【二宮飛鳥SS】二宮飛鳥「未来の光景」 佐藤心「昔の想い出☆」

1:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:12:39.55 ID:CCPgKMyI0

梨沙「おはよー……」

心「おっす、梨沙ちゃん♪ なんかお疲れ?」

梨沙「もうすぐマラソン大会だから、体育が走ってばっかなのよ。疲れるったらないわ」

心「マラソンかあ。懐かしいねえ」

梨沙「勉強して走って、その後直接事務所に来てレッスン。アイドルって大変ね」

心「今さらだな♪」

心「でも本番は頑張るんでしょ?」

梨沙「もちろん! 順位が低いのは嫌だし、パパが応援しに来てくれるって言うから全力よ!」

梨沙「小学校で走るのは最後だし、目標は1位ね!」

心「いけそうなの?」

梨沙「トップ5がお腹壊したらイケると思う」

心「それイケるって言わない」

梨沙「ジョーダンよジョーダン」

梨沙「まー、アタシも結構体力ついてきたし、意外と楽勝で優勝できたりして?」

心「アイドル生活の賜物だね♪」

2:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:15:45.05 ID:CCPgKMyI0

梨沙「喉渇いたからジュース買ってくるわ」

心「はぁとのぶんもよろしく☆」

梨沙「なにがいいの?」

心「任せるー」

梨沙「じゃあテキトーに選ぶから。ホントにテキトーだから」ニヤ

ガチャ、バタン

心「なんか怖いな……変な物買ってきそう」

心「……梨沙ちゃんのランドセル、あそこにあるとちょっと邪魔かな。動かしとくか」

心「よいしょっと……あぁ、また『よいしょ』って言っちゃった」

心「……にしても、ランドセルかぁ。昔ははぁともこの赤いのしょって歩いてたんだよね」

心「………」キョロキョロ

心「……ちょっとくらい背負っても、いいよね?」

3:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:18:55.39 ID:CCPgKMyI0

心(E:ランドセル)「わーっ、サイズちっちゃ!」ワイワイ

心「ランドセルってこんなに小さかったかなぁ……それだけこっちの身体が大きくなったってことか」

心「懐かしいなあ……昔はこうやって、みんなで通学路歩いて先生にあいさつして」

心「せんせー、おはよーございまーす!」

心「みたいな感じで……」

飛鳥「………」←今入ってきた

心「………」

飛鳥「……あー、その」

飛鳥「誰だって、現実から目を背け過去に浸りたい時はある……が、何か悩みがあるなら同僚のよしみで相談に」

心「そんなんじゃないから!」

飛鳥「ボクは逃げることを臆病だとは思わないから」

心「だから違うって言ってんだろっ! 目そらすなーっ!」

梨沙「ただいまー……って、なにしてんの?」

4:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:22:52.53 ID:CCPgKMyI0

飛鳥「なるほど。そういうことだったのか……」

梨沙「人のランドセルを勝手に使うからそんなことになるのよ」

心「それについてはごめんなさい」

心「でも、ふと懐かしい思い出がよみがえってきちゃって……キミらにはまだわからないだろうけど」

心「うん……若干センチメンタルになるわけよ」シンミリ

飛鳥「振り返るほどの時間を、ボクらはまだ経験していないからね」

梨沙「大人って大変なのね……」

心「ごっこ遊びでうっかり担任の先生の急所に蹴り入れちゃったのも、今となってはよき思い出だな☆」

飛鳥「その思い出は一生経験することはなさそうだ」

梨沙「とんでもないことしてるわね……ハートさんだと想像しやすいけど」

5:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:25:41.10 ID:CCPgKMyI0

心「しっかし、気づけば学生時代もはるか昔」

心「中学生ですら10年以上前か……はぁとも年食ったなぁ♪」

梨沙「10年かあ」

飛鳥「今から10年後、ボクは何をしているだろうか」

梨沙「アタシは22だから……トップアイドルになって5年くらいかなぁ」

梨沙「ひょっとしたら歌手や女優になってるかも」

心「そんな人生設計してるの?」

梨沙「今思いついただけ」

梨沙「言うだけならタダだし、実現したらすごいでしょ?」

飛鳥「確かに、未来を夢見る権利は誰にでもある、か。見るだけなら、だけど」

梨沙「なーんか引っかかる言い方ね」

飛鳥「あぁ、いや。別にキミの将来設計を否定したいわけじゃないさ」

飛鳥「ボクは想像しようとすると、いらないネガティブな考えが浮かんでくるから」

飛鳥「そういう意味では梨沙が羨ましい」

6:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:28:11.09 ID:CCPgKMyI0

心「子どものうちはでかい夢持っといたほうがいいぞ♪ そのうち見たくても見られなくなるからな☆」

梨沙「そうなの?」

心「大人になるっていうのは、そういうことなんだぞ?」

心「はぁとも子どもの頃はでっかい夢を見てたもんだ♪」

梨沙「へえ、どんな?」

心「そうだねー」

心「夢の中では、26歳のはぁとは火星人の前で火星ライブをやってたかなあ」

梨沙「宇宙進出してた!」

飛鳥「確かにスケールの大きな夢だ……小学生らしい」

心「いやこれ高校の時の夢だよ?」

飛鳥「すごいね」

7:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:31:16.84 ID:CCPgKMyI0

梨沙「でもまあ、10年あったら何があるかわかんないし」

梨沙「考えれば考えるほど、夢が広がるわね!」

心「いいなあ若い子は。キミ達のこれからの10年と、はぁとのこれからの10年じゃ密度が違うだろうし」

梨沙「じゃあハートさんだけ20年後を考えて」

心「や め ろ」

8:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:34:15.00 ID:CCPgKMyI0

飛鳥「10年経てば24。社会的にはもう立派な大人か」

梨沙「大人かー」チラ

心「なんだよー、またはぁとのこといじるつもりだなー?」

梨沙「違うってば」

飛鳥「ボクらの近くにいる大人は、立派な人だと思ってね」

心「り、りっぱ?」

梨沙「疲れててもレッスンで手を抜いたりしないし」

飛鳥「湿布まみれの身体でも、激しい動作に笑顔で耐えるし」

梨沙「ていうかライブ中は湿布外してるし。ホント、すごいと思うわ」

飛鳥「仕事中はボクらの中で一番エネルギッシュだ。プロ意識を感じるよ」

心「お、おう……なんか、いきなり褒められると照れるな……」

心「……ふたりしてなにか企んでたりする?」

梨沙「してないわよ」

飛鳥「これでも普段から敬意は払っているつもりだよ」

心「飛鳥ちゃんのは嘘だろ☆」

9:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:37:02.98 ID:CCPgKMyI0

心「まあ、でも……褒め言葉だっていうなら、素直に受け取っちゃうぞ♪」テレテレ

梨沙「あー、今ちょっと照れてるでしょ」ニヤニヤ

飛鳥「ほう」

心「て、照れてはないから! ないからなっ!」

心「そうだ、いい機会だから飛鳥ちゃんもランドセル背負ったら? ていうか背負え☆」

飛鳥「唐突な話題転換でボクを巻きこむのはやめてくれ」

心「いいじゃん♪ ほら、背負え背負えー!」

梨沙「だからそれアタシのランドセルだってば!」

ガチャリ

P「ただいま……あれ、どうしたんだ飛鳥? ランドセルなんて抱えて」

飛鳥「やぁ、P。ちょっと照れ隠しの一環で押しつけられてね」

心「照れ隠しじゃないっつーの☆」

P「? いまいちよくわからないな……」

10:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:39:21.29 ID:CCPgKMyI0

P「でも、なんだか懐かしいな。飛鳥がランドセル背負ってた姿を思い出すよ」

P「あの頃の飛鳥はもう少し背が低かったな。それはそれでよかった」

飛鳥「昔のほうがよかったかい?」

梨沙「ロリコン?」

心「ロリータコンプレックス?」

P「違います」

心「というか、なんでプロデューサーは飛鳥ちゃんがランドセル背負ってた時のこと知ってるの?」

心「飛鳥ちゃんがアイドルになったの、中学に入ってからだよね?」

P「その前から知り合いなんですよ。言ってなかったですかね」

心「初耳」

梨沙「アタシは知ってた」

心「ふーん……」

11:◆C2VTzcV58A:2016/01/15(金) 01:41:54.60 ID:CCPgKMyI0

心「なんか面白そうな話が聞ける気がする♪ ねえねえ、その話もっと詳しく」

飛鳥「さてP、そろそろ時間じゃないかな」

P「ん? ああ、そうだな。3人ともレッスンに行かないと」

飛鳥「というわけで雑談は終わりだ」

心「ちぇっ」

梨沙「さらっと逃げたわね」

心「やり口がずるいぞー、ぶーぶー!」

飛鳥「これが大人になるということさ」フッ

梨沙「それはなんか違うと思う」

おしまい

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする