1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 21:50:45 ID:u8lAYCUv0
千早「くっ、ゲロゲロキッチンで『君はまな板無くても自前のがあるね』なんて言われてしまったわ」
千早「牛乳も、バストアップマッサージも、どれもこれも効果無いじゃない」
千早「こうなったらもう神に祈るくらいしか方法は無いじゃないの……」
千早「あれは……? 流れ星?」
千早「……胸が大きくなりますように胸が大きくなりますように胸が大きくなりますように」
千早「それが駄目なら……せめてもっと幸運になれますように」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 21:53:07 ID:u8lAYCUv0
次の日
千早「やっぱり大きくなってない……」
千早「も、元から信じてなかったからいいわ」
千早「それよりも早く事務所に行くべきね」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 21:55:48 ID:u8lAYCUv0
千早(予定より30分も早く着いてしまったわ)
小鳥「あら?千早ちゃん、今日はいつにも増して早いのね」
千早「あ、音無さん」
千早「今日は信号が全部青だったのと、何故かいつもより1つ早い電車に乗れたので……」
小鳥「ふふっ、千早ちゃんの今日の運勢は最高なのかもね」
千早(運……、まさか、ね……)
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:01:25 ID:u8lAYCUv0
千早(結局今日の仕事は全て順調に進んだ)
千早(相変わらず歌が歌える仕事は少ないのだけれど……)
やよい「今日は買い物しなくちゃいけないので、今日はもう帰りますねー!」
小鳥「やよいちゃん、お疲れ様。気を付けて帰るのよ?」
やよい「はーい、お疲れ様でしたー! 失礼しまーっす!」
千早(高槻さんも今帰りなのね……、よしっ)
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:06:08 ID:u8lAYCUv0
千早「高槻さん、良かったら私も一緒に買い物に付き合っても良いかしら?」
やよい「あ、千早さん。本当ですか?」
やよい「今日は特売の卵がお一人様一パックまでなので助かります!」
千早「いえ、いいのよ別に。こちらこそ高槻さんの役に立てて嬉しいわ」
千早「さ、早く行きましょうか」
やよい「ありがとうございます! じゃあ行きましょうー!」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:12:53 ID:u8lAYCUv0
スーパーがるうぃんぐ
千早「あら? ごめんなさい高槻さん」
千早「靴紐が解けてしまったから先に入っててもらえるかしら?」
やよい「え?で、でもでも……」
千早「私もすぐ追いかけるから大丈夫よ」
千早「特売品が売り切れてしまったら元も子もないでしょう?」
やよい「うー……、千早さん、ありがとうございます!」
千早「気にしなくて良いのよ」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:19:33 ID:u8lAYCUv0
千早(さて、靴紐も結べたことだし、早く高槻さんの所へ向かなくちゃ)
ウイーン
千早「高槻さんはどこかしら?」
パンパカパーン
店員「来店一億人目、おめでとうございます!!」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:25:31 ID:u8lAYCUv0
千早「えっ?な、何かしら?」
店員「お客様で丁度、来店人数一億人目なので、全商品からどれでも20品まで無料でプレゼントです」
店員「いやぁお客さん強運の持ち主ですねぇ!」
千早(な、なんだかよくわからないけど、そういうことなら……)
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:31:33 ID:u8lAYCUv0
帰り道
やよい「千早さん、今日は本当にありがとうございましたー!」
千早「いいのよ高槻さん」
千早「私は一人暮らしだからあんまり買っても必要無い物が多いから」
やよい「でもでも、こーんなにいっぱいお肉貰っちゃうなんて……」
やよい「何かお礼をしなきゃです!」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:37:20 ID:u8lAYCUv0
千早「お礼だなんてそんな……」
千早「でもそこまで言うのならお願いしようかしら」
やよい「うち、貧乏だから高い物とかは無理かもしれませんけど」
やよい「なーんでも言って下さい!」
千早「じゃあ――」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:41:02 ID:u8lAYCUv0
自宅
千早(結局あの後は高槻さんにお礼のはい、たーっちをして貰って別れたわ)
千早(夕飯はすき焼きにするから一緒にどうかと誘われたのだけれど……)
千早「家族団欒を邪魔しちゃ悪いわ」
千早「それに……」
千早(……優)
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:46:47 ID:u8lAYCUv0
次の日
千早(今日も早く来れてしまったわ)
千早「おはようございます」
P「お、千早! おはよう」
P「喜べ! 昨日お前が帰った後、急にいろんな所から仕事のオファーが殺到したんだ」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:50:19 ID:u8lAYCUv0
千早「ほ、本当ですか!?」
P「あぁ、あまりの忙しさに俺の財布がどっかにいっちまう程にだ」
P「今までの地道な活動が実ったんだな」
P「今日はもうスケジュールが決まってるけど」
P「明日からは一段と忙しくなるぞー!」
千早「はい!」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 22:55:02 ID:u8lAYCUv0
一ヶ月後
千早(その後はプロデューサーの言う通りたくさんの仕事の以来があり)
千早(今注目のシンデレラガールとしてテレビ出演も多く出来るようになった)
千早(相変わらず歌の仕事だけは少ないのだけれど……)
千早(そんなある日)
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:00:09 ID:u8lAYCUv0
スタッフA「ち、千早ちゃん危ない!!」
千早「え?」
ガッシャーン
スタッフB「照明が全部落ちてきたぞー!」
スタッフA「千早ちゃんがまだ舞台にいたんだぞ!?」
スタッフB「おい救急車急げー! 早く呼ぶんだ!!」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:04:51 ID:u8lAYCUv0
千早(な、なにが起こったの……?)
スタッフA「千早ちゃん、大丈夫かい!?」
千早「は、はい」
千早「一体なにが起きたんですか?」
スタッフA「舞台上の照明が全て同時に落ちてきたんだよ」
スタッフA「よく無傷でいられたね、本当に無事で良かったよ……」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:10:01 ID:u8lAYCUv0
事務所
千早(どうやら私は間一髪で照明の下敷きにならずに済んだようね)
千早(落ちた照明の破片も一切当たらず、奇跡としか呼べない程幸運だったらしいわ)
小鳥「本当に千早ちゃんは無事で良かったわ」
小鳥「普通なら死んでもおかしくないくらいだったらしいわ」
千早「えぇ、私も何が起きたかわからなかったんですが助かって良かったです」
千早「でも音無さん……」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:13:44 ID:u8lAYCUv0
千早「私『は』ってどういう事なんですか?」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:18:47 ID:u8lAYCUv0
千早「プロデューサーが……交通事故……?」
小鳥「そうなのよ……」
小鳥「ちょうど千早ちゃんの事故の連絡を受けた後に」
小鳥「プロデューサーさんが車に…………」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:22:21 ID:u8lAYCUv0
千早(私とほぼ同時間に、別の場所で営業をしていたプロデューサーは)
千早(居眠り運転していた車に轢かれたらしい)
千早(幸い命に別状は無かったものの)
千早(左腕を骨折、その他にも打ち身や捻挫など細かい怪我も……)
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:26:01 ID:u8lAYCUv0
病室
P「そう暗い顔するな千早」
P「せいぜいPの文字がBになりかけた程度なんだからな」
P「なんちゃって、はっはっはー!」
千早「プロデューサー……笑い事じゃなかったんですから」
P「俺の事より千早の方が無事で良かったよ」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:31:09 ID:u8lAYCUv0
千早「私は……運が良かっただけなんです」
P「それでも、無事で良かった」
P「それに今回の事でまた奇跡の強運アイドルとして取材入ってるらしいし」
P「日本はおろか世界的にも幸運少女として名前が知られてきたらしいじゃないか」
P「ますます注目されて、Bランクももうすぐかもな!」
千早「……プロデューサー、少しお話が」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:35:33 ID:u8lAYCUv0
千早(私はあの日流れ星に願ったことをプロデューサーに話した)
千早(最初こそ茶化していたけれど、私が真剣に話してる事がわかると)
千早(プロデューサーも真剣に話を聞いてくれた)
P「にわかには信じられない話だが……」
P「千早がそう言うならそうなのかもな」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:40:20 ID:u8lAYCUv0
P「だがそれは俺の事故とは関係無いだろ?」
千早「でも、私が幸運になった日からプロデューサーは少しずつ不幸な事が起きてましたよね?」
P「……確かに財布無くしたりこの前も溝に落ちたり色々あったが」
千早「だから私が幸運になる分プロデューサーが不幸になる」
千早「私が運を吸い取ってるのではないかと……」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:44:52 ID:u8lAYCUv0
P「しかしなぁ……」
千早「だってそれが一番辻褄が合ってしまうんですよ!?」
P「俺はそうは思わないな」
P「千早は自分の幸運を願っただけで、俺が不幸になれとか誰かから運を吸い取りたいとか願ってないんだろ?」
千早「はい……」
P「なら絶対違うさ。まぁあんまり考えすぎるな」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:50:45 ID:u8lAYCUv0
千早(結局そのまま話は終わってしまったわ……)
千早(プロデューサーは検査入院だから明日にはすぐ退院して仕事も出来ると言って)
千早(またその話は今度しようと言っていたけれど)
千早「どうにも不安だわ……)
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/24 23:56:14 ID:u8lAYCUv0
数日後
小鳥「ぷぷぷぷぷプロデューサーさん! 大変です!!」
P「なんですか? 騒々しいです」
P「あ、わかった」
P「昨日のニュースで地球に隕石がぶつかるかもとかなんとか言ってたやつですね」
P「それがどうかしたんですか?」
小鳥「そ、それがなんとN○SAの発表によると本当にぶつかるらしくて」
P「な、なんだってー!?」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:03:02 ID:l8bXIOvL0
小鳥「それも落下予測地点が日本らしくて……」
P「なななな、ナンダッテー!!!???」
小鳥「プロデューサーさん、ふざけないで下さい!」
小鳥「本当に重要なのはここからなんですから」
P「あれ? でも聞いた話だとあの大きさの隕石がぶつかるって日本どころか地球規模で危ないって……」
小鳥「そうなんです。そこで日本政府がとんでもない対策を打ち出したらしくて」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:08:05 ID:l8bXIOvL0
小鳥「千早ちゃんに、隕石破壊を頼むらしく……」
P「そ、そんな!? なんで千早が……」
小鳥「あの大きさの隕石だと手の打ちようが無いらしいんです」
小鳥「それならもう運頼みという事で、世界的に名前が知られ、日本で一番運の良い人として千早ちゃんが選ばれてしまったらしく……」
P「ドラゴン○ールだってそんなトンデモ発想しませんよ……」
P「でも絶対駄目です! 千早にそんな危険な役目をやらせるわけにはいきません」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:13:37 ID:l8bXIOvL0
小鳥「で、でもどうすれば……」
P「……俺が代わりにやります」
小鳥「ぷ、プロデューサーさんが!?」
P「アイドルを守るのも俺の仕事です」
P「俺が千早に幸運を分け与えてた、そう報告すれば政府も納得するでしょうし」
P「ただし千早には黙っていてください」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:19:53 ID:l8bXIOvL0
P「千早には最初から俺が選ばれていたと」
小鳥「プロデューサーさん……」
P「そうそう、音無さんには千早への伝言を1つお願いします」
小鳥「伝言ですか……?」
P「はい、千早には――」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:26:51 ID:l8bXIOvL0
事務所
千早(音無さんから伝言を聞いた時にはもうプロデューサーは特性ロケットに乗り込んだ後だった)
千早(プロデューサーからの伝言は『帰ったら言いたいことがある』だけ)
千早「帰ることなんて無いって、わかってるくせに……」
小鳥「千早ちゃん……」
千早「音無さん、来てたんですね」
小鳥「最期まで、最期もここが良いと思ってね」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:33:40 ID:l8bXIOvL0
小鳥「千早ちゃん、そんな悲しそうな顔してるとプロデューサーさんも悲しくなっちゃうわよ」
千早「目が真っ赤な音無さんに言われたくないですよ」
小鳥「これは色々事情があるのよ」
小鳥「ねぇ、千早ちゃん」
千早「なんですか?」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:40:01 ID:l8bXIOvL0
小鳥「プロデューサーさんの、プロデューサーさんが無事に帰ってくる事を願っててくれないかしら?」
小鳥「千早ちゃんの幸運が本物なら、きっと帰ってこれるから……」
小鳥「きっと……うぅっ……きっと……」
千早「音無さん……」
千早「……はい、絶対」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:47:58 ID:l8bXIOvL0
千早(そうしてプロデューサーは地球を救った)
千早(人々は皆、誰が地球を救ったなんて事を忘れ、ただ無事を喜んでいた)
千早(プロデューサー……私、気付いてたんですからね?)
千早(プロデューサーが私の代わりにロケットに乗った事)
千早(そしてそれを私が反対した所できっとあなたは行っただろうということも)
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:54:57 ID:l8bXIOvL0
千早(あなたはいつも私を救ってくれた)
千早(目に見えることだけじゃなく、心まで)
千早(だから……)
千早「だからせめて……お礼くらい、言いたかったです……」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:57:18 ID:l8bXIOvL0
「千早、ただいま」
「あと、音無さんに頼んだ伝言聞いただろ?」
「誕生日、おめでとう」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 00:57:55 ID:l8bXIOvL0
千早「え?……ぷろ……」
千早「…………あなたは……い、いつもそうやって……うぅ……」
「おかえりなさい」
「それと、ありがとうございます」
終わり
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 01:02:53 ID:l8bXIOvL0
おまけ
P「やっべぇ! ロケットの中めっちゃテンション上がる!!」
P「ちゃんとP型のヘルメットだし!」
P「気分はアル○ゲドンだぜ、なんちゃって! はっはっはー!」
P「歌うしかないな!」
P「 えんだああああああああああああああああ」
P「いやああああああああああああああああああああああああああ」
P「あれ? これはボディ○ードだっけ?」
P「まぁ、女の子を守るって点は同じだから良いか」
P「じゃあ……、いってきます」
本当に終わり
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/25 01:19:14 ID:l8bXIOvL0
言い忘れてた
支援等ありがとうございました