【木下ひなたSS】ひなた「お嬢さん方」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/13(木) 04:08:23.35 ID:6w1tVzc80
ひなた「伊織お嬢さん、ハンケチ落としたよぉ」

伊織「あら、ありがと。そうだ、ひなたはもうお昼食べた?」

ひなた「ううん、これからだけども」

伊織「そ! じゃあ一緒にランチしましょ!」

ひなた「え、えへへ。あたしオベントこさえてきたから……」

伊織「そう? なら私も何か買って来るわ、一緒に食べましょ」

ひなた「うん、それじゃお茶入れて待ってるねぇ」

伊織「行ってきまーす」

ひなた「行ってらっしゃい、気を付けてねぇ」

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/13(木) 04:18:53.57 ID:6w1tVzc80
千鶴「あら、ひなた。ひなたもお昼ですの?」

ひなた「千鶴お嬢さんもかい? 伊織お嬢さんが帰って来たら一緒に食べるんだぁ」

千鶴「ふふっ、それでお茶の準備をしていたんですのね。そうだ、せっかくだから」

ひなた「これ、コロッケ……?」

千鶴「お裾分けですわ、余……げふん、頂き物ですが! わたくし一人では食べきれませんもの、二人でお分けなさいな」

ひなた「ありがとねぇ、千早お嬢さんにはお世話になりっぱなしだわぁ。いつかお礼せねば」

千鶴「お世話だなんてそんな大それたものじゃありませんわ、おーっほっほっほっほ……げほっこほ!」

ひなた「ん、精肉・二階堂……千鶴お嬢さんとおんなし名前だねえ」

千鶴「げふんげふんごっほかはっ! ぐっぐぐぐ偶然ですわね、おほ、おほほはほはほはほっではわたくしはこれで!」

ひなた「あ、お茶一杯くらい飲んでいけば……行っちゃったべさ」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/13(木) 04:30:59.26 ID:6w1tVzc80
伊織「ただいまー♪」

ひなた「おかえんなさい、伊織お嬢さん」

伊織「何抱えてるの? ふんふん、こんなにコロッケばっかりどうしたのよ」

ひなた「千鶴お嬢さんがお裾分けしてくれたんだぁ、二人ではんぶんこっこしなって」

伊織「って言ってもこの量……結構あるわよ?」

ひなた「だねぇ、こったらたくさんは余しちゃうべ」

貴音「すんすん、何やら心踊る香りが」

ひなた「貴音お嬢さんもお昼かい?」

伊織「あんた犬じゃないんだから……」

貴音「いえ、お昼は済ませましたが少々小腹に空きが」

ひなた「よかったらお一つ」

貴音「良いのですか? ではお言葉に甘えて」

伊織「一つと言わずに好きなだけ持って行きなさいよ」

貴音「なんと。いいえ、そのようなはしたない真似は」

ひなた「半袋で足りるかい?」

貴音「重畳!」

伊織「正直よねえ」

ひなた「お茶淹れるねぇ」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/13(木) 04:44:57.81 ID:6w1tVzc80
伊織「ねえ、給湯室が日に日に調味料の展示会みたいになって行ってるのって」

貴音「とんかつそぉす、ぽん酢、まよ醤油、いずれも甲乙付け難く……はふ、はむ」

ひなた「なまら美味しいねぇ」

伊織「はぐ……ほんとに美味しいわね。けど勝手に」

貴音「伊織、ひなた! こちらのそぉすもまた新世界の開けるような!」

ひなた「うんうん、あたしこんなの初めてだわぁ!」

伊織「……別にいいけど。あむ、怒られるのはあんた一人よ?」

貴音「もぐ、もく。律子嬢も小鳥嬢も、一度胃袋を掴んでしまえば後は他愛の無い物でした」

伊織「はむ、もう食べさせた後だったのね」

ひなた「癖になるねぇ、あたしこの味大好き!」

貴音「喜んで頂けて何より。もぐ」

伊織「一人でいくつ食べる気よ?」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/13(木) 05:06:35.94 ID:6w1tVzc80
ひなた「ふぅ、今日も一日けっぱったー」

ひなた「……毎日楽しくて面白くって、なんだかまだ夢でも見てるみたいだべ」

ひなた「東京はおっかないとこだって聞いてたけども、あっちゃもこっちゃも良い人ばっかりだわぁ」

ひなた「みんな、みーんな、優しくって、めんこくって、キラキラしてて」

ひなた「あたしなんかが……」

ひなた「……」

ひなた「せーの、えい!」

ひなた「っふはー、ちっと強く叩きすぎたべさ、ひりひりするー……けど、落ち込んでる場合じゃないべ!」

ひなた「もっとけっぱらねば。あたしと仲良くしてくれるお嬢さん方に、不細工なとこ見せられないっしょや!」

ひなた「じいちゃん、ばあちゃん、見ててねぇ。あたし、一等めんこくはなれなくても、一等性根のある子になっからね!」

おわり

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