1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:45:34.96 ID:Q7U+XI5P0
P「えっ、アイドルたちの契約更改を僕がですか?」
社長「うむ、ぜひお願いしたい。今年は彼女たちも頑張ってくれた。その彼女たちを一番近くで見てきた君がしてくれるのが一番いいだろう」
P「はあ、僕はかまいませんが……」
社長「安心してくれたまえ。査定は既に書類化してある。君はそれを直接伝えてくれるだけでいい」
P「それだけなら、僕じゃなくても……」
社長「先ほども言っただろう? 彼女たちを一番近くで見てきた君が適任なのだよ。いや、君にしかできない!」
P(お、俺にしかできない……!)
社長「頼む、やってくないか」
P「わかりました! やりましょう!」
社長「うむ、やはり君にピーンときて良かった!」
P「お任せください!」
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:51:46.26 ID:Q7U+XI5P0
~天海春香~
P「最初は春香か」
春香「プロデューサーさん、失礼しまーす」
P「あぁ、お疲れ様、春香」
春香「えっと、今日はお給料のお話でしたよね?」
P「うん。まあ、俺はみんなに伝えるだけって感じだけどね」
春香「はーい」
P「わかってると思うけど、ここで出す金額は来年の一年間を通して765プロに所属するという契約に対する金額だからな。CM出演料とかは別に計算されてる」
春香「え、えーっと……」
P「わかりやすく言えば、765プロという会社本体が春香の今年の頑張りに出す評価ということだ」
春香「なるほどぉ、わかりました!」
P「春香は今年一年がんばってくれたからな」
春香「えへへ」
P「来年の契約に関してはここに書いてある。いろいろ細かいことが書いてあるけど、一番下に書いてあるのが総額と税金、福利厚生を差し引いたいわゆる手取りだ」
春香「はい、えーっと……えぇぇぇぇーっ!?」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:52:56.57 ID:Q7U+XI5P0
P「ど、どうした春香……?」
春香「ぷ、プロデューサーさん! 私、こんなに受け取れません!」
P「いや、受け取れないって言われてもな……」
春香「だだだって! <ピー>万円ですよ<ピー>まんえん! 私なんてレッスン受けても失敗ばかりライブだってすぐ転んだりして迷惑かけてるし……!」
P「それは、765プロがそれだけ春香に期待しているってことだよ」
春香「き、期待ですか……」
P「俺も春香はこれからもやってくれるアイドルだと信じてる。確かに今は失敗しているかもしれないけど、いずれトップアイドルになれる。言い方悪くなるかもしれないが、投資みたいなものだよ」
春香「私がトップアイドルにならないと、このお金も無駄になっちゃうということですか……?」
P「無駄にはならないさ。そのお金は今年の春香のがんばりに対する評価だからな」
春香「で、でも……」
P「それなら、これからはそのお金を返すつもりでがんばってくれるか?」
春香「えっ?」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:53:25.27 ID:Q7U+XI5P0
P「もちろん、実際には返さなくてもいいけど、これも一つのプレッシャーだと思って乗り越えてほしい。どうかな?」
春香「プレッシャーですか……そうですね、うん! わかりました、プロデューサーさん! 私、がんばります!」
P「その意気だぞ、春香。それじゃあ、ここにハンコを頼む」
春香「はいっ! よいしょ……っと。これからもよろしくお願いしますね、プロデューサー!」
P「あ、ちょっと待ってくれ」
春香「なんですか?」
P「一応、自分の金額については他言しないでくれ。多少なりとも差はあるからな、トラブルの原因になるかもしれないし、マスコミに情報が取り上げられるとややこしいことになる」
春香「はい、わかりました! それでは、お疲れ様です!」
P「あぁ、明日もよろしくな……さて、たしか竜宮小町が戻ってきてるんだよな」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:54:17.45 ID:Q7U+XI5P0
~秋月律子~
律子「プロデューサー、お疲れ様です」
P「お疲れ様です。律子さん、今日これから竜宮小町の予定ってたしかないですよね」
律子「そうですね、ちょっと早いけどこれから戻ってきます。私は一足先に……あ、契約の話ですか?」
P「はい、律子さんは聞いてましたか」
律子「えぇ、先ほど社長からメールで。竜宮小町はまたしばらく忙しいですからね、今日のうちにと」
P「よかった、それなら話は早い。あ、律子さんの分もあるんですよ」
律子「あー……まあ、私はだいたい会社の状態把握してるんで、どれくらいかなーっていうの想像できちゃうんですけどね」
P「はは、まあ形だけでもっていう感じで」
律子「甘い! 甘いですよ、プロデューサー! 一応はお金に関することなんです。お互いに納得がいくまで見ないといけません!」
P「は、はい……そうですね」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:54:49.37 ID:Q7U+XI5P0
律子「私を練習台だと思って……って、先に春香が終わってたんでしたっけ」
P「そうですね」
律子「うーん、まあ、春香はこういうことで言う子じゃないでしょうから、よしとしましょう。しかし、プロデューサー、油断は禁物ですよ」
P「禁物ですか?」
律子「先ほども言いましたが、お金に関することです。アイドルでも、いえ、アイドルだからこそお金に困っている子もいます。彼女たちの話をよく聞いて、お互いに納得したうえでサインをもらわないといけませんよ。もし納得できなければ……」
P「納得できなければ……?」
律子「納得いくまで話し合わないといけませんから、何回も面談を行う必要があります。最悪、業務に支障が生じる可能性さえありますからね!」
P「わ、わかりました。肝に銘じておきます」
律子「ま、そういう私は一発OKせざるを得ない立場なんですけどね」
P(契約更改って、そんなに大変なことだったのか……しかし、逆に考えれば、これで金銭面の不安を取り除いてやれれば……よし、気合入れてがんばるぞ!)
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:55:46.15 ID:Q7U+XI5P0
~水瀬伊織~
伊織「ふぅん……」
P(伊織はお金に困ってることはないだろうけど、なんだろうか微妙な表情だ)
伊織「つまり、これが765プロからの私への評価ってことよね?」
P「あぁ、そうだな」
伊織「この天才アイドル伊織ちゃんに対して……ね」
P(そうか、自分への評価がはっきり数字になっているからか)
伊織「まあ、わかるわ。私もパパの会社の苦しい時を見たことがあるから。今の765プロならこれが精いっぱいよね」
P「だからこそ、伊織ががんばって765プロを大きくしてくれよ」
伊織「当ったり前じゃない! この伊織ちゃんがいるからには中途半端な事務所にはしないわよ! 日本中のだれもが憧れ望む最高のアイドル事務所にするわよ!」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:56:28.09 ID:Q7U+XI5P0
~双海亜美~
P「本当は二人一緒に見てほしいんだけどな」
亜美「真美は今日はグラビアだかんねー」
P「ていうか二人の給与は親御さんたちが管理してるし、明細に関しても既にハンコ押してあるんだよ」
亜美「そうなんだよー、亜美のお父さんひどくてねー、私たちが稼いだお金でラジコン買ったんだよー!」
P「そ、そうなのか……?」
亜美「それもこーんなおっきなヘリコプターのラジコン! いつもはガラスケースにしまって亜美たち触れないの!」
P「そうか……」
亜美「だからさー、にーちゃん! 亜美たちにラジコン買ってよー!」
P「どうしてそういう話になるんだ!」
亜美「いいじゃんいいじゃんー! ほらこれ! ここにあるこれがね!」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:57:13.22 ID:Q7U+XI5P0
~三浦あずさ~
P「それで、買ってしまったんだ……俺はなんてダメな大人なんだ……」
あずさ「あらあら~、でもこの場合はダメプロデューサーじゃないでしょうか~?」
P「……死のう」
あずさ「私も奨学金の支払いがありましたので、すごく助かりますわぁ……」
P「そういえば、社長から聞いてくれって言われたことが」
あずさ「あら、なんでしょう?」
P「あずささんが765プロのオーディションを受けたとき『運命の人』探すためって言われて、その人が見つかったら辞めてしまうのではと社長が……」
あずさ「そういえばそんな設定ありましたわねぇ~」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:57:41.70 ID:Q7U+XI5P0
P「設定って……で、辞めちゃうんですか?」
あずさ「いえいえ~、どうしましょう~」
P「どうしましょうって……運命の人とやらは見つかったんですか……?」
あずさ「そうですねぇ……あらかた見つかりはしましたねぇ」
P「あ、あらかた……?」
あずさ「えぇ、あらかた~」
P「じゃあ、やっぱり辞めて……」
あずさ「いえ、一番大事な人がまだ~」
P「一番?」
あずさ「はい~、その人が見つかるまではまだがんばらせていただきますから、よろしくお願いしますね、プロデューサーさん」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:58:14.33 ID:Q7U+XI5P0
~幕間~
小鳥「お疲れ様です、プロデューサーさん」
P「あ、ありがとうございます」
小鳥「それにしても……大変ですね、契約更改だなんて」
P「いやぁ、思ったほど大変じゃあないですよ。とりあえず今日で春香と律子さんと竜宮の4人ですからね。明日には終わると思いますよ」
小鳥「……そんなに簡単にいくといいんですけど」
P「明日は朝一で千早かな」
小鳥「千早ちゃんですか……?」
P「あぁ、レッスン前に済ませられればそのあとはかなり楽になりますから」
小鳥「その……プロデューサーさん」
P「なんですか?」
小鳥「千早ちゃんはもうすこし余裕のある時にやったほうがいいと思います」
P「えっ?」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/26(火) 23:58:43.03 ID:Q7U+XI5P0
小鳥「えぇと、その……そうしたほうがいいと思います」
P「うーん……でも、やっぱり予定が押しちゃいますからね」
小鳥「そ、そうですか……じゃ、じゃああの、プロデューサーさん」
P「どうしたんですか、音無さん、さっきから顔が近いです」
小鳥「絶対に、ぜぇったいに、サインを強要するようなことは言ってはいけませんからね!」
P「は、はい」
小鳥「まだか、とか、さっさと頼むとか、せかすようなことも言っちゃだめですからね!」
P「わ、わかりました」
小鳥「それからそれから……あっ――」
P「音無さん!?」
小鳥「……」
P「し、死んでない。失神しただけか」
小鳥「……」
P「明日も早いし、もう帰ろう」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 00:01:35.93 ID:s1Si8FmR0
というわけでまた明日。
アイドルたちがもらった額を比べる話ではなく、プロ野球の契約更改的な話です。
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 00:28:13.52 ID:u++AKqx70
何故かあずささんに恐怖心を感じた
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 00:47:16.63 ID:D5eL715oo
律子に敬語を使うPとは珍しい
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 21:56:58.06 ID:s1Si8FmR0
~如月千早~
千早「おはようございます、プロデューサー」
P「おはよう、千早。今日はこれからレッスンだったな」
千早「はい」
P「レッスンまでの時間は……まだあるよな」
千早「そうですね」
P「なら、済ませられるかな。これなんだが」
千早「これは……?」
P「簡単に言うとな、来年のアイドルたちの給与の明細だよ。読んでもらって、問題なければサインしてもらうんだ」
千早「そうですか……えっと……読ませてもらってもいいですか……?」
P「あぁ」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 21:57:24.40 ID:s1Si8FmR0
千早「…………」
P(えらく真剣に読んでるな……まあ、真面目が千早のいいところだが)
千早「…………」
P「なぁ、千早」
千早「あ、はい」
P「そんなにじっくり読まなくてもいいと思うけど……サインしたからって変なことやらされるってこともないから、大丈夫だよ」
千早「いえ、そういうことではなくて……」
P「どうしたんだ?」
千早「あ、えっと……すみません、プロデューサー。私、早めにレッスン場で自主トレしたかったので……」
P「お、おう、だったらサインだけでも……」
千早「すみません、また、後でお願いします」
P「行ってしまった……後でって、千早今日は戻ってくるの遅いだろ……あぁ、予定通りにいかないなぁ……」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:00:05.07 ID:s1Si8FmR0
~菊地真~
真「えっと、ここにサインすればいいんですか?」
P「そうだな」
真「はい、っと」
P「ところで真、だいじょうぶか?」
真「? どうしたんですか?」
P「いや、年末特番の企画で〝SASUKE〟に出ただろ」
真「あぁ、アレですか! へっちゃらですよ!」
P「そうか、トレーニング期間とかもずっとV回してたからな……」
真「へへ……まあ、本当言うと、終わってからはちょっと肩と足が張っちゃってるかなって」
P「本当か? だからそういうことを早く言ってくれって」
真「あ、じゃあプロデューサーがマッサージしてくれます?」
P「まあ、そのぐらいならな」
真「へへっ、やーりぃ!」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:02:19.17 ID:s1Si8FmR0
~星井美希~
美希「あふぅ……」
P「美希は今年がんばってくれたな」
美希「ミキねー、いっぱいがんばったのー」
P「あぁ」
美希「だからねー、ほしいのいっぱいあるの」
P「まあ、そうだろうな……」
美希「それでねー、えっとぉ、そのぉ……」
P「どうしたんだ、美希?」
美希「ミキね、テレビに出るときの服っていつも自分で着ている服なの」
P「そうなのか?」
美希「スタッフさんが用意してくれる衣装が良ければ着替えるんだけど、ミキの気分で着たい服を着てテレビに出るのが好きなの」
P「美希のコーディネートはすごく人気だよな、それも美希が自分で考えていたんだよな」
美希「そうなの、ミキが自分で選んだ服の方が人気なの☆」
P「すごいなぁ、美希は」
美希「うん、でもねぇ……自分の服を買いに行くんだけど……」
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:03:41.32 ID:s1Si8FmR0
美希「ミキがお店に行くと、ミキのこと知ってる人がいて、いろんな服をオススメしてくれるの。それで、どれもみーんな大好きな服で、ミキ、いーっぱいお買いものしちゃうの」
P「へぇ、すごいじゃないか」
美希「うん……それでね、これなの……」
P「なんだこの紙の束……?」
美希「ミキがお買いものするとき、ミキいっぱいお金持ってないときにね〝しゅっせばらい〟って言うの? で、お店の人がいいって言うから、それで買うの」
P「しゅ、出世払いだと……まさかこれ全部……!?」
美希「そうなの、この前いっせーに届いたの」
P「待て、これぜ、全部ツケってことか!?」
美希「絶対に着てくださいって言うから、ミキいつも選んで着てるの」
P「美希、これ全部立場が逆だ……たしかにそのレベルかと言われれば微妙だが……正式に仕事のオファーになれれば……」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:04:18.20 ID:s1Si8FmR0
美希「お店の人も、こんどミキだけの服を作ってくれるっていうの、あはっ☆ ……あれ、ハニー、どうしたの?」
P(しかし、今この額を美希に払えるか……払える訳がない。じゃあやはり事務所持ちに……)
美希「ハニー、どうしたの? 汗いっぱいなの」
P「み、美希……」
美希「なぁに?」
P「今度からはたくさん買い物するときは、必ず連絡してくれ」
美希「うん、わかったの☆ あ、これにサインだっけ?」
P「ま、待て! とりあえずこのサインはいい」
美希「? いいの? それじゃあ美希、撮影に行ってくるね☆」
P「どうすんだコレ……いちおう、広告ということにはなるけど、正式なオファーでもないし……」
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:05:59.53 ID:s1Si8FmR0
~我那覇響~
響「プロデューサー……」
P「ど、どうした、響……」
響「足りないぞ……」
P「えっ……?」
響「社長言ってたぞ『動物たちのことは全部まかせなさい!』って」
P「そ、それは知ってるよ、でもここにその費用は込みで……」
響「これじゃあ、足りないんだ、プロデューサー」
P「そんなことは……ちゃんと計算してるぞ」
響「自分、二ヶ月前からイッテQに出てるじゃないか」
P「そうだな、世界各地の希少な動物と……ま、まさか……!」
響「みんな友達だぞ」
P「友達って言ったって……」
響「みんな、住むところが少なくなって友達が少ないんだ。だから自分が……」
P「お、落ち着いてくれ、響!」
響「イルカのイル朗も、サイのサイ彦も、クジャクのクジャトリヤも……」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:06:29.10 ID:s1Si8FmR0
響「自分、知らなかったんだぞ……世界にはこんなに絶滅しそうな動物でいっぱいだったなんて」
P「な、泣くな、響……お前は元気が取り柄じゃないか」
響「プロデューサー、自分はわがままなのかな……? せめて、せめて友達くらいは助けてあげたいと思うのは、わがままなのかな……」
P「お、俺だってわからないけど……」
響「オランウータンのオラン太も、来年子供が生まれるんだ。そのミルク代だけでも自分が出してあげたいんだ」
P「わ、わかった。響は動物番組ですごいファンが増えてるからな! きっと社長だってわかってくれるさ!」
響「ぐすっ、ホントか? プロデューサー……?」
P「あぁ、社長に話してみるから、な」
響「わかったぞ……ありがとう、プロデューサー」
P(とんでもないことを約束してしまった気がする)
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:07:11.56 ID:s1Si8FmR0
~幕間~
P「どうすんだこれ……」
小鳥「だいじょうぶですか、プロデューサーさん」
P「いえ、でもこの二人は……」
小鳥「この後、千早ちゃんが帰ってきますよ」
P「まさか、千早も……」
小鳥「千早ちゃんは……強敵かもしてませんよ」
P「まさか、歌えるならなんでもするって姿勢の千早が、そんな……」
小鳥「だからこそ、です……」
P「そんなバカな……」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:08:01.57 ID:s1Si8FmR0
~如月千早 二回目~
P「そ、そんなバカな……」
千早「以上、二十点、改善をお願いします」
P(い、生きた心地がしない……)
千早「プロデューサーさん? 顔色が優れませんよ」
P「ち、千早、これを全部765プロで用意しろって言うのか?」
千早「はい、まずは空気清浄器ですね。事務所内に2つ、各レッスン場に2つずつ。できればメンバーひとりひとりにも。購入が望ましいですが、レンタルでもいいです」
P「ほかにもトレーニング器具があるぞ……」
千早「失礼ですが、現状で765プロが保有している機材は型も古く、壊れかけています。科学トレーニングの導入とトレーナーの要請も視野に入れたほうがよいかと」
P「個人レッスン費用も……」
千早「個人のレベルアップが事務所を大きくする力に繋がります」
P「栄養費ってなんだ……?」
千早「言葉通りですよ」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:08:54.04 ID:s1Si8FmR0
千早「みんな、プロデューサーが思っている以上にいろんな問題を抱えているんです」
P「そ、それはそうだろうけど……」
千早「このように、契約者と直接交渉ができる場ではないと言えないことも多いんです」
P「千早がいろんなことを考えて提案しているのはわかるよ、でもわかるだろう、765プロだって楽じゃないんだ」
千早「そうです、アイドルがこんなに不用心に扱われている事務所なんてウチくらいです」
P「そ、それもこれに書いてある……」
千早「ボディーガードをつけるくらいはできるでしょう?」
P「いやいやいやいや」
千早「せめて常駐の警備員くらいは置いてください。泥棒が入ってきたらどうするんですか」
P「うぅっ……」
千早「ひとまず、私の意見はこのくらいです。高木社長にしっかりと通してくださいね」
P「わ、わかった」
千早「私の提案なんてささやかなものです。もっと大変な子が残っているんじゃないですか?」
P「えっ?」
千早「それでは」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:10:06.45 ID:s1Si8FmR0
~幕間~
P「……」
小鳥「気を付けてって言ったのに……」
P「すみません、音無さんが注意してくれたのに」
小鳥「いいんです、これなら私も一緒に同席すればよかったです」
P「それにしても……千早が言っていたもっと大変な子って……」
小鳥「いるじゃないですか、一番生活に困っている子が」
P「!!!?!?!?」
小鳥「如月さんは、もしかしたらやよいちゃんを味方につけるつもしなのかもしれません……」
P「そんな……まさかやよいがそんな……」
小鳥「プロデューサーさん、お金は人間を狂わせるんですよ……プロデューサーさんだってわかるでしょう?」
P「やよいに限って……そんな……」
小鳥「もう今日は遅いです。やよいちゃんは家に帰っています。千早ちゃんが行動するとしたら明日になります」
P「……くそぉ!」
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:11:26.73 ID:s1Si8FmR0
~高槻やよい~
やよい「うっうー! プロデューサーさんが家に来るなんてびっくりですー!」
P(きてしまった……俺はやよいを信じることができなかった)
やよい「どうしたんですか、プロデューサーさん? 頭痛が痛いって顔してますよ、いたいのいたいのとんでいけー!」
P「もう、みんな寝てるんだな」
やよい「はい! もう八時ですからね! 私はこれから洗濯物をたたみますけど、プロデューサーさんはどうしたんですか?」
P「えっと、割と緊急にやよいと話さなきゃいけないことがあってな……」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:11:58.07 ID:s1Si8FmR0
やよい「緊急ですか? なんでしょう?」
P「いや、これなんだが……一言でいえば、やよいの給料だ」
やよい「へぇー、そうなんですかぁー……えぇぇっ!?」
P「な、なんだ……?」
やよい「お給料!? お給料が出るんですか!?」
P「そら出るよ! アイドルなんだから!」
やよい「ほぇー、アイドルってすごいんですねぇー」
P「まあ、いちおう、一番下の金額が月に支払われる額なんだけど……」
やよい「えぇぇー! こんなにもらえちゃうんですかぁぁ!? <ピー>万円ですよ<ピー>まんえん! 」
P「あ、あぁ」
やよい「すごいです! こんなにあったらステーキ100人前食べられちゃいますよぉー!」
P「……うっ、うぅぅ」
やよい「えっ? ぷ、プロデューサーさん、どうして泣いてるんですか……?」
P「やよいは……やよいはいい子だなぁ……」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:12:55.37 ID:s1Si8FmR0
~幕間~
社長「そして、君はその足で私の許へ来たというのだね」
P「えぇ……とにかく千早を納得させる答えを出さないと……」
社長「それにしても……やってくれたねぇ……」
P「申し訳ありません……」
社長「いやいや、君が謝ることはない。私も彼女たちなら甘く見ていたのだからね」
P「社長は……こうなることがわかっていて僕に任せたのですか?」
社長「いずれそうなることは確定事項だった。より事務所が大きくなった時の話のはずだった」
P「その時のために、今僕にやらせたんですね……」
社長「少しでも経験をと思ってね。さて、ここでわれわれがやるべきことは一つだ。わかるね?」
P「お互いに納得ができる点を探し、千早にサインしてもらうことですね」
社長「その通りだ! さて、久しぶりの徹夜だよ」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:17:04.18 ID:s1Si8FmR0
はい、また明日。
いろいろとありえないこと言わせてますが、言わせたいこと言わせるだけのSSです。
今日はいっぱいいろんなこと言わせたね。
明日はもっといろんなこと言わせられるといいね、千早ちゃん。
そしたら美希との甘々書きたいなぁ。
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/27(水) 22:21:50.93 ID:wKBklKc+o
これ、給料の額じゃなくて、出ること自体に驚いてるって、もしかしてやよい、自分の給料知らなかったんじゃないか?
親の方に直接行ってて、親は知らせてなかったとか
だとしたら、クレームものじゃね?
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 06:51:52.53 ID:p/4X5aono
親が介入してきたら泥沼になりそう
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 11:17:00.70 ID:HuNyPg000
千早の提案は事務所の設備等に不満があるってことだけで給料には関係なくない?
それともそれらを改善しないと契約更改しないっていいたいの?
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:41:08.97 ID:jdzaKO+s0
~四条高音~
高音「給料……ですか? これは面妖な……」
P「問題がなければサインを頼むよ……」
高音「プロデューサー様……なんだかひどくお疲れのようですが……?」
P「はは……今日を乗り切れればちょっと休むよ……」
高音「ところでプロデューサー様、このお給料はらぁめん何杯分になるでしょう?」
P「そうだな……とりあえず一年分は食べられるんじゃないか……?」
高音「まあ、素晴らしい」
P(あとは、雪歩か……その前に千早と三回目の交渉がある……)
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:41:59.37 ID:jdzaKO+s0
~如月千早 三回目~
千早「昨日の話……考えていただけましたか?」
P「社長と朝まで生討論だったよ……」
千早「実に実りのある会談をしたようですね」
P「とりあえず、これが社長からの条件だ」
千早「…………」
びりいいいいいいいいいいいっ!
P「……!!?」
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:42:30.69 ID:jdzaKO+s0
P「な、なにをしているんだ、ちはや……?」
千早「プロデューサー、果たしてこれが交渉なのですか?」
P「な、なにが……どういうことだよ……?」
千早「たしかにまだ私は実力不足かもしれません。プロデューサーと高木社長の期待に応えられなかったかもしれません」
P「そ、そんなことはない! 千早は765プロで一番がんばってくれた! だから社長もここまで――!」
千早「そのがんばった私たちに一年間の労をねぎらう言葉もないままですか? 誠意とは無言で金額を提示することなのですか?」
P「そ、そんなことは――!」
千早「私が言っているのは私個人の話ではないんですよ。事務所の期待に応えようと一生懸命になったアイドルに対するこの態度を許すようでは、未来の後輩たちに申し訳が立ちません」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:43:15.56 ID:jdzaKO+s0
P「た、頼む千早! これ以上は! これ以上はやめてくれ!」
千早「土下座ですか? 大の大人がみっともない真似しないでください」
P「たしかにみんなの頑張りを直接ねぎらってはやれなかったかもしれない! それでは俺は精いっぱいにみんなを支えようと思ってやってきたんだ!」
千早「プロデューサー……」
P「誠意が足りないと言うのならその通りかもしれない! だから、だからこの通り……!」
千早「プロデューサー、違います。ちゃんと聞いてください」
P「ち、千早……」
千早「誠意とは、言葉ではなく金額です」
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:43:53.82 ID:jdzaKO+s0
小鳥「千早ちゃん! もうやめてあげてください!」
P「お、音無さん……」
小鳥「千早ちゃんはプロデューサーさんを殺す気ですか!?」
千早「盗み聞きですか、音無さん。これは私とプロデューサーの話し合いですよ」
小鳥「こんなの話し合いじゃありません! 脅迫です!」
千早「脅迫じゃありません、お願いです。脅迫とは力関係が同等の間でのみ使われる言葉です。事務所とアイドル。これほど力関係がはっきりしている間柄もないでしょう」
小鳥「それでも、一年間一緒にやってきた仲間じゃないですか! とにかくこんな理不尽な交渉はやめてください! 続けると言うのなら社長を交えてください!」
千早「絶対的な立場の社長がこの場にいれば、私は命令される立場になってしまいます。対等な交渉にはなりませんよ」
小鳥「そんなわがままばっかり通ると思っているんですか!?」
千早「わがままではありません。私一人の意見じゃありませんから」
小鳥「そんなこと言っても、やよいちゃんはもうサインしたんですよ!」
千早「えぇ、お疲れ様です。プロデューサー」
P「ち、千早……?」
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:45:02.57 ID:jdzaKO+s0
千早「最初からわかっていましたよ。高槻さんなら一発でOKすると……」
小鳥「ち、千早ちゃん……?」
千早「入ってきていいですよ」
小鳥「!?」
P「そ、そんな……」
美希「ハニー……」
響「プロデューサー……」
真「ごめんなさい……」
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:45:30.77 ID:jdzaKO+s0
小鳥「まさか……やよいちゃんはプロデューサーさんの目をそらすための……!」
千早「音無さんが介入してこなければ、彼女たちがここに来ることはありませんでした」
小鳥(この周到な根回し、素人離れした言動……やっぱり千早ちゃんは!)
千早「三人とも、今回の査定に不満を持つ人たちです」
美希「ミキね……千早さんに言われたの……このままじゃミキ借金まみれにされちゃうって……だからね……」
響「お願いだぞ、プロデューサー……自分、絶対に動物たちを助けるって約束するから……!」
P「み、美希……響……ま、真まで……なのか……お前はもうサインしただろ……」
真「千早が……新しいトレーニング器具を導入するからっていうから……」
小鳥「おかしいわ……こんなことが許されるはずがない……!」
千早「私たちは正当な権利を行使しているだけです」
小鳥「もうやめて……やめてあげて……!」
千早「私たちの考えは充分に伝わったかと思います。あらためて社長と話をして、明日また話し合いましょう」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:45:59.54 ID:jdzaKO+s0
~萩原雪歩~
小鳥「プロデューサーさん……だいじょうぶですか?」
P「は、はい……なんとか落ち着きました」
小鳥「もう、社長自らが千早さんと話し合うしか、プロデューサーさんではもう……」
P「い、いや、俺はやれます……こうなったらとことん千早と話し合います」
小鳥「もう、言葉や態度だけじゃ……」
P「それでも俺は千早を信じたい……」
「あ、あの、プロデューサーさん……?」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:46:34.59 ID:jdzaKO+s0
P「!?」
小鳥「だれ!?」
雪歩「ご、ごめんなさい……その……お話があるって……」
P「そ、そうだったな、雪歩が残っていた……」
雪歩「あ、あの、お給料の話ですよね……?」
P「あぁ、そうだな……」
雪歩「そ、その……その話をパパにしたら……その……連れて行きなさいって人が……」
「失礼します」
小鳥「だ、だれ!?」
「萩原雪歩さんの交渉代理人を務めさせていただきます。弁護士の福留です」
小鳥「だ、代理人……!!」
雪歩「あ、あの……プロデューサーさんが……」
P「…………」
小鳥「い、息してない……!」
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:47:34.54 ID:jdzaKO+s0
~星井美希 二回目~
P「すみません、音無さんまで付きあわせてしまって」
小鳥「いえ、千早ちゃんの件は社長が引き受けてくださいましたし、今の弱り切ったプロデューサーさんを放っておくことはできません」
P「あの場に現れた三人には今日のうちに話し合って解決しておかないと……よし」
ピンポーン――
美希「はいなの……」
P「美希か?」
美希「はっ、ハニー……!」
バタン!
P「み、美希!?」
小鳥「美希ちゃん、開けて! ここ社長室よ!」
美希「い、いやなの! ミキはここから出ていったらがいこくにうりとばされちゃうの! いっしょうまふぃあのなぐさみものなの! 千早さんがそう言ってたの!」
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:48:11.92 ID:jdzaKO+s0
P「そんなバカな話があるか! 美希!」
美希「ハニーも社長さんも怒ってるの!」
小鳥「そんなことないわよ、美希ちゃん。プロデューサーさんも社長も美希ちゃんを心配してくれてるわ」
美希「それでも美希は事務所にいっぱいめいわくかけちゃったの! だから美希はもうめいわくにならないように一生ここにいるの!」
小鳥「一生って……ご飯はどうするの? お腹がすいても食べられないのよ!」
美希「ガマンするの! これがミキへのてんばつなの!」
P「美希……」
美希「ごめんなさいなの……ハニー……ミキ、みんながミキのことかわいいって、キラキラしてるって言うからうれしくって……ちゃんとわかってたの……お金はちゃんと払わなくっちゃいけないって……でも、せいきゅうしょを見たときに怖くなって……」
P「あぁ、俺もびっくりしたよ……」
美希「昨日も撮影中ずっと怖くて……千早さんがどうしたの? って聞いて、ミキお話したの……」
P「千早が……?」
小鳥「どうして千早ちゃんが撮影現場に……?」
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:48:50.55 ID:jdzaKO+s0
美希「千早さん、ミキの力になってくれるって……だからミキ、千早さんに協力したの……」
P「美希……もうわかったから……」
美希「でも……ハニーが、ハニーのあんな顔見たら……ミキ……もう怖くて……」
P「美希……俺は怒ってなんかいないよ……」
美希「ウソだよ……ハニー、絶対怒ってる……」
P「嘘なんかじゃない。美希は俺が守ってやる……だから出てきてくれよ、美希……」
美希「……ホントに? ホントに怒ってない?」
P「話を聞かせてくれ、美希……このままじゃ765プロも解散しちまう。本当に俺と美希が会えなくなるかもしれないんだ」
ガチャ――
小鳥「美希ちゃん!」
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:49:38.04 ID:jdzaKO+s0
P「美希!」
美希「ハニー……ミキね……ミギね……ぐじゅっ、ごべっ、ごべんなざいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
P「あぁ、美希……だいじょうぶだ、俺が絶対に守ってやる」
美希「えぐぅっ……えぐっ……もういいの、ミキはお金もかわいい服もいらないの……ハニーさえいてくれればいいの……」
P「お、おいおい……」
美希「ミキは借金まみれだけど、それでもいい?」
P「借金まみれって……いちおう、俺と小鳥さんの貯金をひねり出せばなんとかなるよ」
小鳥「えっ?」
美希「借金まみれじゃアイドルなんてできないの……ハニーのところにえーきゅうしゅうしょくなの……」
P「い、いや、アイドルは続けてくれよ……ステージでキラキラしてる美希を俺は見たいんだ」
美希「……ほんとうに?」
P「本当だよ」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:50:13.30 ID:jdzaKO+s0
美希「ミキがんばるの……がんばっていーっぱいいっぱいキラキラして、お金かえすの」
P「あぁ、よろしく頼むよ」
美希「はにぃ……」
小鳥(私はどうすればいいの? 美希ちゃんのお金を出したらアレ用の資金が……)
P「音無さん」
小鳥「はぴっ!」
P「美希のやつ……眠っちゃいましたよ」
小鳥「あ、あら……」
P「ずっと怖かったんだな……もっと早く言ってくれればよかったのに……」
美希「くぅ……」
小鳥(こ、ここはガマンよ、小鳥! こ、こんないたいけな美希ちゃんのためなんだから! 私の給料ぐらい! あぁっ、さようなら! 藤くん、ごっちん、がっちゃん……)
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:50:42.09 ID:jdzaKO+s0
響「プロデューサー……」
真「プロデューサー……」
P「響、真……」
真「ボクたちも、ごめんなさい……」
響「自分も……わがまま言ってごめんなさい……」
P「……謝るのなら、俺のほうこそだよ。みんなのこと、全然気づけなくて、ごめんな……」
響「自分、もっとがんばる……! 世界中の動物たちを助けられるくらいがんばるぞ!」
真「ぼ、ボクも! 王子様でもお姫様でもなんでもやるから!」
P「ありがとうな、二人とも……」
響「うぅっ、うぅ……待っててぇ……ケツァ朗、トラ次郎、カバ哉ぁぁ~……」
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/28(木) 23:51:08.47 ID:jdzaKO+s0
~幕間~
小鳥「これで一安心……ですね、プロデューサー」
P「はい、福留さんが以外に普通で助かりました」
小鳥「あとは社長と千早ちゃん……ですね」
P「千早……本当にあいつは……」
小鳥「もう信じるしかありません……千早ちゃんはわかってくれます」
P「そうですよね……俺が信じてあげないと……」
小鳥「はい、千早ちゃんはプロデューサーを信じてやってきてくれたはずです。千早ちゃんが信じたプロデューサーが、千早ちゃんを信じてあげるんです!」
P「ありがとうございます、音無さん」
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/01(金) 08:05:07.05 ID:CO873LlHo
72が彼女をあそこまで突き動かすんだ
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/01(金) 09:37:10.53 ID:jl4+HGvy0
この千早は961の方が似合う
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:10:45.76 ID:0j+zWsAY0
~如月千早 四回目~
P「……Zzz」
ダイッキライダッ! バァーカ!
P「ん……?」
チクショーメェ!
P「なんだ……春香からか?」
春香『プロデューサー! なにしてるんですか!?』
P「な、なんだ!? 俺寝坊か!?」
春香『そうじゃないですけど、テレビ見てください、テレビ!』
P「て、テレビ……?」
緊急記者会見! 人気アイドル如月千早765プロを脱退!?
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:11:20.49 ID:0j+zWsAY0
記者「如月さん、765プロを脱退するという今回の話は本当なのでしょうか?」
千早「お集まりいただいた記者の皆さんには申し訳ありませんが、あくまでも〝するかもしれない〟という話です」
記者「では、なぜ如月さんはおひとりで会見の席に臨まれているのでしょう? 社長やプロデューサーと話し合われた結果でしょうか?」
千早「今回の会見は私個人の去就によるものです」
記者「それでは、765プロクションと話し合った末の脱退ということでしょうか?」
千早「脱退を決めることでなく、765プロダクションと私との接点において、必要なものが足りないという判断です」
記者「必要なものとは?」
千早「信頼関係です」
記者「失礼ですが、今年、如月さんのアイドルランク上げる要因にもなりました事件に関して、如月さんがそれを乗り越えたのは事務所全体のバックアップがあったからこそだと思いますが、それを踏まえても信頼関係を築けていなかったということなのですか?」
千早「……説明が足りなくて申し訳ありません。信頼とは、事務所内の人間関係ではなく、765プロダクションの運営方針、体制が私と合致していないことです。そしてそれを曲げることはないと、社長自らが口にしたからです」
記者「つまり、それを変えることがない限りは、765プロには戻らないというこですか?」
千早「……そうです」
76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:11:52.45 ID:0j+zWsAY0
春香『プロデューサーさん! 千早ちゃん、本当にやめちゃいますよ!』
P「だ、だけど、千早が言っているのは事務所の――」
春香『違います!!』
P「!」
春香『プロデューサーにはわからないんですか!? 私にははっきりわかります! 千早ちゃんが765プロを出たいなんて思うはずがありません! テレビ越しから見ててもそうとしか言っていません!』
P「春香……」
春香『プロデューサーは一年間も千早ちゃんの何を見てきたんですか!? 千早ちゃんがどんな子かなんて私たちが一番よく知っているでしょう!?』
P「――! そうか……!」
春香『プロデューサーがいかないなら私が千早ちゃんに会いに行きます! プロデューサーの泣き虫! うじ虫! おたんこなす! ……バァーカ!!』
P「ま、待て、春香! 俺が――ッ! 切られた……くそっ!」
77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:12:25.72 ID:0j+zWsAY0
千早「確かに765プロからいただいたものはたくさんあります。数え切れません。大切な仲間、素晴らしいスタッフ、たくさんのファンの方々に支えられて私はここにいられます」
千早「私は気の利いたことも言えません。今でこそストイックアイドルと呼ばれて認められるようになりましたが、それまでは自分の歌を追求するあまり、皆さんに不快な思いをさせてしまったことも少なくありません……いえ、今もそうなのかもしれません」
千早「しかし、私は歌を歌いたい……いえ、歌わなければいけないんです」
千早「もっと多くの人に、大切な人たちのために歌う……自分にとっての原点に立ち返ったとき、私という存在が……如月千早というブランドを考えたとき、このまま765プロで終わってしまっていいのか、という思いが生まれました」
78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:12:59.70 ID:0j+zWsAY0
千早『私の思いが伝わったのかはわかりませんが、今はただ、待つことにします。皆さん、朝早くからこんなことに付きあわせてしまって申し訳ありません。これで会見を終了させていただきます』
P「千早……」
千早「……プロデューサー、来ていたんですか?」
P「そんなことをしても、誰も喜ばないぞ……」
千早「私は、自分の信念を貫いているだけです」
P「お前一人がいなくなったって、何も変わりはしない」
千早「いいえ、変わります」
P「変わるものか!」
千早「それなら! 私の条件を呑むというのですか!?」
P「そんな必要ない!」
千早「それなら――!」
P「そんなことで俺が楽になるとでも思ってるのか!?」
79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:13:27.52 ID:0j+zWsAY0
千早「――くっ、私は、そんなこと……!」
P「やっぱり、それが本音か……」
千早「違います! これは私と社長の間で――ッ!」
P「そうだろうな……いくら千早が人気アイドルになったからって、こんな朝早くに会見が開けるわけがない」
千早「違います! 違います! 私一人で……!」
P「泣かないでくれよ、千早……」
千早「泣いてません……!」
80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:14:02.56 ID:0j+zWsAY0
P「千早は、心配してくれたんだよな……765プロのみんなと、俺を……」
千早「ちがいます……!」
P「たしかに、みんな俺が思っていた以上にすごいアイドルになってくれた。知ってるか……今度の武道館、すごい倍率だぞ」
千早「そんなこと……関係ないでしょう……!」
P「みんなすごい忙しくなっちゃってな……来年はもっと大変だよ」
千早「関係ありません……!」
P「特に千早はすごいよな。今からずっと予定がびっしりだ」
千早「ちがぃ……!」
P「だから、千早は事務所をやめようと思ったんだろ? 俺の負担を減らすために」
千早「……っ! うっ……! えぐっ……」
81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:14:37.53 ID:0j+zWsAY0
千早「だって……! だってまた、プロデューサーが……!」
P「ずっと、気にしてたんだな……千早のせいじゃないのに……!」
千早「それでも……っ! ひぐっ、それでも、私のせいで……みんな大変で……!」
P「今の千早は、もっと大変なことをしてると思うぞ?」
千早「これがっ……これが最後ですから……っ! 私がいなくなれば、プロデューサーも仕事の負担が減って、みんなも……っ!」
P「でもさ、千早――」
「千早ちゃあああああああああああああああん!!」
82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:15:08.49 ID:0j+zWsAY0
千早「は、春香!? どうしてここに――うあっ!?」
春香「千早ちゃん! ダメだよ! 765プロやめちゃダメぇぇ!」
千早「は、春香……でも、私は……」
美希「千早さん!」
響「千早ぁ!」
千早「美希!? 我那覇さんまで……!」
P「……それだけじゃないみたいだぞ」
亜美真美「「千早お姉ちゃぁぁん!!」」
千早「ふ、二人とも……! ほ、ほかのみんなも……!」
83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:16:34.33 ID:0j+zWsAY0
やよい「千早さん! やめないでくださぁーい!」
真「ボクだって、やめてほしくないよぉ!」
伊織「勝手に相談もしないで何考えてんのよ!」
雪歩「うぅぅ……やめちゃだめですぅ……」
あずさ「千早ちゃんがいないとみんなさびしいのよ……」
律子「勝手にやめられると、困るのよ。千早の代わりはいないんだから……!」
貴音「あなたにやめられると、皆が困るのです。それこそ事務所の損失……」
千早「で、でも……もう私は……!」
P「……千早」
千早「プロデューサー……」
P「俺がみんなに最初に言った言葉を覚えてるか?」
千早「あ……」
P「目標は、みんなまとめてトップアイドルだ」
千早「……! う、うぅ……!」
84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:17:02.52 ID:0j+zWsAY0
P「それからは大変でした。千早といっしょにみんな大勢で泣いてしまってそれを聞きつけた記者たちが押しかけてくる始末で……」
社長「君には迷惑かけたねぇ」
P「本当に、危機一髪でした。俺一人じゃたぶん、千早は戻ってこなかったですよ」
社長「彼女はこの事務所が抱えていたすべてを引き受けて去るつもりだったようだ。少しでも君の負担を減らすために」
P「……美希の服代はすべて立て替えてありました。響の動物たちにも、ライブ会場での募金を計画していたみたいです」
社長「私には止めることはできなかった。君か如月君か、天秤にかけることができなかった」
P「だから記者会見なんてやらせたんですね」
社長「決着するなら早い方がいいと思ってね。まあ、全国放送されれば君はもちろん、事務所のみんなが放っておかないとは思っていたがね」
P「千早も言っていましたしね。大切な仲間だって」
85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:17:50.83 ID:0j+zWsAY0
社長「うむ、私も君の負担を減らせるよう努力するよ。新しいプロデューサー候補も検討をつけてあるんだ」
P「それは来年度のことにしましょう。とりあえずは武道館です。今回の騒動で動員数に響かなければいいんですけど」
社長「そこは問題ないよキミぃ! もはやその程度でどうにかなるようなアイドルとファンではないからね!」
P「ははは……ん?」
千早「おはようございます、プロデューサー、社長」
P「おはよう、千早」
社長「おはよう、如月君!」
千早「プロデューサー、今日もご指導、よろしくお願いします」
P「あぁ、こちらこそよろしく頼むよ」
千早「はい! ところで……」
P「なんだ?」
千早「空気清浄機はいつ買いますか?」
~おしまい~
86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:21:48.27 ID:0j+zWsAY0
おわり。
もうおわり。
言わせたいことだけ考えて作るとぶん投げな終わりになってしまうという教訓になりました。
ちなみに今回一番の不遇は真美。
読んでくださってありがとうございました。
あとはこれ書きながら思い浮かんだ美希との甘々を載せたら依頼出します。
87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:22:19.08 ID:0kY5xjjDO
最後までお金汚い72だった
90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 20:58:06.10 ID:aGwbxuW9o
おつー
千早は変な本でも読んだのかと思ったぜ
92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:06:03.83 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「ハニーはおにぎり好き?」
P「好きだよ」
美希「じゃあじゃあ、ミキとおにぎりどっちが好き?」
P「おにぎり」
美希「えへへぇ」
93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:07:30.52 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「ハニーにとってミキってなぁに?」
P「食パン」
美希「食パン?」
P「ハニートーストになる」
美希「えへへぇ」
94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:08:39.59 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「ミキね、ちょっと寒いの」
P「おう」
美希「えへへぇ」
95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:10:30.59 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー、しりとりなの!」
P「いいぞ」
美希「ハニーはミキのことしか言っちゃダメなの!」
P「わかった」
美希「じゃあミキからなの! ハニー! に、か、い、なの!」
P「ニット帽」
美希「えへへぇ」
96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:12:18.58 ID:0j+zWsAY0
P「ん~」
美希「何をさがしてるの?」
P「ホチキスの芯」
美希「カバンの中なの」
P「ないなぁ」
美希「机の中なの」
P「見つからないなぁ」
美希「夢の中なの」
P「それより踊りませんか?」
美希「えへへぇ」
97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:13:36.17 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「喉が渇いたの」
P「冷蔵庫にオレンジジュースがあったな」
美希「デコちゃんに怒られちゃうの」
P「後で一緒に怒られような」
美希「えへへぇ」
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:15:40.07 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「ミキねー、はんぺんと玉子が好きなの」
P「はんぺんって昔はサメから作ってたんだってな」
美希「ミキそれ知ってるよ」
P「一緒に見てたもんな」
美希「えへへぇ」
99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:16:46.56 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「おとこにもー」
P「女にも」
美希「ろうじんにもー」
P「子どもにも」
美希「だれにもゆずれなぁい」
P「たった一つの刃がある」
美希「えへへぇ」
100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:19:50.26 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「ハニー、襟が立ってるの」
P「まいるなぁ」
美希「えへへぇ」
101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:26:09.93 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「デコちゃんのオレンジジュースにミルク混ぜてもいい?」
P「そいつで世界を救うためにか?」
美希「えへへぇ」
102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:36:31.37 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「イチゴのキャンディあげるの」
P「お返しはブランケットでいいか?」
美希「えへへぇ」
103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:45:34.06 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希?」
美希「ミキは今、最新ビデオの棚の前で2時間以上立ち尽くしてるの」
P「ハリー・ポッター」
美希「えへへぇ」
104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:48:10.10 ID:0j+zWsAY0
美希「ねぇねぇ、ハニー」
P「なんだ、美希」
美希「ミキね、なんだか眠いの」
P「あぁ、おやすみ」
美希「えへへぇ……あふぅ」
105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/02(土) 22:52:10.45 ID:0j+zWsAY0
美希「すぴぃ、くぅ……」
P「……」
P「おわり」