1:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:10:34.13 ID:rEnfP9Ni0
―――事務所
薫「ラブレターを書きたい!」
舞「ラブレター?」
千枝「好きな人がいるんですか?」
薫「そうなの!今日学校でね!友達が『好きな人にはラブレターをあげるんだよ』って言ってて!」
薫「それでね!薫も書こうと思ったんだ!」
舞「えっと……誰に?」
薫「あいお姉ちゃんだよ!!」
2:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:12:44.97 ID:rEnfP9Ni0
千枝「それで、私達にラブレターの書き方を相談しようとしたんですか?」
薫「かおる、そういうの書いたことないから、みんなに聞いたら分かるかなって……」
舞「でも私もそういうの分からないかなあ……」
千枝「ありすちゃんとかなら相談に乗ってくれるかもしれません!」
舞「たしかに!」
薫「行ってみよー!!」
3:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:13:31.31 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
ありす「どうしたんですか?みんなでぞろぞろと」
晴「サッカーか?サッカーするか?」
薫「サッカーはしないよ!」
晴「何でだよサッカーしようぜサッカー」
ありす「話進まないんでサッカーは置いといてください」
舞「薫ちゃんが、ラブレターの書き方を教えて欲しいそうです」
ありす「ラ、ラブレター!?」
薫「ありすちゃん達なら分かるかなって!年上だし!」
ありす「えぇ……」
4:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:14:33.88 ID:rEnfP9Ni0
ありす(正直私だって上手な書き方を聞きたいくらいだけど……)
薫「……!」
ありす(こうも頼りにされると断りにくい……)
ありす「わ、分かりました、任せてください」
薫「ほんとぉ!?ありすちゃんありがとー!!」
ありす「ともかく、ラブレターという事で、より相手の興味を惹ける文章である事が好ましいです」
薫「うんうん!」
ありす「著名な小説家が好きな人に送ったとされるラブレターを参考にすると良いかもしれません」
晴「またゴーグルに頼るのかよ」
ありす「グーグルです」
5:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:15:20.73 ID:rEnfP9Ni0
ありす「探せば色々ある物です、太宰治やサン=テグジュペリ……」
晴「サンテグジュペリってサッカーチームみたいだな」
ありす「知りませんよ」
晴「ていうか見つけるのはえーな、何回も見たのかよ」
ありす「い、いいじゃないですかそんな事はどうだって……」
薫「とにかくこれと同じ事を書いてみればいいんだね!!」
千枝「丸写しはさすがに……」
薫「かおる、がんばりまーっ!」
舞「行っちゃった……」
6:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:16:06.03 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
千夏「あい、薫ちゃんからあなたに手紙を預かっているわよ」
あい「ほう、薫から。何て言っていたんだい?」
千夏「ラブレターだそうよ、お熱いわね」
あい「ふっ、からかわないでくれ……どれ、可愛い便箋だ」
あい「ふむ……」
『まこと愛するあいお姉ちゃんへ』
あい「えっ」
7:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:17:01.51 ID:rEnfP9Ni0
『ああ、ぜんせで君はかおるの妹か妻であった」
あい「お姉ちゃんじゃないのか」
『君こそはかおるの半身であることを、いつまでもそうであることを、いまにしていよいよはっきり感じる』
『かおるは一人の、自立した存在ではない。かおるの弱点はことごとく君によせかけてしまった』
あい「…………」
あい「返事を書かなくてはな」
8:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:17:51.93 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
唯「薫ちゃーん、あいさんからお手紙だよー☆」
薫「わっ!おへんじ来たんだ!」
唯「なになに~~?何のお手紙~~?」
薫「あのね、あいお姉ちゃんにラブレターを書いたんだ!」
唯「えーっ!薫ちゃん超大胆!唯もラブレター書いてみよっかな☆」
薫「えへへ……!何て書いてあるのかな!」
9:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:18:45.13 ID:rEnfP9Ni0
『薫へ、漢字の間違いが多かったので添削させてもらうよ』
薫「えっ」
『飛び出す部分、飛び出さない部分、とめ、はね、はらい、これらをしっかり意識するのが大切だ』
『だが薫の学年では習っていない漢字を使おうとしたのは立派だ。これからも頑張るんだよ』
『東郷あいより』
薫「…………」
薫「あいお姉ちゃんひどいよ!!!」
10:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:22:27.28 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
舞「ラブレターが添削されて返ってきた?」
薫「そうなの……漢字をたくさん間違えたんだって……」
ありす「ええ……?」
???「アンタそれ全然相手にされてないって事じゃないの!!」
薫「だぁれ!?」
梨沙「フンッ」
晴「お、梨沙じゃん」
11:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:23:27.36 ID:rEnfP9Ni0
梨沙「話は離れて聴かせて貰ってたわ!」
千枝「聞き耳立ててたんですか?」
晴「友達いねーのかよ」
ありす「素直に混ぜてと言えばいいのに」
梨沙「うっさい!なんで来た途端にdisられまくんなきゃならないのよ!」
晴「そもそも何しに来たんだ?」
梨沙「薫にラブレターの書き方を教えてあげに来たの!」
12:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:24:23.73 ID:rEnfP9Ni0
薫「わっ!梨沙ちゃんありがとう!」
梨沙「礼には及ばないわ!こんなガキンチョばっかじゃどうせロクな案も出てないんでしょ?」
晴「同い年だろ」
ありす「同い年じゃないですか」
梨沙「とにかく!アタシがパパに週に8回くらい書いてるラブレターを見せてあげるわ!これを参考にすれば楽勝よ!」
舞「週8って……」
ありす「さすがに引きますね」
梨沙「だまらっしゃい!!」
13:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:25:41.18 ID:rEnfP9Ni0
梨沙「ハイこれ!気持ちを伝えるなら勢いが大事よ!頑張りなさい!」
薫「うん!かおる頑張る!!じゃああっちで書いてくるね!!」
舞「また走って行っちゃった……」
千枝「漢字を間違えなければいいんですけど」
晴「……しかしなー梨沙がなー」
梨沙「何よ」
晴「意外と優しいんだなーお前」
梨沙「バ、バカ!!急に何言い出すのよ!!」
ありす「…………」
14:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:29:05.51 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
千夏「あい、またお手紙よ」
あい「フッ、さっきは混乱して添削をしてしまったからな、今回はしっかり返事をしよう」
千夏「本当に妬けるわね」
あい「君達ほどではないと思うがね、では手紙を読ませて貰おう」
『大好きなパパへ』
あい「パパ!?」
15:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:29:49.90 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
唯「薫ちゃ~~ん、お返事だよ~~~☆」
薫「やったぁ!!」
唯「今度はちゃんと気持ちに応えてくれたらいいよねー」
薫「うん!!読んでみるね!!」ビリッ
『薫へ、父の日はもう少し先の話だな』
薫「」
16:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:30:24.28 ID:rEnfP9Ni0
『お父さんへの手紙が間違って届いていたみたいだが、薫はとてもお父さん想いのようだ』
『家族を大切に想う気持ちは決して失ってはいけないよ、もちろんそんな心配はしていないけれどね』
『お父さんへのプレゼントを選びたいのであれば私も手伝うからね。薫の心を誇りに思うよ』
薫「まちがえた!!!!!!」
唯「間違えた!?」
薫「なまえ!!!!!!!!!」
17:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:31:43.27 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
梨沙「宛名をパパにしたぁ!?」
薫「そうなの……」
舞「それはあいさんもビックリするね」
千枝「どうしますか?」
晴「梨沙ー、別のラブレター見せてやれよ」
梨沙「無理よ……」
晴「なんでだよ?」
18:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:32:35.93 ID:rEnfP9Ni0
梨沙「だって手紙はほとんど同じ事しか書いてないし……」
晴「同じ内容の手紙毎日送ってんのかよ」
ありす「ほんとにドン引きしてますからね」
梨沙「一言多いのよアンタらは!!!!!」
薫「ごめんね……かおる、失敗しちゃった……」
梨沙「あ、いや、別にアンタが謝る事じゃ……」
???「あらあら、年下を泣かせるのは感心しませんわ」
19:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:33:11.53 ID:rEnfP9Ni0
梨沙「その声は……」
桃華「ごきげんよう♪」
舞「桃華ちゃん!」
桃華「どうやら恋文の書き方に困っている様子、わたくしが手伝ってあげてもよろしくてよ?」
梨沙「聞き耳立ててるなんてアンタも暇ね」
ありす「あなた人の事言えないでしょう」
晴「どいつも暇だな、オレも暇だよ」
20:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:34:00.13 ID:rEnfP9Ni0
薫「桃華ちゃんもてつだってくれるの!?」
桃華「ええ、こんなお子様ばかりでは大した案も出ないでしょうし」
晴「同い年だろ」
ありす「同い年じゃないですか」
梨沙「同い年でしょうが」
桃華「気品が違いますの」
梨沙「自分で言うワケ?」
21:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:34:40.47 ID:rEnfP9Ni0
千枝「桃華ちゃんは、どんなラブレターがいいと思いますか?」
桃華「うふふ……よくぞ聞いてくれました……」
桃華「高貴なる者に相応しい恋文……それは和歌ですわ!!」
晴「和歌ァ……?」
桃華「ええ!昔の方は31文字の和歌に想いを乗せて愛する人に届けていたそうです」
桃華「なんとロマンチックな……そんな事をされて気持ちが揺らがない人などいませんわ!!」
桃華「そんな訳で薫さん、わたくしの和歌選を貸してあげますから、これで恋文をお書きなさい」
薫「あ……ありがとう……」
22:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:35:20.65 ID:rEnfP9Ni0
ありす「(これ薫さん和歌の事分かってないパターンじゃないですか)」
晴「(つーかそもそも和歌ってギャグとかじゃねーのか!?本気か!?)」
梨沙「(完全に本気っぽいわね……どうすんのこれ……)」
薫「和歌……?」
千枝「俳句のちょっと長いヤツです……」
薫「まつしまや……」
桃華「わたくしの案に度肝を抜かれたようですが、頑張るんですのよ、薫さんならきっと大丈夫です」
薫「う、うん……頑張る……」
23:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:36:11.71 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
千夏「あい、お手紙の時間よ」
あい「フッ……次はお父さん宛てではないといいのだが……」
千夏「分かっているくせに、あなたも意地悪ね」
あい「私だって不安なんだ、そう苛めないでくれ。それでは読ませて貰おうか」
『橋姫の 心をくみて 高瀬さす
棹のしづくに 袖ぞ濡れける』
あい「和歌!?」
24:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:36:54.32 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
唯「薫ちゃ~~んお返事~~~」
薫「ぜったい漢字がまちがってるって書かれてる……」
唯「めっちゃネガティブじゃん!!しっかり!!」
薫「いいもん……かおる頭よくないし……」
唯「お返事読も!?ね!?」
薫「うん……」
『さしかへる 宇治の河をさ 朝夕の
しづくや袖を 朽たし果つらむ』
薫「…………どういう意味?」
唯「ゆいも分かんない」
25:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:38:03.72 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
梨沙「返事の意味が分からなかったぁ?」
薫「うん……」
梨沙「ありす、あんたが調べてやりなさいよ」
ありす「すいません、グラブルやりすぎてタブレットの電池が切れました」
梨沙「なんで肝心な時に使えないのよ!!」
ありす「しょうがないじゃないですか!!AP溢れる前に使っておきたいんです!!」
晴「桃華は分かるか?」
桃華「…………分かりませんわ!!」
梨沙「あんたもかい!!」
26:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:38:44.33 ID:rEnfP9Ni0
晴「どうするんだこれ……」
薫「……」
舞「……」
千枝「……」
ありす「……」
桃華「……」
梨沙「アンタ、ラブレターとか貰わないの?」
晴「は?」
27:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:39:27.28 ID:rEnfP9Ni0
梨沙「アンタは、ほら、割とイケメンじゃない、女子からもラブレター貰うんじゃないの?」
晴「えっ……まあ貰う事はあるけどよぉ、今日は6枚くらいだったかな」
梨沙「めっちゃ貰ってるじゃない!!何枚か見せなさい!参考にさせるわ!!」
晴「いやでもあんまそういうの人に見せるのよくねーだろ……」
梨沙「背に腹は代えられないわ!!薫が告白できなくてもいいワケ!?」
晴「そう言われると弱ぇんだけど……」
梨沙「じゃあ決まりね、勿論内容を言い触らしたりしない、それは約束するわ」
晴「分かったよ……」
28:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:41:20.15 ID:rEnfP9Ni0
梨沙「取り敢えずこれでいいわね」
晴「オレもまだ読んでねーからな?」
梨沙「開けるわよ」
『結城晴さんへ』
『愛しい人よ、あなたに出会う前、私はひとりで、どうやって生きていられたのでしょう』
ありす「っ!?」
千枝「どうしたんですか?」
ありす「い、いえ……」
29:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:42:39.66 ID:rEnfP9Ni0
『あなたなしでは、私の人生は人生ではありません』
『今、あなた以外の人はすべて、目に見えない壁の向こうにいるようでよそよそしく感じます』
桃華「ロマンチックですわ」
晴「ちょっと言ってる事が難しいな」
『あなたといる1時間は1分間のように感じられます、少しでも長く晴さんと一緒にいたい』
『お返事、待っています。いつまでも待てます」
『親愛なる晴さんへ、たちb「わああああああああ!!!!!!!!!」
晴「うわあああビックリした!!」
梨沙「どうしたのよありす!?」
ありす「やはり他人のラブレターを見るのはよくないです!!!!やめましょう!!!!」
30:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:43:14.40 ID:rEnfP9Ni0
梨沙「でも薫のラブレターを……」
ありす「何かを参考にしようと言うのが間違いだったんです!!」
ありす「好きの気持ちを伝えたいのなら!!!」
ありす「薫さん自身の言葉じゃなきゃ駄目だったんです!!!!」
梨沙「っ!!」
薫「ありすちゃん……」
31:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:44:02.21 ID:rEnfP9Ni0
桃華「……わたくし、橘さんの言葉に感激いたしましたわ」
桃華「気持ちとは言葉、それを借り物で繕っても、相手には響きません」
桃華「目が醒めた思いです!!感謝致します!!!」
晴「いい事いうなお前!!」
梨沙「アンタの言う通りね」
千枝「ありすちゃんかっこいいです!」
舞「素敵ですね!!」
ありす「えっあっ、まあ、それほどでも……」
32:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:44:40.25 ID:rEnfP9Ni0
薫「かおる、がんばる!!自分だけでラブレター書いてみるね!!」
梨沙「薫ならできるわ、頑張りなさい」
桃華「応援していますわ」
薫「ありがとう!がんばりばーっ!!」
晴「行っちまったな」
千枝「今の薫ちゃんなら、きっと……」
舞「大丈夫だねっ!」
33:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:45:18.43 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
千夏「はい、お手紙」
あい「毎度毎度済まないね、君にも唯にも」
千夏「構わないわ、それより……」
あい「?」
千夏「薫ちゃんの顔、さっきとは少し違ったわ」
あい「……ふふ」
あい「そうか、それは読むのが楽しみになってきたよ」
34:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:45:50.91 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
薫「お返事まだかな……」
ガチャ
薫「あっ唯ちゃ――」
あい「薫」
薫「あ、あいお姉ちゃん!?」
あい「手紙、読ませて貰ったよ」
薫「あ、う……また漢字まちがってた……?」
35:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:46:22.38 ID:rEnfP9Ni0
あい「そうだね、いくつかは」
薫「しっぱいしちゃった……」
あい「でも」
薫「……?」
あい「薫の言葉が、薫の気持ちが、きちんと伝わったよ」
あい「だから、そのお礼を言いにきたんだ」
薫「お礼……」
36:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:47:00.46 ID:rEnfP9Ni0
あい「薫に会って、今まで沢山のお仕事を一緒にやってきたね」
あい「元気な薫の姿には何度も勇気づけられた」
あい「薫がいるから、手本になれるように頑張れるんだ」
あい「私も薫を世界一大切に思っているよ」
あい「手紙、本当にありがとう。私もその気持ちに応えたいと思う」
薫「……?」
あい「……」
薫「……!」
37:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:47:32.28 ID:rEnfP9Ni0
舞「……おでこにチューした……」
千枝「すごいです……」
桃華「盗み見なんて良くないですわ」
梨沙「アンタもガン見じゃない」
ありす「本当にみんな暇ですね」
晴「でもすげーな……」
39:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:48:07.11 ID:rEnfP9Ni0
・・・・
千夏「あら、満足そうな顔じゃない」
あい「そう見えるかい?」
千夏「手紙を読んだら何も言わずに行ってしまうんだもの」
あい「そうしなければいけないと思ったからね」
千夏「どんなお手紙だったの?」
あい「そうだね……漢字の間違いが沢山あって――」
41:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:48:40.34 ID:rEnfP9Ni0
あい「――ふふ、何て書いてあったかは、内緒にさせて貰うよ」
千夏「そう、それなら別にいいわ」
あい「気になるんじゃないのかい?」
千夏「あなたの顔を見れば大体分かるからよ」
千夏「とても、素敵なお手紙だったんでしょう?」
あい「……その通りさ」
42:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:49:33.27 ID:rEnfP9Ni0
『あいお姉ちゃんへ』
『ラブレターの書き方がわからなくて、いろんな人に手伝ってもらって、まねをしました』
『でも、ありすちゃんがかおるの言葉じゃないとだめと言ったので、そうします』
『あいお姉ちゃんはいつもかっこよくて、かおるがこまった時は助けてくれます』
『大人になったらあいお姉ちゃんのような人になりたいです』
『かおるはまだ子供だし、あいお姉ちゃんみたいにかっこよくないけど』
『かおるはあいお姉ちゃんが大好きです、世界一大すきです』
『かおるより』
おわり
43:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:50:17.68 ID:rEnfP9Ni0
おまけ1
唯「ちなったん、ちなったん」
千夏「どうしたの?」
唯「ラブレター、素敵だよね」
千夏「そうね」
唯「……」
千夏「……」
45:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:50:51.56 ID:rEnfP9Ni0
唯「ラブレター、貰ったらどんな気持ちなのかなー」
千夏「あなた学校とかで沢山貰うんじゃないの?」
唯「ウグッ……そうだけどさ……」
千夏「……フフッ」
唯「え、なに?」
千夏「からかって悪かったわ、はい、お手紙」
唯「ちなったん……!」
47:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:51:47.49 ID:rEnfP9Ni0
千夏「あの2人を見てたら私も書きたくなったのよ」
唯「ちなったん大好き!!はいお返事のお手紙!!!」
千夏「えっ、もうお返事?」
唯「書いてくれるって信じてたから!お返事書いてたんだよね☆」
千夏「しょうがないわね……でも、ありがとう」
唯「ゆいこそありがとう!!大好きだよ!!」
48:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:52:24.28 ID:rEnfP9Ni0
おまけ2
『本日、あなたのお山をお迎えにあがります。愛海より』
清良「これラブレターじゃなくて予告状じゃない、怪盗の」
愛海「ごめんなさいごめんなさい!!嘘だから!嘘だから!!!」
清良「愛海ちゃんの首筋ってとっても綺麗ね……頂いちゃおうかしら」
愛海「注射はやめてえええええええええ!!!!!」
49:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:53:06.51 ID:rEnfP9Ni0
おまけ3
ありす「好きの気持ちを伝えたいのなら自分の言葉じゃなきゃ駄目……」
ありす「自分に気付かされる事もあるんですね」
ありす「しかし、何とか自分のラブレターは回収できてよかったです」
ありす「……」
ありす「自分の言葉、か……」
ありす「尻込みしてちゃ、駄目ですよね」
『結城晴さんへ』
おわり
51:◆jjEzShkDDk:2015/05/05(火) 18:55:56.34 ID:rEnfP9Ni0
終わりです!!!ありがとね!!!!久々で緊張した!!!!
過去作は
西園寺琴歌「激論!朝までそれ可愛い」
姫川友紀「冬の朝にキャッチボールを」
城ヶ崎美嘉「これ入れ替わってるー!?」
北条加蓮「正妻選手権だって」
多田李衣菜「事務所で一番可愛い子って」
木村夏樹「だりー、ライブどうだった?」
白菊ほたる「スキヤキソング」
棟方愛海「ノーブラオブリゲーション」
です!!
和歌の意味は忘れたから聞かないで!!
52:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/05/05(火) 18:57:09.00 ID:DnWnE8bK0
乙
53:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/05/05(火) 19:37:14.50 ID:tBsK7po9o
みんなが可愛すぎてニヤニヤが止まらんぞ!