1:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 02:50:26.10 ID:tFrk36EGO
智絵里「今度DJの仕事をすることにもなったし……」
智絵里「たまには、こう……クールでロックな感じにいきたいなあ」
智絵里「でも、どうやったらいいのかな……?」
智絵里「ひとりで考えていても仕方ないし、誰かに相談してみよう」
3:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 02:53:58.93 ID:tFrk36EGO
美穂「かっこよく、かあ」
智絵里「なにかいい案、ないかな?」
美穂「私も、クールとかロックとかはよくわからないし……」
美穂「あ、そうだ。とりあえず、今までに『かっこいい』って言われた時のことを思い出してみればいいんじゃないかな」
美穂「どういう時に言われたかを研究すれば、どんな感じにすればかっこよく見えるのか、わかるかも」
智絵里「なるほど……確かに、そうだね」
智絵里「ちょっと思い出してみようかな。えっと……」ホワンホワン
美穂「私も。えっと……」ホワンホワン
4:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 02:55:38.80 ID:tFrk36EGO
P『智絵里はかわいい顔をしているな』
P『美穂は熊のぬいぐるみを抱いて寝るのか。かわいいな』
P『うさみみの智絵里もかわいいなあ』
P『美穂は魔女のコスプレしてもかわいいなあ』
P『智絵里はかわいいなあ!』
P『美穂はかわいいなあ!!』
P『智絵里はかわいいなあ!!!』
P『美穂はかわいいなあ!!!!』
智絵里「………」カアァ
美穂「うぅ……褒めすぎですよぉ」カアァ
智絵里「か、かわいいと言われたことしか思い出せなかった……」
美穂「私も……あ、あはは」
6:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 02:59:25.16 ID:tFrk36EGO
夏樹「なにしてるんだ? ふたりで顔赤くして」
美穂「あ、夏樹さん」
智絵里「えっと。実は、クールでロックになれる方法を探していて……」
夏樹「ロック?」
智絵里「夏樹さん。何かいい考え、ありませんか?」
美穂「夏樹さんならきっと――」
ぽん
夏樹「智絵里も美穂も、もう立派に心にロックを飼ってるぜ」(シンデレラガールズ劇場参照)
智絵里「ほぇ?」
夏樹「アタシが今さら言うことなんてひとつもない。オマエらならできる!」
美穂「はぇ?」
夏樹「そのまま突き進め!」b
すたすたすた……
智絵里「………」
美穂「行っちゃったね……」
智絵里「自分で考えろってことなのかなぁ」
7:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:02:50.15 ID:tFrk36EGO
智絵里「うーん……とりあえず、わたしなりにクールな演技をしてみるね」
智絵里「見て、感想くれるかな」
美穂「うん、わかった。どうぞっ」
智絵里「では……こほんっ」
智絵里「やあ、美穂ちゃん。今日もかわいいね」キラーン
智絵里「君の美しさは……そう、えっと……たとえるなら、空に輝く太陽」
智絵里「ぼ、僕は、えと……君のその笑顔を、えとえと、守るナイト……」
智絵里「は、はずかしい……」
美穂「(必死に背伸びしてる姿がかわいいとしか言えない……)」
8:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:06:03.79 ID:tFrk36EGO
美穂「そんなに芝居がかった感じじゃなくて、もっと自然にやればいいんじゃないかな」
智絵里「だって、自然にしたらいつもと変わらないし……」
美穂「ああ、そっか。うーん」
卯月「どうしたんですか? ふたりとも、暗い顔をして」
智絵里「卯月ちゃん」
美穂「実は――」
卯月「ふむふむ。クールでロック、かぁ」
美穂「卯月ちゃんは、なにかいい考えある?」
卯月「そうだなあ。私達、ピンキー『キュート』だし……衣装も、カワイイ系が大半だから」
卯月「ここは、他にクールでロックな人を探して、その人に聞いてみましょう」
智絵里「やっぱり、それが一番かな」
9:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:08:07.16 ID:tFrk36EGO
美穂「近くにいるクールでロックな人は……」
李衣菜「………」チラチラ
智絵里「クールで、ロック……」
李衣菜「………」チラチラ
卯月「……あっ! いました!」
李衣菜「!」
卯月「凛ちゃーん! ちょっとこっちに来てくださーい!」
凛「ん?」
李衣菜「ずこっ!」
11:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:11:35.43 ID:tFrk36EGO
李衣菜「ふん、いいよいいよ。どーせ私は未熟なロッカーですよーだ」
李衣菜「外野にもキュートだのパッションだの言われてるし……」
智絵里「あ、李衣菜ちゃん」
李衣菜「え?」
智絵里「ちょっと、クールでロックな振る舞い方について考えてるんだけど……よかったら、アドバイスくれないかな」
李衣菜「え、えっ? 私でいいの?」
智絵里「うん。だって、この前のフォー・ピースのライブ、すっごくかっこよかったから」
智絵里「クールでロックなアイドルだったもん」ニコニコ
李衣菜「………」
李衣菜「て、天使だ……」
智絵里「え?」
李衣菜「なつきち、天使ってこんなにかわいいもんなんだね……」ホロリ
智絵里「だ、だからかわいいじゃだめなんだってば」ワタワタ
12:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:16:20.70 ID:tFrk36EGO
卯月「というわけで、お願いします。先生っ」
李衣菜「よっしゃー! はりきっていくよー!」
凛「いきなり呼ばれて先生扱いされても……私、そんなにクールだっけ」
美穂「クールだよ」
智絵里「クールだよ」
凛「そこまではっきり言われるか……」
智絵里「普段、なにか意識していることとかないの?」
凛「ない」
智絵里「じゃあ、ライブ中は?」
凛「ん………全力で歌って、踊って、最後は笑顔」
美穂「それは、私達もやってることだよね」
卯月「凛ちゃんは、本当に自然体でクールなんですね」
卯月「かっこいいです!」
凛「なんかよくわからないけど、褒められてる?」
14:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:20:09.79 ID:tFrk36EGO
美穂「李衣菜ちゃんは? ライブ中、意識してることとかある?」
李衣菜「もちろん! クールでロックだからね!」
李衣菜「こう、がーっとやって! だーっとやるっ! そうしたらロックな感じでイケる!」
美穂「………??」
智絵里「あの、もう一回お願いできるかな」
李衣菜「だから、がーっとやって! どかーんといく!」
智絵里「さっきと変わってない?」
凛「あ、でもそんな感じだよね」
李衣菜「だよね! ばーっとやるのが大事だよね」
凛「うん。確かに」ウンウン
美穂「つ、通じてる……!」
卯月「クール同士にしか理解できないものがあるんでしょうか?」
15:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:23:56.06 ID:tFrk36EGO
凛「じゃあ、頑張ってね」
李衣菜「ロックにいくんだよっ!」
智絵里「ありがとう、ふたりとも」
卯月「他の人の意見も聞いてみましょうか」
美穂「そうだね」
智絵里「えっと、近くにいるかっこいい人は……」キョロキョロ
蘭子「じーー」キラキラ
智絵里「………」
蘭子「じーー」フンス!
智絵里「蘭子ちゃん、ちょっと聞きたいことが」
蘭子「ククク、私の力を魅せる時が来たようね!」
美穂「(声かけられるの、待ってたのかな……あはは)」
16:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:26:36.43 ID:tFrk36EGO
レナ「おはよう」ガチャ
智絵里「闇に飲まれよ!」バッ
卯月「闇に飲まれよっ!」バッ
レナ「………」
レナ「……なにかのゲーム?」
美穂「やみのまっ!」シュバッ!
蘭子「おおっ! この短時間で簡易術式まで会得するとは……さすがは同郷の同胞よ!」
美穂「えへへ、それほどでも」
レナ「簡易術式なんて存在したのね」
17:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:29:51.61 ID:tFrk36EGO
レナ「へえ、なるほど」
レナ「つまり、たまにはかっこいいと言われたいのね」
智絵里「はい。でも、なかなかうまくいかなくて」
智絵里「どうしたら、レナさんみたいにかっこよくなれるんでしょうか」
レナ「……ふふ」
智絵里「?」
レナ「私みたいに、っていうのはともかくとして……智絵里ちゃんは、もう十分かっこいいところを持っていると思うわよ」
智絵里「え……そんな、わたしなんて」
レナ「あら。私の言うこと、信じられない?」
智絵里「えっと。そういうわけじゃ、ないですけど……その」
レナ「うふふ、ごめんごめん。意地悪な言い方しちゃった」
レナ「なら、そうね……ひとつ、賭けをしない?」
智絵里「賭け、ですか?」
18:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:32:44.82 ID:tFrk36EGO
レナ「ええ。あなた、この後レッスンでしょ?」
レナ「終わったら、Pさんに感想を聞いてみなさい。私の姿、どう見えましたかって」
レナ「彼には、見学に行くように言っておくから」
レナ「で。私はそこで、彼が『かっこよかった』と言うほうに賭けるわ」
智絵里「………?」
レナ「外したら、ジュースでも奢ってあげる」フフッ
智絵里「そんな簡単に、わたしがかっこいいと言ってもらえるとは……」
レナ「ま、見てなさいって」
レナ「私、勝負勘には自信あるんだから!」
19:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:36:56.12 ID:tFrk36EGO
そして――
ベテトレ「よし! 今日のレッスンはここまで!」
智絵里「ありがとうございましたっ」
P「おつかれ、智絵里」
智絵里「あ、Pさん。見ていてくれたんですね」
P「ああ」
智絵里「……えっと。わたし、どう見えました?」
P「ん? かっこよかったけど」
智絵里「そ、そうですか。かっこよく……」
智絵里「はぇ?」
P「?」
智絵里「あ、あの。レナさんに、何か言われました?」
P「レナさん? 智絵里のレッスンを見てあげて、とは言われたけど」
智絵里「それだけですか?」
P「うん」
20:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:40:46.74 ID:tFrk36EGO
智絵里「………」ポカン
P「どうしたんだ?」
智絵里「えと……わたしの、どこがかっこよかったのかなって」
P「どこが、か」
P「智絵里、本気でレッスン頑張ってただろう? トレーナーさんの言うことをしっかり聞いて、トレーナーさんの動きをひとつも見逃すまいと目で追っていた」
P「そうやって真剣に、熱心に取り組んでいる姿は、誰だってかっこいいさ」
智絵里「……クールで、ロック?」
P「ん? ああ、クールだし、ロックだと思うぞ」
智絵里「………」
P「智絵里?」
智絵里「なんていうか……その」
智絵里「意外と近くに、答えがあったんですね。えへへ」
21:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:43:41.31 ID:tFrk36EGO
P「なるほど。そんなことがあったのか」
P「確かに、ライブが終わった時も、『よくやった』とか『輝いていたぞ』とかばっかり言って、『かっこいい』とは言ってあげられてなかったかもしれないな。ごめん」
智絵里「ということは、ライブの時も?」
P「かっこいいと思っていた。さっきも言ったけど、本気で何かにぶつかっている人間はそう見えるものだから」
智絵里「……そう、なんですね」
P「確かに、凛とかに比べればクールな部分は見えにくいかもしれない」
P「でも、智絵里にもちゃんとあるんだよ。普段は見つけづらいかもしれないけど、しっかり眠っているんだ」
P「レナさんも、普段はクールだけどキュートな部分もしっかりある。それと同じだな」
智絵里「ふふ、そうですね」
22:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:47:50.41 ID:tFrk36EGO
智絵里「ありがとうございます、Pさん。わたし、どうすればいいのか、わかってきた気がします」
P「そうか。じゃあ、頑張れよ」
智絵里「はいっ。次のDJのお仕事は、クールに決めちゃいます」
智絵里「期待、していてくださいっ!」b
智絵里「……今のは、ちょっとかっこよく決めたつもりなんですけど。えへへ」
智絵里「どうでした?」
P「………」
P「かっこ……かわ……かっこかわいい」
智絵里「どっちですか?」
おしまい
23:◆C2VTzcV58A:2016/03/10(木) 03:51:12.52 ID:tFrk36EGO
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
バラエティ方面だったりDJだったり、最近の智絵里は精力的に活躍の場を広げていてかっこいい。そしてかわいい
過去作もよかったらどうぞ
モバP「やんでれちえりん」
モバP「つんでれちえりん」
緒方智絵里「働きたくない」 双葉杏「ど、どうしよう……」
久し振りにまともな智絵里書いた気がする
26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/03/10(木) 07:59:52.62 ID:pAM/5qHEO
乙
ちえりんかわいいよ
27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/03/10(木) 08:45:11.96 ID:9p2aPlj5O
ちえりんおつ