1 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:29:49.86 ID:+vNKB3gr0
事務所
法子「……」キョロキョロ
法子「……一つだけなら、貰ってもいいよね……?」
法子「いっただっきまー……」
カプ
法子「……」
法子「……!?」
2 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:30:29.20 ID:+vNKB3gr0
法子「ッ!? ゲホッ! ゲッホ! ウェッホゥ!」
法子「これ……」
法子「ドーナツじゃない……!」
4 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:31:30.92 ID:+vNKB3gr0
法子「塩辛い味が口の中に広がるこの不快感……」
法子「これは……」
5 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:32:05.90 ID:+vNKB3gr0
法子「忌々しきベーグル!」
法子「こいつには何度も辛酸を舐めされられたことか……」
6 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:33:02.60 ID:+vNKB3gr0
法子「クソッ! こんなドーナツの紛い物なんて事務所の壁に叩きつけてやる!」ガシ
ガチャ
凛「ふー……疲れ……って、何してるの!?」
法子「何って……見りゃわかるでしょ!?」
法子「この畜生以下のベーグルに恨みをぶつけないと……!」
法子「あたしの理性は爆発してしまうッ……!」
凛「やめて! それは私がプロデューサーのために買ってきたベーグルなんだよ!?」
7 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:33:47.97 ID:+vNKB3gr0
法子「……これを、プロデューサーに?」
凛「うん。最近、忙しくてちゃんとご飯を食べれていないみたいだったからね」
法子「……へぇ」
8 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:34:51.21 ID:+vNKB3gr0
法子「こんな下賤な食べ物を、プロデューサーに食べさせるの?」
凛「下賤って……そんな言い方しなくても」
法子「こいつは! あたしからどーなつぱわーを根こそぎ奪ったんだよ!?」
法子「そんなカス以下のカス、ベーグルを許すわけにはいかない……!」
凛「」ムカ
凛「だからって、私のベーグルにあたらないで!」
凛「私のベーグルは何も悪いことしてないでしょ!?」
法子「……いいえ。このベーグルは、いや、この鬼畜輪はあたしの期待を裏切った」
法子「これは、ドーナツ王国においては死刑に値する罪です」
凛「ど、ドーナツ王国?」
10 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:36:24.46 ID:+vNKB3gr0
法子「ドーナツ王国においては、鬼畜輪の存在は禁忌とされています」
法子「鬼畜輪は単純所持が禁止されており、その所持が発覚した場合は……」
法子「死刑です」
凛(何を言ってるんだろう……)
11 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:37:07.27 ID:+vNKB3gr0
凛「い、いいじゃん、別に。ベーグルだってそんなに悪い物じゃ……」
法子「ドーナツだと思って食べた物が、ベーグルだった時の失望感を……」
法子「甘い物を期待して、それが塩辛い物だった時の絶望感を……」
法子「味わったことがないからそんなことが言えるんだぁ!」バンッ!
凛「ひっ」
12 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:38:04.03 ID:+vNKB3gr0
法子「……こうなったら、あなたもドーナツ王国に招待してあげます」ジリ
凛「い、いらないよ」
法子「遠慮はいりませんよ」ジリ
14 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:39:12.76 ID:+vNKB3gr0
法子「……ほら、あなたの足首、見て?」ジリ
凛「……!? いつの間にか足首にドーナツがはまってる!?」
法子「ほらぁ、次は手首を見て?」ジリ
凛「きゃあ! ふ、ふ、ふ……」
凛「フレンチクルーラーがぁ……」
法子「まだだよ」
15 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:40:11.12 ID:+vNKB3gr0
法子「ほら、最後はそこ……」
凛「な、何……?」
凛(何だか急に苦しく……)
凛「……まさか!」
法子「わかった?」
17 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:40:55.79 ID:+vNKB3gr0
法子「あなたの首……」
法子「そこにはぁ……あたしの大好きなチョコドーナツをはめてあげましたぁ」
凛「と、取れない!」グイグイ
凛(ドーナツが首を絞めつけてくる……)ギュウギュウ
法子「嬉しいでしょ? こんなにドーナツに囲まれて……」
法子「あたしなら、三日はおかずに困らないなぁ」
18 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:41:57.57 ID:+vNKB3gr0
凛「ゆ……許して……」
法子「裏切り者には制裁を。ドーナツ小学校で習ったでしょう?」
凛「うぐぐ……」ギュウギュウ
法子「もしかして、ゆとり世代ドーナツなのかな?」
法子「それなら……仕方ないけどねぇ?」
凛「た、助けて……」ギュウギュウ
法子「あーあ。これはドーナツ園からやり直しだと思うなぁ」
法子「だって……あまりにもドーナツに対する愛情が足りないもの」
法子「ドーナツ王国は、異端者を許さない」
法子「ドーナツ王国は、ベーグルを食す物を許さない」
法子「ドーナツ王国は……」
法子「あなたを、許さない」
凛「……た、すけて……」ギュウギュウ
凛「ぷろ、でゅー……」ギュウギュウ
ガチャ
法子「!?」
19 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:43:40.96 ID:+vNKB3gr0
P「ただいまー……って」
P「凛!」
凛「……」
P「ドーナツで意識が……。待ってろ! 今すぐドーナツを外してやる!」グイ
P「……クソ! 引っ張っただけじゃ取れないのか!?」
法子「……食べればいいんだよ」
P「えっ?」
法子「ドーナツは、食べ物なんだよ」
法子「ドーナツは、食べてもらってこそ、ドーナツとして輝けるんだよ」
法子「だから……」
法子「食べて、あげて?」
法子「あたしの大好きな、チョコドーナツを」
P「……わかった」
法子「……」ニヤ
20 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:44:28.49 ID:+vNKB3gr0
凛「」グッタリ
P「」ムシャムシャ
法子「……」ジー
P「」ムシャムシャ
法子「……」ジトー
P「……ふう」
P「ごちそうさま」
法子「……良く食べられたね」
21 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:45:22.83 ID:+vNKB3gr0
凛「……」グター
P「凛、凛! ……駄目だ、意識を失ってる……」
P「俺がもっと早く事務所に来ていれば……こんなことには!」
法子「……どうして……」
22 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:46:14.01 ID:+vNKB3gr0
法子「どうして、その人を心配するの?」
P「法子? 何を言って……」
法子「その人は……ベーグルをあたしに食べさせた張本人なんだよ!?」
法子「神聖なるドーナツ王国の事務所に呪われたベーグルを置いた、重罪人なんだよ!?」
P「そんなこと……」
法子「そんなことじゃない!」
23 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:47:47.29 ID:+vNKB3gr0
法子「あたしにとってドーナツは人生、いや、それ以上の意味を孕む至高の存在!」
法子「その人はそんなドーナツに……」
法子「あたしの全てとも言える最高の存在に……」
法子「泥を……塗ったんだ!」
P「……」
24 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:49:10.94 ID:+vNKB3gr0
P「……すまなかった」
法子「何で? どうして謝るの?」
P「俺が悪かったんだ。法子があまりにもドーナツに執着しすぎるから」
P「このままじゃ、法子がドナキチになってしまうと思ったから……」
法子「何を、言って……」
P「俺が凛に頼んで、ベーグルを買ってきてもらったんだ」
P「……それが間違いだったんだな。ここまで症状が進行しているとは……」
法子「……」
P「俺のせいで、凛も法子も苦しませる結果になってしまった……」
P「本当に、すまない……」
法子「……そんな」
法子「プロデューサーは悪くないよ! 悪いのはこの……ベーグルの存在だよ!」
P「すまない……本当にすまない……」ドゲザ
法子「謝らないで!」
法子「謝ら、ないで……」
ちひろ「……」
25 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:50:25.43 ID:+vNKB3gr0
ちひろ「……法子ちゃん」スッ
法子「……?」
ちひろ「このチョコドーナツで、口直ししてください」
法子「でも二人が……」
ちひろ「二人とも、法子ちゃんが元気な姿で居るのを、一番望んでるんですよ?」
ちひろ「だから……ね?」
法子「……わかりました」パク
法子「……」モグモグ
法子「……!?」
法子「」バタン
ちひろ「……」
ちひろ「……ごめんなさいね」
P「……すみません、ちひろさん。汚れ役を押し付けてしまって」
26 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:51:19.16 ID:+vNKB3gr0
後日
凛「おはよう、プロデューサー」
P「ああ、おはよう」
P「体調はどうだ?」
凛「平気。お医者さんも、もう何ともないってさ」
P「そうか。それなら良かった」
27 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:52:05.81 ID:+vNKB3gr0
凛「……」
P「……」
凛「……ねぇ」
P「どうした?」
凛「……あれから、どうなったの?」
P「……ああ、法子か」
28 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:53:16.26 ID:+vNKB3gr0
P「今は入院してるよ。両手足首にベーグルの手錠と足枷をつけて、な」
P「明日から、ドナキチを治すためのリハビリが行われるらしい」
P「これから法子は、いくつものドーナツをベーグルだと思い込んで食べないといけないそうだ」
P「大好きな物を、大嫌いな物と思い込んで向き合う……」
P「『それがドナキチを治す唯一の方法だ』って、医者は言ってたよ」
凛「……そう、なんだ」
P「……もう、法子のドナキチは、俺たち素人の手に負えるものじゃなかった」
P「本当にすまなかった。俺の馬鹿な作戦で、凛を危ない目に遭わせて……」
凛「……ううん、気にしないで」
凛「だって……」
凛(今、こうやって二人でプロデューサーと居られるのも……)
凛(あんなことが無かったら、きっと……)
P「だって……何だ?」
凛「ううん、いいの」
29 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 00:59:53.08 ID:+vNKB3gr0
凛「……あ、ベーグル買ってきたけど、食べる?」
P「そういえば、ちょうどお腹も空いてきたな。ありがとう、貰うよ」
凛「ふふっ……はい」
P「……凛?」
凛「なに?」
P「どうして俺の顔の前まで持ってくるんだ? 取りにくいんだけど」
凛「……もう。それくらいわかってよ……」
P「?」
30 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 01:00:38.02 ID:+vNKB3gr0
凛「……ほら、あ、あーん……」ポッ
P「!?」
P「り、凛?」
凛「は、早くしてよ。恥ずかしいから……」
31 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 01:01:51.47 ID:+vNKB3gr0
P「あ、あ~……」カプ
P「……」モグモグ
P「……」モグモ
P「……」
P「!?」ガタッ!
32 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 01:02:42.50 ID:+vNKB3gr0
凛「ど、どうしたの?」
P「……この味は……」
P「この泥水にも劣る低俗な味は……」
33 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 01:03:19.82 ID:+vNKB3gr0
P「……ベーグル……!」
お わ り
35 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 01:20:17.44 ID:Hc1CFRg/o
なにこれこわい
おつとう
37 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/07(木) 01:27:47.35 ID:NzEpw55Oo
乙っす
このPもドナキチ発祥してたのか