1 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 22:14:23.16 : G+Dq4C3i0
裕子「最初は、私をアイドルの世界に連れて行ってくれる『いい人』というだけでした」
裕子「でも、一緒にお仕事を頑張ったり、私を一生懸命プロデュースしてくれる姿を見ているうちに……」
裕子「どうやら、プロデューサーのことが好きになってしまったみたいです」
裕子「こんな経験初めてで、どうしたらいいかわからなくて……」
裕子「だから、お二人に相談しようと思ったんです」
凛「………」
まゆ「………」
3 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 22:32:36.17 : G+Dq4C3i0
凛「あの、ひとついいかな」
裕子「はい?」
凛「なんで私達に聞こうと思ったの?」
裕子「なんとなく恋愛に詳しそうだったので!」
凛「そ、そうなんだ」
凛「ちょっとどうするのこれ」ヒソヒソ
まゆ「この3人、全員想い人が同じですねぇ」ヒソヒソ
凛「普通にアドバイスしたら敵に塩を送ることになっちゃうよ」ヒソヒソ
まゆ「でも……」ヒソヒソ
裕子「どきどき」
まゆ「あの期待に満ちた視線を受けると、はっきり断ることもできませんしねぇ」ヒソヒソ
4 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 22:50:40.69 : G+Dq4C3i0
まゆ「ええと……ちなみに、Pさんのどこがいいと思ったんですか?」
裕子「どこが、ですか……うーん、やっぱり優しいところだと思います。私がお仕事で失敗しても、次につなげればいいよって励ましてくれますし」
まゆ「ああ、わかりますわかります。いいですよねぇ、優しいところ」
裕子「あと、真っ直ぐお仕事に取り組んでいるところもいいなあって。汗水たらして頑張っている姿を見ると、私も頑張らなきゃって思えます」
凛「わかるわかる。たまにシャツを嗅ぐと匂うあの汗臭さがたまらないよね」
裕子「えっ?」
まゆ「いえいえなんでもないですよぉ(ちょっと何言ってるんですか凛さん)」
凛「ごめん、つい本音が」
5 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 22:58:00.49 : G+Dq4C3i0
裕子「でも、プロデューサーのほうはなかなか私を意識してはくれないみたいで」
裕子「オーストラリアに行ったときは結構な時間一緒にいたんですけど、特になにもなかったですし」
裕子「温泉に行ったときはうっかりバスタオルをずらして、一瞬胸をあらわにしてしまったんですけど、プロデューサーはほとんどノーリアクションでした」
裕子「どうしたら女の子として見てもらえるんでしょう」
まゆ「それはまゆ達が聞きたいくらい……いいえ、なんでもありません」
6 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 23:08:58.06 : G+Dq4C3i0
凛「(うっかり胸をあらわに! そういうアピールもあるのか……)」
まゆ「……ちなみに、今までPさんにされてうれしかったこととかありますか?」
裕子「うれしかったことですか? そうですね……この前ライブがうまくいったとき、頭を撫でてもらえました!」
まゆ「そうですかぁ」
凛「頭を撫でてもらうくらいなら私だって経験あるよ」キリッ
裕子「はあ、そうなんですか」
凛「うん。10回くらいかな」キリッ
裕子「10回もですか! うらやましいです!」
まゆ「(凛ちゃんはどうして張り合い始めているんですかねぇ……純粋な裕子ちゃんには効果ないですよ?)」
7 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 23:19:29.30 : G+Dq4C3i0
裕子「どうしたらプロデューサーにアプローチできるんでしょう……?」
まゆ「そうですね……」
まゆ「どう思います?」ヒソヒソ
凛「うーん。確かに裕子はかわいいけど、今のところそこまで脅威はないんじゃないかな」ヒソヒソ
まゆ「理由を聞きましょう」ヒソヒソ
凛「あの子のキャラ的に、あんまり性欲をかきたてる感じではないから」ヒソヒソ
まゆ「ぶっちゃけましたね。アイドルが性欲とか言っちゃだめですよ?」ヒソヒソ
凛「それを言ったら恋の議論してる時点で全員アウトだよ」ヒソヒソ
まゆ「ですね。では、とりあえず裕子ちゃんへの警戒レベルは並程度ということで」ヒソヒソ
8 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 23:28:05.57 : G+Dq4C3i0
裕子「やっぱり普段の態度が問題なんでしょうか? 基本おバカキャラで通していますし」
凛・まゆ「!?」
凛「ちょっと待って。今あの子、『おバカキャラ』って言ったよね」
まゆ「言いました」
凛「キャラだったの? 素でちょっぴりアホの子じゃなかったの?」
まゆ「まさか、バカのふりをしているだけ……そうなると、先ほどの評価を改めなければならないですよ」
凛「……はっ!?」
まゆ「どうしましたか?」
凛「裕子がアホの子でないのなら……まさか、今このやりとりもあの子の計算あってのもの? 私達を牽制するために、わざわざ相談を持ちかけてきたんじゃ」
まゆ「そ、そんなっ……それじゃあまるで策士じゃないですか!」
9 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 23:35:18.20 : G+Dq4C3i0
裕子「もう少し頑張るべきなんですかねー。どう思います?」
裕子「凛ちゃんとまゆさんの意見が聞きたいです」ニコッ
凛「え、えっ? そ、そうだね……」
凛「駄目だ、裕子のすべての発言に(意味深)がついてるように思えてしまう」
まゆ「頑張るってどう頑張るつもりなんでしょう……考えが読めませんねぇ」
凛「くっ。あの笑顔の裏にはいったい何が隠れているの……?」
11 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 23:45:07.94 : G+Dq4C3i0
裕子「決めました! ちょっと私、今からしっかり者のお姉さんになります」
凛「しっかり者!? まさか、本気を出すつもりなの?」
まゆ「ど、どうなってしまうんでしょう――」
ちひろ「みんなー。和菓子をもらったんだけど食べる?」ガチャ
裕子「わーい」
裕子「おお、どら焼きがあるじゃないですか!」キラキラ
ちひろ「他の子のぶんも残さないとだめよ?」
裕子「はーい。では早速いただきます」
裕子「もぐもぐ」
裕子「ふう、ごちそうさまでした」
まゆ「………」
凛「……裕子、お姉さんキャラは?」
裕子「はっ、忘れてました!」ガーン
凛「(あ、これ素でアホの子だ)」
まゆ「(ほっとしました)」
12 :◆C2VTzcV58A :2015/06/04(木) 23:55:56.02 : G+Dq4C3i0
裕子「うーん、難しいですね。おバカキャラならいつもできるのに」
凛「いや、それは多分キャラじゃないからだと」
まゆ「(とりあえず、裕子ちゃんへの評価は据え置きで大丈夫そうですね)」
P「おーい裕子。もうすぐ撮影の時間だぞ」ガチャ
裕子「あ、プロデューサー。もうそんな時間ですか」
P「おう。現場まで送るから準備してくれ」
裕子「準備はできてます。行きましょう!」
凛「いってらっしゃい」
まゆ「頑張ってくださいねぇ」
裕子「ありがとうございます! ……あ、そうだ。プロデューサー、日曜日のお出かけの件ですけど」
P「ああ、大丈夫だ。スケジュールに空きも作れたし」
凛・まゆ「……お出かけ?」
13 :◆C2VTzcV58A :2015/06/05(金) 00:04:28.32 : 34rl3onb0
凛「プロデューサー。裕子とどこか出かけるの?」
P「ああ。近場のパワースポットめぐりにな」
裕子「最近のオフは、私の趣味にプロデューサーも付きあってくれてるんです」
P「半ば恒例と化しつつあるな。さ、遅れないうちに行くぞ」
裕子「はい。ではふたりとも、いってきます!」
バタン
凛「……ふーん」
まゆ「うふふ、恒例ですかぁ」
凛「とりあえず、奈緒と加蓮に報告しよう」
まゆ「まゆも、響子ちゃんに知らせておきますね」
14 :◆C2VTzcV58A :2015/06/05(金) 00:08:09.84 : 34rl3onb0
移動中
裕子「むむっ」
P「どうした?」
裕子「なにやらびびっときました! 私のサイキック予知能力が何かを告げようとしているような」
P「ははは。なんだそりゃ」
裕子「むー、信じていませんね?」プクー
裕子「絶対何か起きますからね!」
おわり
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/06/05(金) 00:10:04.11 :l5IiPuMv0
じゃあ俺は和久井さんと美優さんに伝えてくる
16 :◆C2VTzcV58A :2015/06/05(金) 00:12:00.73 : 34rl3onb0
ユッコの「おバカキャラで通してる」発言は劇場478話にあります。この回のユッコくっそかわいい
お付き合いいただきありがとうございました
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/06/05(金) 00:32:06.03 :R4tzZiN40
めっちゃ好みの展開だから続き頑張れ!
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/06/11(木) 12:57:08.24 :b6HwfLrLo
いいssだった、かけ値なしに
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【SS速報VIP】堀裕子「サイキック恋煩い」
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