【モバマスSS】渋谷凛「何してるの?」

1:2014/03/08(土) 20:59:36.94 :TvOaOW1R0

モバマスSSです

3:2014/03/08(土) 21:01:22.63 :TvOaOW1R0

――――

前川みく「よしよしハナコチャン、今日もいい天気だにゃ~」ナデナデ

ワンッワンッ

渋谷凛「何してるの、みく?」

みく「おおっ、凛チャン!おっはにゃあ☆」

凛「うん。おはよう、みく。それで、何してるの?」

みく「ハナコチャンと遊んでるんだにゃ!」

凛「見たら分かるよ。どうしたの?」

みく「いやぁ~、今日はお気に入りの猫カフェに行こうと思ったんだけどね?」

みく「なんと!今日はお休みだったのにゃぁ……」

みく「それで、凛チャンの家に遊びに来たのにゃ!はぁ~、ハナコチャンは癒されるにゃぁ~」ギュッ

凛「そうだったんだ」

5:2014/03/08(土) 21:03:27.36 :TvOaOW1R0

凛「じゃあ、これ持って」

みく「ん?リード、かにゃ?」

凛「うん。今から行こうと思ってたけど……ハナコの散歩、みくに任せるよ」

みく「にゃにゃぁ~っ!?」

凛「ほら、私も行くから。ね?」

みく「うにゃぁ~……みくは猫派なのに……」

凛「ハナコは特別なの?」

みく「もちろん!こんなに懐いてくれるのはハナコチャンだけにゃあ!」

凛「ならなおさらだよ。ほら、犬の散歩なんて初めてでしょ?」

みく「そ、それは……そうだけど」

凛「はい、決まり。ほらほら」

みく「にゃぁ~っ!今日の凛チャンはゴーインにゃあ~!!」

6:2014/03/08(土) 21:05:01.65 :TvOaOW1R0

凛「なら、ハナコに聞こっか」

凛「ねぇハナコ、今日は私とみく、どっちがいいの?」

ワンッワンッ

凛「ほら、ハナコもみくがいいって言ってるよ?」

みく「にゃ、にゃんと……!」

凛「猫カフェに行こうとしてたんだし、この後暇でしょ?」

みく「うぅ……わ、わかったにゃ!ハナコチャン、一緒に行くにゃ!」

ワンッワンッ

みく「にゃぁっ?!は、ハナコチャン!早すぎるにゃあ!!」グイグイッ

凛「ふふっ……待ってよハナコ」

みく「凛チャンっ、みくのことも心配してにゃあ~っ!!」

7:2014/03/08(土) 21:06:10.81 :TvOaOW1R0

――――

高垣楓「あっ……上手くできました……♪」

ガチャッ

凛「おはようございます」

凛「……何してるの、楓さん?」

楓「あら、凛ちゃんおはよう。お茶でもいかがですか?」

凛「うん、ありがとう……あ、茶柱だ」

楓「やっと茶柱、出たんですよ」

凛「そうなんだ……よかったの?」

楓「?」

凛「せっかくの茶柱なのに」

楓「いいんですよ。気にしないでください」

8:2014/03/08(土) 21:07:43.97 :TvOaOW1R0

楓「せっかくの茶柱だから、です」

楓「だって、めったに出ることがないんだから、茶柱が立ったら幸せでしょう?」

楓「ですから、幸せのおすそ分けです」

凛「……そっか。ありがとう、楓さん」

楓「それでなんですけど、凛ちゃん。今とーっても喉が渇いてたりしませんか?」

凛「?」

楓「茶柱を立てるのに夢中になりすぎちゃいまして……ほら」

凛「わっ、こんなにお茶淹れてたの?」

楓「はい、やり過ぎちゃいました。私ってば、おっちょこちょいですね……ふふっ」

9:2014/03/08(土) 21:09:25.17 :TvOaOW1R0

楓「でも大変だったんですよ?私左利きですから、急須が逆になっちゃいますし」

凛「そうだね……って、どうするの、このお茶?」

楓「……事務所に来たみんなに配っちゃいましょうか」

楓「あ、茶柱のお茶はみんなには内緒ですよ?凛ちゃんだけ、特別です」

凛「うん……じゃあ、いただきます」

凛「なんだか、ほっとするね」

楓「暖かいお茶ですから、ホットしますよ……ふふふ」

凛「……ふふっ」クスッ

楓「あっ、今の凛ちゃんとっても可愛かったです!もう一回、もう一回!」

凛「……嫌です」フイッ

楓「むー……」

10:2014/03/08(土) 21:10:54.43 :TvOaOW1R0

――――

多田李衣菜「♪~♪~~」ブンブン

ガチャッ

凛「お疲れ様……」

凛「何してるの、李衣菜?」

李衣菜「おおっ、凛ちゃんいいところに!」

李衣菜「この曲すっごく格好いいんだけど……ほら、凛ちゃんも聞いてみてよ!」

凛「うん、ヘッドホン借りるね」

凛「へぇ……凄く格好いいね。なんてアーティストなの?」

李衣菜「……えっと、なんだっけ……」

李衣菜「あ、忘れた訳じゃないよ?ちょっと思い出せないだけ……」

凛「それって、忘れてない?」

11:2014/03/08(土) 21:12:32.91 :TvOaOW1R0

凛「曲のデータから、アーティストの名前見れなかったっけ?」

李衣菜「はっ!そうだったね。えーっと……そうそう、これだよ」ポチポチ

凛「あ、このアーティスト聞いたことある。確かCMの曲とかやってたはず」

李衣菜「でしょ?私もそれで知ったから、いくつかストアからダウンロードしてみたんだ!」

凛「へぇー……いいね、このギターソロが好きだな」

李衣菜「うんうん、分かってるね凛ちゃん!」

凛「……そういえば、李衣菜はギター、弾けるようになったの?」

李衣菜「へっ?あ、うん、弾けるように、なったよ?」ポリポリ

凛「そうなんだ。私もベース、最近練習しててさ」

12:2014/03/08(土) 21:13:26.54 :TvOaOW1R0

李衣菜「それって、CDデビューの時の?」

凛「うん。あの時は持ってるだけだったけど、ちょっとずつ練習してるんだ」

凛「元々楽器にも興味があったし、弾けたら格好いいなって思ってさ」

李衣菜「そ、そうだねー……」

凛「いつかライブでセッションとかもあるかなって思ったんだけど……今度プロデューサーに聞いてみよっか」

凛「あ、こんな時間だ。またね、李衣菜」

李衣菜「うん。またね、凛ちゃん」

バタンッ

李衣菜「……あれ、一人で練習してるの、誰も知らないはず……だよね?」

李衣菜「なつきちにも秘密にしてたんだけど……うーん、凛ちゃんは鋭いなぁ」

李衣菜「……負けてられないね、帰ったらまた練習しようっと!」

13:2014/03/08(土) 21:14:33.80 :TvOaOW1R0

――――

パシャッ

高森藍子「……♪」

凛「何してるの、藍子?」

藍子「あ、凛ちゃん!一枚撮ってもいいですか?」

凛「う、うん……いいけど」

藍子「では……はい、チーズ♪」

パシャッ

凛「えっと、それで……何してるの?」

藍子「これですか?事務所の写真を撮ってるんです!」

藍子「見慣れた風景ですけど、今日の事務所は今日しか撮れませんからね」

14:2014/03/08(土) 21:16:30.67 :TvOaOW1R0

凛「そんなに、すぐ変わっちゃうの?」

藍子「みんなが持ってきたものが置いてあったり、机が整理されてたりしてるんですよ」

藍子「だからいつ撮っても、同じ写真はないんです」

凛「あ、確かに……みんな、何でもかんでも持ってくるもんね」

凛「ねえ藍子、事務所の写真見てもいい?」

藍子「もちろんです♪はい、どうぞっ!」

凛「へぇ……アルバムにまとめてるんだね」

藍子「ええ、見たいって思った時に、すぐに見れますから」

藍子「それに……データで見るよりも温かみがあるような気がしませんか?」

凛「……うん。なんだか、分かるかも」

15:2014/03/08(土) 21:17:43.70 :TvOaOW1R0

凛「へぇ……いっぱい撮ってるんだね」ペラッ

藍子「あ、凛ちゃんが写ってる写真もありますよ?確かこの辺りに……ありました」ペラッ

凛「えっ……い、いつ撮ったの、これ?」

藍子「私が事務所に来てすぐかな……ふふっ、凛ちゃんはまだ表情が固いですね」

凛「そ、そうかな?」

藍子「だって、最近の凛ちゃんはもっといい笑顔してますよ?」

藍子「昔はちょっとだけ、怖い人かなって思いましたけど……ほら、さっきの写真見てください」

藍子「ねっ?」

凛「うぅ……は、恥ずかしいからやめてよ」

藍子「それだけ、凛ちゃんも変わったんですよ」

16:2014/03/08(土) 21:19:21.99 :TvOaOW1R0

――――

神崎蘭子「ククク……これぞ我が力を開放せし呪具か……!」

凛「何してるの、蘭子?」

蘭子「む、蒼き歌姫か!フッ……魂の共鳴を感じる……」

凛「え、どうしたの?」

蘭子「我を生みせし火の国より捧げられた、禁断の呪具よ!」

凛「へぇ、格好いいアクセサリーだね。蘭子のお母さんから?」

蘭子「如何にも!然れば我が友、歌姫にも力を授けん!」

凛「貰っていいの?」

蘭子「これほどの呪具、我が手中に持て余すは愚策よ」

蘭子「我が手には、この漆黒の十字さえあれば良し」

凛「うん、やっぱり蘭子には黒が似合うよ」

17:2014/03/08(土) 21:22:21.51 :TvOaOW1R0

凛「でも、こんなにいっぱい……あ、これとか私に似合いそうかな」

蘭子「ククク……それは其方が手にすると、火の国からの文に予言されていたわ」

凛「もしかして、蘭子のお母さんがこれを選んでくれたの?」

蘭子「母なる大地の予言は絶対なり」

凛「そうなんだ……これは卯月に似合いそう。こっちは未央かな?」

蘭子「ほう……流石は歌姫ね」

凛「蘭子のお母さん、私達の事も見てくれてるんだね」

蘭子「……最近、家に帰っても凛ちゃんや他のみんなのことばっかりで、ちょっと淋しいですけどね」

凛「……そんなことないよ。ちゃんと蘭子のこと、見ててくれてるんじゃない?」

凛「多分、蘭子がみんなと仲良くしてるのが嬉しいんじゃないかな」

18:2014/03/08(土) 21:24:14.52 :TvOaOW1R0

凛「お母さんからの手紙、持ってる?」

蘭子「……よ、予言はどこに……あ、あった」

凛「ごめんね蘭子、ちょっと見せて」

凛「えっと……ほら、これ。『我が魔王にも心開けし戦友が増え、我が心は獄炎の都が如く脈動するばかり』って」

蘭子「……そこまで、読んでなかった」

凛「今度、蘭子のお母さんに伝えてあげて。みんな蘭子と仲良しだってさ」

蘭子「うぅ……凛ちゃぁん……!!」

凛「あー、ほら、泣かないの」

蘭子「な、泣いてないですよ!」

凛「はいはい、落ち着いた?」

蘭子「大丈夫ですってば!」

20:2014/03/08(土) 21:25:18.69 :TvOaOW1R0

――――

アナスタシア「カクダート ザブノー……えっと、むかしむかし、あるところに……?」

凛「何してるの、アーニャ?」

アーニャ「あ、リン。お疲れさま、です」

凛「うん、お疲れ様。それは絵本?」

アーニャ「はい。プロデューサーが日本語の練習に、って」

凛「えっと……流石に絵本は酷いんじゃないかな……?」

アーニャ「あ、違いますよ?文字はちゃんと、読めます」

アーニャ「今度、ビブリオチェーカ……えっと、図書館で、読み聞かせするそうです」

凛「ああ、そうなんだ」

アーニャ「本を読んで聞いてもらうのもいい、って言われました」

凛「うん、確かにそうかも」

21:2014/03/08(土) 21:26:20.11 :TvOaOW1R0

アーニャ「でも……あまり自信、ないです」

凛「そうかな?アーニャは日本語、上手だと思うけど」

アーニャ「日本語、文字は読めます。でも、ロシア語の発音、先に来ます」

アーニャ「だから、全部日本語で読むの、難しいです……」

凛「そうなんだ……」

アーニャ「だから、プラークティカ。練習です」

凛「偉いね、アーニャ」

アーニャ「そうだ、リン。聞いてください」

凛「私が?」

アーニャ「ダー。これも練習、です」

22:2014/03/08(土) 21:27:21.66 :TvOaOW1R0

アーニャ「ゾールシュカ……あ、シンデレラ、です」

凛(最初から不安だなぁ……)

アーニャ「むかしむかし、あるところに……可愛くて、優しい女の子、いました」

アーニャ「でも……女の子のお母さんとお姉さん、ニェドープリィ……えっと、意地悪?でした」

アーニャ「ある日、お城の王子様から、ターニェツ……えっと、ダンス……?あの、リン、これは」

凛「それは舞踏会だよ……アーニャ、ちょっと貸して?」

凛「……シンデレラは王子様と結婚して、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし……って、なんで私が」

アーニャ「ハラショー……リン、さすがです……!!」

凛「……ま、いっか。アーニャ、これで大丈夫?」

アーニャ「ダー。リンのおかげで、分かりました。読み聞かせ、頑張りますね」

アーニャ「……スパシーバ、リン」

23:2014/03/08(土) 21:28:39.94 :TvOaOW1R0

――――

本田未央「むっ……!」ジーッ

未央「むむむっ……!!」ジーッ

凛「……何してるの、未央?」

未央「おおっ、しぶりんいいところに!」

未央「この二つの服さ、どっちがいいと思う?」

凛「えっと……とりあえずお店入ろうよ。ウィンドウだけ見て悩むよりいいと思うんだけど」

未央「で、しぶりんはどっちがいい?」

凛「どっちがいいって……うーん」

凛(未央が着る服だよね?だったらこっちかな)

凛「こっちの明るいオレンジとかいいんじゃない?」

24:2014/03/08(土) 21:29:57.65 :TvOaOW1R0

未央「ええっ、しぶりんはそっち!?」

未央「ふむー……でも案外似合うかもねっ」

凛「えっ?」

未央「えっ、どしたのしぶりん?」

凛「待って待って、未央が着る服じゃないの?」

未央「いやいや、しぶりんが着る服……あっ!」

未央「……誰のとかは置いといて、とにかくしぶりんの好みを聞きたいなーって」ピュー

凛「未央、口笛吹けてないよ……」

未央「い、いやー……ばれちゃったか。ごめんしまむー」

凛「卯月もなの?ねえ、どういうこと?」

未央「あ、あはは……これはね、ホワイトデーのお返しなんだ」

25:2014/03/08(土) 21:31:38.24 :TvOaOW1R0

凛「お返しって……そんな高いの、貰えないよ。大したものもあげてないのに」

未央「ううん、しぶりんに貰ってほしいんだ」

未央「……しぶりんがいなかったら、さ。ニュージェネレーションもなかったのかなって」

凛「そう、かな」

未央「うん。だってさ、私達の中だったらいつも、しぶりんが最初に走ってったじゃない」

未央「だから、私やしまむーも、頑張ってしぶりんを追い越そう!って、頑張れたのかもなーってさ」

未央「……だから、私やしまむーからのプレゼントってことで!しぶりんお願い!」

凛「そっか。わかった」

未央「……っ!やったっ!」

未央「じゃあ、こっちの明るいオレンジかなー」

凛「えっ、そ、それにするの!?」

未央「えー?だって、しぶりんが選んだんじゃん!」

26:2014/03/08(土) 21:32:43.98 :TvOaOW1R0

――――

北条加蓮「♪~~」

凛「……何してるの、加蓮?」

加蓮「んー?次の髪型はどうしようかなーって思ってさ」

凛「……自分ので試してよ」

加蓮「まあまあ、それより見てよこれ。ツインテール凛ちゃん!」バァーン

凛「ねぇ、恥ずかしいんだけど」

加蓮「とりあえず写メってPさんに送ろっか」

凛「ちょ、なんでプロデューサーに送るの!?」

加蓮「いいからいいから。はいチーズ」カシャッ

凛「加蓮!お、怒るよ!!」

27:2014/03/08(土) 21:34:04.40 :TvOaOW1R0

凛「……で、なんでまだいじってるの?」

加蓮「次は何が似合うかなーって」

凛「それ、最初の目的忘れてない?」

加蓮「ううん、忘れてないよ?」

凛「次の髪型はどうしようって……あ、まさか」

加蓮「そう!次の凛の髪型、どうしようかなって!」

凛「……はぁ」

加蓮「せっかく凛はこんなにいい髪してるんだから、もっと色々やってみようよ」

28:2014/03/08(土) 21:35:09.87 :TvOaOW1R0

凛「私は別に……このままでいいと思うんだけど」

加蓮「だからほら、こうやって結んでみたりしようよ」

加蓮「Pさん喜ぶかもよ?」

凛「ぷ、プロデューサーは関係ないでしょ!」

凛「……そういえば加蓮、最近ずっと同じ髪型だよね?プロデューサーに何か言われたの?」

加蓮「えっ!?そ、そんなことないよ?」

凛「ほら、加蓮だって」

加蓮「あ……」

凛「……ふふっ」クスッ

加蓮「あははっ」クスクス

凛「今度、奈緒と三人で同じ髪型にしてみよっか」

加蓮「それいいね、面白そう」

29:2014/03/08(土) 21:37:11.95 :TvOaOW1R0

――――

神谷奈緒「ああっ、ついに最終巻……!!」ガタッ

凛「何してるの、奈緒?」

奈緒「あ、凛!見ろよこれ!」

凛「それ、この前奈緒が貸してくれた漫画?」

奈緒「そうそう!ついに最終巻出たんだよ!あー、待ち遠しかった……!」

凛「へぇー……」

奈緒「あれ、凛はどこまで読んだんだ?」

凛「まだ三巻までかな」

奈緒「なんだよー……早く読んでよ、ネタバレできないじゃん」

凛「いいでしょ、読むの遅いんだし」

奈緒「ほら、もっと読んで読んで!」

凛「もう……どうしたの、奈緒?」

30:2014/03/08(土) 21:38:15.70 :TvOaOW1R0

奈緒「だってさ……周りじゃ誰も知らない漫画だったから」

奈緒「ほら、みんなにももっと知ってほしいなって……」

凛「誰も知らないの?」

奈緒「うん。比奈さんあたり知ってるかと思ったら、誰も知らないってさ」

奈緒「だから凛に貸したんだけど」

凛「……えっ?」

奈緒「うん。凛が最初」

凛「そうなんだ……なんで私なの?」

奈緒「んー……だって、凛ってあんまり漫画とか読まないだろ?」

凛「確かにそうだね」

奈緒「だから、かな」

31:2014/03/08(土) 21:40:22.58 :TvOaOW1R0

奈緒「凛って、あんまりアニメとかも見ないだろ?」

凛「うん。よく見るのは歌番組とかだし」

奈緒「あんまりそういう雑誌とかも読まないみたいだからさ」

奈緒「だから、みんなと話すきっかけになったらなって思ったんだけど……」

凛「……その割には、誰も知らない漫画を推すんだね」

奈緒「い、いいだろ!?あたしのお気に入りの漫画なんだし……」

凛「メイドさんがご主人様のために戦ってる漫画が?」ニヤニヤ

奈緒「や、やめろってば!もう、凛!!」

凛「……ありがとね、奈緒」

奈緒「お、おう……あ、凛知ってる?これ、カバーを外すとさ」

凛「……あっ、ここにも漫画描いてあるんだ……ふふっ、面白いね」

32:2014/03/08(土) 21:42:36.97 :TvOaOW1R0

――――

島村卯月「これでよし、ですっ!準備完了!」

凛「何してるの、卯月?」

卯月「あ、凛ちゃん!何って、見ての通りお掃除だよ!」

凛「……確かに、ちょっと物で溢れかえってきたもんね」

卯月「だから、今日という今日は綺麗にしないと!」

凛「うん。私も手伝うよ」

卯月「……でも、不思議だよね」

凛「何が?」

卯月「こうして見てると、同じ風景の事務所って、ないんだなーって」

凛「……それ、前に藍子も言ってた」

卯月「藍子ちゃんもですか?」

33:2014/03/08(土) 21:44:20.87 :TvOaOW1R0

卯月「いつも誰かが何か持ってきますし、プロデューサーさんはすぐ散らかしますから」

凛「うん……ほら、すぐ書類で机埋め尽くしちゃうもんね」

卯月「だから、今日は凛ちゃんと一緒にお掃除だよっ!」

凛「これで、かなり綺麗になったんじゃない?」

卯月「そうだね……あとはプロデューサーさんの机かな」

凛「……でも、書類は流石に触っちゃ駄目だよね」

卯月「うん……じゃあちょっとだけ片付けちゃおう」

凛「……触っちゃ駄目って言ったよね?下手に弄ったらプロデューサー怒るんじゃない?」

卯月「大丈夫、絶対大丈夫だよ!」

凛「……もう、卯月ったら」

34:2014/03/08(土) 21:45:33.10 :TvOaOW1R0

卯月「えっと、こうやって……あ」

凛「どうしたの、卯月?」

卯月「ほら、この写真」

凛「……これ、事務所に入った時の私達だよね」

卯月「私に凛ちゃんに未央ちゃん、プロデューサーさん……うん、あの時の写真だよ」

凛「懐かしいな……あの頃は本当に、事務所も殺風景だったよね」

卯月「うん。あの頃から見たら、事務所も変わったのかもしれないけど」

卯月「こうして変わらないものも、あるのかなって思うんだ」

凛「……そうだね」

凛「ねえ、卯月。私と卯月と未央、ニュージェネレーションはずっと、何があっても一緒だよ」

卯月「ふふっ、どうしたの凛ちゃん?」

卯月「……うん。ずっと友達で、ライバルで……仲間だからね」

35:2014/03/08(土) 21:48:08.38 :TvOaOW1R0

――――

凛「……何してるの、プロデューサー?」

P「ん、なんだ凛か。休憩中だよ、座ってばっかじゃ疲れるからな」

凛「お仕事終わりそう?」

P「まだ全然。どうする?先に帰るか?」

凛「ううん、終わるの待つよ」

P「そうか。しばらく掛かるし、のんびり待っててくれ」

凛「わかった」

凛「プロデューサー、コーヒー淹れたけど飲む?」

P「おお、助かる。ありがとな」

凛「ううん、いいよ。お仕事頑張ってね」

36:2014/03/08(土) 21:50:36.07 :TvOaOW1R0

P「よし、やっと終わった……!」

凛「本当?お疲れ様、プロデューサー」

P「ごめんな、残業に付き合わせて」

凛「いいよ、私が言い出したんだし」

P「……そうか」

凛「ねえ、プロデューサー。あの時の写真、大事に飾ってるんだね」

P「ん?あの時?」

凛「アイドルが私達しかいなかった時の写真」

P「ああ、あれか」

P「なんて言うか……記念だからな。あれからこの事務所が始まったんだし」

37:2014/03/08(土) 21:51:45.09 :TvOaOW1R0

凛「プロデューサーはさ、私がその頃から変わったように見える?」

P「ん……難しいな。変わっているし、変わっていないところもある」

凛「……そっか」

P「みんな、成長したんじゃないか?でも、あの頃のままずっと、前に向かって走っているからな」

P「……凛が一番成長したのは、みんなにいじってもらえるようになったところじゃないか?」

凛「えっ、ちょっと……どういうこと、プロデューサー?」

P「みんな、大したことなくても凛に話しかけたり絡んでいったりするだろ」

P「最初は皆、怖がってたらしいからな。そういうことをすると凛に避けられるんじゃないかって」

凛「……そうだったんだ」

P「仕方ないさ。でも、うちの事務所は凛に負けず劣らず個性的な子ばかりだったからな」

凛「うん。最初は私もびっくりしたよ」

38:2014/03/08(土) 21:55:26.20 :TvOaOW1R0

P「その中でも輝いていられるんだから、凛は今のままでいいんじゃないか?」

凛「……そっか」

P「凛は凛のままでいい、それだけだろ」

凛「うん。ずっと、私は私のまま……どこにだって、走り出すだけだもんね」

凛「ありがと、プロデューサー」

P「そうか。それじゃ、送ってくから帰る準備……」

凛「あのさ、プロデューサー。今日は遅くなるから晩ご飯いらないって、お母さんに伝えてきてるんだ」

P「おいおい……どこがいいんだ?」

凛「どこでもいいよ。どこでもいいからさ」

凛「早く私を連れ出してほしいな……なんてね」

40:2014/03/08(土) 21:57:10.07 :TvOaOW1R0

以上で終わりです

ありがうございました

元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394279976

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