1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:24:59.66 ID:MeudqSlI0
アニメ最終回後の設定です
3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:27:40.32 ID:MeudqSlI0
武内P「撮影、お疲れ様でした」
莉嘉「どうどう? 今日のアタシ、いい感じだった?」
武内P「はい。城ヶ崎さんらしい明るさが伝わってくる、いい撮影でした」
莉嘉「だよねー☆ アタシも、自分で今日はイケてたって思ったもん!」
莉嘉「あ、そうだ。ねえねえPくん」
武内P「なんでしょう」
莉嘉「久しぶりに一緒にお仕事できたんだし、この後二人でお茶でもしない?」
武内P「お茶、ですか。撮影を予定よりも早く終えることができたので、時間に余裕はありますが」
莉嘉「じゃあいいよね! よし、決まり☆」
莉嘉「やった、Pくんとデートだ!」
武内P「城ヶ崎さん。できれば、デートという言葉は控えていただけると……」
莉嘉「ん? 秘密ってこと?」
武内P「秘密というより、デートという表現自体が適切ではないと」
莉嘉「へへへ~、Pくんと秘密のデート♪ なんかロマンチックな響きだねっ」
武内P「………」
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:31:25.09 ID:MeudqSlI0
イラッシャイマセー
莉嘉「ここのカフェねー、新メニューのフルーツジュースがあるんだ☆」
莉嘉「一緒に飲もうよ」
武内P「ええ」
店員「ご注文お決まりでしょうか?」
武内P「はい。このスペシャルフルーツジュースをふた――」
莉嘉「カップル用ひとつで!」
武内P「!?」
店員「スペシャルフルーツジュース、カップル用ですね。かしこまりました」
莉嘉「お願いしまーす☆」
武内P「あの……」
店員「わかりました。特急で用意してきますね」フフッ
武内P(行ってしまった……)
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:34:51.71 ID:MeudqSlI0
莉嘉「アタシがアイドルの莉嘉だってわかんなかったみたいだね。やっぱり変装はメガネと帽子がいい感じ♪」
武内P「城ヶ崎さん。カップル用とは、いったい」
莉嘉「え? Pくん知らないの? カップル用っていうのは、大きいグラスに入ったのを二人で一緒に飲むんだよ」
武内P「いえ、それは知っています。なぜ、私達がそれを飲むことに」
莉嘉「だから、一緒に飲もうって言ったじゃん」
武内P「それは、同じメニューを頼むということでは……」
莉嘉「え? だから二人で同じ物を頼んだよ?」キョトン
武内P「………」
莉嘉「えへへ、早く来ないかな~」ニコニコ
莉嘉「ねえねえ、アタシ達どんな関係に見られてるかな? もしかして、カップルと思われちゃったりしてるかも!」キャー
武内P「それは、困りますね……」
店長「元気のいいお客さんだな」
店員「そうですね。きっとお父さんと仲良しなんですよ」ウフフ
店長「そうだな。仲良し親子だ」
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:38:30.34 ID:MeudqSlI0
店員「おまたせしました! スペシャルフルーツジュース、おふたつです」
莉嘉「もー! なんでカップル用キャンセルしちゃったのー!」ブーブー
武内P「立場上、自分はそのようなことをするわけには……すみません」ペコリ
莉嘉「………」ハッ
莉嘉「あ、わかった。Pくんさては恥ずかしいんだなー?」
莉嘉「アタシみたいなキュートなJC相手じゃしょうがないね。うん、そういうことなら許してあげるよ☆」ニコニコ
武内P「は、はあ……」
武内P「とりあえず、いただきましょうか」
莉嘉「いただきまーす」チューチュー
莉嘉「うん、おいしい!」
武内P「そうですね。いろいろなフルーツが、ほどよく混ざり合って調和を生み出しています」
莉嘉「あ、今のちょっとグルメリポーターみたい♪」
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:41:49.43 ID:MeudqSlI0
莉嘉「でも、ほんとおいしいね」
莉嘉「闇を照らす一筋の輝く光、みたいな味がする!」キリッ
武内P「………」
莉嘉「どうどう? 今の蘭子ちゃんっぽくない?」
武内P「そうですね……方向性は、似ているかと」
莉嘉「でしょ? アタシねー、今チューニ病の勉強してるんだ」
武内P「勉強を、ですか」
莉嘉「せっかく今、中二なんだし、やってみようと思って」
莉嘉「蘭子ちゃんにいろいろ教えてもらってる途中」
莉嘉「アタシの考えた必殺技はね、えっと……ちょっと待って。今メモ見るから」ガサゴソ
莉嘉「あったあった! スーパーダークメテオファイヤーだ! どうかな? アタシ的にはまあまあいいと思うんだけど」
武内P「ええ。なかなか強そうな技だと思います」
莉嘉「でしょー? これでアタシも立派なチューニ病だね☆」
武内P(……何かが根本的に違うような)
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:52:23.65 ID:MeudqSlI0
莉嘉「お姉ちゃんね、最近またお仕事増えてるみたいなんだ。アタシも負けないようにしなきゃ」
武内P「大学へ進学されて、以前よりも大人としての魅力が増したように感じられます」
莉嘉「だよね☆ でもお姉ちゃん、時々JKのころに戻りたーいって言ってるよ」
武内P「そうなのですか?」
莉嘉「そうなのですっ」
莉嘉「『カリスマJKアイドルという単語の響きは、二度と帰って来ないんだよねー』って、一ヶ月に一回は言ってると思う」
莉嘉「カリスマJDアイドルじゃダメなのかな?」
武内P「おそらく、彼女なりのこだわりがあったのだと思います」
莉嘉「ふーん、そうなのかな」
莉嘉「でも、過ぎたことをずーっと気にしててもしかたないよね☆」
莉嘉「JKのままでいつまでもいるなんて、できっこないんだから」
武内P「そうですね」
菜々「へくちっ」
菜々「うー、最近冷えてきましたねー」
ベテトレ「安部ー、聞いてるかー」
菜々「は、はいっ!」
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:54:22.05 ID:MeudqSlI0
莉嘉「ねえPくん、アタシはどう? 前と比べて、セクシーになった?」
武内P「はい。城ヶ崎さんと出会ったのは去年のことですが、着実に魅力的になっていると思います」
莉嘉「えへへー、照れちゃうなー☆」
莉嘉「アタシまだまだ成長期だから、これからどんどんおっきくなっていく予定だし♪」
莉嘉「いつかお姉ちゃんよりもナイスバディーになっちゃうかも!」フフーン
武内P「あなたはこれから、身体も心も様々な成長を経験する時期です」
武内P「変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、それらを糧にしていければ、必ず城ヶ崎さんにとってプラスになるでしょう」
莉嘉「……変化、かあ」
武内P「……なにか、心当たりが?」
莉嘉「実は、そうだったりして」
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:57:06.52 ID:MeudqSlI0
莉嘉「最近、クラスの男子の態度がよそよそしくなってきたっていうか」
莉嘉「昔は普通に肩叩かれたりしてたんだけど、今は遠慮するようになった気がするんだよねー」
武内P「それは……ある意味、当然かと」
武内P「中学生というのは、多感な時期です。子どもから大人へと、徐々に変わっていく……性別の違いも、はっきりとしてくる頃です」
莉嘉「そんなものなのかなぁ」
莉嘉「仲良くしてくれる子もいるんだけど、そういう子の態度も、なんか中学入ったころとは変わってきた感じでさー」
莉嘉「夏休みに一緒にカブトムシ捕まえに行った時も、ミョーに遠慮してたし」
莉嘉「なんていうか……メンドーなんだね。なーんにも考えずに一緒にいられる時期は終わっちゃったのかな」
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 18:59:16.06 ID:MeudqSlI0
武内P「それが、男女の違いというものです」
武内P「ですが、違いがあるからこそ、新たに生まれるものもあるのだと思います」
莉嘉「それって?」
武内P「それは……今後の人生で、城ヶ崎さん自身が見つけることになるでしょう」
莉嘉「えー、なにそれ? アタシは今知りたいんだってばー!」
武内P「そう言われましても。自分も、言葉で説明するのは難しいので……」
莉嘉「むー……」ムスッ
武内P「申し訳ありません」
莉嘉「………」ムムム
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 19:01:31.62 ID:MeudqSlI0
莉嘉「じゃあ、ひとつだけ約束っ」
武内P「約束、ですか」
莉嘉「うん」
莉嘉「他の男の子の態度が変わっていっちゃうのは、しょうがないけど……」
莉嘉「せめて、Pくんだけは変わんないでよね☆」ニカッ
莉嘉「じゃないと食べちゃうぞ☆ がおー☆」
武内P「………」
武内P「……わかりました。約束します」
莉嘉「うむ、ならばよしっ♪」
莉嘉「じゃあ指切りしよ! 指切り」
武内P「はい」
莉嘉「ゆーびきりげーんまん、うそつーいたら――」
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 19:04:05.23 ID:MeudqSlI0
莉嘉「ところで、ちょっと聞きたいんだけど」
武内P「なんでしょう」
莉嘉「さっきの話。Pくんは、アタシがお姉ちゃんよりナイスバディーになる可能性、どのくらいだと思う?」
武内P「どのくらい………」ウーム
武内P「すみません。自分はそういったことには詳しくないので、なんとも」
莉嘉「もう、そーいう理屈っぽいことじゃないの!」
莉嘉「Pくんは、アタシとお姉ちゃんのどっちの味方かってこと!」
武内P「それは、もちろん城ヶ崎さんですが」
莉嘉「どっちも城ヶ崎なんですけどー」プクー
武内P「ですから、あなたのほうです」
莉嘉「そっかそっか。ならいいけど」
莉嘉「でも、前からずーーーっと思ってたんだけど……『城ヶ崎さん』じゃ紛らわしいよね」
武内P「おふたりが一緒にいる時は、下の名前で呼ばせていただいていますが」
莉嘉「そういう時だけ名前で呼ばれるとこっちがびっくりするの!」
武内P「はあ……」
16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 19:06:21.77 ID:MeudqSlI0
莉嘉「なので! もういっそ普段から下の名前で呼べばいいと思いまーす☆」
武内P「下の名前で、ですか? それは」
莉嘉「というわけで、はい復唱! 莉嘉ちゃん!」
武内P「……莉嘉さん」
莉嘉「ぶっぶー! 莉嘉ちゃん、です!」
武内P「すみません……さすがに『ちゃん』は少し呼びづらさがあります」
莉嘉「もー、しょうがないなあPくんは」
莉嘉「いいよ。それなら『莉嘉さん』で許したげる♪」
武内P「そうしていただけると、助かります」
莉嘉「ねえねえ、ちょっとアタシの名前呼んでみてよ」
武内P「莉嘉さん」
莉嘉「えへへー☆」ニコニコ
莉嘉「もっかい!」
武内P「……莉嘉さん」
莉嘉「えへへー☆」ニコニコ
莉嘉「もっかい――」
19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 19:10:07.80 ID:MeudqSlI0
後日
蘭子「ぷ、プロデューサー……」
武内P「神崎さん。おはようございます」
蘭子「うむ、煩わしい太陽ね(おはようございます)」
蘭子「時に……そろそろアナタに、我が真名を呼ぶ権利を与えようと思っているのだけれど」
武内P「真名ですか……?」
蘭子「うん、うん」ドキドキ
武内P(真名とは、いったいどれのことだろう……)
蘭子「………」ワクワク
武内P「……ブリュンヒルデ、のことでしょうか」
蘭子「……え?」
蘭子「………」プップクプー
蘭子「紅蓮の炎に焼かれよ!(ばかばか! もぉしらない!)」ダダダーッ
武内P「か、神崎さん? ……行ってしまった」
武内P(機嫌を損ねてしまったようだが……あれが真名ではなかったのか)
凛「鈍感」
武内P「渋谷さん……おはようございます」
凛「おはようございます」
21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 19:12:32.12 ID:MeudqSlI0
武内P「それで、鈍感というのは」
凛「プロデューサー、最近莉嘉のこと名前で呼んでるでしょ」
武内P「はい。本人が、お姉さんのほうと混同するとのことでしたので」
凛「まあ、理由はどうでもいいんだけど……要は、それと同じことを蘭子にもしてあげればいいだけだよ」
武内P「というと……下の名前で呼ぶということですか」
凛「うん」
武内P「ですが、なぜ」
凛「ほら、わかったらとっとと行く! 蘭子、見失っちゃうよ」
武内P「は、はい」
凛「……まったく」ハァ
奈緒「りーん、なにしてるんだー」
加蓮「早く来ないと置いてっちゃうよー」
凛「あ、うん。今行く」
凛(がんばれ、プロデューサー)
22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/02/12(金) 19:17:23.48 ID:MeudqSlI0
数日後
蘭子「煩わしい太陽ね!」
武内P「おはようございます。蘭子さん」
蘭子「うむ!」←ご満悦
凛「……よかった。なんとかなったみたいだね」
みく「Pチャンおはようにゃ」
李衣菜「おはようございまーす」
美波「おはようございます、プロデューサーさん」
武内P「おはようございます。前川さん、多田さん、美波さん」
みく「今日は寒いにゃあ」
美波「そろそろ冬だからね」
凛「………」
凛「あれ?」
おしまい