1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:03:58.33 ID:E91erbSpo
P「加蓮、入るぞー」コンコン
加蓮「どうぞー」
P「どうだ、感想……は……」
加蓮「うん、思ったより重くない。やっぱり女の子の憧れだからね、嬉しいよ」
P「……」
加蓮「ねぇPさん、似合ってるかな?」
P「……」
加蓮「……どうしたの?」
P「あ……あぁそうだな。ほら早く撮影に行くぞ」
加蓮「う、うん」
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:05:40.80 ID:E91erbSpo
――
加蓮「お疲れ様でしたー」
P「お疲れ、加蓮」
加蓮「Pさんもお疲れ様。ちゃんと出来てた?」
P「あぁ……それより早く着替えた方がいいんじゃないか。疲れるだろ」
加蓮「そ、そうだね。結構暑いもんね……」
P「俺はちょっとスタッフさんらと話があるから、また後でな」
加蓮「あ……」
加蓮(着替える前に写真撮ってもらいたかったのに……)
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:06:20.02 ID:E91erbSpo
「それじゃ、外しますねー」
加蓮「すいません、その前に携帯で写真撮ってもらってもいいですか? 記念に取っておきたくて」
加蓮「そこのテーブルの上に置いてあります」
「はい、お借りします」
カシャ
「これでいいですか?」
加蓮「ありがとうございました」
加蓮(Pさん……どうしちゃったんだろ)
加蓮(もっとよく、私の事を見て欲しかったのにな)
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:07:07.18 ID:E91erbSpo
――
加蓮「Pさんお待たせ」
P「……じゃ、帰るぞ。直帰で送っていくから」
加蓮「う、うん……」
加蓮「……」
P「……」
加蓮「……あの、Pさん」
P「何だ?」
加蓮「その、私何かミスしちゃったかな……」
P「いや、別に」
P「今日は疲れたろ、着いたら起こすから寝ていいぞ」
加蓮「……うん」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:08:02.10 ID:E91erbSpo
――
加蓮「Pさんに嫌われた」
凛「ないない」
加蓮「……真面目に聞いてよ……」
加蓮「この間のジューンブライドの仕事から、目を合わせてくれなくなったんだよ?」
加蓮「なんか返事も素っ気ないし、あんまり会話してくれないし……」
凛「仕事でなにかやらかした?」
加蓮「してない、と思うけど……」
凛「まぁ大丈夫でしょ。あの加蓮溺愛プロデューサーだし」
凛「大ポカやらかさない限りは怒ったりはしないよ」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:08:45.24 ID:E91erbSpo
加蓮「でも、だって……」
凛「気のせい。あるいは風邪気味とかでテンション低いだけじゃないかな」
加蓮「うぅ……そんな感じには見えなかったのに……」
凛「プロデューサーは結構意地っ張りだからね。風邪の事を加蓮に教えたところで治る訳でもなし」
凛「心配かけないように、言わないでいるとか」
加蓮「それはそうだけど……」
凛「じゃ、私仕事だから。プロデューサーも一緒だし話を聞いてみるからさ」
加蓮「ごめん、お願い……」
凛「……加蓮」
凛「断言するよ。Pさんは加蓮を嫌いになったりしない」
凛「だから変な気を起こさないで、ね」
加蓮「あ、凛!」
加蓮「その、今日のことはPさんには絶対言わないで、ね!」
凛「……うん、分かった。それじゃ」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:09:29.93 ID:E91erbSpo
――
P「そうか……加蓮がそんなことを」
凛「ユニット活動に支障をきたしたら、プロデューサーのせいだからね」
P「俺だって、頑張ってるんだよ……」
凛「まぁ不器用なりに頑張ってるのは分かるよ」
P「凛……」
凛「……とでも言うと思った? しっかりしてよ」
凛「加蓮が可愛過ぎて直視出来ない、だなんて……小学生じゃあるまいし」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:10:25.70 ID:E91erbSpo
P「はい……すみません」
凛「すみませんじゃない。結果を出して」
P「どうやって結果を出すんだよこれ……」
凛「ちゃんと話す。以上」
P「無理です」
凛「今までそれなりに出来てたでしょ」
P「あのウェディングドレス姿を見たらそんなこと言えなくなる。あれはちょっと威力があり過ぎた」
凛「見たよ。写メが送られてきたから。ほらこれ」スッ
P「ぐぁ……これは眩し過ぎる……」
凛「ちゃんと見てよ……」
P「い、いやだ、私は見ないぞっ」
凛「首から上だけでいいから、見て」
P「……はい」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:11:32.80 ID:E91erbSpo
凛「どう?」
P「や、やっぱり花嫁衣装を思い出して……」
凛「違う。顔を見てよ」
P「…………あれ」
凛「大好きな加蓮の事だから当然分かるよね?」
P「加蓮……全然嬉しそうじゃない」
凛「笑みを顔に貼り付けただけだよね、コレ。全然心が込められてない」
凛「何でこうなるのか分かる?」
P「……も、もしかして婚期が遅れるから、本当はこの仕事が嫌だったとか……!」
P「衣装が不満だったとか……まさか、体調が悪かった……!?」
凛「……馬鹿」
P「な、なんで……?」
凛「自分で考えなよ、馬鹿プロデューサー」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:12:53.43 ID:E91erbSpo
――
加蓮「……ってことがあって」
奈緒「ふーん……Pさんに嫌われた、ねぇ」
奈緒「ないない」
加蓮「奈緒も、凛と同じリアクションするんだ……」
奈緒「さらに言うなら、ちひろさんに聞いても同じリアクションだろうな」
加蓮「……そ」
奈緒「アタシはさ……」
加蓮「何」
奈緒「……うん、やっぱないない。Pさんに限ってそれはないと思う」
加蓮「……そうだね。Pさんと私は、ただのビジネスパートナーだもんね」
加蓮「好きでも嫌いでもない。お金の関係なんだから」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:14:05.68 ID:E91erbSpo
奈緒「オイコラ、その言い方は最悪だぞ」
加蓮「本当のことじゃん……この距離感がアイドルとしての正しいあり方なんだよ……」
奈緒(ちくしょう、言ってしまいたい……)
加蓮「……私一人で舞い上がっちゃってさ……馬鹿だなぁ」
加蓮「あんな素敵なドレスを着られて……」
奈緒「あぁ、写メ見た。良い『衣装』だったな」
加蓮「……? なんでそこを強調……」
奈緒「良いのは衣装だけだったからだよ。凛もすぐ気付いた」
加蓮「そっか……そうだったんだね」
加蓮「奈緒、その画像消して。メールも削除して」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:15:28.17 ID:E91erbSpo
奈緒「い、いきなり何言い出すんだよ」
加蓮「似合って、ないんでしょ……? 凛もそう思ってるんだよね……?」
奈緒「はぁ!? な、何でそうなるんだよ」
加蓮「私にドレスが似合ってなくて、仕事の評判が良くなかったからだ……きっとそう」
奈緒「あ、あのな……加蓮、ちょっと休もうか」
加蓮「いいよ……私これからレッスンだし」
奈緒「……」
加蓮「……ごめんね、奈緒」
奈緒「なんで謝るんだよ、加蓮のどこに悪いトコがあるってんだ」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/12(水) 22:16:32.50 ID:E91erbSpo
加蓮「私ね、本当は凄くショックだったんだ」
加蓮「家に帰ってから思い出しちゃって泣いたよ。久しぶりに」
加蓮「一番見てもらいたかった人に見てもらえなくて……」
加蓮「しかもその原因が自分にしかないから、人に当たることも出来ないし、さ」
奈緒「それは違うっての。何で自分を責めるんだよ」
奈緒「どうしちゃったんだ。何か凄く変だぞ、今の加蓮」
奈緒「加蓮はそんな後ろ向きな人間じゃないだろ……」
奈緒「ほ、ほら、Pさんに直接聞いてみなよ。きっと答えてくれるはずだ」
加蓮「……仕事はしっかりする。奈緒と凛には、迷惑掛けないから」
加蓮「話、聞いてくれてありがとね。レッスンに行ってくるよ」
奈緒「あ…………くそっ、あの馬鹿2人は……!」
加蓮「奈緒っ」
奈緒「な、なんだ?」
加蓮「今の話、Pさんには内緒ね?」
加蓮「……約束、だよ?」
26: ◆59S2mzVfHc:2013/06/15(土) 00:09:35.44 ID:H0s6CDZfo
――
凛「ただいま」
加蓮「……おかえり」
凛「プロデューサーと話したんだけど」
加蓮「ごめん、凛……」
凛「……何が?」
加蓮「もう、いいよ。今日のことは忘れて」
凛「……嫌われた、ってヤツ?」
加蓮「……ん」
凛「私と話した後、何かあったんだね」
加蓮「凛さ、送った写メ持ってる? それ、消してよ」
凛「お断り」
加蓮「私浮かれちゃってたんだ。だから無かったことにしたいんだけど」
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:11:14.27 ID:H0s6CDZfo
凛「奈緒にそれ言ったの?」
加蓮「言ったよ。奈緒も消してくれなかったなぁ……」
加蓮「正直に答えて欲しいんだけどね。私のドレス姿、似合ってたと思う?」
凛「90点。撮影者が違えば100点だっただろうけど」
加蓮「……私は、似合ってないと思った」
凛「似合ってるよ」
加蓮「似合ってないっ」
凛「……加蓮、今色々考えてるよね」
凛「プロデューサーと話をしなよ。それで全部解決すると思うんだけど」
加蓮「無理だよ……朝言ったけど、私Pさんに嫌われちゃってるから……」
凛「私も朝言ったけど、それは絶対に無い」
凛「プロデューサーと話をしたんだけど、間違いない」
凛「……私を信じて」
加蓮「……」
凛「加蓮っ」
加蓮「…………分かったよ」
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:12:54.50 ID:H0s6CDZfo
――
奈緒「なぁPさん」
P「んー?」
奈緒「この間の加蓮のさ……」
P「!?」ビクンッ
奈緒「な、なんだよ」
P「いや? なんでも?」
奈緒「はぁ……ジューンブライドの仕事。サンプルってもう出来てんの?」
P「あぁ、加蓮のページだけな」
奈緒「早っ、もうあんのか……」
奈緒(……しっかり表紙飾ってら……インタビュー記事まで……)パラッ
奈緒(……いつもの加蓮だけど、内心は……)
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:14:39.39 ID:H0s6CDZfo
奈緒「ほら」
P「もういいのか?」
奈緒「発売されてから見るよ。抜け駆けは良くないし」
P「そうか……」
奈緒「ツッコまない、のな」
P「……え、どこかツッコむとこあったのか?」
奈緒「なぁPさん。改めて聞きたいんだけどさ」
P「なんだその改めて、ってのは」
奈緒「この加蓮の花嫁姿、どう思う?」
P「……」
奈緒「アタシは別に変なこと聞いてるんじゃない」
奈緒「プロデューサーなんだ、アイドルの仕事を評価するぐらいいつもやってることだろ」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:16:07.58 ID:H0s6CDZfo
P「……撮影風景は良い意味で素人臭さがあった」
P「ブライダル雑誌なんだから、それで正しかったな。読者目線を考えるとあれで良い」
P「あぁ、素人臭いと言ってもモデルとしてちゃんとプロの仕事をしたよ」
P「上手く言えないが、年相応の……」
奈緒「アタシはそんなことを聞いてるんじゃない」
P「仕事の評価、って言ったのは奈緒だろ……」
奈緒「うっせ。聞きたいのは、Pさんは……この女の子をどう思ったかってことだよ」
P「……綺麗だと思ったよ。滅茶苦茶、な」
奈緒「それを加蓮には?」
P「言ってない」
奈緒「何でだ?」
P「……」
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:17:48.97 ID:H0s6CDZfo
奈緒「わっかんないな。Pさんが加蓮を好きな事ぐらい知ってるよ」
奈緒「今更何やってんだか」
P「あれは、何というか口が滑ったっていうか……」
奈緒(その場に加蓮が居なかったのは、良かったって言うべきなのか?)
P「アイドルとプロデューサーだぞ」
P「『良い仕事をした』『ここは直せ』、それだけでいいじゃないか」
奈緒「頑固者」
P「おま……」
奈緒「黙ってればバレないだろ。実際アイドルに手出したプロデューサーだって世の中に0じゃないんだし」
P「……奈緒、お前な」
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:19:27.06 ID:H0s6CDZfo
奈緒「いや……違うな。そういうことを言いたいんじゃない」
奈緒「……好きなんだから、言えばいいってことだよ」
奈緒「はっきり言うけど、まどろっこしい」
P「……じゃあ俺もはっきり言う」
P「加蓮は今、アイドル活動に真剣に取り組んでる。楽しいとも言っていたよ」
P「トップアイドルになるのが夢だってさ。凛と奈緒と一緒に」
P「そして、その場にプロデューサーとして俺が居るって事も」
P「全部は聞いてない。でも加蓮は、少なくとも俺をプロデューサーとしては認めてくれてる」
P「手を出したらどうなる? もしバレたら加蓮は勿論、俺も終わり。凛と奈緒も危うくなる」
P「加蓮の事は……好きだけど、言わない。アイツの夢と約束を、守らなきゃいけないんだ」
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:20:59.14 ID:H0s6CDZfo
P「俺は……」
奈緒「……」
P「……はは、ごめんごめん。この話はここまでにしよう」
P「混乱させるような事を言って悪かったな。忘れてくれ」
奈緒「……そんな、ことない……」
P「いいんだよ」
P「ビジネスパートナーなんだ。お互い、過度な干渉は無いのが当たり前」
P「さ、今日はもう予定入ってないだろ。暗くならない内に帰るんだぞ」
奈緒「……うん」
P「なんなら送ってやろうか? 泣きながらだと危ないぞー」
奈緒「う、うっせ。平気だっての!」
P「……くそっ」
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:22:14.86 ID:H0s6CDZfo
――
P「……はぁ」
ちひろ「随分景気が悪そうで」
P「ちひろさん……聞いてたんですか」
ちひろ「当たり前です。狭い事務所なんですから」
P「ちひろさんは、どう思いますか? 今回の件」
ちひろ「別に事務所の外に持ち出しさえしなければ、そうそうバレるものではありませんけどね」
ちひろ「……過去に1人、外に持ち出した例外中の例外が居たみたいですけど」
P「まぁ確かに……」
ちひろ「どう思うか、と聞かれても正直馬鹿馬鹿しくて何も言う気にならないと言いますか」
ちひろ「ちょっと茶番過ぎて」
ちひろ「逆に何を躊躇ってるんですか、って聞き返したいくらいです」
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:23:53.80 ID:H0s6CDZfo
P「さっきの話、聞いてたんじゃないんですか?」
ちひろ「聞いた上で、です」
ちひろ「あんなこと言うなら、最初から男性アイドルをプロデュースすれば良かったんじゃないですかね」
P「……」
ちひろ「はい、言いたい事終わりです。さ、仕事の続きをしましょうか」
P「はは……はっきり言いますねちひろさんも」
ちひろ「これでも控えてます」
P「……そうですか」
ちひろ「はい♪」
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/15(土) 00:26:46.26 ID:H0s6CDZfo
――
P「……」
ちひろ「調子は、如何ですか?」
P「別に。いつもと変わりませんよ」
ちひろ「そうですかね……顔色悪いですけど」
ちひろ「いつもなら真っ先に心配してくれる子からのアクションが、何もないんですが……?」
P「……」
ちひろ「……じゃあ、お仕事頑張ってくださいね」
P「……そろそろ行くぞ、加蓮」
加蓮「あ……」
凛「加蓮、分かってるよね」
加蓮「……うん」
44: ◆59S2mzVfHc:2013/06/16(日) 16:25:19.22 ID:+dYuEaaqo
――
加蓮「……」
P「……」
加蓮「あの、Pさん……話があるんだけど」
P「なんだ?」
加蓮「……私、何かしちゃったのかな」
P「いや、何も……」
加蓮「前からこんなだったかな……私達って」
P「距離が、近過ぎたんだよ」
加蓮「Pさん……」
P「……アイドルとプロデューサーだろ」
P「再認識だ」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:26:51.15 ID:+dYuEaaqo
P「加蓮のここ最近の人気はすごい。いつ週刊誌に撮られてもおかしくないんだ」
P「今まで運が良かっただけなんだよ」
P「……仕事仲間、なんだから仲が良いに越したことはないけどな」
P「必要以上は、無しにしよう。加蓮」
加蓮「……うん」
P「…………ありがとう」
加蓮「っ……この後、レッスンだからさ、直接送っていってくれる?」
P「あぁ、把握してるよ」
P「仕事終わりだからな。寝てていいぞ」
加蓮「……そう、するよ」
加蓮「……ごめんね」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:28:10.22 ID:+dYuEaaqo
――
[レッスン場]
凛「……ふーん、加蓮が、ね」
奈緒「ごめん。アタシ、何を言えばいいか分からなくなって」
凛「いいよ、多分私もそうなってたかも」
奈緒「加蓮、今日はどうだった?」
凛「大分参ってそう。プロデューサーと話をしろ、とは言っておいたんだけど」
奈緒「無理してんな……アイツ」
凛「どう、しようか」
奈緒「……浮かんでこない……」
奈緒「だってさ、加蓮の夢、加蓮の約束、だぞ」
奈緒「Pさんの言ってることも、分かるっていうか……」
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:29:53.29 ID:+dYuEaaqo
凛「私は、二人をくっ付けるかどうかはともかく、ちゃんと元には戻ってほしいな」
凛「だって……」
奈緒「だって?」
凛「……なんていうか、楽しくないから、かな」
凛「今のテンション最悪な私達3人がライブをやるのは、ファンに失礼だよね」
奈緒「……そうだな。そんなんじゃトップアイドルにはなれないから、加蓮の夢を壊すことになる」
凛「プロデューサーの『夢を守る』って言い分が通って、私達のが通らないのはちょっとね」
奈緒「納得、いかないよな」
奈緒「それにPさんもさ、無理してるんだよ。多分だけど」
奈緒「Pさんはさ……普段は結構ふざけてるっていうか、さ」
奈緒「アタシをよくイジったりしてたのにな。最近それが無くて」
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:31:04.16 ID:+dYuEaaqo
凛「私もそれは思った。仕事の話ばっかりしてるよ」
奈緒「……よし。Pさんも今の状況を良く思っていない」
奈緒「つかPさんはまだ気づいてないのか? 加蓮の写真のこと」
凛「みたいだね。もう言っちゃおうか。出来れば自分で気付いてほしかったけど」
加蓮「何を?」
奈緒「か、加蓮!? いつから……!」
加蓮「いや、今仕事から戻ったばっかりだけど……」
凛「そうなんだ。ちょっと休憩してからにする?」
加蓮「ううん、プロデューサーに車で送ってもらったんだ。その間寝てたから大丈夫だよ」
凛「……加蓮」
奈緒「今……『プロデューサー』って……」
加蓮「……うん。改めて、線引きし直そうって思って」
加蓮「呼び方から、変えてみる」
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:32:21.49 ID:+dYuEaaqo
奈緒「待てよ加蓮……そんなの、駄目に決まってる!」
加蓮「ちょ、いきなりどうしたの奈緒?」
凛「……事務所出てから、プロデューサーと何があったの?」
加蓮「何か、ってなに?」
奈緒「なんでもいいんだよ! 何かあっただろ!?」
加蓮「……別に。だってただの仕事仲間なんだからさ」
奈緒「加蓮……」
加蓮「ふふっ、2人共変なの」
加蓮「ま、そんな訳だから体調は万全。レッスンはばっちり頑張れるよ」
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:33:49.83 ID:+dYuEaaqo
凛「……待って」
加蓮「なに?」
凛「私の言った事を覚えてないの?」
加蓮「……話はしたよ。ちゃんと」
凛「何の話を? 答えて」
加蓮「あは、仕事の話だよ」
凛「……改めて線引きって言ったよね? じゃあ前はどんな状況にあったの?」
加蓮「プロデューサーとの距離が大分近いようだった」
加蓮「アイドルとプロデューサーなのにこんなのおかしいよね。だから『改めて線引き』」
加蓮「さて、トレーナーさんが来る前に先にストレッチ、やっとこ?」
凛「ちょ、加蓮……!」
加蓮「よーし。今日もレッスン頑張っちゃうよ」
加蓮「2人とも、私より先にへばったりしないでよねっ。ふふっ♪」
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:36:08.51 ID:+dYuEaaqo
――
トレーナー「それじゃ、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした!」
奈緒(加蓮の事が気になって全然集中出来なかった……!)
奈緒(その点凛はさすがだな……)
加蓮「ん~……終わったか~……!」ノビー
凛「さっきの話の続きがしたいんだけど」
加蓮「さすがに私疲れてるんだけどなー……」
凛「……」
加蓮「……分かったよ」
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:37:14.80 ID:+dYuEaaqo
加蓮「それで?」
凛「それで、じゃない。このまま諦めるの?」
加蓮「だからさ、諦めるも何もこれが普通なの。凛と奈緒も気を付けなよ」
奈緒「何でそんな平然としてるんだよ……」
奈緒「あんなにPさんの事、好きだって言ってたじゃないか……」
加蓮「……やめて」
奈緒「……お前」
加蓮「お願い……それは、言わないで……」
凛「…………で、どこが改めて線引きなの? 結局何が前と変わったの?」
加蓮「……私だって、急過ぎて分かんないよ……」
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:39:04.87 ID:+dYuEaaqo
凛「急って、何が」
加蓮「……」
凛「加蓮は今でもプロデューサーが好きなの。そこは何も変わってない」
加蓮「……」
凛「変に意地張ってさ、何も諦められてないクセにすっぱり諦めたようなフリして」
凛「迷惑。何なのコレ。ふざけないでよ加蓮」
奈緒「ちょ、ちょっと凛言い過ぎ……!」
加蓮「……わたし、は……」
凛「……」
加蓮「……」
凛「私戻る。奈緒、後は好きにしといて」スッ
奈緒「お、お前まさか……!」
凛「ちょっとあの馬鹿の所に行ってくる。じゃ」バタン
奈緒「あっ……」
加蓮「……」
奈緒(あーもうクソッ、どいつもこいつも……)
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:40:39.59 ID:+dYuEaaqo
――
奈緒「……加蓮」
加蓮「……もう、やだ……」
奈緒「んー……」
奈緒「アタシも嫌だよ。こんな加蓮見たくない」
奈緒「でも加蓮とPさんがそう望んでいるなら、我慢しようと思うんだ」
加蓮「……」
奈緒「なぁ加蓮」
奈緒「好きって気持ち、忘れたい?」
奈緒「Pさんと一緒に歩いてきたアイドルの仕事、無かったことにしたいって願うか?」
加蓮「……そんなの、やだよ……!」
奈緒(やだ、って……)
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:42:00.42 ID:+dYuEaaqo
加蓮「ぐすっ、P、さんがね? 距離を置こうって、言ったの」
加蓮「アイドル、とっ、プロデューサーだからって……」
加蓮「でも、言ってることわかる、から、うんって」
奈緒「……そっか」
加蓮「そしたらPさん、ありがとうって……言ったんだ」
奈緒「辛いな、それは」
加蓮「嫌……嫌なの……! そんなの、要らない……!」
奈緒「……あのな」
奈緒「Pさんはな、加蓮を傷付けたくてこんな事をしたんじゃないんだよ」
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 16:44:19.03 ID:+dYuEaaqo
奈緒「ただ、こうやって改めて加蓮と話をしなきゃって思うくらいに、加蓮と過ごす時間が大切な物になってるんだ」
奈緒「Pさんが、仕事に対してどれだけ馬鹿正直か知ってるだろ?」
加蓮「……」
奈緒「加蓮と、プロデュース業。どっちもあの人の中で一杯一杯なんだ」
奈緒「Pさんも悩んでた」
奈緒「……ごめん、もう言っちゃうな」
奈緒「ウェディングドレス、Pさんが『似合ってた』ってさ」
奈緒「あの日からPさんは、加蓮の事を意識し始めちゃったんだよ」
加蓮「……!」
奈緒「加蓮も落ち着いたら、な。もう一回Pさんと話をしよう」
奈緒「Pさんに先にその話をされて、自分からは何も伝えてないんだろ?」
加蓮「……ん」コクン
奈緒「ほら、顔拭け。涙と鼻水で汚いんだよ」
加蓮「そ、そんなになってないし」ゴシゴシ
奈緒「はいはい」
奈緒(加蓮はまだ何とかなりそうか……コイツらどうしてここまで拗れちゃったんだか……)
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:21:24.62 ID:+dYuEaaqo
――
凛「……」
奈緒「ただいま戻りましたー」ガチャ
凛「!?」バッ
凛「なんだ、奈緒か……」
奈緒「なんだとはなんだ。Pさんは……あぁ、外なんだな」
凛「そうだよ……まったく間が悪いんだから」
加蓮「……凛」
凛「何」
加蓮「色々ありがとね、それにごめん」
凛「…………こっちこそ、ごめん。言い過ぎた」
奈緒「どーよ。すっきりした顔してるだろ、加蓮」
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:22:30.29 ID:+dYuEaaqo
加蓮「奈緒のお陰でね」
奈緒「つってもまだこれからだけどな」
凛「そうだね、あの馬鹿をどうするか」
加蓮「りーん。馬鹿馬鹿言わないで貰えるかな?」
凛「……はいはい」
加蓮「……ごめん、巻き込んどいて」
加蓮「私にPさんと話をさせてくれる?」
凛「今度は大丈夫なんだよね? 正直言って私はその場に立ち合いたいくらいなんだけど」
加蓮「うん、大丈夫だよ」
凛「……分かった」
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:25:56.58 ID:+dYuEaaqo
――
P「……戻りました」ガチャ
加蓮「……あの、Pさん」
P「何だ」
加蓮「っ……は、話があるの」
P「今ここで済ませられないか」
加蓮「無理、だよ……」ジワッ
P「……分かったよ。ちょっと待ってろ」
加蓮「う、うんっ」
奈緒「あー……あれはキツいな」
凛「プロデューサーもかなり変だね」
奈緒「つーか無理してる気あり過ぎなんだよ……何であそこまで意地を張るかな」
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:29:47.95 ID:+dYuEaaqo
P「で、話ってのは」
加蓮「……」
P「加蓮、言うことが無いなら俺は戻るぞ」
加蓮「あ……朝の話、無かったことにして欲しいなって……」
P「朝の話?」
加蓮「その、Pさんとの距離が近いって……」
P「じゃあ何かスキャンダルでもあったらどうするつもりだ?」
加蓮「ぅ……」
P「当然引退だろ。埋まったスケジュールが真っ白だ。関係者全員が大損害」
P「俺は……」
加蓮「……」
P「それだけは、したくない」
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:32:41.91 ID:+dYuEaaqo
加蓮「……」
P「……分かってくれ、加蓮」
加蓮「私、何でPさんがそんな顔するのか分かんないよ……」
加蓮「何で、そんなに辛そうなの……?」
P「別にそんなこと、ないけど」
加蓮「……私は、すごく辛い……」
加蓮「泣きそうだよ……? 今すぐPさんに泣きついて、駄々をこねちゃいそう……」
加蓮「そんなのいやだ、って。もっとPさんに近付きたい、って」
P「加蓮、それは……」
加蓮「ごめん……私、全然大人じゃないから」
加蓮「貴方が、好きなの。担当プロデューサーのPさんの事が」
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:36:13.56 ID:+dYuEaaqo
P「加、蓮……」
加蓮「アイドルの仕事、楽しいよ? もちろん続けたい」
加蓮「Pさんが『仕事取ってきたぞ』って言ってくれる度に、今度はどんなことがあるんだろう、ってわくわくしてる」
加蓮「Pさんが私を色んな世界に連れて行ってくれるの、楽しかったんだ」
加蓮「仕事の度、1つずつ残していける物があったからさ」
P「あぁ……出逢った時に見たお前の濁った目、どうやって輝かせてやろうか色々考えた」
加蓮「うん。結果として大成功だね。お陰で私の人生変わっちゃったよ」
加蓮「残りの一生、示してくれて、一緒に歩いてくれて、ついてきてくれる人に逢えたの」
加蓮「私……『北条加蓮』の人生も、アイドルの仕事も、どっちも捨てたくない」
加蓮「どっちも欲しいの」
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:37:58.21 ID:+dYuEaaqo
P「……」
加蓮「ごめんね、子供で……」
P「っ……」
加蓮「え、うそっ、ちょ、何で泣いてるの……!?」
P「……うるさい……」
加蓮「ごめ…………いや、やっぱ黙らない」
加蓮「何で泣いてるのさ……?」
P「俺も、全然大人じゃないから……」
P「お前が好きなんだよ……担当アイドルの、北条加蓮が」
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:39:20.93 ID:+dYuEaaqo
加蓮「……はっ」
加蓮「ちょっと、この場面でふざけないでよ」
P「ふざけてない……誰がこの場面でふざけるんだ」
加蓮(マジで泣いてる……? この人……)
加蓮「ほ、本気なの?」
P「……お前こそ。ただ年上の男性に……」
加蓮「本気に決まってるでしょ! 好きだよPさ……ん、が……」
P「俺だって好きだよ……」
加蓮「……あは」
加蓮「何それ訳分かんないよ……私達、両想いだったの?」
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:42:21.73 ID:+dYuEaaqo
P「らしい、ぞ。加蓮、俺が何も言わなかったらどこまで俺に迫ってたんだ?」
加蓮「……別に何も。だって今回の事が無かったら……私Pさんの事をもっと好きにならなかったし」
P「俺も、アイドルに手を出す気は最初っからなかったよ。お前には一目惚れしてたんだけどな」
P「こんなトコでも両想いなんだな。俺達は」
加蓮「やっぱり好きだよ、Pさんの事。付き合えたら思いっきり迫りたいな」
P「気持ちは嬉しい。けど付き合えない……お前の事は好きだけどさ」
加蓮「うん……私も、Pさんの気持ちは嬉しいけど付き合えないよ」
P「くくっ」
加蓮「あははっ」
凛「ねぇ奈緒。怖いんだけど」
奈緒「何笑ってんだアイツら……」
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:45:15.02 ID:+dYuEaaqo
加蓮「そっかー私フラれちゃったかー」
P「トップアイドル、なるんだろ。俺なんかと付き合ってる場合か」
加蓮「そっちこそ毎日激務に追われてるクセに、女に手出してる暇無いよ」
加蓮「フラれたからって仕事に身が入らないー、とかは止めてよ?」
P「仕事といえばもう6月も半分過ぎたな」
加蓮「どうしたの突然。話題の変更が早過ぎるよ」
P「加蓮に1つ、やって貰いたい仕事があってな」
加蓮「仕事? もちろん良いよ、何の仕事?」
P「モデル。ウェディングドレス着て、な」
加蓮「へ、また? 大丈夫なの?」
P「同じトコのだよ。お前をえらく気に入ってくれたみたいでな」
P「俺にも、もう一回チャンスをくれ」
加蓮「Pさん……」
P「あの時言えなかったこと、言うチャンスを」
加蓮「……うんっ、受けるよ。その仕事」
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:47:51.84 ID:+dYuEaaqo
――
P「よし、じゃあ早速打ち合わせに行ってくる」
加蓮「うん、行ってらっしゃい。あそこまで言っといて仕事取れませんでしたーってのは無しだよ」
P「任せろ!」
加蓮「……ふふっ」
凛「加蓮、おめでと」
奈緒「良かった……良かったよホント……」
奈緒「どうしてさっさとくっ付かないかなって思ってた……」
加蓮「いや、くっ付いてないけどさ」
奈緒「は?」
加蓮「え、くっ付く流れなの?」
凛「いやあの……両想いなんだよね? ちょっと盗み聞きさせて貰ったんだけど」
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:50:47.76 ID:+dYuEaaqo
奈緒「うふふあははって笑ってたじゃん。付き合う事になったんだろ?」
加蓮「まっさか。ないない」
凛「……」
奈緒「……」
加蓮「あ、あははー……トップアイドル、目指すんだから。まだそっちには力入れられないっていうかさ」
加蓮「手を繋ぐ相手は、もうちょっと凛と奈緒だなーって」
凛「それは、仕方なく私達で我慢って事?」ジリジリ
奈緒「ちょっと黙ってられないよ、加蓮」ジリジリ
加蓮「へ、あの、2人とも……? 目が据わってますよ……?」
凛「加蓮に、今回の事でどれだけ迷惑掛けられたと思ってるの!?」
奈緒「そうだそうだ! なんだよ意味分かんないすれ違いしてんじゃねぇ! とっととくっ付いとけよ!」
加蓮「……ち、っひ」
ちひろ「助けませんよ。今回の件で迷惑を被ったのは私も同じです」
加蓮「……!」
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:52:36.99 ID:+dYuEaaqo
――
P「加蓮、入るぞー」コンコン
加蓮「どうぞー」
奈緒「おっすPさん」
凛「遅いよ」
P「……なんでお前らが居る」
凛「居ちゃ悪い?」
奈緒「ほらほら凛、あんま邪魔しちゃ悪いから……」
凛「……そだね」
凛「それじゃ加蓮、また後でね」
加蓮「うん、ありがと」
奈緒「しくじんなよー」
加蓮「あんまりプレッシャー掛けないで……」
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:54:35.31 ID:+dYuEaaqo
P「ったくアイツらは……」
加蓮「……ふふっ。ねぇPさん、似合ってるかな?」
P「似合ってる。綺麗だよ、加蓮」
加蓮「あれ、照れなくなったね。結局2回目の仕事の時もあんまり喋ってくれなかったのにさ」
P「さすがに慣れた。あれからもう5年だぞ」
加蓮「短かったね、5年……」
P「俺にとっては長過ぎたけどな」
P「アイドルはもう満足か?」
加蓮「まぁまだやってたいけどね。夫持ちのアイドルはさすがに需要0だよ」
加蓮「……後悔はしてないよ。アイドル生活楽しかった。大満足」
P「そうか……じゃ、そろそろ行くか」
加蓮「取材も来てるんだよね」
P「あぁ。これで、最後だ」
加蓮「……Pさん、私の事好き? ドレス、似合ってる?」
P「好きだよ。加蓮は、綺麗だ」
加蓮「ふふっ、やる気出たっ」
加蓮「じゃあ、最後に最高の笑顔をお茶の間に流してもらおっかな」
加蓮「……貴方の育てたアイドルの、一番綺麗な笑顔を、ねっ」
おわり
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:58:39.88 ID:UboYeeyDo
おっつおっつばっちし
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/17(月) 00:37:38.71 ID:xTw8Bq0uo
乙でした
すごく良かった
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/16(日) 21:57:48.77 ID:QkQypoij0
おつおつ
転載元
加蓮「Pさんに嫌われた……」凛「ないない」
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