【三浦あずさSS】あずさ「オフの日は、律子さんと一緒に」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 16:59:53 ID:OBD2BUvj0
TLLLLL…

あずさ「もしもし、律子さん?三浦ですー」

あずさ「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますねー」

律子『あずささん。こちらこそ、よろしくお願いします』

律子『あずささんから電話なんて珍しいですね。新年早々道に迷いました?』

あずさ「もう、わたしそんないつも道に迷ってないですよ?」

律子(いや、迷ってないことがないと思う)

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:02:52 ID:OBD2BUvj0
あずさ「さっき、部屋のお掃除をしていたらですね…」

あずさ「ケーキビュッフェの招待チケットが出てきたんですー」

律子『そんな鉱山から発掘したみたいな…』

あずさ「それが、期限が今月までらしくて。2人まで使えるそうなんですけど」

あずさ「急なんですけど、一緒に行きませんか?」

律子『招待ってことは、タダってこと!?』

あずさ「ええ、きっと」

律子『行く行く!行きますよ!』

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:06:51 ID:OBD2BUvj0
あずさ「場所は銀座らしいので、駅で待ち合わせましょうね?それじゃあ…」

律子『ちょーっとまったぁ!』

あずさ「どうしました?律子さん」

律子『あのですねぇ、あずささん。』

律子『銀座って一口に言いますけど、銀座のどこに行く予定です?』

律子『っていうか、銀座の場所ってわかってます??』

あずさ「銀座駅ってところで下りればいいんですよね?」

律子『…あずささん。あのね…。』

律子『いや、電話越しで話をするのもアレだわ。』

律子『えっと、じゃあこれから私があずささんのマンションに向かいます』

律子『おとなしく待っててください』

あずさ「はーい、わかりましたー」

あずさ「律子さんはいつも頼もしいわねー」ルンルン♪

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:11:06 ID:OBD2BUvj0
ピンポーン

あずさ「はーーい」

律子『律子でーす。あずささん、いきましょー』

あずさ「はーーい、すぐ出るので、ちょっと待ってくださいね」

あずさ「お待たせしましたー」

律子「それじゃ、とりあえず銀座付近まで行けばいいです?」

あずさ「はい」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:14:13 ID:OBD2BUvj0
律子「あずささんの方向音痴癖があって、基本仕事の送り迎えは車で私かプロデューサー殿がするわけで」

律子「あずささんが公共交通知らないのは、ある意味私たちの責任とも言えますね」

あずさ「もー、律子さん。私だって電車ぐらい乗ったことありますよ?」

律子「知ってますよ。初めてうちの事務所来た時のこと、よーく覚えてます」

律子「まだあの時私は学生で、押しかけ事務員で。あずささんの所属手続きもやってたんです」

律子「で、初日の集合時間になっても来なくて。当時の社長や小鳥さん焦って焦って」

律子「次にかかってきた電話が、『気付いたら温泉にきちゃったみたいですー♪』って」

律子「後で聞けば、 草津温泉 に行ってるじゃないですか!」

律子「草津って!東京飛び出して群馬県じゃない!方向違うってレベルじゃないわよ!!」

律子「はぁ、はぁ…」

あずさ「うふふ、律子さんのお話って、迫真の演技ですね」

律子「…ありのままの事実ですから」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:18:59 ID:OBD2BUvj0
<券売機前>

律子「大丈夫です?切符の買い方とか、覚えてます?」

あずさ「もー、律子さんってば。」

あずさ「………」

あずさ「………」

あずさ「律子さーん。と、とりあえず一番高いの買っておけば、大丈夫ですかー?」

律子「はいはいはい、私が2枚買いますから…って、待て待て押すな押すな買うな買うな」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:22:12 ID:OBD2BUvj0
<改札前>

律子「はい、切符。落とさないでくださいね」

あずさ「ありがとう律子さん。あら?」

律子「どうしました?」

あずさ「これ、『銀座』って書いてないけど、大丈夫なのかしら?」

律子「大丈夫なんです!さ、行きますよ」

バタン!ピンポーーーン

律子「うう、やっぱりあずささんは通れなかったか…」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:24:29 ID:OBD2BUvj0
あずさ「り、律子さーん?これはどうすればー?」

律子「ちゃんと、改札口に券を入れてください。ほら、ここに」

あずさ「え、でもほかの人はここに入れずに、通ってますよ??」

スタスタ…ピッ…スタスタ…

あずさ「ほらほら」

律子「……」

律子「…。あとでゆっくり説明するので、今は私に従ってください…」

あずさ「はーい」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:30:49 ID:OBD2BUvj0
<改札後>

あずさ「ここを通過できれば、もう問題なしですね?」

律子「あーー、違うあずささんそっちじゃない」

あずさ「え?」

律子「こっちですこっち!」

あずさ「でも、みなさんこっちの方面歩いてますよ?」

律子「いや、確かにそっちはJRだから人が多いけど、私たちはこっちでいいんです!」

あずさ「はーい」

律子(こ、これは…到着まで体力持つかしら…?)

あずさ「律子さーーん、電車着ましたから、乗っちゃいますねー?」

律子「そ、それは逆方向だから乗らないのーー!!」 ゼェゼェ

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:36:03 ID:OBD2BUvj0
律子「ハイ電車来ました…。これには、乗ってください…。」

あずさ「はーい」

律子(手をつないで乗ったほうがいいのかしら)

律子(これじゃ小さな子供の引率と変わらないわ…はぁ)

あずさ「律子さん。あそこの席が空いてますよ。座りましょう?」

律子「あー…」

律子「あずささん。あそこの席は基本的に座っちゃダメなんです」

あずさ「え?」

律子「近づいてみましょうか」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:41:02 ID:OBD2BUvj0
あずさ「『優先席』?」

律子「そ。ここは主にお年寄りだったり、あとはケガしてる人や体に障がいがある人が…」

律子「混んでいても座れるようにってしている場所なんです。」

律子「私たちは元気だから、ここには座らないのがマナーね」

あずさ「すごーい、そんなルールがあるのね!」

律子「まあ…ええ。」

律子(どんだけ世間知らずなんだ…)

律子「あと、妊婦さんもここに座ってもOK。」

律子「妊娠初期とかで見た目にはわかりにくい場合もあるから」

律子「産婦人科で『私は妊婦です』的なバッチがもらえることもあるらしいです」

あずさ「そうなんですか…。」

あずさ「若くしてあの席に座るのは、全女性の憧れというわけなんですね」

律子(…そこまで仰々しいものでもないけど)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:45:43 ID:OBD2BUvj0
律子「到着まで3駅…あと10分ってところね」

律子「あずささん。銀座のどのあたり……」

あずさ「………」

律子「どうしました?」

あずさ「律子さん。あの優先席…」

律子「優先席が?あ。」

律子「あんの悪ガキども。優先席に座ってるわね。学生服…。制服特定して学校に突き付けてやろうかしら」

あずさ「………」 スタスタ

律子「あ、あずささん!?」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:48:32 ID:OBD2BUvj0
あずさ「あの、すいません!」

ガキA「あ?」

あずさ「そこの席は、お年寄りや妊婦さんが座る席です。あなたたちが座ってはいけません!」

ガキB「別にいないからいいじゃーん!ちゃんと誰か来たら譲るからあ~」

あずさ「………」ジッ…

ガキA「うっ…」

ガキB「…。面倒くせぇ…行こうぜ」

ガキA「……」

律子「ちょ、あずささん!大丈夫?」

あずさ「よかった。空けてくれましたよ、律子さん!」

律子「う…。あ、あのねぇ…あずささん…」

律子「と、とりあえず元の場所に戻りましょう」

律子(なんというか…行動力があるのか、ないのか…今でもよくわからないわ)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:52:31 ID:OBD2BUvj0
律子「あずささんの行動は、間違ってはいないですけど」

律子「場合によっては面倒なことになる可能性もあるので気を付けてくださいね?」

あずさ「でも、あの人たちはルール違反を…」

律子「あのガキが居座って、かつ近くにお年寄りや障がい者の方がいたら」

律子「そりゃ私だって、ぶん殴ってでも席を空けさせますよ」

律子「さっきの場合は…おとなしくガキ共が引き下がってくれたからいいものの…」

あずさ「…。ルールって、難しいんですね」

律子「そうね。でも、あずささんの心がけは、すごく大事だと思う。」

律子「思っていても、行動できる人って、少ないのよ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:56:37 ID:OBD2BUvj0
律子「で、銀座のどのあたりなんです?」

あずさ「はい、チケット…これです」

律子「ふむふむ…」

律子「あーー、これだったら日比谷線じゃなくて乗り換えて丸ノ内線がよかったかなぁ」

あずさ「ま、まさか律子さんでも間違えちゃったんですか…?もしかして、新年早々迷子…!?」

律子「こらこら!あずささんじゃあるまいし。大丈夫です!」

律子「ただ、ちょっと降りてから歩くかもしれませんね」

律子「食事前の軽い運動と思って頑張りましょうか」

あずさ「はーい」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 17:59:32 ID:OBD2BUvj0
<お店の前…>

律子「ここ…よね?」

律子(銀座という時点で察するべきだったとはいえ…)

律子(思っていたよりも高級な雰囲気が…)

律子「本当に、こんな凄いところ、タダでいいのかしら…」

律子「しょ、招待ですよね!?もう一度チケット見せてもらっていいです?」

あずさ「あらあら、律子さんったら…」

律子「……。確かに、ここで間違いはないし、『招待 デザートビュッフェ2名様まで』…。」

律子「よ、よし。や、やましいことはないわ。いいい、いざ!」 ドキドキ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:03:34 ID:OBD2BUvj0
「いらっしゃいませ」

律子「えっと、招待券…なんですけど…」

「拝見いたします」

「……!」

律子「…??」

「しょ、少々お待ちいただけますでしょうか!?」

律子「え?あ、はい…」

律子(なんだろ)

律子(事前連絡、必要だったかな…)

律子「な、なんかスタッフがあわただしいわね…大丈夫かしら…」 オロオロ…

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:07:52 ID:OBD2BUvj0
「大変お待たせいたしました。ご案内いたしますので、こちらへ」

律子(ウェイターが3人に増えましたけど!?)

あずさ「あらあら~」

律子「…!」

律子「VIPルーム…!?」

律子「あ、あの~、こ、これは…」

「いただいたご招待券ですが…」

「当店のオーナーにより直接お渡しされたものと思われます。」

「この招待のお客様におかれましては丁重におもてなしするよう、いわれております」

「後ほど、オーナーもご挨拶に参りますので、お時間をいただきたく思います」

律子「あ、あずささん!お、オーナーって、ご存じ…」

あずさ「あらあら~、なんだかすごいことになってきたわね~…」

律子(…なわけないか。大掃除で発掘した、場合によっては使われなかったチケットだし)

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:11:59 ID:OBD2BUvj0
律子「やっぱり事前連絡が必要だったみたいね」

あずさ「ご、ごめんなさい、律子さん」

律子「でもお店側も気をまわしてくれてよかったわ。」

律子「ビュッフェのメニューをこの部屋に運んでもらって、その他の注文は別途対応」

律子「アポなしで来たわけだし、個室まで確保してくれるなんて思ってなかったから、それでも十分よ」

あずさ「えっと、よくわからないけど……」

あずさ「せっかくだから、とりあえず頂いちゃいましょうか♪」

律子「え!?え、ええ…」

律子(なんというか…)

律子(私、世の中を難しく考えすぎているのかしら……)

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:15:34 ID:OBD2BUvj0
律子「あはは、ついつい欲張ってたくさん取ってきちゃっ…って!!」

あずさ「ついつい欲張って 全種類 取っちゃいました~」

律子「欲張ってってレベルじゃねーぞ!」

律子「あのね、あずささん…別に無理して全種類取らなくてもいいんですよ?」

あずさ「ご、ごめんなさい律子さん、戻してきます?」

律子「いや…いいです。でもあずささん」

律子「普通のビュッフェだと、あまりたくさん残すとペナルティになる場合もありますから気を付けてくださいね」

あずさ「大丈夫ですよ律子さん」

あずさ「ちゃんと八分目に収まるように、1種類につき1個にしてますから」

律子「……」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:20:26 ID:OBD2BUvj0
あずさ「はい。いただきます。」

律子「いただきまーす!じゃあさっそく、このショートケーキかな!」

あずさ「律子さん、ショートケーキが好きなんですか?」

律子「甘いものなら何でも好きですけど、どれかひとつといわれたら、やっぱ王道のいちごショート!」

律子「あずささんは最初何にいきます?」

あずさ「抹茶のムースにしようかしら」

律子「ほほう、渋いですねぇ。でも、新年っぽくていいかも。私、次それにしよー」

律子「んーーー♪おいしー!」

律子「なんというか、こういうちゃんとした甘いものってしばらくぶりの気がするわー」

あずさ「あらあら、律子さんったら。」

あずさ「そんなに喜んでいただけるなんて、誘った甲斐がありました~」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:24:52 ID:OBD2BUvj0
あずさ「いちごのショートといえば…」

あずさ「メインのいちごを最初に食べるか、最後まで残すか…」

律子「あーありますね」

あずさ「律子さん…は、もう食べちゃってますね」

律子「当然」

律子「好きなものは最初に食べるのが私のモットーです」

律子「つらいことを先にするも後に回すも、大した差ではないんですよ」

律子「だったら、最初にいい思いをしておく!」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:28:07 ID:OBD2BUvj0
あずさ「律子さんはそうなんですね…。私は最後まで取っておくほうだわ」

あずさ「やっぱり、最後は美味しく締めくくりたいもの」

律子「最後まで取っておいたつもりが、『嫌いならもらっちゃうよー』って横取りされちゃうってオチですね」

あずさ「……」ショボン

律子「あ…いやいや!私がそんなことするってわけじゃないですよ!?あはは、やだなあ!あずささん」

あずさ「で、ですよね~」 ニッコニコ

律子(純真無垢な乙女か!かわいいなあ!)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:32:41 ID:OBD2BUvj0
律子「甘いものにはやっぱり紅茶よね!」

律子「…とはいっても、ダージリンとアッサムくらいしか知らないけど」

あずさ「私はジャスミンティーです。これもよく合いますよ」

律子「ジャスミンもいいわよね!あの香りがたまらないわ」

あずさ「……」

律子「……」

あずさ・律子(雪歩(さん)のことを考えると、日本茶についてはあまり言及できない…)

<その頃の雪歩>

雪歩「は~~~」

雪歩「こたつに入って飲むお茶はおいしいですぅ~~」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:36:12 ID:OBD2BUvj0
律子「あずささん?無理して全部食べなくても大丈夫ですよ?」

律子「なんだったら私がお手伝いしま…」

あずさ「う~……」ジロリ

律子「あ、いえいえ!横取りとかそんなつもりは一切ないので!だからそんな目で見ないでください…」

あずさ「はい♪」ニッコリ

律子(とんだスイーツモンスターだよ…!)

あずさ「お酒も選べるみたいですね。どうです、律子さん?」

律子「私はまだ未成年なので。キッパリ!NO飲酒!です。」

律子「私なら気にせずに。あずささん飲んでもいいですよ」

律子「あずささんなら、ちゃんとペース守るので安心ですし!」

<その頃の某事務員>

小鳥「う~~~」

小鳥「………」

小鳥「二日酔いだ…」 グッタリ

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:41:59 ID:OBD2BUvj0
律子「デザートにお酒って、合うんですか?なんとなくクドくなりそうな感じが…」

あずさ「私は、この、白ワインとの組み合わせですね」

あずさ「こういった甘いものと合わせて飲むなら、ちょっと辛口のほうがいいです」

あずさ「チョコレート系だと、シャンパンもいいですよ?」

律子「へえ…さすがあずささん。詳しいですね!」

あずさ「私なんてそんな…ほとんど受け売りですし」

あずさ「それに、一般的には、赤ワインのほうがデザートに合うとも言われています」

あずさ「あとは、自分で試行錯誤して、気に入った組み合わせを…ですね」

律子「ふむ、私もそろそろ、そういうお酒の雑学も身につけるべきかなぁ」

律子(間違っても、ああはなってはいけない…)

<その頃の、ああなってはいけない例>

小鳥「zzz…」

小鳥「…むにゃむにゃ、次は熱燗でいっちゃうぞー…」

小鳥「zzz…」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:46:54 ID:OBD2BUvj0
律子「結構食べちゃいましたね。私はそろそろ打ち止めにしようかなぁ」

律子「次の日の体重計が怖いし…」

あずさ「体重計……!!」

律子「あ、あーーー、な、何でもない何でもないですよー、あずささん!」

あずさ「体重…計……」

律子「だ、大丈夫大丈夫ー、ここのケーキ、1つ1つは小さいですし、あっさりしてるから…!」

律子「それに、年明けからもみっちりお仕事!そしてレッスン!仮に増えてもしっかり絞りますから!」

あずさ「……」ショボン

律子「…あとちょっとですし、私が食べてあげますから…」

あずさ「…」ジロリ

律子「食べるんかい!」

律子「もー!好きにしなさい!」

あずさ「はーい♪」パクパク

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:50:18 ID:OBD2BUvj0
あずさ「その…ですね、律子さん」

律子「どうしました?急にそんな深刻な顔して」

あずさ「私、その…やっぱり、プロのアイドルとして体型はしっかり維持しないとだめですよね…。」

律子「そうですね。あまり急激に見た目が変わるのは、いろいろ支障があります」

律子「でも、あずささん。体重がー、とかいうわりには、見た目の変化は全然ないですよ」

律子「ちゃんと運動もしていますし、私がしっかり管理していますし。そこは安心してください」

あずさ「あの…律子さん」

あずさ「このお休みの間にちょっと食べすぎて、その…胸がですね」

律子「……」

律子(余分な栄養は全部胸に来る…だと…ちくしょうめ)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:55:21 ID:OBD2BUvj0
あずさ「ほろ酔いですー。ちょっと顔が熱くなってきました」

律子「あはは、あずささん。顔赤くなって、色っぽい感じでいいですね」

あずさ「もう…からかわないでよ律子さん」

あずさ「律子さんが成人したら、絶っ対に、飲み仲間にするんですから!」

律子「ふふ、それは是非に、とでも言っておきましょうか」

律子「私、基本的には自分で勉強して自分で身に着けるタイプだけど」

律子「お酒の嗜みは、あずささんのようにありたいと思っているので、勉強させてもらいますから」

律子(少なくとも……)

<その頃の、少なくとも>

小鳥「!!??」

小鳥「で、出る…!?」 ウプッ

小鳥「………。出なかった。寝るピヨ」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 18:59:04 ID:OBD2BUvj0
あずさ「律子さん。その後、調子はどうです?」

律子「ええ。去年は大躍進でしたね!」

律子「今年も年明けから早速仕事が入ってますから。休んでる暇はないですよー?」

あずさ「ああ、そうじゃなくて」

あずさ「恋の、調子♪」

律子「こここ、恋の…!?」

律子「そそそ、それのどこが“その後”なんですか!?そもそも何も始まってもいませんし!」

あずさ「またまた。律子さん」

あずさ「自分に、もっと正直になったほうがいいですよ?」

律子「………」

律子「いや、カマかけても、無いものはないですからね!?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:04:08 ID:OBD2BUvj0
律子「いやでもね、あずささん」

律子「実際問題、恋愛してる暇、ないでしょ?」

律子「次から次へと仕事もってくる私が言うのもなんですけど…」

あずさ「律子さん!だめですそんなことでは!」

律子「おお!?」

律子(あずささんが珍しく声を張った!)

あずさ「忙しいから、などといって疎かにしてはいけません!」

あずさ「忙しいからこそ、見逃してはいけないんです!」

あずさ「理由を付けて逃げていては、ダメなんですっ!!」

律子「あずささん…」

あずさ「というわけで、どうなんです?律子さん?」

律子「いやだから…。これ、繰り返してもずっと平行線ですからね?」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:07:45 ID:OBD2BUvj0
あずさ「律子さん!私たち、恋の伝道師としてアイドルやってきたじゃないですか!」

あずさ「『シャララ』を一緒に歌った仲なのに…」

律子「いやその…」

あずさ「アイドル時代の律子さんの歌はみんな恋愛がらみの歌じゃないですか」

あずさ「『恋の魔術師・秋月律子』の名が泣いていてよっ」

律子「……」

あずさ「『恋を夢見るお姫様は~♪』」

律子「やめて歌わないでやめて」

律子「無駄にいい声してるけど!」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:10:59 ID:OBD2BUvj0
律子「じゃあ訊きますけど?」

律子「あずささんはどうなんです?」

あずさ「うふふ…」

律子「ま、まさか」

あずさ「でも…律子さんに話したら、私、竜宮小町を脱退しないといけないんじゃ…」

律子「うちは別に恋愛禁止令とか、今のところそういうのないですし」

律子「あずささんについては、ファンも一定の理解があるので節度を守ってもらえれば…」

あずさ「そうですか、安心しました!」

律子(本当に…!?)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:13:59 ID:OBD2BUvj0
律子「ど、どのあたりの方なんです…?」

あずさ「そ・れ・は…」

あずさ「プロデューサーさんです!」

律子「………」

律子「…え、私?」

あずさ「ち、違います~」

あずさ「うちにはもう一人、カッコいいプロデューサーさんがいるじゃないですか!」

律子「え?カッコいい?ちょっとまって…ウチにそんな人いたかな、いやいない」

あずさ「ちょっと律子さん~!?」

律子「え~~?あれの~?どこがぁ~~?」

あずさ「ひどいわ律子さん。心にもないこと言っちゃってっ」

律子「べべべ、別に心にもないことなんて言ってませんけどぉ!?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:18:24 ID:OBD2BUvj0
律子「ほ、本気であのプロデューサー殿のことを…?」

あずさ「…なんちゃって。まだ、そこまで本気じゃないですから」

あずさ「安心してください?」

律子「いや…まあ、ある意味身内で目が届くから安心ちゃ安心ですけど」

あずさ「でも、とても魅力的だと思うんですよ?」

律子「…じゃあ、あのプロデューサー殿に迫られたら、まんざらでもない、と」

あずさ「きゃっ、強引なプロデューサーさん…!いいですね~!」

律子「………」

律子「でも、竜宮以外のメンバーが忙しくなってから」

律子「あまりプロデューサー殿とは関わってないですよね?」

あずさ「それが最近の悩みでもあるんですよね…」

あずさ「もうちょっとプロデューサーさんとお話ししたいんですけど…」

律子「ふむ…。」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:22:30 ID:OBD2BUvj0
あずさ「だから律子さん」

あずさ「私のがんばれるペースで、プロデューサーさんのこと、知っていこうかなって」

あずさ「それが私の、今年の目標です♪」

律子「は、はあ…。」

律子「しかし、あのあずささんが自ら目標を立てるとは…」

律子「その心意気や、よし!」

律子「まあ、何ができるかわからないけど、私に手伝えることがあったら、何なりと言って!」

律子「私たち、仕事仲間以前に、友達でしょ?」

あずさ「律子さん~、頼もしくて大好きです~!」 ギュッ!

律子「うっ…」ドキッ

律子(私がドキドキしてどうする)

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:26:56 ID:OBD2BUvj0
律子「そろそろ頃合いかしら」

あずさ「ええ。満喫しましたー」

律子「招待だから会計はないにしても、お礼くらいはちゃんと言わないと…」

コンコン

「失礼いたします」

律子「はーい。あ、ちょうどよかった。そろそろお開きにしようと思ってたの」

「大変お待たせして申し訳ありません」

律子・あずさ「??」

「当店のオーナーが到着しました。ぜひお会いしたいとのことで…」

律子「あ、あー…そんな話し、あったっけ…」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:30:14 ID:OBD2BUvj0
「少々お時間、よろしいでしょうか?お手間はかけませんので…」

律子「…っていうか私がいてもいいのかしら?」

あずさ「お願いします、律子さんもいてください…ちょっと不安で…」

律子「あ、はい…」

律子(オーナーっていうくらいだから妙齢の方が出てくるんだとは思うけど)

律子(こんなおしゃれな店を経営しているくらいだから…)

律子(もしかしたら超絶イケメン青年実業家が出てくるかもしれない)

律子(そうなったら、プロデューサー殿じゃあ勝ち目無いなあ…いろんな意味で)

「オーナー、どうぞ」

ガチャ

律子(ドキドキ…)

?「やはり、君たちだったか…」

律子「え!?」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:32:47 ID:OBD2BUvj0
?「知らせを聞いた時からピンときた!」

律子「…しゃ」

あずさ「社長!?」

高木「あけましておめでとう!律子君!三浦君!」

律子「え?えっと、えー…」

あずさ「おめでとうございます。社長。今年もよろしくお願いいたしますー」

律子「あのーすいません。挨拶しなきゃいけないのはやまやまなんですがちょっと混乱してて…」

あずさ「このお店、社長がオーナーなんですか?」

高木「うむ、これにはちょっと色々わけがあってな…」

高木「ちょっと話が長くなるが、いいかね?」

あずさ「あ、それなら社長もお茶飲みましょう?」

高木「うむ。…律子君?」

律子「…一瞬でもイケメン青年実業家を期待した私がバカだった…こんなお約束すぎるオチ…」 ブツブツ

律子「すいません、しばし、お二人でご歓談を」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:38:35 ID:OBD2BUvj0
あずさ「なるほど…」

あずさ「もともと、お知り合いの方が所有していたこの店を、高木社長が預かっている形なんですね」

高木「私と彼は、旧知の仲でね」

高木「もともとは彼の趣味で開いたこの店だったが、仕事の都合で昨年海外に出でることになってね」

高木「その時に『この店を、しばらく私のほうで預かってほしい』といわれたのだよ」

高木「とはいえ、店の運営はほぼ現場に任せきりなのだが…。私には、よくわからん世界だからな」

あずさ「私が持っていた招待券は…」

高木「ふむ、おそらく彼が、何らかの形で三浦君に渡したものだと思う」

高木「私がオーナーになってからは、その招待券は配ってないからね」

高木「もう完全に使い切ったものと思っていたが、まだ残っていたとは」

高木「過去に配布されたこの招待券が使われるたびに」

高木「私のほうから直接、事情を説明しているというわけだよ」

あずさ「そうだったんですか~」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:42:59 ID:OBD2BUvj0
律子「…はい、何とか整理がつきました。遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします、社長」

高木「うむ。こちらこそ、今年も頼むよ、律子君!」

律子「社長、意外といろんなところに手を出しているんですね。」

律子「不器用なんでてっきり765だけかとおもってました」

高木「ひどい言いようだなぁ、律子君…。」

高木「今でも実質的に私が経営をやっているのは765だけだよ。確かに不器用だからね」

高木「だが、年が年だし、知り合いも多ければ頼まれごとも多く…。加えて、断れない性分でね」

律子「なるほど…会長(前社長)も遠い国で悠々自適の生活ができるわけね」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:46:53 ID:OBD2BUvj0
律子「帰りくらいは送ってくれますよね?オーナーなんでしょー?」

高木「別にかまわんが…」

高木「君たちは、ここへ、どうやって来たのかね?」

律子「電車ですけど」

高木「電車…三浦君が…!?」

あずさ「?」

律子「いえ、もちろん私が付き添いで」

あずさ「社長、でも、電車ってとても面白かったです~!」

あずさ「またぜひ乗ってみたいと思いましたー」

律子・高木「それはやめて」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:49:56 ID:OBD2BUvj0
<明けて、仕事始め…>

律子「おはようございまーす!」

P「律子、おはよう!今年もよろしくな!」

律子「ええ。よろしくお願いね!」

P「…早速で悪いんだけど律子。新規のクライアントから…その…水着グラビアで依頼が来てて…」

律子「もー。こんな真冬に水着ー?」

P「ええ。で、先方からは貴音と美希が呼ばれてるんだけど、美希がちょっとスケジュール合わなくて」

律子「…つまり、あずささんを?」

P「う、うん…どうかな…」

律子「…はー。まあいいでしょう。調整しておきますから、先方には、そう返事しておいてください」

P「悪い律子。恩に着る!」

P「この件は、俺があずささんのスケジュール含め、俺が管理するから!」

律子(よかったわね、あずささん。今年は幸先がよさそうよ?)

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:53:06 ID:OBD2BUvj0
P「え」

律子「どうしたの?」

P「あ、いや…さっきの話だけど…返事が来てて」

律子「やっぱり美希じゃないとダメって?」

P「そうじゃなくて…。もう1人、空きが出来たから、誰かアサインしてくれないかって…」

律子「えー!?まいったわね」

律子「ちょっと、その件の話、詳しく教えてくれる?」

P「メール転送するよ」

律子「うわっ、これは…。」

律子(他事務所の参加メンバー的に、確かにあずさ貴音美希クラスじゃないと、厳しいわね…)

律子(千早とか出した日には、再起不能になるわ…)

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:56:06 ID:OBD2BUvj0
律子「う~ん…じゃあ、響はどう?」

P「響は…。だめだ、この期間はロケとレッスンで埋まってる」

律子「せっかく新規の仕事のチャンスなのに、手放すのもなぁ…」

律子(やっぱり誰かに屍になってもらうしか…。春香くらいならまだ傷が浅くなるか…?)

あずさ「聞きましたよ?」

P・律子「うわあ!!」

律子「どこから出てきたんですか、あずささん!」

P「あ、あずささん…あけましておめでとうございます…」

あずさ「今年もよろしくお願いしますね、両プロデューサーさん?」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 19:57:37 ID:OBD2BUvj0
あずさ「その企画については、じつは貴音ちゃんからもこっそり聞いていたんです」

律子「そ、そうだったの。なら、話が早いわね。スケジュール調整するんで、ヘルプに入ってくれる?」

律子「この件については、プロデューサー殿が仕切ってくれるから!」

あずさ「はい!…でも、もう1人、必要なんでしょ?」

律子「う…。聞いていたか…」

あずさ「最適な人がいるじゃないですか!?」

律子「え~?もう (この企画に適した) 人材はいないわよ…」

あずさ「ほら、ここに」 ポンッ

律子「へ?わ、わた…し…?」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 20:01:59 ID:OBD2BUvj0
あずさ「プロデューサーさん、どうでしょう?」

P「律子か……」ジッ

律子「な、ななな…」

律子「変な目で見るな!変態!セクハラ!!」バキッ

P「ち、ちが…誤解だよっ!」

律子「わ、私はもうそういうお仕事はしないって…!」

あずさ「でも、律子さん、事務所的にはアイドルの一員に入ってますよ、ねえ?」

P「ま、まあ確かに…。あとは律子次第だけど…」

律子「もーー!絶対、そんなの嫌ですからねーーー!!」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03 20:04:04 ID:OBD2BUvj0
あずさ(結局…)

あずさ(最後の最後で律子さんは折れて)

あずさ(貴音ちゃん、律子さんとの3人で、このお仕事に臨みました)

あずさ(この件に関しては、プロデューサーさんが仕切りとなって働いてくれて…)

あずさ(お仕事は大成功!)

あずさ(次の企画でも、是非この3人でお願いしたいとのことです!)

あずさ「よかったですね!律子さん♪」

貴音「律子も、まだまだアイドル現役でやっていけますよ。私が保証します。」

律子「あずささん的にはいいかもしれないけど……」

律子「私的には全っ然、ダメーーー!!!」

<おしまい>

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