃ」
千早「……」
スッ…
P「ん?」
パッ
千早「あ、い、いえ……」
P「……うん」
P(一瞬だけ袖を掴まれたが……)
P(……可愛い、が……困った)
P(こんな千早、仕事の時他のアイドルに見つかったら……いや、それは後回しだな)
P「時間も時間だし……飯かな。食べたいものとか」
千早「なんでも大丈夫です!」
P「というと思ったが……まあなら適当に案内するよ」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 01:57:10 ID:RbPKRt81P
――
千早「ここ、本当においしいですね……」
P「だろう? リーズナブルだし、オススメだ」
千早「びっくりしました……いえ、お世辞とかではなく!」
P「あはは、わかったわかった」
千早「プロデューサー、こういうお店には良く来るんですか?」
P「んー、いやまあ取引先の人とかに連れられてくらいだな」
P「いい人の一人や二人でもいれば……っと」
千早「……私」
P「あ、その……」
千早「……プロデューサーに、ふさわしい女、でしょうか」
P「え?」
千早「プロデューサーのことは、他のアイドルも慕ってます」
千早「それなのに……私が、その独り占めみたいに……」
P「……千早、聞いてもいいか?」
千早「は、はい」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 02:01:57 ID:RbPKRt81P
P「千早は……俺のこと好きか?」
千早「そ、それは! ……です」
P「ん?」
千早「す、好きです!」
P「……そうか」
千早「あ、あぁ……は、はいぃ……」
P「……千早ってそんな顔もするんだな」
千早「み、見ないでください……」
P「いや、むしろ貴重だしさ」
千早「い、いやっ……」
P「……いつもクールで、仕事に対して真面目な千早がさ」
P「こんなに一途に、俺のことを想ってくれてると思うと」
千早「あ……あっ……」
P「……顔、真っ赤だ」
千早「ご、ごめんなさい、ちょ、ちょっとトイレにっ!」バッ
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 02:07:21 ID:RbPKRt81P
タタッ
P「……はぁ」
P「これ、俺最初冗談……だったんだよな?」
P「……最低だな」
—
ジャー
千早「……プロデューサー」
千早(まだ心臓が跳ねてる……こんなの、歌の本番でも経験したことない……)
千早(ダメ、プロデューサーの顔を思い出すだけで顔から火が出そう……)
千早(それでも、また早くプロデューサーのところに戻りたいって思うの)
千早「……私」
—
P「……お」
千早「す、すみません……」
P「その、大丈夫か? 具合でも悪くなったか?」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 02:10:07 ID:RbPKRt81P
千早「だ、大丈夫です……」
P「……俺は」
千早「は、はい!」
P「……俺も、好きだ」
千早「……」
P「千早」
千早「……」
P「俺の目を見てくれ」
千早「ひゃっ……」
P「……」
千早「あ、ぅ……」
P「……俺は、お前のことが好きか?」
千早「えっ……」
P「……ごめん、その言い訳になるかもしれない」
P「でも、言っておきたい」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 02:15:50 ID:RbPKRt81P
千早「……はい」
P「千早の言うとおり、他のアイドルのこともある」
P「だから今俺は、その……揺らいでるのかもしれない」
P「それにレッスン場のときだって……本当は」
千早「……」
P「それでも……」
千早「それでも、いいんです」
P「千早……」
千早「今……私は、プロデューサーに満たされてるんです……」
千早「自分でもわからないくらい……どうしてここまでプロデューサーのことを想ってしまうのかわからないくらい」
千早「だから……もう正直、今の私にはプロデューサーの気持ちはどうでもいいんです」
P「……」
千早「ただ、後ろからついていくことを、許してくれればそれだけで……」
P「千早……」
千早「私……私……」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/12 02:24:01 ID:RbPKRt81P
P(千早がどうしてここまで思い悩むに至ったのか……正直見当がつかない……)
P(常日頃俺に対してそういう感情を持ち、ずっと耐えていたならわかる)
P(だがこれほどまでの愛情を……こんな長い期間気が付かないほど俺だって鈍感ではない)
P(つまりはきっと、レッスンでの行動が千早にスイッチを入れてしまったんだろう……)
P(その先の感情は、千早にしかわからないだろうが……)
P「……むしろ俺の方からだ」
千早「え……?」
P「こんな俺にまだ、付いてきてくれるなら喜んでだ」
千早「ほ、本当ですか……」
P「……俺も、できるだけ早く結論を出すよ」
千早「大丈夫です、私は……満足ですから」
P(千早の気持ちに圧倒されて、最後の方は何を言ってるか自分でもわからなかった)
P(ただ、冗談ひとつからここまで千早を変えてしまったことに対する曇った罪悪感をぬぐうために)
P(さまざまな免罪符を用意しては自分で切り捨てて、しまいには千早にすがりついてしまった)
P(千早が付いてきてるんじゃない、千早についてきてもらってるんだ俺は……このままでは本当にダメ人間だ……)